2. What the ego makes it keeps to itself, and so it is without strength. Its existence is unshared. It does not die; it was merely never born.
- keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
- to oneself : 「自分だけに、独占して」
- strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
- existence [igzístns] : 「存在、実存、実在」
- die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
❖ "What the ego ~ "「エゴが作ったものを、エゴは自分のためだけに保持する」。"and so it is ~ "「だから、それには力がない」。真実なるものは分かち合われることで強くなるのだが、"Its existence is ~ "「エゴの存在は分かち合われることはない」。エゴが作ったものはエゴの独占下にあり、他者に与えたり、分かち合ったりすることはないし、エゴの存在自体も他者と分け合うことはない。つまり、エゴは他者のために、あるいは何かのために存在することはなく、ただ保身のためだけに存在する。"It does not die"「エゴは死ぬことはない」。"it was merely ~ "「エゴは生まれたことさえなかったのだから」。エゴは幻想であり存在さえしていない。もちろん命はないから死ぬことはない。しかし、消滅させることは出来るのだ。
Physical birth is not a beginning; it is a continuing. Everything that continues has already been born.
- physical [fízikl] : 「身体の、肉体の、物質の」
- birth [bə́ːrθ] : 「出生、出産、分娩、誕生」
- beginning [bigíniŋ] : 「初め、開始、始まり」
- continue [kəntínjuː] : 「続く、継続する」
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
❖ "Physical birth is ~ "「肉体的誕生は始まりではない」。"it is a continuing"「それは継続である」。"Everything that continues ~ "「継続するものはすべて、すでに誕生している」。実相的な命は永遠不変であり、肉体的にこの世に誕生したことで新たに命が生まれるわけではない。永遠の命が継続するなかで、夢の一コマに過ぎない。したがって、肉体的な死をもって命は終わることもない。死もまた、夢の一コマである。
It will increase as you are willing to return the unhealed part of your mind to the higher part, returning it undivided to creation.
- increase [inkríːs] : 「増える、増大する、強まる」
- be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
- return [ritə́ːrn] : 「〜を返す、戻す、返却する」
- unhealed : 「治癒していない、未治癒の」
- undivided : 「分割されていない、分裂していない」
- creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
❖ "It will increase ~ "「それ(継続するもの)は、あなたが〜するにしたがって増大していくだろう」。"as you are ~ "「あなたが、ヒーリングされていない心の部分をより高次の心の部分へ戻してやりたいと思うにしたがって、」それは増大していく。"returning it undivided ~ "分詞構文、単純接続、「そして、それを分割されていない状態のまま創造へと戻していく」。継続するものとは、あなたの永遠不変の存在(実存)であり、命であり、心である。その心は二つに分裂しており、一つはエゴの支配を受け、もう一つはホーリー・スピリットの加護を受けている。したがって、ヒーリングされていない心の部分とはエゴに支配された心の部分であり、それをヒーリングによってより高次のホーリー・スピリットの加護を受けている心の部分に返してやりたいとあなたが望めば望むほど、継続し存続する心はまずます拡大していく。なぜなら、真実の拡張こそが創造であり、それは神の属性の一つであって、神の子はその属性を継承しているからだ。あなたの心の属性である。
I have come to give you the foundation, so your own thoughts can make you really free.
- foundation [faundéiʃən] : 「土台、礎、基盤」
- thought [θɔ́ːt] : 「考え、思想、考えること、思考」
❖ "I have come ~ "「私はその基盤をあなたに与えるためにやって来た」。"so your own ~ "「そうすれば、あなた自身の思考はあなたを真に自由に出来る」。イエスは、ホーリー・スピリットとしてあなたの心をエゴから解放するするためにやって来た。ホーリー・スピリットの思考システム、思考的基盤をイエスはあなたに与えてくれる。このACIMがそれである。
You have carried the burden of unshared ideas that are too weak to increase, but having made them you did not realize how to undo them.
- carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持ち運ぶ」
- burden [bə́ːrdn] : 「重荷、負担、心配、苦労、苦しみ」
- unshared : 「分配されていない、共有されていない」
- weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
- undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
❖ "You have carried ~ "「あなたは、〜であるような分かち合うことのない思いの重荷を運んできた」。"that are too ~ " ここは"too ~ to do"の構文、「あまりに〜過ぎて〜できない」、「あまりに弱々しくて大きく出来ない」思い。その思いは他者と分かち合うことがないので大きく出来ない。しかも、あなたにとって重荷になっている。"but having made ~ "「しかし、その思いを作ってしまったにもかかわらず、あなたはその思いを取り消す方法を認識していなかった」。分かち合うことができない、重荷としての思いとは何か? たとえば、この世に一人生まれ、病に苦しみ、やがて神から見放されたように死に、無へと帰する、という思い。幸せや平和を望んでも叶えられず、愛されることもないという思い。罪の意識。罰への恐れ。
You cannot cancel out your past errors alone. They will not disappear from your mind without the Atonement, a remedy not of your making.
- cancel[kǽnsl] out : 「取り消す、消す、無効にする」
- error [érər] : 「誤り、間違い、ミス」
- alone [əlóun] : 「独りで、単に」
- disappear [dìsəpíər] : 「見えなくなる、存在しなくなる、消滅する」
- Atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、償い、補償」
- remedy [rémədi] : 「治療、療法、医療、救済策、改善」
❖ "You cannot cancel ~ "「あなたは、あなたの過去の誤りを、独りで取り消すことは出来ない」。"They will not ~ "「贖罪なしに、過去の誤りがあなたの心から消滅することはない」。"a remedy not ~ "「贖罪はあなたが作り出す療法ではない」。贖罪はあなた一人の力にはあまる。ホーリー・スピリットの助けが必要。ここにACIMの絶対他力が見えてくる。あなたが力不足で能力がないという意味ではない。あなたは深い眠りの中にどっぷりと浸かり、重荷を背負った夢を見ているから、一人で眠りから目覚めることが出来ない、という意味である。
The Atonement must be understood as a pure act of sharing. That is what I meant when I said it is possible even in this world to listen to one voice.
- pure [pjúər] : 「純粋な、混じりけのない、純然たる」
- act [ǽkt] : 「行為、活動、言動」
- meant [mént] : 「mean の過去・過去分詞形」
- mean [míːn] : 「〜を意味する」
- possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、あり得る」
- listen to : 「耳を傾ける、聴く、聞く」
❖ "The Atonement must ~ "「贖罪は、純粋な分かち合う行為として理解されなくてはならない」。"That is what ~ "「それは、私が〜であると言ったとき、私が意味したことである」。"when I said ~ "「この世においてでさえ、一つの声に耳を傾けることは可能なのだと私が言ったとき、」私が意味したことである。ACIMにおいては、あなたと他者は自他一如である。自分だけが贖罪されても十分ではない。他者もまた贖罪されなくてはならない。なぜなら、神の子は本来単一の存在だからだ。したがって、贖罪は分かち合わねば(sharing)ならない。さらに、贖罪はこの世で果たされなければ意味がない。実相世界に住む神の下(もと)に回帰するために贖罪が必要なのであり、この世の幻想に迷っているからこそ贖罪が必要なのである。この世にあっては、ホーリー・スピリットの声に耳を傾ける必要がある。
If you are part of God and the Sonship is One, you cannot be limited to the self the ego sees.
- limit [límit] : 「限度、制限」
❖ "If you are part ~ "「あなたが神の重要な一部であり、神の子が一つであるなら、」"you cannot be ~ "「あなたは、エゴの見る自己に制限される可能性はない」。ここで、"part"について一言。"a part of ~ "であれば「〜の一部」、"be part of ~ "であれば「〜の不可欠な要素」。エゴでさえ、神聖な神の子に制限を加えることは不可能だ。もしあなたが、エゴに支配され、エゴに制限されていると感じるなら、あなたは完全にエゴに騙されているのだ。