●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-14.VI.4:1 ~ T-14.VI.5:7

4. Death yields to life simply because destruction is not true.

  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、死者、破滅、終わり」
  • yield [jíːld] : 「譲る、譲歩する、屈する」
  • yield to : 「負ける、屈する、屈服する、従う」
  • simply [símpli] : 「単に、ただ」
  • simply because : 「〜であるばかりに、〜というだけの理由で」
  • destruction [distrʌ́k∫n] : 「破壊、破滅、破棄」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の、実際どおりの」
❖ "Death yields to ~ "「死は命に負ける」。"simply because ~ "「単に、破壊は真実でないからだ」。実相世界には破壊という概念はない。破壊は実在しないのである。したがって、破壊が存在しているかに見えるのは、幻想世界においてのみだ。破壊は幻想である。したがって、死は幻想であり、実在しない。単なる錯覚である。実在しないのだから、実在する命に勝るわけがない。



The light of guiltlessness shines guilt away because, when they are brought together, the truth of one must make the falsity of its opposite perfectly clear.
  • guiltlessness [ɡíltlisnis] : 「罪がないこと、無辜、潔白」
  • shine [∫áin] : 「輝く、光る」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜を連れて来る、〜を持って来る」
  • together [təgéðə(r)] : 「一緒に、同時に」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • make [méik] [SVOC] : 「〜を〜の状態にする」
  • falsity [fɔ́ːlsəti] : 「うそ、偽りの言葉、虚偽、欺まん、不正直」
  • opposite [ápəzit] : 「逆の物、反対の物、反意語」perfectly [pə́ː(r)fik(t)li] : 「完全に、完璧に、申し分なく」
  • clear [klíə(r)] : 「明らかな、明瞭な、はっきりした、明快な」
❖ "The light of guiltlessness ~ "「無辜の光は、罪を照らして追い払う」。"because, when they ~ "「なぜなら、無辜の光と罪とを共にもってくれば、」"the truth of one ~ "「一方の真実は、その反対のものの嘘を完全に明確にせずにはおかないからだ」。無辜は真実、罪は嘘。両者を突き合わせれば、無辜の真実が、罪の嘘をはっきりと暴(あば)き出す。



Keep not guilt and guiltlessness apart, for your belief that you can have them both is meaningless.
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
  • apart [əpáː(r)t] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、意見、信仰、信条」
  • both [bóuθ] : 「両方とも、双方とも」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な」
❖ "Keep not guilt and ~ "「罪と無辜を別々に持とうとしてはいけない」。"for your belief that ~ "「なぜなら、あなたはその両者を共に持ち得ると信じることは意味がないからだ」。一方が他方を駆逐するので、両者を同時にもつことは意味をなさない。真実は虚偽を駆逐するのである。ならば、最初から虚偽などもたないに限る。



All you have done by keeping them apart is lose their meaning by confusing them with each other.
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • confuse [kənfjúːz] : 「混同する、混乱させる、困惑させる」
  • with each other : 「お互いに」
❖ "All you have done by ~ "「罪と無辜とを別々にもつことであなたがなしたことのすべては、」つまり、両者を共にもってしまった結果は、"is lose their meaning ~ "「両者を互いに混同することで、その意味を失うことである」。ここの"lose"は"to lose"の誤りではなく、主格補語になっているので不定詞の原形を使っている。無辜と罪を併せ持つことで、どちらが真実でどちらが虚偽か混同してしまい、両者の本当の意味がわからなくなってしまう、ということ。簡単に言えば、ひょっとして、罪があることが真実に思えてしまい、無辜であることが嘘に思えてしまうということ。



And so you do not realize that only one means anything. The other is wholly without sense of any kind.
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、重要性を持つ、大事である」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • sense [séns] : 「意味、意義、良識、分別、道理、意見」
  • of any kind : 「いかなる種類の」
❖ "And so you do not ~ "「その結果、あなたは、一方だけが何らかの意味をもっていると知ることが出来なくなってしまう」。"The other is ~ "「他方は、全く、いかなる種類の意味もないのである」。無辜だけが意味をもち、罪はまったく意味がないと自覚できなくなってしまう。罪が意味をもたないのは、罪は実在しないからだ。罪は意味のない、単なる幻想である。



5. You have regarded the separation as a means for breaking your communication with your Father.
  • regard [rigáː(r)d] : 「〜を〜と見なす、考慮する、考える、凝視する」
  • separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • break [bréik] : 「切る、中断する、遮断する、壊す、割る」
  • communication [kəmjùːnikéi∫n] : 「 コミュニケーション、伝達、通信、連絡、交信」
❖ "You have regarded ~ "「あなたは、分離を、父なる神とのコミュニケーションを断絶させる手段だと見なしてきた」。その昔、神の子は、自分が神なしで神のように生きていけないかと思い、神から分離した。その瞬間、神とのコミュニケーションは遮断されてしまった。神がチャンネルを切ったのではない。あなたが、神とのコミュニケーションのチャンネルを切ったのである。それは、あなたが、神から分離して存在するためであった。いや、あなたは、そう思い込んだだけなのである。



The Holy Spirit reinterprets it as a means of re-establishing what was not broken, but has been made obscure.
  • reinterpret [riintə́ː(r)prət] : 「〜を再解釈する」
  • reestablish [riistǽbli∫] : 「〜を再建する、回復する、復旧する」
  • broken [bróukn] : 「breakの過去分詞形」
  • obscure [əbskjúə(r)] : 「ぼんやりした、はっきりとしない、不明瞭な、曖昧な」
❖ "The Holy Spirit reinterprets ~ "「ホーリー・スピリットは分離を、〜の手段として再解釈する」。"of re-establishing what ~ "「まだ破壊されず、しかし、曖昧にされたものを再確立する」手段として再解釈する。難しい言い方をしているが、要するに、あなたが神とのコミュニケーションのチャンネルを遮断したのだが、それは破壊されておらず、ただスイッチが切られただけだので、ホーリー・スピリットはそのチャンネルを再び開こうとしている、ということ。もちろん、一方的にスイッチを切ったのはあなたである。



All things you made have use to him, for his most holy purpose.
  • use [júːs] : 「役立つこと、効用、使用、使うこと、利用」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "All things you made ~ "「あなたが作ったものはすべて、ホーリー・スピリットの最も神聖な目的のためには、ホーリー・スピリットに役立つのである」。あなたが神とのチャンネルを遮断したことも、ホーリー・スピリットに役立つ。それを復旧させる使命を与えられたのだから。それが"most holy purpose"「最も神聖な目的」である。ホーリー・スピリットは、神と神の子の間の媒介役であることを思い出そう。



He knows you are not separate from God, but he perceives much in your mind that lets you think you are. All this and nothing else would he separate from you.
  • separate [sépərèit] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別々の」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • let [lét] A do : 「Aに〜させる」
  • separate [sépərèit] : 「 分ける、分離する、隔てる、引き離す、切り離す」
❖ "He knows you are ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたが神から分離していないとわかっている」。"but he perceives much ~ "「しかし、ホーリー・スピリットは、あなたの心の中に、あなたが神から分離していると思わせるものがまだまだあると知覚している」。あなたは神から分離などしていないが、自分で分離していると思い込んでいるのだ。分離していると思っているのに、神の子はなぜ分離できないのか? なぜなら、神は分離を意志していないからだ。実相世界では、神の意志しないことは起きようがない。誤解ないように言っておくが、幻想世界の様々な悲惨な出来事は、神の意志とはまったく関係ない。幻想世界の出来事は文字通り幻想なのだから。"All this and nothing else ~ "「このすべて、他のすべても、ホーリー・スピリットはあなたから切り離したいとは思わない」。ホーリー・スピリットは、あなたの心から強制的に何かを奪おうなどとは思わない。それが良いものでも、悪いものでも。あなたの自由意志を重んじているからだ。



The power of decision, which you made in place of the power of creation, he would teach you how to use on your behalf.
  • decision [disíʒ(ə)n] : 「解決、決定、決意、決心、決断力」
  • in place [pléis] of : 「〜の代わりに、〜の代理で」
  • creation [kriéi∫n] : 「創造、創作」
  • on one's behalf : 「〜のために、〜の利益になるように」
❖ "The power of decision ~ "「決定するパワー、それは、創造するパワーの代わりにあなたが作ったものであるが、ホーリー・スピリットは、あなたのためにそれをどう使ったらいいか、あなたに教えたいと思っている」。決定力や決断力は、頭脳による理性的パワーであり、創造力は叡智の自発的な表出である。幻想世界で叡智を失ったあなたは、それに代わる理性的な頭脳による判断力を進化させたのである。



You who made it to crucify yourself must learn of him how to apply it to the holy cause of restoration.
  • crucify [krúːsifài] : 「磔刑に処す、十字架刑にする、はりつけにする」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する、生かす、当てはめる」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • restoration [rèstəréi∫n] : 「復元、復旧、回復、修復」
❖ "You who made it ~ "「あなた自身を磔刑に処すために決定するパワーを作ったあなたは、その決定するパワーを修復のための聖なる動機に適応させる方法を、ホーリー・スピリットから学ばねばならない」。理性的な頭脳による判断力を身につけることで、あなたはあなた自身を束縛してきた。その判断にエゴを介入させる方法をとったからだ。その結果、あなたの判断力は自己を解放するどころか、磔刑に処する方向へと向かう。ホーリー・スピリットは、しかし、その判断力を奪い取ろうとはしない。その判断力を利用して、あなたが判断力を捨てる判断をするように導くのである。判断力を捨てる判断、それが、修復への聖なる動機である。簡単に言えば、あなたが頼ってきた判断力を捨て、判断のすべてをホーリー・スピリットに任せてしまうという修復作業を決断しなさい、ということ。
 
 
 

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