●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-12.IV.5:1 ~ T-12.IV.6:8

5. You will undertake a journey because you are not at home in this world.

  • undertake [ʌ̀ndə(r)téik] : 「〜に着手する、〜に取り掛かる、〜を引き受ける」
  • journey [dʒə́ː(r)ni] : 「旅、行路、道のり、道程」
  • at home : 「自宅にいて、在宅して、慣れて、気楽に」
❖ "You will undertake ~ "「あなたは旅に出ることだろう」。"You will undertake ~ "「なぜなら、あなたはこの世界で、家にいるのではないからだ」。この世界はあなたが作った幻想の世界であり、あなたの本当の家は天の王国にある。もちろん、そここそが、真に実在する実相世界であり、あなたは神とキリスト共にそこに住んでいるのである。しかし、残念ながら、あなたは深い眠りに陥って、夢の中を漂っているのだ。その夢こそが、神から自分を分離したと信じている、この世界である。



And you will search for your home whether you realize where it is or not.
  • search [sə́ː(r)t∫] : 「捜す、捜索する、探索する、検索する」
  • search for : 「〜を捜す」
  • whether [(h)wéðə(r)] : 「〜かどうか、〜であろうとなかろうと」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
❖ "And you will search for ~ "「そして、あなたはあなたの家を探すであろう」。"whether you realize ~ "「その家がどこにあるか、あるいはどこにないか、あなたは知らないにしても」。なんとも心細い話であるが、しかし、あなたの旅にはホーリー・スピリットとキリストがちゃんと同行してくれる。安心して旅立つに限る。彼らが行く先の道を光で照らしてくれるのであるから。



If you believe it is outside you the search will be futile, for you will be seeking it where it is not.
  • outside [áutsáid] : 「〜の外に、〜の外側に」
  • futile [fjúːtl] : 「役に立たない、無益な、無駄な、不毛な、無能な、無意味な」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
❖ "If you believe ~ "「もしあなたが、家があなたの外にあると信じているならば、」"the search will ~ "「家探しは不毛と終わるだろう」。" for you will be seeking ~ "「なぜなら、あなたは、家の存在していない所に、家を探してしまうことになるからだ」。あなたが本来住むべき家はあなたの心の中にあるのであって、決して心の外にあるのではない。先に『天の王国』と書いたが、天とは象徴であって、あなたの頭上はるか彼方に王国があるというのではない。王国はあなたの心の中に、今、この瞬間、確実に存在しているのだ。イエスが、王国はこの地上にあると言ったのは、そのことである。しかし、あなたは深い眠りに陥って、そのことに気がついていない。



You do not remember how to look within for you do not believe your home is there.
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • how to : 「〜する方法、〜のやり方、〜の仕方」
  • within [wiðín] : 「内部で、内側は」
❖ "You do not remember ~ "「あなたは、(あなたの心の)内側を見る方法を覚えていないのである」。"for you do not ~ "「なぜなら、あなたは、あなたの家がそこにあると信じていないからだ」。実相の世界は時空を超越した世界であるから、つまり、空間的上下左右がない世界であるから、もちろん外側、内側という区別もない。それでは説明がし難いだろうと、ACIMは心の内側、外側という区別を付けているに過ぎない。この幻想の世界もあなたの心の中にあり、つまり、この広大な宇宙もあなたの心にあり、もちろん、永遠無限な実相の世界もあなたの心の中にあるのである。あなたの心はすべてを包含している(all-encompassing)のであり、その意味でも、あなたの心は神である(神人一体)のだ。アセンション(昇天)という言葉があるが、空を目指して肉体が風船のようにふわふわと浮かび上がっていくイメージをもってしまうが、これまた単なる象徴的表現であって、レベルを履き違えることは極力避けなくてはなるまい。天の王国と言われれば、まるで雲の上に巨大な城塞が築かれているようなイメージであるし、地上の王国と聞くと、まるで南国の平和な島を想像してしまうが、これまた象徴的表現に過ぎない。我々が生活するこの幻想世界は、3次元空間と時間を合わせた4次元時空空間であるが、その感覚で実相を知覚し、表現することは不可能なのである。実相世界は3次元空間とともに時間も存在しない。純粋観念の世界、あるいは想念の世界である。その純粋観念の世界を表現するために、象徴という手段を使わざるを得ないわけである。この世界でも、たとえば、蛇は悪魔の象徴として描かれるが、では、あなたが蛇を見てそれを殺してしまったどうであろう? あなたは正しいことをしたのか、誤ったことをしたのか? 



Yet the Holy Spirit remembers it for you, and he will guide you to your home because that is his mission.
  • guide [gáid] : 「〜を導く、案内する」
  • mission [mí∫n] : 「任務、特別任務、特命、使命」
❖ "Yet the Holy Spirit ~ "「しかし、ホーリー・スピリットはあなたのために、あなたの家を覚えていてくれる」。"and he will guide ~ "「そして、あなたをあなたの家へと案内してくれるだろう」。"because that is ~ "「なぜなら、それが、ホーリー・スピリットの使命だからだ」。なんとも力強い限りである。ホーリー・スピリットが、神への回帰を手助けしてくれるわけである。



As he fulfills his mission he will teach you yours, for your mission is the same as his.
  • fulfill [fulfíl] : 「実行する、遂行する、履行する」
  • be the same as : 「〜と同じである、〜も同然である」
❖ "As he fulfills his mission ~ "「ホーリー・スピリットは、使命を果たしながら、あなたにあなたの使命を教えてくれるだろう」。"for your mission is ~ "「なぜなら、あなたの使命はホーリー・スピリットの使命と同じであるからだ」。あなたには同胞を手助けする使命がある。



By guiding your brothers home you are but following him.
  • guide [gáid] : 「〜を導く、案内する」
  • follow [fɑ́lou] : 「〜の後について行く、〜に続く、 〜に従う」
❖ "By guiding your ~ "「あなたの同胞を家に導くことによって、」"you are but ~ "「あなたはホーリー・スピリットに続いて行くことになる」。どうやら、何もせずにホーリー・スピリットについて行くだけではダメなようだ。自他一如によって、あなたとあなたの同胞が共に家にたどり着けなければ意味がない。したがって、あなたは同胞を道案内する使命があるわけだ。その使命を果たしながら、同時にホーリー・スピリットについて行くのである。



6. Behold the Guide your Father gave you, that you might learn you have eternal life.
  • Behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • might [máit] : 「〜かもしれない」
  • eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
❖ "Behold the Guide your ~ "「あなたの父なる神があなたに与えた指導を注意深く見つめなさい」。"that you might learn ~ "ここの"that"は"so that"のことで、「その結果」となる、「その結果、あなたは、あなたが永遠の命をもっていることを学ぶかもしれない」。神はあなたを実相世界に呼び戻してくれる指導をするであろうから、当然、あなたは実相に目覚め、自分が永遠の命をもっていることを悟るのである。くどいようだが、永遠という言葉も象徴である。時間がだらだらといつまでも続くことではない。実相世界には時間は存在しないから永遠の時間というものもない。したがって、実相の永遠性を表現するには、無時間的永遠、一瞬の永遠、永遠の一瞬、時間の静止した永遠、等々、言葉の工夫を凝らさなくてならない。さらに、永遠の命という言葉も誤解を生みやすい。千年も万年もだらだら生き延びる命ということではなく、無時間を生き、しかも死という対立概念のない純粋な生命のことである。至上の命、神の命、極限的命、等々。



For death is not your Father's Will nor yours, and whatever is true is the Will of the Father.
  • whatever [(h)wʌtévə(r)] : 「〜するのは何でも」
❖ "For death is not your ~ "「なぜなら、死はあなたの父なる神の意思でもあなたの意思でもないからであり、」"and whatever is true ~ "「真実であるものはなんでも、父なる神の意思であるからだ」。言い換えれば、実相とは神の意思であり、それは真実である、ということになる。神は死を意思しないから、実相の世界には死はない。死は幻想の世界の産物であり、錯覚である。しかし、誤解してはいけない。ACIMは、死は幻想だから軽視しても良いなどとは一言も述べていない。肉体も然り。ACIMは、肉体を軽視すべきだなどとは言っていない。肉体や死に対する誤った考え方を正し、肉体や死の真実を見つめよ、ということなのである。そこを誤解すると、ACIMは奇っ怪なカルト教になってしまう。心して読み進もう。



You pay no price for life for that was given you, but you do pay a price for death, and a very heavy one.
  • pay [péi] : 「〜を支払う」
  • price [práis] : 「対価、代価、代償、犠牲、値段、価格」
  • heavy [hévi] : 「重い、激しい、大きい、重大な」
❖ "You pay no price ~ "「命はあなたに与えられたものであるから、あなたは命の代価を支払う必要はない」。"but you do pay ~ "「しかし、あなたは死に対して代価を支払わねばならない」。"and a very ~ "「しかも、それは重い代価である」。



If death is your treasure, you will sell everything else to purchase it. And you will believe that you have purchased it, because you have sold everything else.
  • treasure [tréʒə(r)] : 「宝、富、宝物、財宝、貴重品、重要なもの」
  • sell [sél] : 「〜を売る、販売する、売却する」
  • purchase [pə́ː(r)t∫əs] : 「〜を買う、購入する、仕入れる、獲得する」
❖ "If death is your ~ "「もしも死があなたの宝物であるなら、」" you will sell everything ~ "「あなたは、死を買い取るために、その他もものをすべて売ってしまうだろう」。"And you will ~ "「そして、あなたは、あなたが死を買い取ったと信じるであろう」。"because you have ~ "「なぜなら、あなたはその他のすべてを売り払ってしまったからである」。死があなたの宝物であるとは、死が実在し、実相的に死が意味を持つと信じ込んでいること。死に対するそういった知覚を取り消さなくては、あなたは死に対して大きな代価を支払わなくてはならない。ACIMを読み進む上で、死に対するパラダイム・シフト(paradigm shift)は必須である。



Yet you cannot sell the Kingdom of Heaven. Your inheritance can neither be bought nor sold.
  • inheritance [inhérət(ə)ns] : 「受け継いだもの、継承物、相続、相続財産」
  • neither [níːðə(r)] : 「どちらの〜も〜でない」
  • bought [bɔ́ːt] : 「buy の過去・過去分詞形」
  • sold [sóuld] : 「sell の過去・過去分詞形」
❖ "Yet you cannot sell ~ "「しかし、あなたは天の王国を売ることはできない」。ここの"the Kingdom of Heaven"「天の王国」は"your life"「あなたの命」に置き換えてもいいだろう。実相に存在する実体は売り買いできない。"Your inheritance can ~ "「あなたが(神から)継承したものは、買われることも売られることも不可能なのである」。



There can be no disinherited parts of the Sonship, for God is whole and all his extensions are like him.
  • disinherit [dìs(ə)nhérət] : 「相続権を奪う」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
  • extension [ikstén∫n] : 「拡張、伸長、延長、伸展」
❖ "There can be no ~ "「神の子には、(神から)継承されていない部分など何もないのだ」。"for God is whole and ~ "「なぜなら、神は完全に全体であり、」"and all his extensions ~ "「神が(自らを)拡張したものは何であれすべて、神にそっくりであるからだ」。あなたが神から継承した創造性、拡張性、愛すること、慈しむこと、平和であること、喜びに満たされていること、美を愛すること、そのすべては実相に実在するものであり、完全に全体を構成する。余るもののなければ、足りないものもない。したがって、実相の世界には売り買いは存在しない。実相が永遠不変であることを考えると、そもそも売り買いなどという行為自体が存在できないことが理解できよう。
 
 
 

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