I. The Message of the Crucifixion
磔刑が伝えること
1. For learning purposes, let us consider the crucifixion again. I did not dwell on it before because of the fearful connotations you may associate with it.
- learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨」
- consider [kənsídər] : 「〜と考える、〜を考慮する」
- crucifixion [krùːsəfíkʃən] : 「十字架刑、磔刑」
- dwell [dwél] on : 「〜を長々と話す、〜について深く論じる」
- fearful [fíərfl] : 「恐ろしい、ものすごい、ゾッとする」
- connotation [kὰnətéiʃən] : 「含意、言外の意味、暗示するもの」
- because of : 「〜のために、〜のせいで」
- associate [əsóuʃièit] with : 「〜で〜を連想する、思い出す」
❖ "For learning purposes ~ "「学ぶ目的のために、もう一度磔刑を考えてみることにしよう」。"I did not dwell ~ "「以前は、それについて深く論じなかった」。"because of the ~ "「あなたが磔刑で連想する恐ろしい含意のために」。"connotations"の後ろに関係代名詞"that"を補ってやるといい。磔刑と聞くと恐ろしいイメージを持ってしまうから、以前はそれに関して深く論じなかった、ということ。
The only emphasis laid upon it so far has been that it was not a form of punishment. Nothing, however, can be explained in negative terms only.
- emphasis [émfəsis] : 「強調、重要性、重要視」
- laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
- lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
- so far : 「今までのところ」
- punishment [pʌ́niʃmənt] : 「罰すること、罰、刑罰」
- explain [ikspléin] : 「〜を説明する、明らかにする」
- in ... terms : 「〜の言葉で、〜によって、〜の点から」
- negative [négətiv] : 「後ろ向きの、否定的な、悲観的な」
❖ "The only emphasis ~ "「これまで、磔刑について強調した唯一のことは、それは刑罰の形ではなかったということである」。以前イエスは、磔刑は犠牲ではないと述べていた。神が神の子に犠牲を強いることは断じてない。"Nothing, however ~ "「しかしながら、何事も、ネガティブな面からだけでは説明がつかない」。
There is a positive interpretation of the crucifixion that is wholly devoid of fear, and therefore wholly benign in what it teaches, if it is properly understood.
- positive [pɑ́zətiv] : 「積極的な、前向きの、建設的な」
- interpretation [intə̀ːrprətéiʃn] : 「解釈、説明、解説」
- wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として」
- devoid [divɔ́id] : 「欠いている、欠けている」
- be devoid of : 「〜を持っていない、〜を欠いている 」
- benign [bənáin] : 「良性の、親切な、恵み深い、優しい」
- properly [prɑ́pərli] : 「適切に、適当に、程よく」
❖ "There is a positive ~ "「〜であるようなポジティブな磔刑の解釈もある」。"that is wholly ~ "「まったく恐れを含まず、したがって、磔刑が教える内容がまったく恵みに満ちている」解釈もある。"if it is properly ~ "「もし、磔刑が適切に理解されるならば」。
2. The crucifixion is nothing more than an extreme example. Its value, like the value of any teaching device, lies solely in the kind of learning it facilitates.
- nothing more than : 「〜にすぎない、〜でしかない」
- extreme [ikstríːm] : 「極端な、極度の、過激な」
- example [igzǽmpl] : 「例、実例、実施例」
- value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
- device [diváis] : 「機器、装置、道具、発明品」
- lie [lái] : 「横たわる、寝る、横たわっている」
- lie in : 「〜にある」
- solely [sóulli] : 「もっぱら、ただ一人で、一人だけ」
- kind [káind] : 「種類、質、性質、本質」
- facilitate [fəsílətèit] : 「手助けする、促進する」
❖ "The crucifixion is ~ "「磔刑は極端な実例以上のものではない」。"Its value, like ~ "「その価値は、いかなる学びの補助装置の価値同様、もっぱら、それが手助けする学びの種類にある」。実例は学びの補助装置の一つである。その価値は、実例を通して何を学べるかという点にある。磔刑をネガティブにとらえるか、ポジティブにとらえるかで、学びの価値が決まる。
It can be, and has been, misunderstood. This is only because the fearful are apt to perceive fearfully.
- misunderstand [mìsʌ̀ndərstǽnd] : 「誤解する、取り違える」
- fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
- be apt to : 「〜しがちである、〜する傾向がある」
- perceive [pərsíːv] : 「〜に気付く、知覚する」
- fearfully [fíərfli] : 「恐れて、恐ろしいほどに、ひどく」
❖ "It can be, ~ "「磔刑は誤解され得るし、また、誤解されてきた」。"This is only ~ "「これは、ひとえに〜だからである」。"because the fearful ~ "「恐れを抱いている人は恐ろしいと知覚しがちだからである」。"the fearful"は"the + 形容詞"で、「〜な人」。簡単に言えば、怖がり屋は何でも怖がる、ということ。つまり、対象が恐ろしいのではなく、受け取る本人のとらえ方に問題がある。もし、幻想に過ぎない恐れを抱いていないなら、磔刑の解釈はまったく違ったものになる。
I have already told you that you can always call on me to share my decision, and thus make it stronger.
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
- call on : 「呼び掛ける、求める、〜に頼む」
- decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心」
- strong [strɔ́ːŋ] : 「力強い、強力な、強い、力がある」
❖ "I have already ~ "「私はすでに、あなたにthat以下を言った」。"that you can ~ "「あなたはいつでも私を呼び出して、私の決心を分かち合えるのだ」と言った。"and thus make ~ "「そして、その決心をより強く出来るのだ」と。"my decision"とは、イエスが私達を教え導くという決意。だから、私達がイエスから学ぼうとすることが、"to share my decision"「イエスの決心を分かち合う」ことになる。したがって、何も恐れることなく、磔刑についてイエスから学べばいい。
I have also told you that the crucifixion was the last useless journey the Sonship need take, and that it represents release from fear to anyone who understands it.
- last [lǽst] : 「終わりの、最後の」
- useless [júːsləs] : 「無益な、無用な、無駄な」
- journey [dʒə́ːrni] : 「旅、行路」
- represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、意味する」
- release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除」
❖ "I have also ~ "「私はまた、that以下もあなたに言った」。"that the crucifixion ~ "「磔刑は、神の子がやらねばならなかった最後の無益な旅であった」と。"and that it ~ "「そして、磔刑は、それを理解する誰にとっても、恐れからの開放を意味するのだ」とも言った。ここに、『磔刑=復活』という等式が現れてくる。
While I emphasized only the resurrection before, the purpose of the crucifixion and how it actually led to the resurrection was not clarified then.
- while [hwáil] : 「〜なのに、〜ではあるものの、〜だが」
- emphasize [émfəsàiz] : 「〜を強調する、重要視する」
- resurrection [rèzərékʃən] : 「復活、生き返り、よみがえり」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、意向」
- led [léd] : 「lead の過去・過去分詞形」
- lead [líːd] : 「〜に通じている、ある結果に至る」
- clarify [klǽrifài] : 「〜を明確にする、はっきりさせる」
❖ "While I emphasized ~ "「以前、私は復活についてのみ強調したのだが、」"the purpose of ~ "「磔刑の目的と、それが実際どのように復活につながっていくかについて、その時は明確にしなかった」。
Nevertheless, it has a definite contribution to make to your own life, and if you will consider it without fear, it will help you understand your own role as a teacher.
- nevertheless [nèvərðəlés] : 「それにもかかわらず」
- definite [défənət] : 「明確な、的確な、確かな」
- contribution [kὰntrəbjúːʃən] : 「貢献、寄付、寄与」
- make a contribution to : 「〜に寄与する、〜に貢献する」
- consider [kənsídər] : 「よく考える、熟考する、考慮する」
- role [róul] : 「役、役目、役割、任務」
❖ "Nevertheless, it has ~ "「それにもかかわらず、それはあなたの人生にとって確かな寄与となる」。それとは、以前あまり詳しくは説明しなかった磔刑と復活の話し。"and if you will ~ "「そして、あなたが恐れを抱かずにそれをよく考えようとするならば、」"it will help ~ "「それは、あなたが教える者としての自己の役割について理解する手助けとなってくれるだろう」。学んだ後は教えることになるのだが、その時、あなたは何を教える役割を担っているのか、その理解を深めることが出来るはずだ。