6. Reflections are seen in light. In darkness they are obscure, and their meaning seems to lie only in shifting interpretations, rather than in themselves.
- reflection [riflék∫n] : 「反射、反映、反響、映像」
- darkness [dáː(r)knəs] : 「 暗さ、暗がり、暗闇」
- obscure [əbskjúə(r)] : 「ぼんやりした、はっきりとしない、不明瞭な
- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、目的、意図
- lie [lái] : 「ある、横たわる、寝る、横たわっている」
- shifting [ʃíftinŋ] : 「移動する、変わりやすい」
- interpretation [intə̀ː(r)prətéi∫n] : 「解釈、説明、解説」
❖ "Reflections are ~ "「鏡の中に映し出される反映は、光の中だけで見えるのだ」。その反映は真実の姿であるから、光の中だけに、すなわち、実相の中だけで認識できる。つまり、神の像は、あなたの心の中の光り輝く鏡にのみ映し出されるのだ。しかし、神の像と言っても、白い髭を生やしたお爺さんというイメージではない。神は形象を持たないのだ。実相世界は具象、形象の世界ではない。"In darkness they ~ "「闇にあっては、反映は曖昧にされ、」"and their meaning seems ~ "「その意味するところは、ただ移ろいゆく解釈に頼らざるを得ない」。鏡に映し出される反映、すなわち神の像は、闇の幻想の世界で見たのではあまりにも曖昧で、想像空想が混じり込み、百人百様の解釈によって変化せざるを得ない。
The reflection of God needs no interpretation. It is clear. - need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
- clear [klíə(r)] : 「澄んだ、透明な、 明らかな、明瞭な」
❖ "The reflection of God ~ "「神の像は、解釈を必要としない」。"It is clear"「それは明瞭なのだ」。あなたの心の鏡に映し出される神の像を、具象的なイメージとしてとらえることも、何らかの意味ある象徴として、つまり、解釈可能な象徴としてとらえることも不可能だ。肉体的知覚や頭脳的理性が処理できる範疇を超えているのである。それは叡智(knowledge)という直覚によってのみ把握できる次元のものである。しかし、嬉しいことには、その叡智による神の直覚はあまりにも鮮明であり清澄である。
Clean but the mirror, and the message that shines forth from what the mirror holds out for everyone to see, no one can fail to understand. - clean [klíːn] : 「〜を掃除する、〜を清潔にする、〜をきれいにする」
- hold out : 「差し出す、提供する、提出する」
- fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
❖ "Clean but ~ "「鏡をきれいにしておきなさい」。"and the message that ~ "「そうすれば、鏡を見るすべての人たちのために鏡が差し出すものから輝き出すメッセージを、」"no one can fail to ~ "「誰も理解し損なうことは不可能だ」。"from what the mirror holds out for everyone to see"、ここの部分の意味が煩雑で分かりにくいであろう。鏡が、鏡を見るすべての人たちに差し出すものとは、鏡が映し出す像のことで、つまり、神の像である。その神の像から輝き出すメッセージとは、神のメッセージであり、それをみんなが理解できる、という意味合いになる。では、神のメッセージとは何か? 愛そのものと思っていいだろう。あるいは神の喜びの気持ち、静謐な平和の気持ち、神の子を胸に抱く父としての暖かみ、そういった抽象、想念と思っていいだろう。間違っても、悪をなさばおまえを裁き殺す、などというメッセージではない。ACIMが語る真の神は、旧約聖書の神とは縁もゆかりもない。
It is the message that the Holy Spirit is holding to the mirror that is in him. ❖ "It is the message that ~ "「そのメッセージは、ホーリー・スピリットが、ホーリー・スピリットの心の中にある鏡に映し出したメッセージである」。このメッセージをホーリー・スピリット自身のメッセージと考えてもいいだろうが、ホーリー・スピリットが神と神の子の間の媒介役であることを考慮すると、このメッセージはホーリー・スピリットが神から預かった、神の子へのメッセージと考えるべきだ。そのメッセージは至上の愛なのだから。
He recognizes it because he has been taught his need for it, but knows not where to look to find it. Let him, then, see it in you and share it with you.- recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる、〜を認識する、〜を認証する
- taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
- where to do : 「どこで〜するべきか、どこに〜するべきか」
- share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "He recognizes ~ "「誰もがそのメッセージを受け入れるのだ」。ここの"He"は"everyone"で、鏡を見たすべての人たちのこと。誰もが神のメッセージであることを受け入れるのだ。"because he has been ~ "「なぜなら、彼は、そのメッセージの必要性を教えられてきたが、それを見つけるには、どこを探せばいいか知らなかったからだ」。心の外ばかりを探してきたが、神のメッセージは心の中の鏡に映し出されると知ったわけである。そして、そのメッセージを神のものとして承認するのである。"Let him, then, see ~ "「そこで、彼に、あなたの心の中のメッセージを見せてあげなさい」。"and share it ~ "「そして、そのメッセージを、あなたと分かち合うようにしなさい」。ここでは、あなたの心の中の鏡のメッセージとして述べられているが、彼の心の中であってもいい。自他一如によって、あなたの鏡でも、彼の鏡でも、結局はどちらも同じなのである。
7. Could you but realize for a single instant the power of healing that the reflection of God, shining in you, can bring to all the world, you could not wait to make the mirror of your mind clean to receive the image of the holiness that heals the world. - realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
- single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、まさにその時」
- reflection [riflék∫n] : 「反射、反映」
- bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
- make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする、〜になる」
- receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する」
- holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
❖ "Could you but realize ~ "ここは本来"If you could but realize ~ "という形の仮定法過去、Ifが省略されて格調高い文語調になっているのだ、「もしあなたが、ほんの一瞬でも〜であるヒーリング・パワーに気づくことが出来るならば、」"that the reflection ~ "「あなたの心の中で輝く、神の反映がすべての世界にもたらすことが出来る」ヒーリング・パワーに気づくことが出来るならば、"you could not wait to ~ "「あなたは、あなたの心の鏡をきれいにすることが待ち切れにないであろう」。"to receive the image of ~ "不定詞、副詞的用法、「世界をヒーリングする聖なるイメージを受け止めるために、」あなたの心の鏡をきれいにすることが待ち切れにないであろう。
The image of holiness that shines in your mind is not obscure, and will not change. - obscure [əbskjúə(r)] : 「ぼんやりした、はっきりとしない、不明瞭な、曖昧な」
❖ "The image of holiness ~ "「あなたの心の中で輝く神聖な像は、決して曖昧なものではなく、変化もしないであろう」。神の像は鮮明で、変化しない。それは神聖であり、あなたの心の鏡の中に、輝いて映し出されている。繰り返しになるが、この神の像は白い髭を生やしたお爺さんというものではない。神は具象、形象の世界の存在ではないから、形はない。象徴としての有形の像もない。あくまでも、抽象であり、想念である。しかし、知覚を超越する叡智というフィルターを通して見れば、神の像が心象として見えてくる、ととらえるべきだろう。(ただし、心象と言っても、具体的な景色や人物像が見えてくるわけではない。) 心象であるから、心の鏡に映し出されるのである。それは、形を超えた形、像を超えた像、具象を超えた具象、象徴を超えた象徴、等々、と考えるべきだろう。もちろん、この場に文字として表現出来るレベルのものではないのだ。だからこそ、神を偶像化して崇拝してはならないのである。偶像崇拝を否定する理由は簡単、偶像化出来るレベルのものではないからだ。次元が完全に異なるのである。簡単な例えで説明しよう。三次元のリンゴを二次元の絵に、どんなに上手に描いたとしても、描かれた二次元のリンゴを食って味を味わうことは不可能である。要するに、そういうことなのである。神を語るなかれ、とは、神は語る次元の存在でない、ということである。心の鏡に映し、感じればいいだけの話だ。愛を感じるとはそういうことではないだろうか?
Its meaning to those who look upon it is not obscure, for everyone perceives it as the same. - meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
- perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- same [séim] : 「同じ、同一」
❖ "Its meaning to those who ~ "「その像を見る者たちにとって、それの意味することは決して曖昧ではない」。"for everyone perceives ~ "「なぜなら、すべての人が、それを同一に知覚するからだ」。心の鏡に映る神の像が意味するところは、ヒーリングのパワーであり、神の慈悲、あるいは単に神の愛、と言ってもいいだろう。神の像が無限、至上の愛を表している。そう理解すべきだろう。
All bring their different problems to its healing light, and all their problems find but healing there.- different [díf(ə)r(ə)nt] : 「相違する、違っている、異なる」
- problem [prábləm] : 「問題、疑問、難問、難題」
❖ "All bring their different ~ "「すべての人々は、それぞれ異なる問題を、そのヒーリングの光に持って行く」。心の鏡に映る神の像に向かって、人々は悩み苦しみを訴えるわけだ。神の像からはヒーリングの光が放射されている。"and all their problems ~ "「そして、彼らのすべての問題は、そこで、ヒーリングを見つけ出すのである」。彼らの悩み苦しみは癒される。なぜか? 彼らの問題、悩み苦しみが、実は幻想であることが明白になるからだ。神の像の発するヒーリング・パワー、つまり、ヒーリングの光は、真実を照らし出す光である。幻想を消滅させる光である。人々は幻想世界に生きる悩み苦しみを、その真実を照らし幻想を滅する光にさらすことで、幻想が消滅することを目撃する。そして、知る。自分の悩み苦しみは幻想であり、単なる夢に過ぎなかったのだと。そうして、癒されるのである。ACIMのヒーリングとは、真実を知るという言葉の代名詞である。