4. Without foundation nothing is secure. Would God have left His Son in such a state, where safety has no meaning?
- without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜がなければ」
- foundation [faundéiʃən] : 「土台、礎、基盤」
- secure [sikjúər] : 「安全な、安全にする、確実な、信頼できる」
- left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
- leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする、置き忘れる」
- state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
- safety [séifti] : 「安全性、無事、無難なもの」
- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
❖ "Without foundation ~ "「基盤なくして、何ものも安全ではない」。"Would God have ~ "「神が神の子を、そんな状態に置き去りにしたいと思うだろうか」。"where safety has ~ "「そんなところでは、安全という言葉は意味をもたないのだ」。"Without foundation"「基盤なくして」とは、実在する世界を持たずに、と言う意味で、つまり、幻想世界のことを言っている。この世界は、実在という基盤を持たないので安全ではない。幻想世界では、安全という言葉が意味を持たないのだ。なぜななら、変化流動する世界にあっては、確実に安全だと言い切ることはまったく不可能だからだ。そんな、確実な安全性の存在しない不安定な幻想世界に、神が神の子を放置したいなどと望むはずはない。
No, His Son is safe, resting on Him. It is your specialness that is attacked by everything that walks and breathes, or creeps or crawls, or even lives at all. Nothing is safe from its attack, and it is safe from nothing. - safe [séif] : 「安全な、無事な、安泰で、別状がない」
- rest [rést] : 「ある、置かれている」
- specialness [spéʃəlnis] : 「特別性、特別であること」
- attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
- walk [wɔ́ːk] : 「歩く、歩行する」
- breathe [bríːð] : 「呼吸する、息をする」
- creep [kríːp] : 「はう、ゆっくり近づく、忍び寄る」
- crawl [krɔ́ːl] : 「はう、はって行く、腹ばいで進む」
- lives : 「lifeの複数形」
- life [láif] : 「生物、生命」
- at all : 「とにかく、仮にも、いやしくも」
❖ "No, His Son ~ "「いいや、(神はそんなことを望まない。) 神の子は安全であり、」"resting on ~ "「神の上にあるのだ」。神に守られて存在している、といった意味合い。"It is your specialness ~ "ここは"It ~ that ~ "の強調構文、「〜であるのは、あなたの特別性である」。"that is attacked ~ "「歩き、息をし、忍び寄り、はい回る、いやしくも命あるものすべてから攻撃を受けるのは、」あなたの特別性である。まったく同一、単一であるなら、そこに攻撃は存在しない。分離し、区別が出来るからこそ攻撃が成立するのであり、ましてや、特別性を有しているならなそさら、攻撃されることも、また攻撃することも日常茶飯事だ、というわけである。"Nothing is safe ~ "「何ものも、特別性の攻撃から安全だとは言えないし、特別性は、何ものからも安全ではない」。分離した特別性同士が、弱肉強食の世界を演ずるわけだ。この幻想世界の生存は、この特別性の生き残りゲームで成り立っている。特別性のサバイバル・ゲームである。
It will forevermore be unforgiving, for that is what it is; a secret vow that what God wants for you will never be, and that you will oppose His Will forever. - forevermore : 「今後永久に」
- unforgiving : 「許さない、容赦のない、執念深い、厳しい」
- secret [síːkrət] : 「秘密の、内緒の、ひそかな、機密の」
- vow [váu] : 「誓い、誓約」
- oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する、対抗する、敵対する」
- will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "It will forevermore ~ "「特別性は、永遠に、赦すということはない」。もちろん、逆に、赦されることもない。"for that is what ~ "「なぜなら、それが、特別性の本当の姿だからだ」。特別性は、分離と罪の意識から生まれた。特別性の役割は、したがって、分離と罪を温存することであって、他者の罪を幻想として赦すなどということは、特別性の役割に、完全に反しているのだ。永遠に赦すことなく分離と罪を持ち続けること、それが、特別性の本当の姿である。"a secret vow that ~ "「神があなたのために望むことが決して叶わないようにと、あなたが神の意思に永遠に反抗するようにと、密かに誓ったこと」それが、特別性の姿である。
Nor is it possible the two can ever be the same, while specialness stands like a flaming sword of death between them, and makes them enemies.- possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
- same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
- stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
- flaming [fléimiŋ] : 「燃え立つような、熱烈な、激しいs」
- sword [sɔ́ːrd] : 「剣、刀」
- death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
- between [bitwíːn] : 「〜の間に」
- make : 「〜を〜の状態にする、〜にする」
- enemy [énəmi] : 「敵、敵国」
❖ "Nor is it possible ~ "「〜である限りは、(特別性を信仰する)あなたの意思と神の意思の二つが、同じものとなる可能性はない」。"while specialness stands ~ "「特別性が、燃えるような死の剣のように、二人の間に立ち塞(ふさ)がり、二人を敵同士にしている限りは、」あなたの意思と神の意思の二つが、同じものとなる可能性はない。もちろん、敵意を抱いているのは、神の子であるあなたの方であって、神はあなたを決して敵だなどと思っていない。あなたがどんなに神に対して反抗しようとも、神にとってあなたは、あくまでも、愛してやまない子なのである。神が神の子を罰して報復するなどという、馬鹿げたことを神がするはずはないのだ。神は純粋な愛であって、一つの憎しみのかけらも混じってはいない。
5. God asks for your forgiveness. He would have no separation, like an alien will, rise between what He wills for you and what you will. - ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
- forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
- have : 「〜に〜させる」
- separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
- alien [éiliən] : 「性質の異なる、異質な、縁もゆかりもない」
- rise [ráiz] : 「立ち上がる、起立する」
❖ "God asks for your ~ "「神は、あなたの赦しを求めている」。神が、あなたから赦されてたいと思っている、という意味ではない。あなたが特別性という幻想から目覚めること、つまり、幻想を幻想と認めて受け流し赦す事を、神はあなたに求めているのだ。いわば、悪夢にうなされる我が子に、目覚めるようにと優しく囁(ささや)きかける母親のようなものである。"He would have ~ "「神は、神があなたのために意思することと、あなたが意思することの間に、異質な意思であるような特別性を立ち上がらせたくはないのだ」。神の意思とあなたの意思の間に、燃えるような剣である特別性を介在させたくはない。簡単に言えば、神の愛と神の子の愛の間に、その愛を二つに分かつような、けちな幻想を介在させたくないのである。
They are the same, for neither One wills specialness. How could They will the death of love itself? - neither [níːðər] : 「どちらの〜も〜でない」
❖ "They are ~ "「神と、神の子であるあなたは、同じなのだ」。"for neither One ~ "「なぜなら、どちらも、特別性など意思していないからだ」。これまで、神の子であるあなたは、特別性を殊更に意思していると述べられてきたのだが、ここにきて、あなたは特別性を意思してはいないと語られる。矛盾か? いいや、そうではない。幻想世界に眠りこけて夢を見ているあなたは、特別性を信仰し意思しているかに見えるのだが、神の子としての正気さを正せば、つまり、実相的なあなたは、決して特別性を意思したりしてはいない。"How could They will ~ "「いったいどうすれば、二人は、愛それ自体の死を意思出来るだろうか」。実相的なあなたも、神も、愛は意思できるが、死は意思出来ないのだ。なぜなら、実相世界に死という概念自体がないからだ。
Yet They are powerless to make attack upon illusions. They are not bodies; as one Mind They wait for all illusions to be brought to Them, and left behind. - powerless [páuərlis] : 「効果がない、無能な、力のない」
- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
- body [bɑ́di] : 「体、身体、人体、肉体」
- wait [wéit] for : 「〜を待つ」
- brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
- bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜を連れて来る、〜をもたらす」
- left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
- leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする、置き忘れる」
- behind [biháind] : 「後に、後ろへ、後ろ側に、背後に」
❖ "Yet They are powerless ~ "「しかし、神もあなたも、幻想を攻撃するパワーをもってはいない」。神も神の子も、幻想に対して無力だ、非力だ、という意味ではない。実相世界には、攻撃という概念もないのだ。攻撃という概念がないのだから、攻撃のパワーもない。そういう意味である。では、幻想に対して無力であり、幻想はただ野放しにされるだけなのか、と言うと、そうではない。実相は、幻想を赦すことで、幻想を消滅させるのである。その意味では、真実のパワーを有しているのだ。ヒーリングのパワーである。"They are not ~ "「神もあなたも、肉体ではない」。神もあなたも、肉体という幻想の存在ではない。だから、幻想を攻撃するパワー、つまり、幻想の(虚偽の)パワーを持っていないのだ。持っているのは、実相の(真実の)パワーである。"as one Mind They ~ "「一つの心として、神もあなたも、幻想が持ち込まれるのを待っている」。"and left ~ "「そして、それを、後に置き去りにするのである」。"left behind"「置き去りにする」とは、幻想を幻想と認め、幻想を赦し、受け流してしまう、ということである。赦され、置き去りにされた幻想は、ただ消滅していくのである。これが、真実のパワー、赦しのパワーであり、ヒーリング・パワーである。
Salvation challenges not even death. And God Himself, Who knows that death is not your will, must say, "Thy will be done" because you think it is.- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
- challenge [tʃǽlindʒ] : 「〜に異議申し立てをする、挑む、挑戦する」
- thy [ðái] : 「そなたの、汝の」
- done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
❖ "Salvation challenges ~ "「救いは、死に対してさえも挑戦はしない」。短い文章だが、非常に重要な思想である。神は、死からの救済を意思、意図していないということだ。前文同様、死という幻想を赦し、受け流し、消滅させることを意思しているのである。戦うなかれ、ただ赦せ、というわけである。"And God Himself ~ "「神自身は、死があなたの意思ではないと知っているのだが、」"must say, "Thy will ~ "「その神は、『汝の意思は成就するだろう』と言うに違いない」。"because you think ~ "「なぜなら、あなたは、それがなされることを思っているのだから」。非常に難解である。まず、死があなたの意思することではない、これはいいだろう。あなたは、死という幻想を意図したりしていない。その意図が叶うだろう、と神は言うのである。"Thy will be done"は、文字通りに訳せば、「汝は、なされるだろう」ということになるが、明らかに、「あなたの思いは実現するだろう」という意味だ。あなたは幻想の死を意図しない。だから、あなたのその思いは実現し、あなたに死が訪れることはない、という意味である。つまり、あなたは実相的な命を意思し、その思いが実現して、あなたは永遠の命を獲得するのである。誤解してはいけないのは、永遠の命とは、時間的にだらだらと永遠に続く命、という意味ではない。時間という枠組みを超越した命、非時間的命という意味である。幻想の肉体が消滅して、あなたは非時間的な永遠の命に生きるのである。それが、天の王国で生きる、という意味である。