5. There are many examples of how the ego's interpretations are misleading, but a few will suffice to show how the Holy Spirit can reinterpret them in his own light.
- example [igzǽmpl] : 「例、実例、実施例、用例」
- interpretation [intə̀ːrprətéiʃən] : 「解釈、説明、解説」
- mislead [mislíːd] : 「〜を誤り導く、誤った方向に導く」
- suffice [səfáis] : 「〜に十分である、足りる、〜を満足させる」
- reinterpret [riintə́ːrprit] : 「〜を再解釈する」
- light [láit] : 「光、光源、ライト、明かり」
❖ "There are many ~ "「エゴの解釈がいかに誤った方向に導くかという例は沢山ある」。"but a few ~ "「しかし、ホーリー・スピリットがエゴの解釈を自分の光の中でどのように再解釈できるかということを示すには、ほんの少しの例で十分であろう」。次に数例が提示される。
6. "As ye sow, so shall ye reap" he interprets to mean what you consider worth cultivating you will cultivate in yourself. Your judgment of what is worthy makes it worthy for you.
- ye [jíː] : 「なんじら、あなたがた」
- sow [sóu] : 「〜に種をまく、植え付ける」
- reap [ríːp] : 「刈る、刈り取る、収穫をする」
- consider [kənsídər] : 「〜と考える、〜を考慮する」
- worth [wə́ːrθ] : 「〜の価値がある、〜に値する」
- cultivate [kʌ́ltəvèit] : 「耕す、育てる、栽培する」
- judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、分別」
❖ "As ye sow ~ "「『汝は種を蒔き、そして、刈り入れる』という言葉を、ホーリー・スピリットは、〜という意味に解釈する」。"what you consider ~ "「あなたが栽培するに価値ありと考えたものを、あなたは自分の内部に育てるだろう」という意味にホーリー・スピリットは解釈する。エゴは、聖書のこの言葉を、自分が犯した罪の責任は自分でとれと解釈しているのに対して、ホーリー・スピリットは、自分で正しいと判断して取り入れたものは、あなたの内部で結実してその実を刈り取ることが出来ると再解釈したわけだ。"Your judgment of ~ "「何が価値があるかというあなたの判断が、それがあなたにとって価値あるものにする」。"As ye sow, so shall ye reap"は、ドウエー聖書のガラテヤ人への手紙6:8に、それに近い表現が見られる。参考までに、ここに載せておく。
[Galatians 6:7~6:9 from Douay-Rheims Bible]
Be not deceived, God is not mocked. For what things a man shall sow, those also shall he reap. For he that soweth in his flesh, of the flesh also shall reap corruption. But he that soweth in the spirit, of the spirit shall reap life everlasting. And in doing good, let us not fail. For in due time we shall reap, not failing.
思い違いをしてはいけません。神は、人から侮られることはありません。人は、自分の蒔いたものを、また刈り取ることになるのです。自分の肉に蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、霊に蒔く者は、霊から永遠の命を刈り取ります。たゆまず善を行いましょう。飽きずに励んでいれば、時が来て、実を刈り取ることになります。(新共同訳)
7. "Vengeance is mine, sayeth the Lord" is easily reinterpreted if you remember that ideas increase only by being shared. The statement emphasizes that vengeance cannot be shared.
- vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
- -eth [-iθ] : 「三人称単数現在形の動詞の語尾につける」
- easily [íːzəli] : 「容易に、たやすく、苦もなく」
- increase [inkríːs] : 「増える、増大する、大きくなる」
- share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する」
- statement [stéitmənt] : 「声明、メッセージ、記述」
- emphasize [émfəsàiz] : 「〜を強調する、重視する、力説する」
❖ "Vengeance is mine ~ "「『主曰く、復讐するは我にあり』とは、もしあなたが〜を思い出したら、簡単に再解釈できる」。"that ideas increase ~ "「思いは分かち合うことによってのみ増大する」ということを思い出したら簡単に再解釈できる。"The statement emphasizes ~ "「『主曰く、復讐するは我にあり』という記述は、復讐は分かち合うことができないのだ、ということを強調しているのである」。復讐心は分かち合うことのできない思いである。したがって、人間がコントロールできるものではない。復讐心が湧いたら、その思いをそっくりそのまま神に預けてしまえばいい。なぜなら、神にしかその復讐心をコントロールできないから。『復讐するは我にあり』は、したがって、『復讐をコントロールする力は私にしかない』と再解釈されるべきだ、ということ。決して、神に復讐心があるという意味ではなく、あなたの復讐心を消滅させる力が神にはあるという意味だ。なお、"Vengeance is mine, sayeth the Lord" という記述はローマ人への手紙12:19とヘブライ人への手紙10:30に見られる。参考までに載せておく。
[Romans 12:18~12:21 from New American Standard Bible]
If possible, so far as it depends on you, be at peace with all men. Never take your own revenge, beloved, but leave room for the wrath of God, for it is written, “VENGEANCE IS MINE, I WILL REPAY,” says the Lord. “BUT IF YOUR ENEMY IS HUNGRY, FEED HIM, AND IF HE IS THIRSTY, GIVE HIM A DRINK; FOR IN SO DOING YOU WILL HEAP BURNING COALS ON HIS HEAD.” Do not be overcome by evil, but overcome evil with good.
できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に暮らしなさい。愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。「『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる」と書いてあります。「あなたの敵が飢えていたら食べさせ、渇いていたら飲ませよ。そうすれば、燃える炭火を彼の頭に積むことになる。」悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい。(新共同訳)
[Hebrews 10:29~1031 from New American Standard Bible]
How much severer punishment do you think he will deserve who has trampled under foot the Son of God, and has regarded as unclean the blood of the covenant by which he was sanctified, and has insulted the Spirit of grace? For we know Him who said, “VENGEANCE IS MINE, I WILL REPAY.” And again, “THE LORD WILL JUDGE HIS PEOPLE.” It is a terrifying thing to fall into the hands of the living God.
まして、神の子を足げにし、自分が聖なる者とされた契約の血を汚れたものと見なし、その上、恵みの霊を侮辱する者は、どれほど重い刑罰に値すると思いますか。「復讐はわたしのすること、わたしが報復する」と言い、また、「主はその民を裁かれる」と言われた方を、わたしたちは知っています。生ける神の手に落ちるのは、恐ろしいことです。(新共同訳)
Give it therefore to the Holy Spirit, Who will undo it in you because it does not belong in your mind, which is part of God.
- undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
- belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する、いるべき所にいる」
❖ "Give it therefore ~ "「それゆえ、復讐心をホーリー・スピリットに渡してやりなさい」。"Who will undo ~ "「ホーリー・スピリットはそれを取り消してくれるだろう」。"because it does ~ "「なぜなら、復讐心はあなたの心の中にあるべきではないからだ」。"which is ~ "「あなたの心は神の一部なのである」。
8. "I will visit the sins of the fathers unto the third and fourth generation," as interpreted by the ego, is particularly vicious.
- visit [vízət] : 「(罪、報いを)加える、負わす」
- unto [ʌ́ntu] : 「〜の方へ」
- generation [dʒènəréiʃən] : 「世代、同時代の人々」
- particularly [pərtíkjələrli] : 「特に、特別に、とりわけ」
- vicious [víʃəs] : 「意地の悪い、悪意のある、卑劣な」
❖ "I will visit ~ "「『私は親の罪を3代、4代に渡って負わせてやろう』というエゴによる解釈は特にたちが悪い」。神をこのように解釈したエゴに対して、めずらしくイエスの怒りが感じられる文章である。なお、この文章は民数記14:18からの引用であろう。参考までに載せておく。
[Numbers 14:18 from King James Bible]
The LORD is longsuffering, and of great mercy, forgiving iniquity and transgression, and by no means clearing the guilty, visiting the iniquity of the fathers upon the children unto the third and fourth generation.
主は、忍耐強く、慈しみに満ち、罪と背きを赦す方。しかし、罰すべき者を罰せずにはおかれず、父祖の罪を子孫に三代、四代までも問われる方である。(新共同訳)
It becomes merely an attempt to guarantee the ego's own survival.
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
- guarantee [gæ̀rəntíː] : 「保証する、請け合う」
- survival [sərváivl] : 「生き残ること、残存」
❖ "It becomes merely ~ "「その解釈は、ただ単に、エゴ自身の生存を保証する企てに過ぎない」。神に対して恐れを抱かせ、あなたをエゴの味方に付ける作戦である。
To the Holy Spirit, the statement means that in later generations he can still reinterpret what former generations had misunderstood, and thus release the thoughts from the ability to produce fear.
- statement [stéitmənt] : 「声明、記述、発言、供述」
- reinterpret : 「〜を再解釈する」
- release [rilíːs] : 「解放する、自由にする」
- ability [əbíləti] : 「能力、才能、手腕」
- produce [prədjúːs] : 「〜を作り出す、生産する」
❖ "To the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットにとっては、その記述はthat以下を意味している」。その記述とは、「末代に渡って罪を負わせてやろう」という記述。"that in later ~ "「後の世代において、その世代の人は、前の世代で誤って理解したことを、なお再解釈できるのだ」ということを意味している。"and thus release ~ "「そして、このように再解釈することによって、恐れを生み出す能力から思考を解放するのである」。つまり、エゴの思考システムからあなたを解放するのだ。恐れを生み出す能力とあるが、恐ろしい幻想を生み出す想像力と思っていいだろう。決して、真実を生み出す創造力ではない。