●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-27.VII.3:1 ~ T-27.VII.4:9

3. The "reasoning" by which the world is made, on which it rests, by which it is maintained, is simply this:
  • reasoning [ríːzəniŋ] : 「論法、推理、推論、論理的思考」
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ」
  • simply [símpli] : 「簡単に、分かりやすく」
❖ "The "reasoning" by which ~ "「この世界を成り立たせている『論法』は、」"on which it ~ "「世界はその論法に依拠しており、それによって維持されているのだが、」"is simply ~ "「その論法は、簡単に言うと次のようになる」。"The "reasoning" by which ~ "「この世界を成り立たせている『論法』」とは、一言で言えば、エゴの思考システムのこと。物質、肉体の実在性、そして罪の実在性を認め、復讐心と攻撃心によって力学的に世界は動いていくという論法である。



"You are the cause of what I do. Your presence justifies my wrath, and you exist and think apart from me.
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在、居ること」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する」
  • wrath [rǽθ] : 「激怒、憤怒、天罰、復讐、報復」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する、存続する」
  • think [θíŋk] : 「考える、思う、熟考する」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ ""You are the cause ~ "「『あなたは、私がすることの原因になっている」。私が苦しむも喜ぶも、あなた次第だ、あなたが原因を作っている、という意味合い。"Your presence justifies ~ "「『あなたの存在が、私の怒りを正当化し、あなたは、私から分離して存在し、考えたりしている」。「あなたの存在が、私の怒りを正当化する」とは、あなたの存在によって、それが原因となって私が怒りを感じるのは正当だ、という意味合い。



While you attack I must be innocent. And what I suffer from is your attack."
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • innocent [ínəsənt] : 「潔白な、無罪の、無実の、罪のない、無辜の」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる、不快な経験をする」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
❖ "While you attack ~ "「『あなたが私を攻撃しているうちは、私は潔白であるに違いない」。攻撃が罪なら、攻撃されている自分は潔白だ、という論法。"And what I suffer ~ "「『そして、私が苦しんでいるものは、あなたの攻撃なのだ』」。この世界の論法に従えば、人は分離して個別に存在し、誰かが他者を攻撃し、攻撃したものは優位に立ち、攻撃されたものは苦痛と怒りを感じる。そして、得るためには奪え、攻撃される前に攻撃せよ、殺される前に殺せ、というもの。一言で言えば、この世界の論法は、弱肉強食の論法なのだ。まさに、エゴの思考システムにどっぷりと浸かった論法である。



No one who looks upon this "reasoning" exactly as it is could fail to see it does not follow and it makes no sense.
  • look upon : 「〜を見る」
  • reasoning [ríːzəniŋ] : 「論法、推理、推論、論理的思考」
  • exactly [iɡzǽktli] : 「正確に、厳密に、ぴったり」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
  • follow [fάlou] : 「話について行く、理解する、分かる」
  • make no sense [séns] : 「意味をなさない、理にかなわない」
❖ "No one who looks upon ~ "「この『論法』をあるがままに正確に見る者は、誰も、その論法が従う価値などなく、意味さえないと見抜くことが間違いなく出来るはずだ」。正気をもってすれば、この世界の『論法』は、狂気の沙汰だとすぐ分かる。



Yet it seems sensible, because it looks as if the world were hurting you.
  • sensible [sénsəbl] : 「分別のある、思慮のある、常識がある」
  • as if : 「あたかも〜かのように」
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
❖ "Yet it seems ~ "「しかし、この論法は、理に叶っているようにも見えるのだ」。"because it looks ~ "「なぜなら、この世界はあなたを傷つけているかのように見えるからだ」。あなたは、あなたの外部からの攻撃を受け、傷つき苦しんでいると思っている。そんなあなたには、この世界の弱肉強食という論法は、理に叶って機能しているかのように見えるのだ。自分の苦の原因が、自分自身の内側からではなく、自分の外からやって来ると信じている限り、この世界の論法は正しく機能しているかのように見えるのである。他者が外から攻撃してくるのだから、あなたは自分を守るために、その他者を攻撃しなくてはならない。まったく理にかなったことではないか。



And so it seems as if there is no need to go beyond the obvious in terms of cause.
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、明白な、分かりきった」
  • in terms of : 「〜に関して、〜の観点では」
❖ "And so it seems as if ~ "「そこで、まるで、〜のように思えるのだ」。"there is no need ~ "「原因に関して明白なものを越えて、その先を見る必要などない」ように、思えるのだ。あなたが苦しむ原因は、他者の攻撃のせいであることは明白であって、それ以上の原因を追及しなくてもいい、と思っている。だから、苦の原因が、あなたの心が幻想として作り上げていることに気付くことはないのだ。



4. There is indeed a need. The world's escape from condemnation is a need which those within the world are joined in sharing.
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • need [níːd] : 「必要性、必要なもの」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、逃避、回避」
  • condemnation [kὰndemnéiʃən] : 「有罪宣告、激しい非難、糾弾」
  • join [dʒɔ́in] : 「〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる、結合する」
  • sharing [ʃέəriŋ] : 「わかち合い、共有利用」
❖ "There is indeed ~ "「だが、本当は、その必要がある」。苦の原因を、明白なものを越えて追求する必要はあるのだ。"The world's escape ~ "「この世界を有罪宣告から救い出すためには、」この世界を弱肉強食という罪深い論法から救い出すには、"is a need which ~ "「この世界に住む者達が結託して、(救いを)分かち合う必要があるのだ」。この世界をエゴの思考システムから解放するには、みんなで一致団結してその救いを実行しなくてはならない。



Yet they do not recognize their common need. For each one thinks that if he does his part, the condemnation of the world will rest on him.
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • common [kάmən] : 「共通の、共有の、公共の、公衆の」
  • part [pάːrt] : 「分担、役、役目、役割、取り組み」
  • rest on : 「〜にある、〜に存在する、〜にかかっている」
❖ "Yet they do not ~ "「しかし、人々は、その共通の必要性を認識していない」。"For each one thinks that ~ "「なぜなら、一人一人が、that以下だと思っているからだ」。"that if he does ~ "「もし、彼が彼の役割を実行するなら、この世界に有罪の判決を下すのは彼の肩にかかっている」と思っているからだ。つまり、この世界を救い出す方法は、この世界の矛盾を暴き、有罪性を証明して世界を糾弾し、いわば、世界に革命を起こすことだと思ってしまうのだ。世界の幻想性を認識し、受け入れ受け流し、それを赦して幻想を消滅させるという方法ではなく、矛盾だらけの世界を破壊することで世界を救おうと考えるわけだ。これは、ダダイストやテロリストの発想法がである。しかし、よく考えてみると、あなたの心にテロリストの発想法が眠っているのだ。



And it is this that he perceives to be his part in its deliverance.
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • deliverance [dilívərəns] : 「救出、解放」
  • vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
  • focus [fóukəs] : 「焦点、中心、的」
❖ "And it is this that ~ "「そして、彼は、世界を救い出す彼の役割はこれだと知覚しているのだ」。エゴの思考システムから世界を救うことが目的であるにもかかわらず、結果的に、エゴの思考システムに準じた救い方を実行しようとするのである。結局、テロリストの発想法は、心が復讐心によって支配されたものなのだ。復讐心と攻撃心の存在を信じている限り、このような発想は、必ず生まれてくる。エゴの思考システムから開放されない限り、エゴの思考システムで戦う以外に、その対処法がないのである。暴力を暴力をもって制するという発想は、まさにエゴの思考システムそのものである。



Vengeance must have a focus. Otherwise is the avenger's knife in his own hand, and pointed to himself.
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「さもなければ、そうしないと」
  • avenger [əvéndʒər] : 「復讐者、敵を討つ人」
  • knife [náif] : 「ナイフ、短剣、小刀」
  • point [pɔ́int] : 「〜を向ける、〜を示す」
❖ "Vengeance must have ~ "「復讐は、復讐するターゲットを待たなければならない」。"Otherwise is the avenger's ~ "「さもなければ、復讐者のナイフは彼の手の中にあり、彼自身を狙っていることになるからだ」。心に復讐心が燃えたぎっているなら、そのターゲットを心の外部、他者に向けなければならない。なぜなら、復讐心はターゲットを外に失うと、自分自身に向けられてしまうからだ。ドストエフスキー的世界では、自殺者は絶望によって自殺するのではない。自分自身に対する復讐として自殺するのだ。



And he must see it in another's hand, if he would be a victim of attack he did not choose.
  • victim [víktim] : 「犠牲者、被害者、被災者」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "And he must see it ~ "「したがって、もし〜であるなら、彼は、ナイフは他者の手に握られていると見なくてはならなくなる」。"if he would be a victim ~ "「もし、選択などしなかったにもかかわらず、彼が犠牲者になりそうなときは、」彼は、ナイフは他者の手に握られていると見なくてはならなくなる。世界が彼に苦をもたらしているのだから、彼は世界に復讐してやろうと考える。他者に復讐心を向けなければ、自分にその刃が向けられるからだ。そこで彼は、他者こそが復讐心に燃えて彼に刃を向けていると考えるのである。そう考えることで、彼は正当に、その他者に対して、自分の手に持った刃で攻撃出来ることになる。他者が自分を犠牲者に祭り上げる前に、自分が他者を刃で攻撃して他者を犠牲者に祭り上げるという論法である。こうして、自分に苦をもたらす世界の不純分子を抹殺していくことで、世界を浄化し、世界を救おうというわけである。



And thus he suffers from the wounds a knife he does not hold has made upon himself.
  • suffer from : 「〜に苦しむ、〜を患う、〜に悩まされる」
  • wound [wúːnd] : 「外傷、創傷、傷」
  • hold [hóuld] : 「〜を手に持つ、握る」
❖ "And thus he suffers ~ "「こうして彼は、彼の手が握っているわけではないナイフによって傷つけられた傷に苦しむことになるのだ」。少なくとも、自分の手にしたナイフで自分自身を傷つけるという愚行から逃れることは出来たものの、今度は、他者の握ったナイフによって傷つけられるという危険を背負うことになる。そして、実際、彼は他者の刃で傷つけられ、その傷に苦しむことになるのだ。結局、復讐と攻撃に基礎に置くエゴの思考システムから世界を救うために、そのエゴの思考システムを用いたのでは、何の解決にもならないのだ。エゴの思考システムから世界を救うには、この世界の論法とはまったく異なった発想の論法を用いなければならない。その論法が、ホーリー・スピリットの思考システムなのである。そのホーリー・スピリットの思考システムを教えてくれるのが、このACIMなのだ。
 
 
 


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