12. When you look within and see me, it will be because you have decided to manifest truth. And as you manifest it you will see it both without and within.
- within [wiðín] : 「内部で、内側は」
- decide [disáid] : 「〜しようと決心する、〜することに決める」
- manifest [mǽnəfèst] : 「 〜を明らかにする、明白に示す、明示する」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
- without [wiðáut] : 「〜の外に」
- within and without : 「内と外に」
❖ "When you look ~ "「あなたが心の中を覗いて、私を見るなら、」"it will be because you ~ "「それは、あなたが真実を明らかにしようと決心したからである」。あなたの呼び声に答えて、イエスがあなたの目に見えるように姿を現した。そして、あなたの決意に応えてくれるだろう。"And as you manifest it ~ "「そして、あなたが真実を明白にするにしたがい、」"you will see it both ~ "「あなたは内にも外にも真実を見ることになるだろう」。実相の世界が見え始めるのである。
Everything you behold without is a judgment of what you beheld within. If it is your judgment it will be wrong, for judgment is not your function. - behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
- judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、意見、分別、判決、審判」
- beheld [bihéld] : 「behold の過去・過去分詞形」
- wrong [rɔ́(ː)ŋ] : 「間違った、誤っている、不適切な、ふさわしくない」
- function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「機能、作用、働き、効用」
❖ "Everything you behold ~ "「あなたが外部に見るすべてのものは、あなたが内部に見たものの判断である」。あなたの心の中に見えるものを、あなた自身、あるいはホーリー・スピリットが判断し、その結果が外部世界に表れる。あなたが心に持っていないものは、外の世界に見出すことは出来ない。"If it is your judgment ~ "「もしそれがあなたの判断であったら、それは誤りである」。"for judgment is ~ "「なぜなら、判断というものはあなたの機能ではないからだ」。あなたは判断という機能を神から継承したのではない。したがって、あなたが単独で判断は出来ないのだ。単独で判断できないあなたが、単独で判断すれば、それは誤りになる。
If it is the judgment of the Holy Spirit it will be right, for judgment is his function. - right [ráit] : 「正しい、正当な」
❖ "If it is the judgment ~ "「もしそれが、ホーリー・スピリットの判断であるなら、それは正しい」。"for judgment is ~ "「なぜなら、判断はホーリー・スピリットの機能であるからだ」。
You share his function only by judging as he does, reserving no judgment at all for yourself. You will judge against yourself, but he will judge for you.- share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
- judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、〜を裁く、裁判する」
- reserve [rizə́ː(r)v] : 「〜を用意しておく、予約する、取っておく」
- at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ ここは後ろから訳そう、"reserving no judgment ~ "分詞構文、付帯状況、「あなた自身のために判断をまったく確保しておかずに、」"You share his function only ~ "「ホーリー・スピリットが判断するように判断することによってのみ、あなたはホーリー・スピリットの機能を分かち合うことが出来る」。自分一人でも判断は出来るなどと思わずに、ホーリー・スピリットの判断に従ってあなたもホーリー・スピリット流の判断を行えば、それはホーリー・スピリットのもつ判断という機能をあなたはホーリー・スピリットと分かち合うことになる。こうすれば、あなたはホーリー・スピリットを通じて正しい判断を下すことが出来るわけだ。
13. Remember, then, that whenever you look without and react unfavorably to what you see, you have judged yourself unworthy and have condemned yourself to death. - Remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
- whenever [(h)wenévə(r)] : 「いつ〜しようとも、〜するときはいつでも」
- without [wiðáut] : 「外に」
- react [ri(ː)ǽkt] : 「反応する、反応を示す、対処する」
- react to : 「〜に反応する」
- unfavorably [ənféivərəbli] : 「不利に、好ましくなく、けなして」
- unworthy [ənwə́ːrði] : 「〜に値しない、値打ちのない、卑しむべき、下劣な」
- condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める、罵倒する、糾弾する」
- to death : 「死ぬほど、ひどく、死ぬまで、死に至って」
❖ "Remember, then, that ~ "「そこで、that以下を覚えておきなさい」。"that whenever you ~ "「あなたが外側を見て、見たものに対して否定的に反応するときはいつでも、」"you have judged yourself ~ "「あなたは自分自身を価値のないものと判断し、死ぬほど自分自身を責めてしまったのだ」。あなたが内側にもっているものを判断した結果が、あなたが外側に見るものであるから(Everything you behold without is a judgment of what you beheld within)、外の世界に対して否定的であるとは、自分自身に対して否定的判断を下したことの表れである。つまり、あなたは自分を価値なきものと判断し、自分自身を責め立てているのである。
The death penalty is the ego's ultimate goal, for it fully believes that you are a criminal, as deserving of death as God knows you are deserving of life. - death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
- penalty [pén(ə)lti] : 「刑罰、処罰、違約金、罰金、罰」
- ultimate [ʌ́ltəmət] : 「最高の、究極の、最大の、根本的な」
- goal [góul] : 「目標、目的地、目的」
- fully [fúli] : 「十分に、完全に、全く、すっかり、全体に」
- criminal [kríminl] : 「犯罪者、犯人」
- deserve [dizə́ː(r)v] : 「〜を受けるに値する、〜にふさわしい 」
- deserving : 「〜に値する、〜を受けて当然の」
- deserving of : 「〜を受けるべき、〜に値する」
❖ "The death penalty is ~ "「死の処罰は、エゴの究極の目標である」。"for it fully believes that ~ "「なぜなら、エゴはthat以下を完全に信じているからである」。"you are a criminal ~ "「あなたは罪人であり、神があなたは命に値すると知っているのに対して、エゴはあなたが死に値する」と完全に信じているからだ。神からの分離によって、あなたは、自分が神を裏切り、罪を犯したと信じ込んだ。神の報復と罪の重みに耐え切れなくなり、あなたの心は自己を乖離し、別人格の自分を仕立てて責任を回避しようとした。その乖離したあなたの心に、エゴが幻想として偽創造された。したがって、あなたのエゴはあなたが神を裏切るという大罪を犯したことを知っており、死の処罰こそ相当すると信じているわけである。
The death penalty never leaves the ego's mind, for that is what it always reserves for you in the end. - leave [líːv] : 「〜から離れる、〜を出る」
- always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
- reserve [rizə́ː(r)v] : 「〜を用意しておく、予約する、取っておく」
- in the end : 「結局、ついに」
❖ "The death penalty ~ "「死の処罰は、決してエゴの心を離れない」。エゴの心と書いてあるが、心理学用語を使えば、結局はあなたの無意識ということ。"for that is what it ~ "「なぜなら、それは、エゴが常に、あなたのために最終的に取っておくものだからだ」。エゴは最後の最後に、あなたに死を突きつける決心でいるわけだ。エゴが無意識であるとすると、死をあなたに突きつけるのはあなた自身である。したがって、ここで言っている死の処罰は、あなたがあなたに突きつける死のことで、自殺を暗示していると考えていいだろう。と言っても、世間一般の肉体的自殺のみならず、精神的自殺、あるいは発狂を加えてもいい。ドストエフスキーの結論を思い出してもらいたい。人が己の心の地獄に対峙したとき、自殺するか発狂するか、あるいは宗教に逃れるか、この3つしかない、と彼は言った。夏目漱石もドストエフスキーと同じ結論に達した。浅学ながら、その後の文学も哲学も、彼らの提示した問題に真っ正面から取り組むことを避け続けてきた。したがって、解答もヒントさえも提示していないと思われる。その意味でも、ACIMの出現は非常に大きな意味を持ち、今後の文学界、哲学界、思想界に大きな影響を与えるだろう。しかし、それにはあと100年待たねばなるまいとも感じる。なぜなら、ACIMは思想として書かれたものではないからだ。もちろん、文学、哲学として書かれたものでもない。明白な実践論である。ACIMは実践しなくてはまったく意味を持たない。頭脳で理解する理論、思想ではないのだ。しかし、その実践論の根幹をなすホーリー・スピリットの思考システムは理論、思想に十分耐える。したがって、それを世界が受け入れるまでにはまだまだ時間が必要で、あと100年はかかるだろう。
Wanting to kill you as the final expression of its feeling for you, it lets you live but to await death. - kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
- final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
- expression [ikspré∫n] : 「表現、表出、発現」
- feeling [fíːliŋ] : 「感触、感覚、感情、気持ち、感じ、印象」
- await [əwéit] : 「〜を待つ、待ち受ける、待望する」
❖ "Wanting to kill you ~ "分詞構文、理由、「あなたに対する気持ちの最後の表現として、あなたを殺したいと望んでいるので、」つまり、エゴはあなたを憎んでいるわけで、エゴがあなたの無意識であるとすると、あなたがあなた自身を無意識的に憎んでおり、その憎悪の最後の表現として、あなたはあなたの死を望むわけである。"it lets you live ~ "「エゴはあなたを生かし、死(の処罰)を心待ちにしているのである」。
It will torment you while you live, but its hatred is not satisfied until you die. - torment [tɔː(r)mént] : 「〜を困らせる、ひどく苦しめる、悩ます」
- while [(h)wáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
- hatred [héitrid] : 「強い嫌悪、憎しみ、憎悪、嫌悪」
- satisfy [sǽtisfài] : 「〜を満足させる、納得させる、満たす」
- until [əntíl] : 「〜する時まで」
- die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
❖ "It will torment ~ "「エゴは、あなたが生きている間は、あなたを苦しめようとするだろう」。"but its hatred is ~ "「しかし、エゴの(あなたに対する)嫌悪感は、あなたが死ぬまで満たされることはない」。
For your destruction is the one end toward which it works, and the only end with which it will be satisfied.- destruction [distrʌ́k∫n] : 「破壊、破滅、破棄」
- end [énd] : 「結果、結末、終わり、終局」
- toward [tɔ́ː(r)d] : 「〜の方へ、〜に向かって、〜のために」
❖ "For your destruction is ~ "「なぜなら、あなたの破壊は、エゴがそれに向けて働いている一つの結末であり、」"and the only end ~ "「エゴが満足する唯一の結末であるからだ」。くどいようだが、もう一度言おう。"destruction"「破壊」には死はもちろん、精神的自殺、発狂も含めて考えることが出来る。そこで、ドストエフスキーや夏目漱石の文学的結論、人が自己の持っている内部矛盾に真摯に向き合うなら、発狂するか、自殺するか、宗教に逃れるかのいずれかである、という言葉が理解できよう。もし、この二人の巨人が、エゴという存在を知っていたなら、あるいは、仮にACIMに出会っていたなら、文学の中での彼らの戦い方は大きく違っていただろう。