●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-19.IV.A.11:1 ~ T-19.IV.A.12:7

11. Love's messengers are gently sent, and return with messages of love and gentleness.

  • messenger [més(ə)n(d)ʒə(r)] : 「メッセンジャー、使者、使い走」
  • gently [dʒéntli] : 「親切に、静かに、優しく、穏やかに」
  • sent [sént] : 「send の過去・過去分詞形」
  • send [sénd] : 「派遣する、送る」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「戻る、帰る、返還」
  • gentleness [dʒéntlmis] : 「優しさ、穏やかさ」
❖ "Love's messengers ~ "「愛のメッセージ(使者)は穏やかに送り出され、愛と優しさのメッセージを携えて戻ってくる」。"love's messenger"「愛のメッセージ(使者)」とは、ホーリー・スピリットそのものと考えてもいいが、愛を感じることの出来る心の部分、愛を感知する正しい感覚(知覚)、と考えた方がいいかも知れない。



The messengers of fear are harshly ordered to seek out guilt, and cherish every scrap of evil and of sin that they can find, losing none of them on pain of death, and laying them respectfully before their lord and master.
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • harshly[hάːrʃli] : 「厳しく、厳正に、過酷に、荒々しく、無情にも」
  • order [ɔ́ː(r)də(r)] : 「〜を命令する、命じる、指図する」
  • seek out : 「〜を捜し出す、〜を追求する」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • cherish [t∫éri∫] : 「〜を大事にする、大切にする」
  • scrap [skrǽp] : 「くず、かけら、小片、断片」
  • evil [íːvl] : 「害悪、悪、弊害、災害、不運」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • on pain of : 「〜の刑に処すという条件で」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡」
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
  • respectfully [rispéktfəli] : 「敬意を表して、丁重に、うやうやしく」
  • before [bifɔ́ː(r)] : 「前に、前方に」
  • lord [lɔ́ː(r)d] : 「領主、主人、支配者」
  • master [mǽstə(r)] : 「指導者、導師、主」
❖ "The messengers of fear ~ "「恐れのメッセージ(使者)は、罪を暴き出せと厳しく命じられ、」"and cherish every ~ "「見つけ出すことの出来た罪や悪事の、ちょっとしたかけらさえもことごとく、大切にする」。"messenger of fear"「恐れの使者」とは、ここも、エゴそれ自体と考えてもいいが、エゴに唆(そそのか)された心の部分、他者のあら探しをしては攻撃しようとする悪しき心の一部、恐ればかりを感知する知覚のこと。"losing none of them ~ "分詞構文、付帯状況、「発見し損なったら、死をもって処罰され、」"and laying them ~ "「支配者であり主である者の前にうやうやしく、探し出した罪や悪事を広げるのである」。恐れの使者が心の悪しき部分であるとすると、ここの支配者であり主である者とは、エゴのことだと思っていい。



Perception cannot obey two masters, each asking for messages of different things in different languages.
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
  • different [díf(ə)r(ə)nt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • language [lǽŋgwidʒ] : 「言語、言葉」
❖ "Perception cannot ~ "「知覚は、二人の主人に従うことは出来ない」。"each asking for messages ~ "分詞構文、理由、「二人の主人は各々、違った言葉の、違った内容のメッセージを要求しているからだ」。ここまで来ると、二人のメッセンジャー(使者)とは、どうやら、正しい心の部分がもつ知覚と悪しき心の部分がもつ知覚のことであると気が付く。主人とは、ホーリー・スピリットとエゴである。ホーリー・スピリットは愛のメッセージを愛の言葉で語るように求め、エゴは罪のメッセージを罪の言葉で語るように求めるわけだ。



What fear would feed upon, love overlooks. What fear demands, love cannot even see.
  • feed [fíːd] upon : 〜を餌にする、〜を常食とする
  • overlook [òuvə(r)lúk] : 「見て見ぬふりをする、見過ごす、大目に見る」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
❖ "What fear would ~ "「恐れが食っているものを、愛は見過ごす」。"What fear demands ~ "「恐れが要求するものを、愛は見ることさえ出来ない」。恐れは幻想レベルの知覚の産物であり、愛は実相レベルの実在であるから、そもそも、住んでいる次元が違い過ぎるのだ。



The fierce attraction that guilt holds for fear is wholly absent from love's gentle perception.
  • fierce [fíə(r)s] : 「荒々しい、激しい、すさまじい、熾烈な」
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
  • hold [hóuld] : 「心に抱く、保持する、持続する」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • absent [ǽbs(ə)nt] : 「いない、不在の、留守の」
  • absent from : 「〜を欠席している、〜に不在である」
❖ "The fierce attraction ~ "「罪がもっている、恐れに対するすさまじい魅力は、愛の優しい知覚にはまったくない」。愛は恐れをまったく感じない。実在の愛が、幻想の恐れを求めることはないのだ。



What love would look upon is meaningless to fear, and quite invisible.
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な」
  • quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
  • invisible [invízəbl] : 「目に見えない、不可視の、目につかない」
❖ "What love would ~ "「愛が目を向けるものは、恐れにとっては意味がないし、そもそも、まったく恐れの目には入らない」。愛は平和や喜びに目を向けるだろうが、恐れは平和や喜びとは無縁の感情である。恐れが平和や喜びを愛するはずも、求めるわけもまったくない。



12. Relationships in this world are the result of how the world is seen.
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
❖ "Relationships in this ~ "「この(幻想)世界における関係性は、この世界がどのように見られているかということの結果である」。この世界が愛の知覚で見られていれば、愛の関係性が結果になり、恐れの知覚で見られていれば、恐れの関係性が結果となる。愛か恐れか、そのどちらの目で見るかによって、関係性は愛にも恐れになる。



And this depends on which emotion was called on to send its messengers to look upon it, and return with word of what they saw.
  • depend [dipénd] on : 「〜によって決まる、〜次第である」
  • emotion [imóu∫n] : 「感情、情緒、感動」
  • call on : 「求める、要求する、所望する、頼む」
  • send [sénd] : 「送る、発送する、届ける、送信する」
  • look upon : 「見る、見渡す」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「戻る、帰る、返還する」
  • saw [sɔ́ː] : 「see の過去形」
❖ "And this depends on which ~ "「これは〜によって決まる」。これとは、愛の関係性か恐れの関係性かということ。"on which emotion ~ "意訳する、「物事を見るために送り出され、何を見たかを、その言葉を携えて戻ってくるメッセンジャー(使者)が求める感情によって、」愛の関係性であるか恐れの関係性であるかが決まる。ややこしい言い方をしているが、要するに、愛という感情を抱いて愛の使者を送り出せば(愛の感覚で世界を見れば)、愛というメッセージが返ってきて、あなたの関係性は愛に満たされるが、恐れという感情を抱いて恐れの使者と送り出せば(恐れの感覚で世界を見れば)、恐れというメッセージが返ってきて、あなたの関係性は恐れに満たされる、ということ。



Fear's messengers are trained through terror, and they tremble when their master calls on them to serve him. For fear is merciless even to its friends.
  • train [tréin] : 「練習する、訓練する、〜をしつける、教え込む」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • terror [térə(r)] : 「恐怖、テロ」
  • tremble [trémbl] : 「震える、身震いする、おののく、恐れる、わななく」
  • call on : 「求める、要求する、所望する、頼む」
  • serve [sə́ː(r)v] : 「〜に仕える、〜のために働く」
  • merciless [mə́ː(r)siləs] : 「無慈悲な、無情な」
❖ "Fear's messengers are ~ "「恐れのメッセンジャー(使者)は、恐怖を通して訓練される」。恐れの知覚、感覚は、恐怖を感じることでどんどん研ぎ澄まされていく。"and they tremble when their ~ "「そして、恐れの使者は、主(であるエゴ)が、主に仕えるように要求するとき、身震いするのである」。"For fear is ~ "「なぜなら、恐れは、その友人に対してさえ、容赦しないからだ」。恐れにとっては、恐ろしければ恐ろしいほど価値があるのである。



Its messengers steal guiltily away in hungry search of guilt, for they are kept cold and starving and made very vicious by their master, who allows them to feast only upon what they return to him.
  • steal [stíːl] : 「盗む、盗み取る」
  • steal away : 「〜をこっそり盗み去る」
  • guiltily [gíltili] : 「罪を犯して、気まずそうな顔をして、後ろめたそうに」
  • hungry [hʌ́ŋgri] : 「空腹の、空腹な、〜に飢えた」
  • search [sə́ː(r)t∫] : 「捜査、捜索、探索、検索、調査、探査、探求、追求」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • keep [kíːp] [SVOC] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
  • cold [kóuld] : 「寒い、無情な、非情な、薄情な、残酷な」
  • starving [stάːrviŋ] : 「飢えた、飢えて死にそうな、凍えた、ひどく寒い」
  • vicious [ví∫əs] : 「悪意のある、卑劣な、悪しき、凶暴な、どう猛な」
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
  • feast [fíːst] : 「ごちそうになる、大いに楽しむ」
  • feast on : 「〜を大いに楽しむ」
❖ "Its messengers steal guiltily ~ "「恐れのメッセンジャー(使者)は、ひもじい思いで罪を探し出し、こっそりと罪を盗み出していく」。 "for they are kept ~ "「なぜなら、恐れの使者は、寒さと飢えに晒(さら)されたままにされ、主(であるエゴ)によって、とても卑劣になっているからだ」。"who allows them to ~ "意訳する、「その主たるや、使者には、盗み出したものしか餌として与えないのである」。恐れを見いだそうとする感覚が、いかに荒(すさ)んだものであるかを述べている。それによって構築される関係性も、同時に、荒んだものになることは、実に当たり前だ。しかし、幻想世界の特別な関係性とは、まさにそういう関係性なのではないか? 



No little shred of guilt escapes their hungry eyes. And in their savage search for sin they pounce on any living thing they see, and carry it screaming to their master, to be devoured.
  • shred [∫réd] : 「少量、小片、断片、破片」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する、抜ける、免れる」
  • savage [sǽvidʒ] : 「粗野な、無礼な、下品な、野蛮な、残忍な、凶暴な、残酷な」
  • pounce [páuns] : 「急襲する、飛びかかる、〜に襲い掛かる」
  • carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持ち運ぶ」
  • scream [skríːm] : 「鋭い叫び声を上げる、金切り声を出す」
  • devour [diváuə(r)] : 「むさぼり食う、ガツガツ食べる」
❖ "No little shred of ~ "「ほんの小さな罪のかけらさえも、恐れの使者の飢えた目から逃れることは出来ない」。"And in their savage ~ "「そして、恐れの使者が罪を求めて凶暴に探し求める中で、」"they pounce on ~ "「恐れの使者は、目にした生けるものを歯牙(しが)にかける」。"and carry it screaming ~ "「そして、叫び声を上げながら、主(なるエゴ)の元へ獲物を持ち帰る」。"to be devoured"「そして、獲物はむさぼり食われることになるのだ」。恐れの使者、つまり、恐ればかりを探し求める感覚、知覚の凶暴さが述べられている。しかし、それもエゴの、いわば、子分なのだ。エゴが飼いならすチンピラである。
 
 
 

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