●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-24.V.1:1 ~ T-24.V.2:4

 
 

V. The Christ in You
あなたの心の中のキリスト
 
 
 
1. The Christ in you is very still. He looks on what He loves, and knows it as Himself.
  • still [stíl] : 「静止した、穏やかな、平穏な、平静な」
  • look on : 「〜を見る」
❖ "The Christ in you ~ "「あなたの心の中のキリストは、実に穏やかである」。実相的存在は、おしなべて穏やかであり、平静であり、静けさを愛する。"He looks on ~ "「キリストは、愛するものを見つめ、それが、キリスト自身であると知っている」。あなたの心の中のキリストは、愛するあなたをキリスト自身であると認識している。ACIMのこの概念は非常に重要だ。あなたは神の子として、実相的には、救いという使命を帯びたキリストと同体である。幻想を排除してキリストとして生きること、あるいは、キリストになること、それが神の子の目的となる。



And thus does He rejoice at what He sees, because He knows that it is one with Him and with His Father.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • rejoice [ridʒɔ́is] : 「うれしがる、喜ぶ、祝う」
  • rejoice at : 「〜を喜ぶ」
❖ "And thus does ~ "「それゆえ、キリストは、目にした光景に喜びを感じるのだ」。キリストはあなたを見て、あなたがキリストと同体であることを喜び、祝福する。"because He knows ~ "「なぜなら、キリストは、あなたがキリストと一体であり、父なる神とも一体であることを知るからである」。神から分離した神の子が天の王国へ回帰すれば、天の王国で、神と神の子とホーリー・スピリットとしてのキリスト、この三者(三位)が、融合し合い、一体となる。いわゆる三位一体が完成するのだ。それこそが、実相的存在の自然な形なのである。一元論世界の必然なのだ。すべてが、神という一点に収斂していくのである。



Specialness, too, takes joy in what it sees, although it is not true.
  • specialness [spéʃəlnis] : 「特別であること、特別性」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜、喜びの種」
  • take joy in : 「〜を楽しむ」
  • although [ɔːlðóu] : 「〜だけれども、〜ではあるが、〜とはいえ」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "Specialness, too, takes ~ "「特別性もまた、目にしたものを楽しむのである」。特別性が目にするものとは、同胞の罪であり、同胞の卑小さであり、攻撃されて敗北する同胞の姿である。それを、あなたの特別性は目にして、密かに楽しみ、喜ぶのだ。"although it is ~ "「特別性が目にするものは、真実ではないのだが」。もちろん、幻想の特別性が目にする光景自体は、単なる幻想に過ぎない。真実ではない。



Yet what you seek for is a source of joy as you conceive it. What you wish is true for you.
  • seek for : 「〜を探し求める」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起点、原因」
  • conceive [kənsíːv] : 「心に描く、思い付く、着想する」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
❖ "Yet what you seek for ~ "「しかし、あなたが探し求めるものは、あなたが心に思い描く通りの、喜びの源となる」。あなたが善を心に描けば、それが源となって、あなたは善を求め、あなたが悪を心に描けば、それが源となって、あなたは悪を求めるのだ。その求めたものが手に入ったとき、あなたは無上の喜びを感じる。あなたがキリストを心に描くか、特別性を描くか、実相を描くか、幻想を描くか、それによって、あなたの求めるものは異なることとなり、喜びもまた、真実の喜びから、幻想の喜びまで、千差万別となる。



Nor is it possible that you can wish for something and lack faith that it is so. Wishing makes real, as surely as does will create.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • wish for : 「〜を求める、〜を欲しいと願う」
  • lack [lǽk] : 「〜を欠く、〜が欠けている、十分にない、足りない」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、信念、確信」
  • make : 「〜の状態になる」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
❖ "Nor is it possible ~ "ここは"it ~ that ~ "の構文、「あなたが何かを求め、かつ、それが求めたことであると信じられないことがあり得るかというと、そんなことはあり得ない」。回りくどい言い方をしているが、要するに、あなたは、あなたが求めたものを信じるのだ、ということ。あなたが希求したものが、あなたのアイドルになるのである。実は、その逆を、我々は信じていた。つまり、信じるものが先にあって、それを求めていると。しかしここで、ACIMは、流れはその逆だと教えているのである。"Wishing makes ~ "「望むことが現実化するのである」。まさに、思いは現実化するのである。"as surely as ~ "「それは、意思が創造するのと同様に、確かである」。意思は創造し、願いは現実化する。



The power of a wish upholds illusions as strongly as does love extend itself. Except that one deludes; the other heals.
  • uphold [ʌphóuld] : 「支持する、支える、上げる」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • strongly [strɔ́ːŋli] : 「強く、強力に、たくましく、強硬に」
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • except [iksépt] : 「ただし、〜を除いて」
  • delude [dilúːd] : 「だます、欺く」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
❖ "The power of a wish ~ "「望むことのもつパワーは、愛が愛自身を拡張するのと同じくらい強烈に、幻想を支えるのである」。幻想を望めば、その望むパワーが幻想を現実化し、幻想を維持するのである。それは、実相の愛が分かち合われることで拡張増大する、そのパワーと同じくらい、強いものなのだ。幻想のはびこる勢いはすごい、ということだ。幻想は、まさに、雑草的である。



2. There is no dream of specialness, however hidden or disguised the form, however lovely it may seem to be, however much it delicately offers the hope of peace and the escape from pain, in which you suffer not your condemnation.
  • dream [dríːm] : 「夢、夢現象、夢うつつの状態、理想」
  • however [hauévər] : 「どんなに〜でも、いかに〜であろうとも」
  • hidden [hídn] : 「隠された、秘密の」
  • disguise [disgáiz] : 「変装させる、偽装させる、隠す、偽る、隠蔽する」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見」
  • lovely [lʌ́vli] : 「愛らしい、かわいらしい、美しい、すてきな」
  • delicately [délikətli] : 「繊細に、上品に、微妙に、きめ細かに」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • hope [hóup] : 「希望、望み」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、ずらかる、脱出する、抜ける」
  • pain [pain] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、経験する、被る」
  • condemnation [kὰndemnéiʃən] : 「激しい非難、糾弾、有罪宣告」
❖ "There is no dream ~ "ここは、中間部分を省いて、最初の部分と最後の部分をくっつけしまえば、訳しやすい、「あなたが有罪宣言に苦しまないような、特別性の夢はない」。あなたの特別性は、同胞の罪を暴き、それによって同胞を攻撃し、同胞を卑小な者と貶(おとし)めるのだが、そんな罪作りな行為によって、あなたは自分自身を有罪と判断し、それによって苦しむことになる。中間部分、"however hidden or ~ "「どんなに、特別性を隠し、形を偽装しようとも、」"however lovely it "「どんなに、特別性が愛らしく見えようとも、」"however much it ~ "「そして、特別性が、平和への希望と痛みからの脱出を、どんなにきめ細やかに差し出しても」。



In dreams effect and cause are interchanged, for here the maker of the dream believes that what he made is happening to him.
  • effect [ifékt] : 「効果、効力、結果、影響、作用」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因」
  • interchange [ìntərtʃéindʒ] : 「〜を置き換える、互いにやりとりする、入れ替える」
  • maker [méikər] : 「作る人、製造業者、メーカー」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • happen to : 「〜に発生する、〜に起こる」
❖ "In dreams effect ~ "「夢の中では、原因と結果は、ころころ入れ替わる」。夢は、理路整然とした因果律で成り立っているものではない。"for here the maker of ~ "「なぜなら、夢の中では、夢を見ている者がthat以下を信じているからだ」。"that what he made ~ "「自分が作った夢が、(本当に)自分に起きているのだ」と信じているからだ。簡単に言えば、夢が本当に起きていると信じ込んでいるで、因果律に従わない出来事が次々に起きてくるのである。つまり、夢の中では、何かを思えばすぐ夢に表れ、また別の何かを思えばそれが夢に表れる。その二つが矛盾していようが、因果が逆転していようが、お構いなしなのである。



He does not realize he picked a thread from here, a scrap from there, and wove a picture out of nothing.
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • thread [θréd] : 「糸、より糸」
  • scrap [skrǽp] : 「くず、かけら、スクラップ、くず鉄」
  • wove [wóuv] : 「weave の過去・過去分詞形」
  • weave [wíːv] : 「織る、作る、編む」
  • picture [píktʃər] : 「絵、像、絵画、絵柄、図面、光景」
  • out of : 「〜から作り出して、〜を材料として」
❖ "He does not realize ~ "「彼は、ここから糸を拾い出し、あそこからくず布を拾い出し、無から絵を編み出していることに、気付いていないのだ」。あちこちの思いつきから、それを継ぎはぎして夢を作っているだが、所詮、夢は無であり、無のキャンバスに無の絵の具で絵を殴り描きしているようなものだ。



For the parts do not belong together, and the whole contributes nothing to the parts to give them meaning.
  • part [pάːrt] : 「一部、部分、部品、パーツ」
  • belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
  • together [təɡéðər] : 「一緒に、同時に」
  • belong together : 「グループを成す」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • contribute [kəntríbjuːt] : 「貢献する、寄与する、〜の一因となる」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
❖ "For the parts do not ~ "「なぜなら、夢の部品はグループをなすことはなく、」"and the whole contributes ~ "「出来上がった夢の全体が、部品に意味を与えることにさえ寄与しないのだから」。夢の構成要素もバラバラで一貫性がなく、出来上がった夢自体も意味がない。従って構成要素に意味を与えることすら不可能だ。つまり、夢は、どこをとっても、全体をみても、チャランポランなのだ。夢、つまり、幻想世界はチャランポランな世界なのである。  
 
 

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