●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-28.I.3:1 ~ T-28.I.4:7

3. Nothing employed for healing represents an effort to do anything at all.
  • employ [emplɔ́i] : 「用いる、採用する、使用する、雇用する」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する」
  • effort [éfərt] : 「努力、尽力、骨折り、試み、取り組み」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "Nothing employed for ~ "「ヒーリングのために用いられるものは、まったく努力を用いることがないと表明している」。奇妙な言い回しをしているが、要するに、ヒーリングは努力を必要としないということ。特別な訓練も、特別な能力獲得も、ヒーリングには必要ない。すべてが、自然の流れで起きることなのだ。肉体を利用し、あるいは肉体の感覚器官を利用してヒーリングを行うとき、肉体的な努力は何も必要とされない。



It is a recognition that you have no needs which mean that something must be done.
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証、正当性の認識」
  • need [níːd] : 「必要性、必要なもの、必要物」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
❖ "It is a recognition ~ "「それは、あなたが、何かがなされなくてはならないということを意味する必要性がないと認識することなのだ」。ここも、回りくどい表現をしているが、ヒーリングは、何かをなす、という種類のものではない、ということ。ヒーリングは、何か、特別な治療を施してやらねばならない、ということではない。何もする必要はないのだ。ヒーリングは、作り出すものではない。



It is an unselective memory, that is not used to interfere with truth.
  • unselective [ʌnsiléktiv] : 「無差別の、選択的でない」
  • memory [méməri] : 「記憶、思い出」
  • interfere [ìntərfíər] : 「邪魔をする、妨げる、遅らせる」
  • interfere with : 「〜を妨げる、〜を邪魔する、〜に干渉する」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "It is an unselective ~ "「ヒーリングは、思い出を選択することではない」。ヒーリングは、都合の良いことだけを選んで、あるは逆に都合の悪いことだけを選んで思い出し、それを利用することではない。過去の記憶は、過ぎ去ってしまったことであり、すべて幻想に過ぎないとして扱うことのだ。"that is not used ~ "「記憶とは、真実を妨げるために使われるものではないのだ」。記憶にこだわって、真実を曲げるようなことがあってはならない。記憶に振り回されるより、今、この時の足下(あしもと)を見るべきなのだ。



All things the Holy Spirit can employ for healing have been given Him, without the content and the purposes for which they have been made.
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • content [kɑ́ntent] : 「入っているもの、内容、中身、在中物」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "All things the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットが、ヒーリングのために用いることが出来るものはすべて、ホーリー・スピリットに与えられている」。ホーリー・スピリットは、ヒーリングのために真実だけを用いるのではない。肉体も、肉体の感覚器官も、つまり、幻想的な存在も、すべてヒーリングのために利用する。それは、ホーリー・スピリットがわざわざ何かを作り出すことではなく、すでにあるものを利用する、つまり、ホーリー・スピリットにすでに与えられたものを利用することなのである。"without the content ~ "「しかし、それらが作られた目的や、その内容は、ホーリー・スピリットは用いることはない」。たとえば、肉体は、神の子の分離を目的に作られたものであるが、ホーリー・スピリットはヒーリングに肉体を利用するとき、肉体のもつ分離という目的を完全に度外視する。感覚器官も、幻想の実在性を錯覚させるために作られたのだが、ホーリー・スピリットがヒーリングに感覚器官を利用するときは、感覚器官のもつ幻想を錯覚させるという機能を無視する。幻想が本来もっている目的や、その内容に対して、ホーリー・スピリットは、その制限を外してしまうのである。



They are but skills without an application. They await their use. They have no dedication and no aim.
  • skill [skíl] : 「技能、手腕、スキル、技、技術、技量」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用」
  • await [əwéit] : 「〜を待つ、待ち受ける、待望する」
  • use [júːs] : 「使うこと、利用、使用」
  • dedication [dèdikéiʃən] : 「献身、専念、熱心さ、専心」
  • aim [éim] : 「的、狙い、目標、目的、照準、見当」
❖ "They are but skills ~ "「それらは、利用されることのない機能なのだ」。肉体が神の子の分離を加速する機能をもち、感覚器官が存在しないものを存在しているかのように錯覚させる機能をもっているとは言え、ホーリー・スピリットはそれを利用することはない。それは、ホーリー・スピリットにとって、いらざる機能である。"They await their ~ "「それらは、使われるのを待っている」。が、"They have no ~ "「それらは、何も寄与することはないし、目的すらないのだ」。肉体の機能も感覚器官の機能も、幻想世界にあっては存在意義を持っているだろうが、実相世界に目覚めさせようという時には、それは役に立つ機能ではないし、そもそも、実相的な目的などもっていないのだ。



4. The Holy Spirit can indeed make use of memory, for God Himself is there.
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • make use of : 〜を使用する、〜を利用する、〜を活用する」
❖ "The Holy Spirit can ~ "「ホーリー・スピリットは、実際、記憶を利用できるのだ」。肉体的な頭脳に蓄えられた記憶という機能を、ホーリー・スピリットは、ヒーリングに利用する。"for God Himself ~ "「なぜなら、神自身が、その記憶の中に記憶されているからだ」。遠い昔、神の子が神と共に暮らしていた記憶が残っているのである。その記憶を、ホーリー・スピリットは、ヒーリングに利用するのである。忘却された記憶を、再び呼び戻すのである。いや、忘却された記憶と言うより、今に生きている記憶と呼んだ方がいい。生きている記憶を、この幻想世界で見失っているだけなのだから。



Yet this is not a memory of past events, but only of a present state.
  • past [pǽst] : 「過ぎ去った、過去の、これまでの」
  • event [ivént] : 「出来事、事件、イベント、行事」
  • past events : 「過去の出来事」
  • present [préznt] : 「現在の、今の、目下の、当面の」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • present state : 「現状」
❖ "Yet this is not ~ "「しかし、これは、過去の出来事の記憶ではない」。"but only of a ~ "「単に、現在の状態の記憶なのだ」。神の子が神と共に暮らしていた記憶は、幻想世界から見れば過去の出来事の記憶に見えるが、それは錯覚であって、実相世界から見れば、今、神の子は神と暮らしているので、その記憶は今の状態の記憶と言えるのである。つまり、過去の記憶とは幻想であり、本当の記憶は、現在の状態を映し出すものなのだ。



You are so long accustomed to believe that memory holds only what is past, that it is hard for you to realize it is a skill that can remember now.
  • be accustomed to : 「〜に慣れている、常習的に〜している」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • hard [hάːrd] : 「難しい、困難な、つらい」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
❖ "You are so long accustomed ~ "ここは"so ~ that ~ "の構文、「あなたは、あまりにも長い間、記憶とは過ぎ去ったことだけを保持するものだと信じることに慣れてきたので、」"that it is hard for ~ "「あなたにとって、記憶が今を思い出す機能をもっていると認識することが難しいのだ」。覚えていることが幻想世界の出来事であったなら、その記憶は過去の出来事の記憶だと言えるのだが、それが実相世界の出来事であったなら、つまり、真実の出来事であったなら、その出来事は無時間の実相的真実として保持されているので、過去という時間に閉じこめられることはない。今現在も生き続けている真実として、記憶に保持されているので、いわば、記憶は今を思い出す機能を持っている、と言えるのだ。深読みになるが、今を思い出す機能をもった記憶は、ほぼ、実相的な叡智(knowledge)に近いものだと考えていいだろう。



The limitations on remembering the world imposes on it are as vast as those you let the world impose on you.
  • limitation [lìmətéiʃən] : 「制限、極限、限定」
  • remembering [rimémbəriŋ] : 「思い出すこと、想起」
  • impose [impóuz] : 「課す、負わす、かける、与える、強いる、強要する」
  • vast [vǽst] : 「広大な、非常に広い、広漠とした、巨大な」
❖ "The limitations on ~ "「この世界が記憶の上に負わせた、記憶に対する制限は、あなたが、世界をしてあなたの上に負わせた制限同様に、広範囲にわたる」。たとえば、記憶は過去の出来事に限るというものは、この幻想世界が記憶に負わせた制限である。記憶は、やがて忘却によって消えていく、というもの制限。それはちょうど、この世界によって、あなたに課せられた制限、たとえば、肉体は死をもって終わるなどという制限と同様に、広範囲に及ぶものなのだ。



There is no link of memory to the past. If you would have it there, then there it is.
  • link [líŋk] : 「結び付き、つながり、関連性、連関」
❖ "There is no link of ~ "「記憶は、過去とリンクを持たない」。記憶は、幻想世界にあっては過去とのリンクしか持たないのだが、実相世界の記憶、真実の記憶は、無時間の世界の記憶なので、過去とリンクを持つことはない。実相世界には、そもそも過去などいうものがないからだ。"If you would have ~ "意訳する、「もしあなたが、過去という場所に記憶を持ちたいと思うなら、その時は、記憶は過去とリンクする」。あなたの意思次第で、記憶は過去とリンクをもつことは出来るが、記憶が本来的に、過去とリンクをもって結ばれているわけではない。したがって、あなたが記憶を幻想世界の中だけに留め置こうとするなら、記憶は過去とのリンクしかもてないのだが、そんな制限を外して、記憶を実相世界の領域にまで広げる時、記憶は過去とのリンクを断ち切って、今という時を思い出す機能、すなわち、叡智にまで高めることが出来るのだ。



But only your desire made the link, and only you have held it to a part of time where guilt appears to linger still.
  • desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • held [héld] : 「hold の過去形」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる、どうやら〜らしい」
  • linger [líŋɡər] : 「長居する、居残る、残存する、なかなか消えない」
❖ "But only your desire ~ "「しかし、あなたの願望が、リンクを作ったのだ」。あなたは記憶を、この幻想世界にだけ役立つものとしたいと願望し、その思いが実現して、記憶は過去とのリンクだけをもつに至った。"and only you have ~ "「そして、罪の意識がいつまでも居座っているような時間の一部分に対してだけ、記憶を保持してしまったのだ」。難しい言い回しをしているのだが、要するに、記憶の中でも最も重要な記憶は、遠い昔の、ある特定の時間の部分に、神の子が神を裏切って分離したという、罪の意識を持つに至った記憶に集約される、ということ。したがって、記憶を、その特定の時間から解き放って、記憶が今という時間だけに向かうようにすることが必要であって、それがヒーリングなのである。記憶をヒーリングすること、それが奇跡なのだ。
 
 
 


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