●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-5.IV.7:1 ~ T-5.IV.8:15

7. The Atonement gives you the power of a healed mind, but the power to create is of God. 
  • atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、償い、補償」
❖ "The Atonement gives ~ "「贖罪はあなたに、ヒーリングされた心の力を与える」。贖罪は心をヒーリングし、力を与える。"but the power ~ "「しかし、創造する力は神のものである」。贖罪によって心は創造の力を蘇らせるが、その力は心が単独でもっている力ではなく、神由来の力である。贖罪によって心が浄化し、神の息吹が心に吹き込まれる。その神の息吹は創造の力であり、あなたの心は神の創造の力に満たされる。



Therefore, those who have been forgiven must devote themselves first to healing because, having received the idea of healing, they must give it to hold it. 
  • forgiven [ərgívn] : 「forgive の過去分詞」
  • forgive [fərgív] : 「許す、容赦する」
  • devote [divóut] : 「〜をささげる、充てる、向ける」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る」
  • hold [hóuld] : 「 維持する、保持する、持続する」
❖ "Therefore, those ~ "「したがって、(贖罪によって)赦された者はまず第一に、自らをヒーリングに向けなくてはならない」。"because, having ~ "「なぜならば、ヒーリングの考えを受け入れたからには、それを保持するためにヒーリングを(他者に)与えなければならないからだ」。贖罪を果たした者は、自らヒーリングを受けただけにとどまらず、他者をも贖罪させ、ヒーリングを施さなくてはならない。なぜなら、あなたと他者は自体一如であり、あなたのみの贖罪も他者のみの贖罪も実相的にはあり得ないからだ。簡単に言えば、贖罪は分かち合わなければ意味がない、ということ。



The full power of creation cannot be expressed as long as any of God's ideas is withheld from the Kingdom. 
  • full [fúl] : 「いっぱいの、満ちた、全面的な」
  • express [iksprés] : 「〜を表現する、言い表す」
  • as long as : 「〜する限りは、〜である限りは」
  • withhold [wiðhóuld] : 「与えないでおく、差し控える」
  • be withheld from : 「〜に与えない、〜に対して控える」
❖ "The full power ~ "「創造の十全な力は、〜である限りにおいて、表現され得ない」。"as long as any ~ "「いかなる神の思考も王国に与えないでおいては、」表現され得ない。天の王国は、あなたから分離したはるか彼方にあるのではなく、あなたの心の中にある。したがって、神の想念(愛)があなたの心(の中の王国)に与えられない状態では、創造の力をフルに発揮することは出来ない、ということ。創造は、あなたの心に吹き込まれる神の息吹、神の愛によって十全のパワーを発揮する。



The joint will of the Sonship is the only creator that can create like the Father, because only the complete can think completely, and the thinking of God lacks nothing. 
  • joint [dʒɔ́int] : 「共有の、共同の、連合の」
  • will [wíl] : 「意欲、意志、精神力」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
  • complete [kəmplíːt] : 「全部そろった、完全な」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に」
  • lack [lǽk] : 「〜を欠く、〜が欠けている、足りない」
❖ "The joint will ~ "「神の子の結合した意思こそ、父なる神のように創造できる唯一の創造者である」。"because only ~ "「なぜならば、完璧な者だけが、完璧に考えることが出来るのであり、神の考えは何も欠くことはない」。神の子の結合した意思とは、統一された一なる心(Mind)のこと。分離分裂した多数の神の子が単一の神の子として再統一されるとき、神の子は完璧な神と同等の完璧な創造性を蘇らせる。



Everything you think that is not through the Holy Spirit is lacking.
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て」
  • lacking : 「不足して、欠けている、欠ける」
❖ "Everything you think ~ "「ホーリー・スピリットを通さずにあなたが考えることのすべては、欠けたものである」。エゴの思考システムに支配されたあなたが単独で考えれば、二項対立する事象の評価判断に偏り、信頼性は確保出来るとしても正当性に欠けたものになる可能性が高い。完璧な叡智をもって考えることの出来るホーリー・スピリットに委ねるべきなのだ。考えるな、と言っているのではなく、あなたの単独の考えには限界があり誤りが多く含まれる可能性があるのだと認識する必要がある、ということ。



8. How can you who are so holy suffer? All your past except its beauty is gone, and nothing is left but a blessing. 
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • suffer [sʌ́fə(r)] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
  • past [pǽst] : 「過去、過去形、過去時制」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
  • left : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜をそのままにしておく」
  • blessing [blésiŋ] : 「神の恵み、喜ぶべきこと、恩恵」
❖ "How can you ~ "「これほど神聖なあなたがどうして苦しむことがあろうか」。"All your past ~ "「美しいものを除いてすべての過去は過ぎ去ってしまったし、神の祝福を除いて何も残っていない」。悪夢に苦しむ必要はないし、過去さえも幻想に過ぎず、完全に無辜(むこ)なるあなたは美しい神の子である。神が神聖なあなたを祝福しないわけがない。



I have saved all your kindnesses and every loving thought you ever had. 
  • save [séiv] : 「確保しておく、取っておく、残しておく」
  • kindness [káin(d)nəs] : 「親切、親切心、思いやり」
❖ "I have saved ~ "「私は、あなたが親切であったことのすべてを、そしてあなたが心に抱いた愛情のこもった思いのすべてを取って残している」。あなたの真実は消え去ることなく、ちゃんと記録に残される。ACIM原典であるUrtextには"Records"という言葉が度々書かれており、いわばあなたの『成績表』あるいは『勘定書』のような意味合いがある。あなたの所業のすべてが記録されるのだが、あなたの誤りは、それが贖罪されれば取り消しにされ、記録に残らないとある。だから、中間成績ではなく、最終成績が問題だという。そして、イエスは、あなたは必ず合格するはずだと保証している。
蛇足になるが、"Records"という言葉は、コース学習用のACIMではそのすべてが切り捨てられた。理由は定かでないが、アカシック・レコードを連想させるものだからかもしれない。ヘレンは、この種の思想を受け付けなかった。転生も然りである。



I have purified them of the errors that hid their light, and kept them for you in their own perfect radiance. 
  • purify [pjúərəfài] : 「〜を浄化する、〜を清める」
  • purify A of B : 「AからBを取り除く」
  • hid [híd] : 「hide の過去・過去分詞形」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • perfect [pə́ːrfikt ] : 「完ぺきな、完全な」
  • radiance [réidiənsi] : 「輝き、光輝、放射輝度」
❖ "I have purified ~ "「私はそれらを浄化し、輝きを隠していた誤りを取り除いた」。それらとは、あなたの親切や愛情ある思い。"and kept them ~ "「そして、それら自体の完璧な光輝の中に、あなたのためにそれらを保持しておいた」。あなたの真実は、どんなに誤りがそれを黒雲で隠そうとしても無理である。ホーリー・スピリットであるイエスは、黒雲を取り除き、あなたの真実の放つ光を回復させた。



They are beyond destruction and beyond guilt. They came from the Holy Spirit within you, and we know what God creates is eternal. 
  • beyond [bijɑ́nd] : 「〜の向こう側に、〜を越えて」
  • destruction [distrʌ́kʃən] : 「破壊、破滅、破棄」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の」
❖ "They are beyond ~ "「それらは破壊を越えるものであり、罪を超越するものである」。それらとは、あなたの親切や愛情ある思い。破壊を越えるとは、永遠不滅であるということ。罪を超越するとは、善悪の彼岸を越えるということ。真実は永遠不変であり、破壊も幻想も超越する。"They came from ~ "「それらはあなたの中のホーリー・スピリットからやって来た」。"and we know ~ "「そして、私たちは神が創造したものは永遠であると知る」。



You can indeed depart in peace because I have loved you as I loved myself. You go with my blessing and for my blessing. 
  • indeed [indíːd] : 「 実に、本当に、確かに」
  • depart [dipɑ́ː(r)t] : 「出発する、旅立つ」
  • in peace :「平和に、平安に、安らかに、安心して」
  • blessing [blésiŋ] : 「祝福、恩恵、幸運」
❖ "You can indeed ~ "「私が私自身を愛したように私はあなたを愛してきたので、あなたは安心して本当の旅立ちが出来る」。"You go with ~ "「あなたは、私の祝福を伴って、また私の祝福のために、歩を進める」。神への回帰の道を歩み出すのである。あなたに同伴してくれるのはイエス(ホーリー・スピリット)である。そして、旅の道連れを互いに祝福し合い、喜び合うのだ。なぜなら、神への回帰の旅は喜びそのものだから。



Hold it and share it, that it may always be ours. I place the peace of God in your heart and in your hands, to hold and share. 
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
❖ "Hold it and ~ "「それを保持し、分かち合うようにしなさい」。それとは、イエスの祝福、旅のサポート、あるいは喜び。"that it may ~ " ここの"that"は"so that"「〜できるように 、〜するために」、「それがいつも私達のものであるようにするために」。"I place the peace ~ "「私は神の平和をあなたの胸、あなたの手に置く」。"to hold and ~ "「(あなたがそれを)保持し、分かち合うために」。簡単に言えば、いつでもイエスがあなたの側にいて、神の平和をあなたに与えてくれる、ということ。



The heart is pure to hold it, and the hands are strong to give it. We cannot lose. 
  • pure [pjúər] : 「純粋な、清潔な、清らかな」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、喪失する、なくす」
❖ "The heart is ~ "「その胸は私の祝福を保持するのに純粋であるし、」"and the hands are ~ "「そして、その手は私の祝福を与えるのに強靭である」。"We cannot lose"「私達は失うことはない」。あなたの胸が純粋で、あなたの手が力強い限りにおいて、あなたはイエスが与えてくれる神の平和を失うことはない。



My judgment is as strong as the wisdom of God, in whose heart and hands we have our being. 
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、分別」
  • wisdom [wízdəm] : 「賢明さ、英知、知恵、知識」
  • being [bíːiŋ] : 「存在、実在、生存」
❖ "My judgment is ~ "「私の判断力は神の智慧と同じくらい力強い」。イエスの判断は、あなたの頭脳による判断とは異質である。レベルが違う。イエスの判断は叡智による直覚によってなされ、あなたの判断は理性によるものだからだ。"in whose heart ~ "「そして、神の胸と手の中に私達が存在する」。私達の命は神の心と手の中にある。



His quiet children are his blessed Sons. The Thoughts of God are with you.
  • quiet [kwáiət] : 「静かな、静粛な」
  • blessed [blésid] : 「祝福された、神聖な、聖なる」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考えること、思考、考え」
❖ "His quiet children ~ "「神の、もの静かな子は、神が祝福する子である」。"The Thoughts of ~ "「神の思考はあなたと共にある」。神の思考とあるが、もちろん、神の愛のことである。神の真実と言ってもいいし、神の叡智と言ってもいい。神にとって、愛も真実も叡智もすべて同一である。そして、神の子はそのすべてを神から継承した。あなたの本当の心は、神の思考なのだ。
 
 
 



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