●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-23.I.3:1 ~ T-23.I.4:9

3. Be certain that it is impossible God and the ego, or yourself and it, will ever meet.

  • certain [sə́ːrtn] : 「確信している、確実な、確かな、確信して」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • meet [míːt] : 「会う、触れる、接触する、交わる」
❖ "Be certain that ~ "「神とエゴとが、あるいは、あなた自身とエゴとが、いつかは出合うことなど、不可能なのだと確信しなさい」。実相的実在と、幻想的非実在が、融合することは不可能なのだ。



You seem to meet, and make your strange alliances on grounds that have no meaning.
  • strange [stréindʒ] : 「奇妙な、変わった、変な、見知らぬ」
  • alliance [əláiəns] : 「同盟、協力、同盟関係、提携、連合、協調」
  • ground [gráund] : 「地面、地べた、地盤、立場、立脚点、根拠」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
❖ "You seem to ~ "「あなたはエゴと出会えたとような気がし、まったく意味を持たない地盤に立って、エゴと奇妙な同盟関係を結んだ気になっている」。つまり、あなたは、エゴと自己同一化しているのだ。これは、心と心の融合ではない。単なる同一化という錯覚である。しかし、実相的存在のあなたが、幻想に過ぎない非実在のエゴと同一化するのは、基盤が完全に異なるだけに、まったく意味がなく、したがって、奇妙な同盟関係である。したがって、それを狂気の沙汰と呼ぶのである。



For your beliefs converge upon the body, the ego's chosen home, which you believe is yours.
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • converge [kənvə́ːrdʒ] : 「一点に集まる、集中する、合流する、収束する」
  • converge on : 「〜に集まって来る、〜に集中する」
  • chosen [tʃóuzn] : 「choose の過去分詞形」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する、〜を人選する」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
❖ "For your beliefs ~ "「なぜなら、あなたの信念は肉体に集中するからである」。エゴと自己同一化するということは、完全に、幻想に巻き込まれたことを意味する。あなたの関心が集中するのは実在の心ではなく、幻想の肉体となる。肉体の実在性を信じてしまうのだ。その肉体は、"the ego's chosen ~ "「エゴの選んだ住家であり、あなたも自分の住家だと思っているのだ」。肉体に心が宿る、あるいは、脳が心を作り出していると、現代科学は信じているが、誤りである。逆に、心が、肉体や脳という幻想を夢に見ているに過ぎないのだ。科学の名を借りて、エゴに、まんまと騙されているのである。



You meet at a mistake; an error in your self-appraisal. The ego joins with an illusion of yourself you share with it.
  • mistake [mistéik] : 「誤り、判断上の間違い、ミス、過ち、手違い」
  • error [érər] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
  • appraisal [əpréizl] : 「評価、査定」
  • self-appraisal : 「自己評価」
  • join [dʒɔ́in] : 「加入する、参加する、交わる、一緒になる」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "You meet at ~ "「あなたは、誤りに陥っている」。"an error in ~ "「自己評価における誤りである」。自分が肉体的存在だと、あなたは自己評価しているが、完全に誤っている。幻想と自己同一化することは、誤りなのだ。"The ego joins with ~ "「あなたがエゴと分かち合うあなた自身という幻想に、エゴも同化している」。エゴも、あなた自身が肉体的な存在であると主張する。肉体は実在であり、エゴ自身も実在であると、エゴはあなたを騙し通そうとするのだ。あなたが幻想に幻惑されている限りは、エゴは安泰なのだから。



And yet illusions cannot join. They are the same, and they are nothing.
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
❖ "And yet illusions ~ "「しかし、幻想は結合出来ないのだ」。実体があるなら、実体の融合という形で結合が可能であるが、実在ではない幻想が融合することは不可能だ。もちろん、夢の中で、つまり、幻想の中で、融合や結合という錯覚をもつことは可能であるが、それは、現実の融合でも結合でもなく、したがって、真の意味の結びつきではない。"They are ~ "「幻想はどれも同じである」。"and they are ~ "「そして、幻想は無なのだ」。幻想は形を変えても、幻想として同質同等である。同質同等的に、無に過ぎないのだ。そもそも、同じもの(同質同等のもの)が結合するということ自体、矛盾ではないか。



Their joining lies in nothingness; two are as meaningless as one or as a thousand.
  • joining [dʒɔ́iniŋ] : 「連結、接合、結合」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • nothingness [nʌ́θiŋnis] : 「存在しないこと、無、非実在、無価値」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な、無価値の」
  • thousand [θáuzənd] : 「1000、1000個、1000人」
❖ "Their joining lies ~ "「幻想の結合は無の中にある」。つまり、幻想の結合は、また幻想である。幻想に幻想を積み上げただけであり、無に無を重ねたに過ぎないのだ。"two are as meaningless ~ "「幻想が二つあろうが、それが一つでも千でも、意味ないことに変わりはない」。幻想をいくら重ねても、そこから実相が生まれることはない。あなたの肉体という幻想にエゴという幻想を重ねても、そこに罪や恐れという幻想を重ねても、さらに攻撃し憎悪し、破壊しても、何一つ、実相的実在は生まれ出ては来ないのだ。まったくの無である。意味がないのだ。



The ego joins with nothing, being nothing. The victory it seeks is meaningless as is itself.
  • victory [víktəri] : 「勝利、優勝、克服、征服」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
❖ 結局、"The ego joins ~ "「エゴは、無と結合するのである」。"being nothing"分詞構文、理由、「エゴが無だからである」。"The victory it ~ "「エゴが追い求めている勝利とは、エゴ自身と同様に意味が無いのだ」。結局、無に過ぎない幻想の末路は、やはり無なのだ。それが、幻想の勝利だと言えるだろうか。



4. Brother, the war against yourself is almost over. The journey's end is at the place of peace.
  • war [wɔ́ːr] : 「戦争、争い」
  • against [əɡéinst] : 「〜に反対して、〜に逆らって、〜にそむいて、反抗して」
  • almost [ɔ́ːlmoust] : 「ほとんど、九分どおり、大体」
  • over [óuvər] : 「終わって、終了して、完了して」
  • journey [dʒə́ːrni] : 「旅、行路、道のり、道程、遍歴」
  • end [énd] : 「終わり、端、最後、終局、終焉、終点」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "Brother, the war ~ "「兄弟よ、あなた自身との戦いはほぼ終わったのだ」。"The journey's end ~ "「旅の終わりは、平和の地である」。あなたがホーリー・スピリットの導きを受け入れれば、エゴの支配から解放され、コンフリクトは消滅する。心に平和が宿るのだ。幻想をきちんと幻想と見極めてその幻想を捨て、心の目で実相を見る、つまり、ヴィジョンで捉える事が、平和への道なのだ。



Would you not now accept the peace offered you here?
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
❖ "Would you not ~ "「ここであなたに差し出された平和を、今あなたは受け入れようとしないだろうか」。ホーリー・スピリットの思考システムが目の前に差し出された。平和に直結する思考システムである。あなたは、素直にそれを受け入れて、実相的平和を自分のものにすればいいのだ。真実は、あくまでも、シンプルである。いらざることをあれこれ持ち込んで、混乱する必要はどこにもない。



This "enemy" you fought as an intruder on your peace is here transformed, before your sight, into the giver of your peace.
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国」
  • fought [fɔ́ːt] : 「fight の過去形」
  • fight [fáit] : 「戦う、競う、格闘する」
  • intruder [intrúːdər] : 「侵入者、乱入者、強盗、侵略者」
  • transform [trænsfɔ́ːrm] : 「〜を変形する、〜を変換する」
  • before [bifɔ́ːr] : 「〜の前に、〜に先立って、〜を前にして、面前で」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
  • giver [ɡívər] : 「与える人、贈与者、寄贈者」
❖ "This "enemy" you fought ~ "「あなたが、あなたの平和を乱す侵入者だとして戦ってきた『敵』は、ここで、姿を変えるのである」。"before your sight, into ~ "「あなたの目の前で、平和を与える者へと、その姿を変えるのだ」。エゴに支配されていたあなたにとって、ホーリー・スピリットは『敵』であった。この幻想世界にあって、他者を攻撃し、奪い、憎む、という、いわば平凡で安寧な生活を乱す者こそ、いらざる真実を伝えるホーリー・スピリットであると思っていた。しかし、今、真実を見極めるヴィジョンをもってあなたの目の前を見れば、そのホーリー・スピリットこそがあなたを心の平和に導いてくれる救い主だと気づくのである。



Your "enemy" was God Himself, to Whom all conflict, triumph and attack of any kind are all unknown. He loves you perfectly, completely and eternally.
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「不一致、衝突、対立、論争、摩擦、葛藤、軋轢、争い、紛争、闘争」
  • triumph [tráiəmf] : 「勝利、大成功、大業績、勝利の喜び、功績」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • of any kind : 「いかなる種類の」
  • unknown : 「知られていない、未知の、不明の」
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に、申し分なく」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に」
  • eternally [itə́ːrnəli] : 「永久に、絶えず、変わることなく、永遠に」
❖ "Your "enemy" was ~ "「あなたの『敵』は神自身であったのだ」。"God Himself"「神自身」とあるが、ホーリー・スピリットと同等、同一と考えていいだろう。あなたの真の平和を心から願う者、あなたに至上の愛を注ぐ者、それを、あなたは敵だと見なして来たのだ。エゴの策略であり、あなたはエゴに騙されて来たのだ。"to Whom all conflict ~ "「その神にとっては、あらゆるコンフリクト、勝利、いかなる種類の攻撃も、まったく知らざるものである」。神は、幻想世界のコンフリクトも勝利も攻撃も、まったく感知しない。幻想は無であり、知覚する価値さえないと知っているからだ。"He loves you perfectly ~ "「神はあなたを完璧に愛し、完全に、永遠に愛しているのだ」。まさに、神の愛は至上の愛なのである。



The Son of God at war with his Creator is a condition as ridiculous as nature roaring at the wind in anger, proclaiming it is part of itself no more.
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
  • condition [kəndíʃən] : 「状態、状況、様子、様相、事情、条件」
  • ridiculous [ridíkjələs] : 「ばかげた、おかしな、とんでもない」
  • nature [néitʃər] : 「自然、天然、性質、天性、本性、本質」
  • roar [rɔ́ːr] : 「大声で叫ぶ、わめく、怒鳴る、うなる、ほえる」
  • roar at : 「〜に怒鳴る」
  • wind [wínd] : 「風、大風、煽り風」
  • in anger [ǽŋɡər] : 「怒って」
  • proclaim [proukléim] : 「公表する、宣言する、宣告する、公言する」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • no more : 「もはや〜しない」
❖ "The Son of God at war ~ "「創造主である神と戦っていた神の子の状況は、〜と同じように、馬鹿げた状況なのだ」。"as nature roaring at ~ "「自然が、怒りのあまり、風に向かって怒鳴りつけている」状況と同じように、馬鹿げた状況なのだ。"proclaiming it is ~ "「その自然は、風に向かって、もうはや自然の一部ではないと宣言しているようなものなのだ」。どうも、変なたとえ話であるように感じるのだが、言わんとしていることは、風と自然が切っても切れない関係にあるように、神の子と神も切っても切れない関係にある、ということだ。分離出来ないものが、あたかも分離したかに錯覚し、その他方を攻撃しているようなものだということ。



Could nature possibly establish this, and make it true? Nor is it up to you to say what shall be part of you and what is kept apart.
  • possibly [pɑ́səbli] : 「もしかすると、ひょっとしたら、場合により、たぶん」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、制定する、成立させる」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の、実際どおりの」
  • nor [nɔ́ːr] : 「そしてまた〜ない、〜もまた〜でない」
  • up to : 「〜次第で」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
❖ "Could nature possibly ~ "「自然が、こんなことを成立させ、本当のことにすることが、可能だろうか」。自然が風を分離し、風を攻撃することなど、可能か。"Nor is it up to you ~ "ここは"it ~ to ~ "の構文、「〜を決めるのは、決して、あなた次第ではないのだ」。"to say what shall ~ "「何をあなたの一部とし、何をあなたから分離しておくか、それを決めるのは、」決して、あなた次第ではないのだ。神の子が神から分離することなど、神の子が選択出来ることではない。神は神の子を、分離出来るものとして創造したのではないのだ。神と神の子は一体であり、分離など出来ないのである。ところが、神の子は神から分離したと思い込み、神を裏切ったという罪に嘖(さいな)まれ、神の罰を恐れるに至った。これが夢でなくて何だろう。神からの分離など原理的に不可能なのに、それが出来たと信じ込むことは、いかにも馬鹿げた、夢の中の出来事なのである。
 
 
 

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