7. Your brother is your friend because his Father created him like you. There is no difference.
- create [kriéit] : 「創造する、作り出す、創り出す」
- difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
❖ "Your brother is ~ "「あなたの同胞は、あなたの友なのである」。"because his Father ~ "「なぜなら、神は、あなたと同じように同胞を創造したからだ」。"There is no ~ "「あなたとあなたの同胞は、違いがないのだ」。神は、あなたという神の子と同じように、また別の存在としての、同胞という神の子を創造した、という意味ではない。神は、神の子という単一の存在を創造したのだ。その単一の神の子が神から分離し、神の子自らが自己を分裂させて、数多くの個体を偽創造したのだ。実相的には、あなたと同胞は一体であり、何の違いもない。自他一如なのだ。あるいは、多即一、なのである。
You have been given to your brother that love might be extended, not cut off from him. What you keep is lost to you. - given [gívn] : 「give の過去分詞形」
- extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
- cut off : 「切り取る、切除する、切断する、切り離す、切り落とす」
- keep [kíːp] : 「~を持ち続ける、保持する」
- lost [lɔ́st] : 「lose の過去・過去分詞形」
- lose [lúːz] : 「~を失う、見失う、喪失する、なくす」
❖ "You have been given ~ "「あなたは、あなたの同胞に、与えられたのだ」。"that love might ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために」、「同胞から愛を切り離すのではなく、愛が拡張され得るように、」あなたは、あなたの同胞に与えられたのだ。まるで、あなたが同胞の奴隷でもあるかのように与えられた、ととるのは誤りだ。あなたと同胞が、共に、単一の神の子であることに目覚めることが出来るように、そして、天の王国で、再び融合出来るように、あなたは同胞に与えられ、同胞はあなたに与えられたのだ。その同等の関係性の絆を深める役割をするのが愛であり、愛の分かち合い、そして動的な、愛の拡張である。"What you keep ~ "「あなたが独り占めするものは、あなたから失われるのだ」。愛をはじめとして、真実は、分かち合われることで拡張増大し、独り占めされることで失われる。天の王国における、神の法である。与えることは得ることであり、与えないことは失うことなのである。
God gave you and your brother Himself, and to remember this is now the only purpose that you share. - gave [géiv] : 「give の過去形」
- remember [rimémbər] : 「~を覚えている、~を思い出す」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- share [ʃέər] : 「~を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "God gave you and ~ "「神は、あなたとあなたの同胞に、神自身を与えた」。神は、神の子を創造するとき、神の属性のすべてを神の子に継承した。神は、自らを神の子に与えたのだ。"and to remember this ~ "「このことを思い出すことは、今や、あなたと同胞が分かち合う唯一の目的である」。あなたも同胞も、自分が神の子であって、神の属性のすべてをい受け継いでいるという事実を思い起こすことが、当面の、唯一の目的となる。人間がサルから進化した単なる動物であるという幻想から目覚めて、神の子として、神の世界である実相世界に目覚めることが、あなたにとって急務である。
And so it is the only one you have. Could you attack your brother if you chose to see no specialness of any kind between you and him? - attack [ətǽk] : 「~を襲う、~を攻撃する、~を非難する」
- chose [tʃóuz] : 「choose の過去形」
- choose [tʃúːz] : 「~を選ぶ、~を選択する」
- specialness [spéʃəlnis] : 「特別であること、特別性」
- of any kind : 「いかなる種類の」
- between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "And so it is ~ "「そういうわけで、その目的が、あなたの持っているただ一つの目的となる」。"Could you attack ~ "「もし〜なら、あなたは、あなたの同胞を攻撃出来るだろうか」。"if you chose ~ "「もしあなたが、あなたと同胞の間に、いかなる種類の特別性も見ようとしないと選択したなら、」あなたは、あなたの同胞を攻撃出来るだろうか。あなたが、あなたの同胞と自他一如であると認識し、自分が他者と比較して特別な存在ではないと受け入れることを選択したなら、他者を攻撃することは自分を攻撃することだと知って、そんなことをする意味はないと知るだろう。
Look fairly at whatever makes you give your brother only partial welcome, or would let you think that you are better off apart. - fairly [fέərli] : 「公平に、平等に、正しく、適正に」
- whatever [hwʌtévər] : 「~するのは何でも」
- make : 「〜に~させる」
- partial [pάːrʃəl] : 「部分的な、一部の、一部分の、不完全な」
- welcome [wélkəm] : 「歓迎、歓待」
- better [bétər] : 「より良い、より優れている」
- be better off : 「もっと良い状態になる、一層暮らし向きが良くなる」
- apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
❖ "Look fairly at whatever ~ "直訳すると、「あなたに、あなたの同胞をほんの部分的な歓迎しかさせないようなものは何でも、あるいは、同胞と離れていれば、あなたはもっと楽に生きていけると思わせるようなものは何でも、それを、公平に見てみなさい」。あなたが同胞を、自他一如として全面的に受け入れることが出来ないようにさせている原因、あるいは、同胞と分離している方が暮らしやすいと思わせている原因を、公平な目で見て調べなさい。
Is it not always your belief your specialness is limited by your relationship? - always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常に」
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
- limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
- relationship [riléiʃnʃìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
❖ "Is it not always ~ "「その原因は常に、あなたと同胞の関係性によって、あなたの特別性が制限されてしまうと信じ込んでいることにある」。真の関係性が教える自他一如という真実が、あなたの特別性を崩壊させてしまうこと、あなたはそれを一番恐れている。同胞と築く関係性が、あなたに、あなたが特別な存在であることを感じさせているうちはいいが、それが否定されそうになると、あなたは関係性そのものを否定してしまうだろう。あなたにとって一番大切なのは、関係性そのものではなく、あなたの特別性なのだ。関係性の中であなたは、あなたのパートナーを愛していると言うが、あなたが本当に愛しているのはパートナーではなく、あなたの特別性である。何のことはない、特別だと信じているあなたは、あなたが一番可愛いだけなのだ。
And is not this the "enemy" that makes you and your brother illusions to each other?- enemy [énəmi] : 「敵、敵国」
- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
- to each other : 「お互いに対して」
❖ "And is not this ~ "「そして、これこそ、あなたと同胞を、互いに幻想化してしまう『敵』ではないのだろうか」。あなたが、実相から逃れ、幻想の中に留まろうとする原因、あなたと同胞を幻想化させてしまう、真実にとっての『敵』は、あなたが崇めている特別性ではないのか。
8. The fear of God and of your brother comes from each unrecognized belief in specialness. - fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
- come from : 「~から来る、~に由来する、源を~に発する」
- unrecognized : 「承認されていない、正当に認められていない、認識されていない」
❖ "The fear of God ~ "「神への恐れ、あなたの同胞への恐れは、それぞれ、認識されてはいない特別性への信念に、由来するのだ」。神への恐れとは、ここでは、神は単一の神の子を創造したのであって、神の子に特別な序列がないという真実への恐れのこと。その真実を受け入れれば、あなたの特別性は崩壊する。また、同胞への恐れとは、同胞が自他一如であって、あなたと同一だという真実への恐れのこと。これまた、受け入れれば、あなたの特別性は崩壊する。いずれにせよ、あなたは自分の特別性を崇拝しているのだ。まさに、特別性は、あなたの偶像(idol)なのだ。もちろん、あなたは、そんなことに気付いてはいない(unrecognized)。
For you demand your brother bow to it against his will. And God Himself must honor it or suffer vengeance. - demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
- bow [báu] to : 「~に礼をする、~に屈する、~に降参する、~に従う」
- against [əgénst] : 「~に反対して、~に逆らって、~にそむいて」
- will [wíl] : 「意志、願望、意欲」
- honor [άnər] : 「~に敬意を払う、尊敬する、称える、支持す」
- suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる、我慢する」
- vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
❖ "For you demand your ~ "「なぜなら、あなたは同胞に、彼の意思に反して、特別性に屈するようにと要求しているからだ」。つまり、同胞に対して、あなたの特別性を認めて、その特別性を崇めよ、と暗に要求しているようなものなのだ。それは同胞の意思することではないので、同胞は、あなたに反抗する可能性がある。あなたを特別だとは認識しない可能性があるのだ。それを、あなたは恐れている。反抗を恐れるというより、むしろ、特別性を認められないことが恐ろしいのである。"And God Himself must ~ "「そして、神自身も、あなたの特別性を尊重すべきであって、さもなければ、神は復讐に苦しむことになる」と、あなたは思い込んでいる。神が、あなたの特別性を重んじてくれなかったら、あなたは神に復讐してやろうとさえ思っている。神よりも、特別性という偶像の方が、あなたにとっては重要なのだ。
Every twinge of malice, or stab of hate or wish to separate arises here. - twinge [twíndʒ] : 「ズキズキする痛み、うずき、苦痛」
- malice [mǽlis] : 「悪意、恨み、犯意」
- stab [stǽb] : 「突き刺すこと、刺し傷、突き傷、刺すような痛み」
- hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
- wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
- separate [sépərèit] : 「分かれる、分離する、別居する」
- arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
❖ "Every twinge of ~ "「あらゆる敵意のズキズキする痛み、憎悪の刺すような痛み、分離したいという願い、そういったものが、ここから立ち上がってくるのだ」。これが、あなたがこの幻想世界で築く特別な関係性の末期症状である。あなたは、あなたの特別性に無関心なパートナーに敵意を感じ、パートナーも、特別性を崇めるあなたに敵意を感じ、嫌い、嫌われ、憎悪と嫌悪に嘖(さいな)まれた心の痛みに耐えられず、ついには別れてしまいたいと願う。特別な関係性の、腐れきった末期症状である。
For here the purpose that you and your brother share becomes obscured from both of you. - purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- share [ʃέər] : 「~を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
- become [bikʌ́m] : 「~になる」
- obscure [əbskjúər] : 「~を暗くする、見えなくする、〜を曖昧にする」
- both [bóuθ] : 「両方、双方」
❖ "For here the purpose that ~ "「なぜなら、ここにおいて、あなたと同胞が分かち合う目的が、あなた方両者にとって、曖昧になるからだ」。目的を一にするなら、一心同体にもなれようが、目的が曖昧にされると、一心同体になる理由が失われ、あなたと同胞の心はますます分離していく。
You would oppose this course because it teaches you you and your brother are alike. - oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する、対抗する、敵対する」
- course [kɔ́ːrs] : 「課程、講座、科目、単位、方向、コース、進路」
- teach [tíːtʃ] : 「~を教える、指導する、学ばせる、悟らせる」
- alike [əláik] : 「似ている、そっくりで」
❖ "You would oppose ~ "「あなたは、このACIMに抵抗したいと思うかも知れない」。"because it teaches ~ "「なぜなら、このACIMはあなたに、あなたと同胞は同一であると教えているからだ」。特別性を殊更重んずるあなたにとって、自他一如を教えるACIMは受け入れがたいのだ。そのくせ、ACIMを学ぼうとしているのだから、心に矛盾を抱えているとしか言いようがない。あなたが、あくまでも自分の特別性にこだわりたいと思うなら、即刻、ACIMの学びを放棄すべきだ。さもないと、あなたの心は分裂し、精神的な異常を来すことが目に見えているからだ。たとえば、あなたは、ある宗教を特別だと認識して信じてるとしよう。しかし、ACIMは、その特別性を否定する。あなたは、今まで信じてきた宗教を信じ続けるか、新たに、真実を教えてくれるACIMを信じるか、心に大きな葛藤が起きるだろう。その葛藤が長引けば、あなたの心は分裂してしまうのだ。ある宗教とは、奇っ怪な新興宗教に限らず、既成のオーソドックスなキリスト教も、もちろん含めてのことである。
You have no purpose that is not the same, and none your Father does not share with you.- same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- share with : 「~を〜と分け合う」
❖ "You have no purpose ~ "「あなたは、同じものではない目的など、決して持てないのだ」。"and none your Father ~ "「ましてや、父なる神があなたと分かち合わない目的など、決して持つことは出来ない」。真実の目的は実相的目的であって、実相は一元論世界であるので、実相的目的も究極的には単一なのだ。すべての実相的実在が分かち合う真実の目的である。つまり、目的自体も分離分裂することなく、一体となって存在するのである。その単一の目的を、父なる神は神の子と分かち合っているはずであり、それから外れるような目的は、神の子であるあなたであっても、持ちようがない。父なる神の意思から外れるような目的を、もしあなたが持つことが出来たなら、それは真実の目的ではないと断言出来るのである。では、究極的な目的とは何か? それは、ACIMの説くところによれば、神の子が、神の世界、実相世界、天の王国へ無事回帰し、神の元へ再び戻り、そこで神と神の子が融合し、さらにホーリー・スピリットもそれに加わり、ついには三位が一体になることなのだ。実相世界の実在が、すべて融合し、たった一つの極限値へと収斂する。それが、"God is"「神あり」の世界であり、すべてを溶かし込んだ神のみの存在となる。それが、最終的な、唯一の目的なのである。
For your relationship has been made clean of special goals. And would you now defeat the goal of holiness that Heaven gave it? - relationship [riléiʃnʃìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- make : 「~の状態を作り出す、~にする」
- clean [klíːn] : 「掃除をした、洗濯した、汚れを落とした」
- special [spéʃəl] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
- goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
- defeat [difíːt] : 「負かす、倒す、破る、打倒する、打ち倒す」
- holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
❖ "For your relationship ~ "「なぜなら、あなたの関係性は、特別な目的が一掃されたからである」。あなただけの特別な目的が一掃されたのだから、あなたの関係性は、単一同一の目的だけを持つことが可能だ。それは、実相的な真実の目的である。"And would you ~ "「そんな今、あなたは、天の王国があなたの関係性に与えてくれた神聖さという目的を打ち砕きたいと思うだろうか」。あなたにとって、差し迫った実相的な真実の目的は、あなたが幻想を離れて、関係性を神聖なものに変えることである。その、神聖な目的(the goal of holiness)を、あなたの特別性を守るために、打ち砕いてしまう(defeat)ことが、あなたの望みだろうか(would you now ~)。
What perspective can the special have that does not change with every seeming blow, each slight, or fancied judgment on itself?- perspective [pərspéktiv] : 「展望、物の見方、考え方、観点、視野」
- change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
- change with : 「~とともに変わる」
- seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの、うわべの」
- blow [blóu] : 「殴打、一撃、強打、殴り合い、打撃、衝撃」
- slight [sláit] : 「非常に小さい、極めて少量の、ほんのわずかな」
- fancy [fǽnsi] : 「~を心に描く、想像する、空想する」
- fancied : 「想像上の、架空の」
- judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
❖ "What perspective can ~ "「特別である者は、〜であるようなものの見方をもつであろうか」。"that does not change ~ "「表面的な打撃や、ちょっとした、あるいは空想的な、それ自体に下した判断によって、変わったりしない」ものの見方をもつであろうか。特別性とは、ある対象と比較したときにだけに特別だと言えるのであって、完全に相対的な評価のだ。したがって、参照する対象によって、特別性は変化するのである。特別であると自称する者は、絶対的な、変化しない価値観も判断基準も持ち合わせてはいない。参照する対象によっては、自分の特別性に打撃らしきもの(seeming blow)を加えるものもあろうし、自分自身が自分の特別性に対して、相対的であやふやな、いわば空想的な判断を下して(fancied judgment on itself)、特別性に揺らぎ(change)を加えることもあろう。真実の見方が永遠不変であるのに対して、特別性の見方は、このように、変化流動するものなのだ。変化流動と言うよりも、不安定ではかないものだ、と言うべきだろう。