7. The Atonement is not the price of your wholeness, but it is the price of your awareness of your wholeness.
- Atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
- price [práis] : 「対価、代価、代償、犠牲」
- wholeness [hóulnis] : 「全体、完全、全体性、完全性」
- awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
❖ "The Atonement is not ~ "「贖罪はあなたの完全性のための代価ではないが、」"but it is the price ~ "「しかし、贖罪は、あなたの完全性を自覚するための代価である」。贖罪を果たすことであなたが不完全な状態から完全な状態に変化するのではない。ACIMの贖罪は、神から分離したことであなたが感じている神への裏切り、その罪悪感、神の報復の恐れからあなた自身を解放することを意味している。あなたは深い眠りに陥って神からの分離を夢見ているに過ぎず、実際は神から一歩たりとも離れていなかったこと、したがって、あなたは完全に無辜(むこ)であることを、覚醒した状態で確認することなのである。あなたは元々完全であり、全体性を確保しており、贖罪によってそれが新たにあなたに備わるのではない。単に、あなは自分が完全であることを、贖罪によって知ればいいのだ。
For what you chose to "sell" had to be kept for you, since you could not "buy" it back. - chose [t∫óuz] : 「choose の過去形」
- choose [t∫úːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
- sell [sél] : 「〜を売る、販売する、売却する」
- kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
- keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する、保つ」
❖ "For what you chose ~ "「なぜなら、あなたが『売る』ことを選択したものは、あなたのために保持されなければならなかったのだ」。"since you could not ~ "「と言うのも、あなたはそれを『買い戻す』ことは出来ないからである」。あなたは死を、あるいは死に準ずるものを信じるがあまり、代価として天の王国を売りさばこうとした。幻想を手に入れるために、実相を手放そうしたわけである。しかし、元来そんなことが出来るわけではなく、天の王国はちゃんとあなたのために確保されている。よしんば、仮にも、天の王国を売りさばくことが出来たとしたら、あなたは二度と天の王国を買い戻すことは出来ないだろう。ここで言う「天の王国」とは、あなたの真実なる心と解していい。
Yet you must invest in it, not with money but with spirit. For spirit is will, and will is the "price" of the Kingdom. - invest [invést] : 「金を使う、投資する」
- invest in : 「〜に投資する」
- spirit [spírət] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神、気迫、気力、心」
- will [wíl] : 「意志、精神力」
❖ "Yet you must ~ "売り買い出来ないものに対して、「しかし、あなたはそれに投資しなくてはならない」。"not with money ~ "「お金ではなく、スピリットによって」。"For spirit is ~ "「なぜなら、スピリットは意思であり、」"and will is ~ "「意思は王国の『代価』であるからだ」。天の王国は、もちろん売り買いできるものではないが、その存在のためにはあなたの意思が必要なのである。なぜなら、天の王国は、神の意思とホーリー・スピリットの意思と、あなたの意思の3つがそろって初めて、その存在が完成されるからだ。三位一体とはそういうこと。だからこそ、あなたはあなたの意思を天の王国に投資しなくてはならない。それは神の子としての宿命であり、これほど幸福な宿命はない。なお、"spirit"「スピリット」は意思であり、あなたの純粋な存在、したがって、真実なる心、と解しておいていいのではないだろうか。「霊魂」と訳してしまうと、ニュアンスがずれるような気がする。
Your inheritance awaits only the recognition that you have been redeemed. - inheritance [inhérət(ə)ns] : 「受け継いだもの、継承物、相続、相続財産」
- await [əwéit] : 「〜を待つ、待ち受ける、待望する」
- recognition [rèkəgní∫n] : 「認識、認証」
- redeem [ridíːm] : 「〜を救い出す、解放する、〜を罪から救う、〜の罪を贖う」
❖ "Your inheritance awaits ~ "「しかし、あなたが(神から)継承したものは、あなたが贖罪したという認識を、ただただ待ち望んでいる」。あなたが贖罪を完了し、すなわち、自分は完全に無辜であるとこを確認し、神の王国に回帰出来た時、あなたが神から継承した様々なものが再び花開くのである。すなわち、愛、平和、喜び、美、創造、拡張、等々が花開く。それを、王国全体が待ち望んでいる。
The Holy Spirit guides you into life eternal, but you must relinquish your investment in death, or you will not see life though it is all around you.- guide [gáid] : 「〜を導く、案内する」
- eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
- relinquish [rilíŋkwi∫] : 「放棄する、手放す、あきらめる、断念する」
- investment [invés(t)mənt] : 「投資、投下資本、出資」
- around [əráund] : 「その辺にいる、そばにいる」
- all around : 「辺り一帯に、至る所に、四方八方に」
❖ "The Holy Spirit guides ~ "「ホーリー・スピリットはあなたを永遠の命へと導いてくれる」。"but you must relinquish ~ "「しかし、あなたは、死への投資を放棄しなくてはならない」。"or you will not see ~ "「さもなければ、あなたは、あなたの周りの至るところにある命を見ることはないだろう」。死を放棄するとは、変化流転し滅びるものすべて、つまり、幻想のこの世界を放棄することである。幻想を放棄ししない限り、真の命、永遠の命を目撃することはできない。もちろん、ここで言う命とは実相の世界の命のことであり、死という対極概念をもたない純粋な命のことである。超越的生命とでも言おうか。また、永遠というものも、時間的無限を意味しているのではない。そもそも実相には時間は存在しないのだから。したがって、超越的永遠とでも言っておこう。
V. The Sane Curriculum
良識あるカリキュラム
1. Only love is strong because it is undivided. The strong do not attack because they see no need to do so. - undivided : 「分割されていない、分裂していない」
❖ "Only love is ~ "「愛だけが強い」。"because it is ~ "「なぜなら、愛は分裂していないからだ」。"The strong do not ~ "「強いものは攻撃しない」。"because they see ~ "「なぜなら、強いものはそうする必要を全く感じないからだ」。ここの短い文章も含蓄がある。
Before the idea of attack can enter your mind, you must have perceived yourself as weak. - idea [aidíːə] : 「考え、着想、アイデア、発想」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
- enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
- perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
❖ "Before the idea of ~ "「攻撃という考えがあなたの心の中に入り込むことが出来る以前は、」"you must have ~ "「あなたはあなた自身を弱いと知覚していたに違いない」。弱いと知覚していたから、あなたはあなたの心に攻撃性を許したのであろう。
Because you attacked yourself and believed that the attack was effective, you behold yourself as weakened. - attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
- effective [iféktiv] : 「効果的な、効率的な、有効な、実効的な」
- behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
- weaken [wíːkn] : 「弱める、弱体化させる」
❖ "Because you attacked ~ "「あなたが自分自身を攻撃し、その攻撃が効果的だと信じたので、」"you behold yourself ~ "「あなたはあなた自身を弱体化させられたと見ている」。あなたが神と共にあったとき、ふと、神なしで神のように生きて行けないだろうかと思った。次の瞬間、あなたの思いは現実化し、あなたは神から分離した。しかし、その結果、あなたが知ったことは何であったろう? 罪の意識に脅える自分であり、神の報復を恐れる自分であった。あなたは初めて自分の弱さを目の当たりにしたのである。そして、あなたは罪と恐れに耐え切れるはずもなく、自己を乖離し、エゴという攻撃性を有した自分を仕立てあげた。エゴは、あなたの弱さを知っているから、あなた自身を攻撃する。オレは虫けらのようなヤツだ。オレは弱い。生きている価値などない。死んでしまった方がましだ。等々、あなたの心の中に住むエゴは何度となくあなたを攻撃したことだろう。その攻撃があなたをますます弱らせていることをあなたは知っている。攻撃には大きな効果があることを知ったのだ。
No longer perceiving yourself and your brothers as equal, and regarding yourself as weaker, you attempt to "equalize" the situation you made. - No longer : 「もはや〜でない」
- equal [íːkw(ə)l] : 「同等の、程度が等しい、均等な、平等な」
- regard [rigɑ́ː(r)d] : 「〜を〜と見なす、ある感情を持って〜を見る」
- weak [wíːk] : 「 弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
- attempt [ətém(p)t] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
- equalize [íːkwəlàiz] : 「〜を平等にする、等しくする、均一にする」
- situation [sìt∫uéi∫n] : 「状況、場所、状態、立場、事情、情勢」
❖ "No longer perceiving ~ "分詞構文、理由、「もはや、あなた自身とあなたの同胞を同等に知覚できないので、」"and regarding yourself ~ "「そして、あなた自身をより弱いものと見なすので、」"you attempt to ~ "「あなたは、あなたの作った状況を『均一化』しようと試みる」。オレは確かに虫けらに違いないが、お高くとまっているヤツだって所詮はオレと同じ虫けらなはずだ、と言わんばかりに、他者を攻撃し、その地位から自分と同じ場所に他者を引きずり下ろし、弱いもの同士という安心を得ようとする。平均化とは常に、上への平均化ではなく、下への平均化である。平均化は、そういう意味で、堕落化である。
You use attack to do so because you believe that attack was successful in weakening you.- successful [səksésfl] : 「成功した、うまくやる」
- be successful in :「〜に成功する」
❖ "You use attack ~ "「そうするために、あなたは攻撃を使う」。"because you believe ~ "「なぜなら、あなたは、攻撃があなたを弱らせることに成功したことを信じているからだ」。自分を攻撃してへこんだ経験があるから、他者も攻撃することによってへこましてやろうとするわけだ。