Chapter 6
The Lessons of Love
愛のレッスン
Introduction
1. The relationship of anger to attack is obvious, but the relationship of anger to fear is not always so apparent.
- relationship [riléiʃnʃìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い」
- relationship to : 「〜との関係」
- anger [ǽŋgər] : 「怒り、憤り」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃 」
- obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、明白な、分かりきった」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖 」
- always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、相変わらず」
- apparent [əpǽrənt] : 「明らかな、明白な」
❖ "The relationship of ~ "「攻撃性に対する怒りの関連性は明白であるが、」"but the relationship ~ "「しかし、恐れに対する怒りの関連性は、いつもそれほど明白だとは限らない」。他者から攻撃されれば容易に怒りを覚えるだろうが、恐れを感じたとき、それが怒りを生み出すことはなかなか気付かない。理由は次に書かれている。
Anger always involves projection of separation, which must ultimately be accepted as one's own responsibility, rather than being blamed on others.
- involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う」
- projection [prədʒékʃən] : 「投射、投影、射影」
- separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、離脱」
- ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「結局のところ、最後に、ついに」
- accept [əksépt] : 「承認する、承服する、認める」
- responsibility [rispɑ̀nsəbíləti] : 「責任、義務、責務」
- blame [bléim] : 「非難する、とがめる、責める」
❖ "Anger always ~ "「怒りはいつも分離の投影を伴っている」。怒りは、怒りを向ける対象が必要であって、その対象は分離によって生じた投影だということ。実相的には自他一如である他者を、神の子は外部世界に投影して作り出し、他者を分離した存在に仕立て上げる。"which must ultimately ~ "「それは、他者に責任をかぶせるというよりはむしろ、究極的には自分自身の責任なのだと受け入れねばならない」。他者が攻撃してくると怒りを覚えるのだが、その責任は攻撃する他者にあるというより、他者を投影によって作り出した本人にある。
恐れの原型は、神の子が神を裏切って神から分離し、神が神の子の裏切りに対して報復をするだろうという恐れである。神の子は恐れに耐えきれなくなり、自己を乖離して自分以外の他者を作り出す。これが分離の始まりである。そこで、神の子は自分の罪の意識を無意識的に外部に投影し、悪いのは自分ではなく他者であるとする。しかし、そもそもの責任は神の子自身にあるのであって、他者ではない。神からの分離、それに続く心の分裂、罪悪感、罪、罰への恐れ、等々はすべて『私』から出発したことであって、責任は自分にあるわけだ。つまり、独り芝居の責任はそれを演じている『私』にある。
Anger cannot occur unless you believe that you have been attacked, that your attack is justified in return, and that you are in no way responsible for it.
- unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
- occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる」
- justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当化する」
- in return [ritə́ːrn] : 「返礼として、お返しに」
- in no way : 「少しも〜ない」
- responsible [rispɑ́nsəbl] : 「責任がある、責任を負うべき」
❖ "Anger cannot occur ~ "「怒りは、あなたがthat以下を信じていない限り起きることはない」。"that you have ~ "「あなたは攻撃されたのであり、」"that your attack is ~ "「あなたの攻撃はその報復として正当化されるし、」"and that you are ~ "「あなたはそれに対していささかも責任がない」と信じない限り怒りは起き得ない。
Given these three wholly irrational premises, the equally irrational conclusion that a brother is worthy of attack rather than of love must follow.
- given [gívn] : 「〜と仮定すると、〜を考えると」
- wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として」
- irrational [irǽʃənl] : 「不合理な、分別のない」
- premise [prémis] : 「前提、仮定」
- equally [íːkwəli] : 「等しく、平等に、同等に」
- conclusion [kənklúːʒ(ə)n] : 「結論、決定、結末、結果」
- worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、〜するに足りる」
- follow [fɑ́lou] : 「次に起こる、〜ということになる」
❖ "Given these three ~ "「これら3つの完全に不合理な仮定を与えられれば、」"the equally irrational ~ "「(相手の)同胞は愛よりも攻撃に値するという、同様に不合理な結論がそれに続くに違いない」。恐れ、攻撃、怒り、この3つは独り芝居の3要素であり幻想である。でっち上げられた3要素が現実的に存在するという仮定は、まったく不合理である。それによって演じられる独り芝居は、他者を愛するよりは攻撃するに値するという、まったく不合理な結論に達する。
What can be expected from insane premises except an insane conclusion? The way to undo an insane conclusion is to consider the sanity of the premises on which it rests.
- expect [ikspékt] : 「予期する、期待する」
- insane [inséin] : 「正気でない、愚かな、非常識な」
- except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に 」
- undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
- consider [kənsídər] : 「〜をよく考える、〜を熟考する」
- sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
- rest [rést] : 「ある、置かれている、休む、休息する」
❖ "What can be ~ "「正気でない結論以外に、正気でない仮定からいったい何が期待できるであろうか」。"The way to undo ~ "「正気でない結論を取り消す方法は、結論が依存する仮定の正当性を考えることである」。
You cannot be attacked, attack has no justification, and you are responsible for what you believe.
- justification [dʒʌ̀stəfikéiʃən] : 「正当化」
- be responsible for : 「〜に対して責任がある」
❖ "You cannot be ~ "「あなたは攻撃され得ないし、攻撃はまったく正当化できない」。"and you are ~ "「そして、あなたは、あなたが信じていることに責任があるのだ」。
2. You have been asked to take me as your model for learning, since an extreme example is a particularly helpful learning device. Everyone teaches, and teaches all the time.
- take [téik] : 「〜を解釈する、理解する、見なす」
- model [mɑ́dl] : 「手本、ひな型、見本、模範」
- learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習 」
- since [síns] : 「〜なので、〜だから」
- extreme [ikstríːm] : 「極端な、極度の、過激な」
- example [igzǽmpl] : 「例、実例、用例」
- particularly [pərtíkjələrli] : 「特に、特別に、殊に」
- device [diváis] : 「機器、装置、道具」
- all the time : 「四六時中、ひっきりなしに」
❖ "You have been ~ "「あなたは、私(イエス)を、あなたの学習のためのモデルとして理解するように求められ続けてきた」。"since an extreme ~ "「それというのも、極端な事例は特に有用な学びの補助装置だからである」。イエスの生涯は極端な事例ではあるが、学びにとっては有用だ。"Everyone teaches ~ "「誰もが教えてくれるし、いつでも教えている」。学ぶ気持ちさえあれば、イエスに限らず、誰でもあなたに教えてくれる。
This is a responsibility you inevitably assume the moment you accept any premise at all, and no one can organize his life without some thought system.
- responsibility [rispɑ̀nsəbíləti] : 「責任、義務、責務」
- inevitably [inévətəbli] : 「不可避的に、必然的に、必ず」
- assume [əsjúːm] : 「引き受ける、負う、〜と仮定する」
- moment [móumənt] : 「瞬間、現在、時、時期」
- the moment [móumənt] : 「〜するとすぐに」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、受け入れる」
- premise [prémis] : 「前提、仮定」
- at all : 「とにかく、仮にも、いやしくも」
- organize [ɔ́ːrgənàiz] : 「〜を組織化する、体系化する」
❖ "This is a responsibility ~ "「教えることは、あなたが必然的に負うことになる責任である」。学んだ後には、今度は責任をもってそれを教える立場に立つ。"the moment you ~ "「あなたが、ともかく、何かの前提を受け入れた瞬間に」。何を学ぶか、それを選択し受け入れたとき、あなたにはそれを教える責任が生まれる。"and no one ~ "「そして、誰も、何らかの思考システムなしに生活を組織化することは出来ない」。何らかの思考システムを受け入れた瞬間から、それを前提として、他者にそれを教えるという責任が生じる。そこで、エゴの思考システムを受け入れるか、ホーリー・スピリットの思考システムを受け入れるか、それによってあなたの生き方の組織化はまったく別物になってしまう。
Once you have developed a thought system of any kind, you live by it and teach it.
- once [wʌ́ns] : 「いったん〜すると、ひとたび〜すれば」
- develop [divéləp] : 「開発する、作り上げる、発達させる」
- of any kind : 「いかなる種類の」
- live by : 「〜に従って生きる、〜を生活の指針とする 」
❖ "Once you have ~ "「いかなる種類のものであれ、ひとたび思考システムを発達させなら、」"you live by it ~ "「あなたはそれに従って生きるであろうし、それを教えることになる」。
Your capacity for allegiance to a thought system may be misplaced, but it is still a form of faith and can be redirected.
- capacity [kəpǽsəti] : 「能力、潜在的な可能性」
- allegiance [əlíːdʒəns] : 「忠誠、忠実」
- misplaced : 「根拠のない、見当違いの」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、種類、型」
- faith [féiθ] : 「自信、信念、確信、信仰」
- redirect [ridərékt] : 「方向を変える、向け直す」
❖ "Your capacity for ~ "「あなたの、ある思考システムに忠実である能力は、方向違いかもしれない」。"but it is still ~ "「しかし、なお、それは信念の形をとっているし、方向を変えることは可能だ」。今あなたはエゴの思考システムに忠実な立場をとっているかもしれないが、それをホーリー・スピリットの思考システムに変えることは出来る。