6. What would they see instead? The shining radiance of the Son of God, so like his Father that the memory of Him springs instantly to mind.
- instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、そうしないで」
- shining [ʃáiniŋ] : 「光る、輝く、きらめく、明るい」
- radiance [réidiəns] : 「輝き、光輝、放射輝度」
- memory [méməri] : 「思い出、出来事、事実」
- spring [spríŋ] : 「湧き出る、生じる」
- instantly [ínstəntli] : 「すぐに、すぐさま、一瞬にして、即座に、直ちに」
❖ "What would they ~ "「特別性という幻想を見る代わりに、特別な者達は何を見ることになるだろうか」。"The shining radiance ~ "「神の子の、輝ける光輝である」。"so like his Father that ~ "ここは"so ~ that ~ "の構文、「その姿は、あまりにも父なる神に似ているので、すぐにも、神の思い出が心の中に湧き出すのだ」。特別だと信じている者が、その特別性を捨てるとき、その目に実相の光景が飛び込んでくる。輝く神の子としての自分の姿が目に入り、そして、神の思い出も湧き出してくるのである。これが、ACIMの言うヴィジョン(vision)である。
And with this memory, the Son remembers his own creations, as like to him as he is to his Father. - remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
- creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造、創作」
❖ "And with this ~ "「そして、この神の思い出と共に、」"the Son remembers ~ "「神の子は、自ら創造したものたちを思い出すのだ」。"as like to him ~ "「それはちょうど、神にとって神の子がそうであるように、神の子にとっても、神の子が創造したものはそうなのだ」。下手な役で申し訳ない。つまり、神と神の子が親子関係であるように、神の子と神の子が創造したものも親子関係にある、ということ。ところで、神の子が創造したものとは何か? 実相世界における愛や喜びや平和、等々と考えていい。幻想世界において築かれる、神聖で純粋な関係性も、神の子が創造したものである。簡単に言えば、神の子のもっている真実性、それが、神の子が創造したものである。
And all the world he made, and all his specialness, and all the sins he held in its defense against himself, will vanish as his mind accepts the truth about himself, as it returns to take their place. - world [wə́ːrld] : 「世界、世の中、世間」
- specialness [spéʃəlnis] : 「特別であること、特別性」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- held [héld] : 「hold の過去形」
- hold [hóuld] : 「心に抱く、〜であると考える、維持する、保持する」
- defense [diféns] : 「防衛、防御」
- against [əɡéinst] : 「〜に反対して、〜に逆らって」
- vanish [vǽniʃ] : 「消える、消えてなくなる、姿を消す」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
- return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
- take one's place [pléis] : 「定位置につく、地位を占める、〜と交代する、〜の代わりをする」
❖ "And all the world ~ "「神の子が作った世界のすべて、彼の特別性のすべて、特別性を彼自身から守るために保持してきた罪のすべて、それらは、〜するにつれ、消えてしまうのだ」。ここで言っている世界、特別性、罪は、神の子が本当の意味で創造したものではない。神の子が幻想したものであって、いわば、偽創造したものである。"as his mind accepts ~ "「神の子の心が、自分自身についての真実を受け入れるにつれて、」"as it returns to ~ "「また、神の子の真実の姿が、あるべき場所に戻ってくるにつれて、」幻想は消えてしまうのだ。真実に目覚め、神の子としての真実の姿が戻ってきたので、幻想のすべては消滅するのである。ところで、文の前半で、"all the sins he held in its defense against himself"「特別性を彼自身から守るために保持してきた罪のすべて」とあるが、「彼自身から守る」とは、大きな矛盾であるように思われるかも知れない。ここは、特別性を疑問視する、自分自身の正気さから特別性を守るため、という意味合いだと思えばいいだろう。つまり、狂気は特別性を信仰しているのだが、わずかに残された正気さが、その信仰に疑問を呈しているわけである。その正気さから、特別性という幻想を守るために、罪の意識を保持してきた、ということである。微妙な表現であるが、見過ごしてはならない。
This is the only "cost" of truth: You will no longer see what never was, nor hear what makes no sound. - cost [kɔ́st] : 「犠牲、代償、損失、費用、経費」
- no longer : 「もはや〜でない」
- hear [híər] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる、耳にする」
- make no sound [sáund] : 「全く音がしない」
❖ "This is the only ~ "「たったこれだけが、真実にかかる『コスト』である」。幻想世界と特別性と罪の意識の消滅、それだけが、真実に目覚めるために必要な『コスト』である。"You will no longer ~ "「あなたは、決して存在しなかったものを、もはや見ることはないだろうし、」"nor hear what ~ "「また、決して存在しなかった音を聞くこともなくなるのだ」。幻想世界、特別性、罪の意識、それらは元々、単なる幻想であって、決して存在しなかったもの、決して存在しなかった音、なのである。実相に目覚めれば、幻想は消滅し、存在したことのない幻想の現象は再び目の前に現れることも、耳に聞こえることもない。
Is it a sacrifice to give up nothing, and to receive the Love of God forever?- sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
- give up : 「あきらめる、断念する、放棄する」
- receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Is it a sacrifice ~ "「まったく何も諦めることがなく、神の愛を永遠に受け続けることが、はたして犠牲だろうか」。幻想を放棄することは犠牲だろうか。神の愛に回帰することで、何を犠牲にしたと言えるだろうか。得ることはあっても、失うものは何もないのだ。
7. You who have chained your savior to your specialness, and given it his place, remember this: He has not lost the power to forgive you all the sins you think you placed between him and the function of salvation given him for you. - chain [tʃéin] : 「〜を鎖につなぐ」
- savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
- place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
- remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
- lost [lɔ́st] : 「lose の過去・過去分詞形」
- lose [lúːz] ]: 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
- forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
- think [θíŋk] : 「〜を考える、〜を思う」
- place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
- between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "You who have chained ~ "「あなたの救い主を特別性というものに鎖で繋ぎ、そこを救い主の居場所に定めたあなたは、次のことを思い出すべきだ」。本当はあなたの救い主であるはずの同胞を非難攻撃し、卑小な者と評価比較することで、あなたは自分の特別性をかろうじて維持しているに過ぎない。"He has not lost ~ "「あなたのために彼に与えられた救いという役割と彼の間にあなたが置いたと思っている罪の数々のすべてを赦してしまうパワーを、彼は失ってはいない」。あなたは、自分の罪を隠し持ったまま、同胞の罪をあれこれ暴き出し、自分よりも罪が重いことを比較して、彼を罪深い卑小な者と評価した。それによって、あなたは相対的に特別に優位な者となるわけだが、幻想世界では、それはそれでいいのかもしれない。しかし、実相的に見れば、あなたが卑小だと判断した同胞とあなたは自他一如であり、あなた一人だけではなく、あなたと同胞が共に天の王国へ救われる必要があるのだ。つまり、同胞は、あなたが隠し持っている罪の意識を、それが幻想であるとあなたに知らしめ、あなたがそれを認識して受け流すことで、あなたは罪という幻想から救われるのである。同胞は、あなたにとっての救い主であり、もちろん、あなたは、同胞の救い主でもあるのだ。あなたがどんなに同胞をこき下ろそうと、また、同胞がどんなにあなたを過小評価しようと、共に神の子としての救いのパワーは失われることはない。共に神の子として、神の属性のすべて、神のパワーのすべてを継承しているからだ。カエルの子はカエルであって、どんなに貶(けな)されようと、ちゃんと泳げるのである。
Nor will you change his function, any more than you can change the truth in him and in yourself. - change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
- not A any more than B : 「Aでないのは Bでないと同じ」
❖ "Nor will you change ~ "「あなたが、救い主という同胞の役割を変えることが出来ないのは、」"any more than ~ "「あなたが、同胞とあなた自身の中の真実を変えることが出来ないのと同じなのだ」。あなたも同胞も、神の子という真実を継承したのだ。神の属性としての真実をすべて継承したのだ。それを、変えることは出来ない。同様に、同胞があなたにとっての救い主となり、あなたが彼の救い主となる役割は、真実であるゆえに、変えようがないのである。
But be you certain that the truth is just the same in both. It gives no different messages, and has one meaning. - certain [sə́ːrtn] : 「確信している、確実な、確かな、確信して」
- same [séim] :「同じ、同一の、変わらない」
- both [bóuθ] : 「両方、双方」
- different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
- message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通報、連絡事項、通信」
- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
❖ "But be you certain that ~ "「しかし、that以下に確信をもちなさい」。"that the truth ~ "「真実は、あなたと同胞の中で、まったく等しいのだ」ということに確信を持ちなさい。真実は永遠不変であり、あなたの真実も、同胞の真実も、実相的には単一であり、等しい。"It gives no ~ "「真実は、異なったメッセージを与えることはないし、その意味もたった一つなのだ」。真実に序列はないということを思い出そう。
And it is one you and your brother both can understand, and one that brings release to both of you. - understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
- bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜を連れて来る、〜をもたらす」
- release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
❖ "And it is one you and ~ "「それは、あなたと同胞が共に理解出来るメッセージであり、」"and one that brings ~ "「あなたと同胞の両者に解放をもたらすメッセージなのだ」。真実のメッセージとは、神からのメッセージと考えていい。神の意思であり、それを伝えるホーリー・スピリットの声である。その声を聞くことさえ出来れば、理解は容易だ。幻想世界から解放されて、実相世界へ目覚めるためのメッセージだからだ。つまり、故郷への回帰を促すメッセージである。
Here stands your brother with the key to Heaven in his hand, held out to you. - stand [stǽnd] : 「立ち上がる、立つ、立っている」
- key [kíː] : 「鍵、キー」
- held [héld] : 「hold の過去形、過去分詞形」
- hold out : 「差し出す、提供する、提出する」
❖ "Here stands your ~ "「ここに、あなたの同胞は、天の王国への鍵を手に持って立っており、その鍵をあなたに差し出しているのだ」。つまり、あなたの同胞は、あなたを天の王国(実相世界)へ入城させる鍵をもった救い主なのである。もちろん、あなたの手にも鍵は握られていて、その鍵は、同胞に手渡さなければならない。自分の鍵を使って、たった一人で天の王国へ入城することは不可能なのだ。それが、神の法である。実相世界では、特別性は存在出来ないのである。
Let not the dream of specialness remain between you. What is one is joined in truth.- dream [dríːm] : 「夢、夢現象」
- remain [riméin] : 「残る、残存する、とどまる、滞在する」
- between [bitwíːn] : 「〜の間に」
- join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する」
❖ "Let not the dream of ~ "「あなたと同胞の間に、特別性という夢を残してはいけない」。"What is one ~ "「単一である者同士は、真実の中で結ばれるのだ」。あなたと同胞は本来単一であり、天の王国という真実の中で、あなたと同胞は結ばれ、単一の神の子として再生されるのである。まさに、神の子の復活を遂げるのである。復活を遂げた神の子を神は歓迎し、抱きしめ、神と神の子は融合していく。そこに、神と神の子を橋渡ししたホーリー・スピリットが加わり、この三位が融合し一体となる。三位一体が実現するのである。実相世界の真実のすべて、存在のすべてが融合し、そして、完全な単一の存在へと収斂していく。その極地が、"God is"「神あり」の世界である。