●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-23.I.9:1 ~ T-23.I.10:8

9. See how the conflict of illusions disappears when it is brought to truth!

  • conflict [kənflíkt] : 「摩擦、葛藤、軋轢、争い、紛争」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • disappear [dìsəpíər] : 「見えなくなる、姿を消す、なくなる、消滅する」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「~を持って来る、~を連れて来る、~をもたらす」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "See how the conflict ~ "「幻想(同士)のコンフリクトが、どのように消滅するか、見てみなさい」。"when it is brought ~ "「そのコンフリクトが、真実の元にもたらされたとき、」幻想(同士)のコンフリクトが、どのように消滅するか、見てみなさい。真実は、いわば光で、虚偽は、いわば影である。実相の真実という光が、幻想の虚偽という影を払拭するのである。



For it seems real only as long as it is seen as war between conflicting truths; the conqueror to be the truer, the more real, and the vanquisher of the illusion that was less real, made an illusion by defeat.
  • real [ríəl] : 「現実の、実際の、本物の、実在的な」
  • as long as : 「~さえすれば、~する限り」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形war [wɔ́ːr] : 「戦争、争い」
  • between [bitwíːn] : 「〜の間の」
  • conflicting [kənflíktiŋ] : 「相反する、矛盾する、相いれない」
  • conqueror [kάŋkərər] : 「征服者、勝利者」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • vanquisher [vǽŋkwiʃər] : 「敗者、負けた者」
  • less [lés] : 「より少ない、より少数の、より小さい」
  • defeat [difíːt] : 「敗北、負け」
❖ "For it seems real ~ "「なぜなら、コンフリクトが、相反する真実の間の戦いであるように見られている限りにおいてのみ、コンフリクトは実在であるように見えるからだ」。だが、実際はコンフリクトは真実同士の戦いでは決してないので、本当は実在することはなく、幻想に過ぎない。真実の光の中で、コンフリクトは消滅していくのである。"the conqueror to ~ "「そして、勝った方がより本当だとされ、より現実的であり、」"and the vanquisher ~ "「負けた方の幻想が現実味を失って、負けたことで幻想にされるのである」。あたかも現実的な二つの問題間のコンフリクトが起きているように錯覚されるのだが、どちらも幻想に過ぎず、ただ、コンフリクトに勝った方が現実味を増して、真実だと見なされ、コンフリクトに負けた方は現実味を失って、虚偽だと見なされるのである。だが、それは見かけだけであって、コンフリクトを起こした両者は、勝っても負けても、幻想であることには変わりない。



Thus, conflict is the choice between illusions, one to be crowned as real, the other vanquished and despised.
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • crown [kráun] : 「栄誉を与える、~に冠する」
  • other [ʌ́ðər] : 「もう一方の人、相手側」
  • vanquish [vǽŋkwiʃ] : 「負かす、征服する、~に勝つ」
  • despise [dispáiz] : 「軽蔑する、侮蔑する、さげすむ、侮る」
❖ "Thus, conflict is ~ "「このように、コンフリクトとは、幻想間の選択作業に過ぎない」。"one to be crowned ~ "「一方が現実だとして勝利の冠をかぶせられ、」 "the other vanquished ~ "「他方は、打ち負かされて、軽蔑されるだけだ」。つまり、コンフリクトは、単なる幻想のサル芝居に過ぎず、実相的な意味はまったくないのである。



Here will the Father never be remembered. Yet no illusion can invade His home and drive Him out of what He loves forever.
  • remember [rimémbər] : 「~を覚えている、~を思い出す」
  • invade [invéid] : 「侵攻する、攻め入る、~に入り込む」
  • drive [dráiv] out : 「追い出す、追い払う、追放する」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Here will the Father ~ "「こんなところでは、父なる神が思い出されることはない」。幻想にどっぷりと浸かってコンフリクトに明け暮れしているのだから、真実の神を思い出すなどということは期待も出来ない。"Yet no illusion can ~ "「しかし、いかなる幻想も、神の住家に侵入し、神が永遠に愛するものから神を追い出したりすることは出来ないのだ」。幻想の一かけらたりとも、実相の天の王国に入り込むことは出来ない。入り込めないし、影響を与えることすら出来ないのだ。ところで、"what He loves forever"「神が永遠に愛するもの」とは、神の子と考えてもいいし、喜びや平和や美、等々と考えてもいい。つまり、神が愛をもって創造したすべてのことだ。



And what He loves must be forever quiet and at peace because it is His home.
  • quiet [kwáiət] : 「静かな、静粛な、平穏な、穏やかな、平和な」
  • at peace : 「平和に、安らかに、安らかな気持ちで、心穏やかで」
❖ "And what He loves must be ~ "「そして、神の愛するものは、永遠に静謐(せいひつ)であり、平和である」。"because it is ~ "「なぜなら、それこそが、神の住家だからだ」。真実の神は、怒ることも裁くことも、罰することも、嫉妬することも、憎むこともない。常に、そして永遠に、静けさの中にある。



10. You who are beloved of Him are no illusion, being as true and holy as Himself.
  • beloved [bilʌ́vid] : 「最愛の、いとしい、愛される」
  • be beloved of : 「~に愛される」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
❖ "You who are ~ "「神に愛されているあなたは、決して幻想などではない」。"being as true ~ "「あなたは、神自身がそうであるように、真実であり、神聖なのだ」。神に愛されている神の子は、実相世界に実在する真実であり、神聖な存在だ。その神の子が、深い眠りに陥って見ている夢が、幻想であり、この幻想世界なのだ。



The stillness of your certainty of Him and of yourself is home to Both of You, Who dwell as One and not apart.
  • stillness [stílnis] : 「静けさ、静止、沈黙、平静」
  • certainty[sə́ːrtnti] : 「確信、確実なこと、必然」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • dwell [dwél] : 「住む、居住する、存在する」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
❖ "The stillness of your ~ "「神とあなた自身に対するあなたの確信の静けさこそが、神とあなたの両者の住家であり、」つまり、神もあなたも、神聖であり真実であるという、あなたの強い確信こそが、神とあなたの宿る静かな住家である、ということ。"Who dwell as ~ "「神とあなたは、その住家に、一体となり、離れることなく、住んでいるのだ」。天の王国である実相世界は一元論世界であり、すべてが分離することなく結合へ向かう。純粋な、単一性の世界なのだ。神と神の子は融合し、ホーリー・スピリットも融合に加わり、三位一体となるのだ。



Open the door of His most holy home, and let forgiveness sweep away all trace of the belief in sin that keeps God homeless and His Son with Him.
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • sweep away : 「吹き飛ばす、押し流す、洗い流す、払拭する」
  • trace [tréis] : 「跡、足跡、形跡、痕跡」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信頼」
  • keep [kíːp] : 「~の状態にしておく、~にしておく」
  • homeless [hóumlis] : 「家のない、住む家もない」
❖ "Open the door of ~ "「神の、最も神聖な住家の扉を開けなさい」。"and let forgiveness ~ "「そして、神から住家を奪い、神と共に神の子の住家も奪う、罪を信じる気持ちの痕跡のすべてを、赦しをもって、一掃しなさい」。もちろん、幻想の罪の意識が、実相の神の住家を奪うことは不可能なのだが、ここでは、あなたの心の中でそれが可能だという思いを一掃しなさい、ということ。"let forgiveness sweep away"「赦しをもって、一掃する」とは、罪を信じる気持ち、その痕跡もふくめてすべてを、それが幻想に過ぎないと看破して、受け入れ、受け流してしまうこと。



You are not a stranger in the house of God. Welcome your brother to the home where God has set him in serenity and peace, and dwells with him.
  • stranger [stréindʒər] : 「見知らぬ人、よそから来た人、よそ者」
  • welcome [wélkəm] : 「喜んで受け入れる、歓迎する」
  • serenity [sərénəti] : 「静穏、平静」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "You are not ~ "「神の住家にあって、あなたはよそ者などではない」。"Welcome your brother ~ "「あなたの同胞を、神の住家に招き入れ歓迎しなさい」。 "where God has set ~ "「そこでは、神が、同胞に静けさと平和を与え、同胞と共に暮らすのである」。



Illusions have no place where love abides, protecting you from everything that is not true.
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
  • abide [əbáid] : 「居住する、とどまる」
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
❖ "Illusions have no ~ "「愛の住む所に、幻想の居場所はない」。"protecting you from ~ "分詞構文、理由、「愛があなたを、真実ならざるすべてのものから守っていてくれるからだ」。愛が幻想を排除し、あなたを幻想から守ってくれる。愛は、真実でありパワーであるからだ。愛より強いパワーをもつ実体はない。



You dwell in peace as limitless as its Creator, and everything is given those who would remember Him.
  • limitless [límitlis] : 「無限の、無制限の」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "You dwell in peace ~ "「あなたは平和のうちに、創造主の神と同様、まったく制限されることなく、暮らすのである」。ここの"limitless"「無制限」とは、幻想によって自由が制限されることなく、といったニュアンス。"and everything is ~ "「そして、神の記憶を思い出したいと願う者に、すべてが与えられるのである」。神の記憶を思い出すと同時に、自分が、神の属性をすべて継承した神の子であることも思い出すのだ。すべてを与えられるということは、神の属性のすべてを思い出すということ。新たに何かを付け加えられるという意味ではない。あなたはすでに、すべてを所有しているのだから。



Over His home the Holy Spirit watches, sure that its peace can never be disturbed.
  • watch over : 「~の世話をする、〜を見守る」
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している、固く信じている」
  • disturb [distə́ːrb] : 「~を妨げる、邪魔をする、阻害する、乱す」
❖ "Over His home ~ "「神の住家を、ホーリー・スピリットが見守っている」。"sure that its ~ "「神の住家の平和は、決して乱され得ないと確信を抱きながら」。
 
 
 

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