●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-12.VII.6:1 ~ T-12.VII.7:11

6. I am the manifestation of the Holy Spirit, and when you see me it will be because you have invited him.

  • manifestation [mæ̀nəfistéiʃən] : 「現れ、顕現、明らかにすること、明示、表明」
  • invite [inváit] : 「招待する、招く、案内する」
❖ "I am the manifestation ~ "「私(イエス)は、ホーリー・スピリットの現れである」。"and when you see ~ "「そして、あなたが私を見たとき、それは、あなたがホーリー・スピリットを招いたからであろう」。イエス・キリストは神の一人子であると世間では言われている。実相の世界では、この世で分裂した存在の我々の心は一なる心として一つであるから、我々は神の子としてキリストと同体である。したがって、我々の心はイエスと同体であると宣言しても誤りではない。ここに書かれているように、イエス自身はホーリー・スピリットの現れ、つまり、具現化したものであるから、イエスとホーリー・スピリットを同体と考えても誤りではない。とすれば、三段論法によって、我々の心はホーリー・スピリットであると宣言しても、これまた誤りではない。三位一体論を持ち出せば、神と聖霊と神の子は一体であり、我々の心は神であると宣言しても誤りではない。このように、神人一体に行き着くのである。実相の世界は一元論の世界であり、究極、存在は一元に収斂する(不二一元)。それが"Go is"「神ありき」であって、神人一体は一元論の実相世界の必然である。しかし、この幻想の世界で物事を考えるとき、すべてが一つとして扱えばいらざる混乱が生じるであろうから、あるときは神として、あるときはキリストとして、あるときはイエスとして、またあるときは神の子として、あたかも区別があるように扱えばいいだけのである。区別して扱うのであるが、実相の世界では区別はないことは常に頭に入れておこう。



For he will send you his witnesses if you will but look upon them. Remember always that you see what you seek, for what you seek you will find.
  • send [sénd] A B : 「AにBを送る、AにBを伝える」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • Remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
❖ "For he will send ~ "「なぜなら、もしあなたが見ようとするなら、ホーリー・スピリットはあなたにホーリー・スピリットの証人を送るであろうからだ」。ホーリー・スピリット自身はあなたの目に見えるものではない。しかし、ホーリー・スピリットの存在を示す具現化した何ものかをあなたが見ようと意思するなら、ホーリー・スピリットはホーリー・スピリットの存在を証言する証人をあなたの元へ送ってくれる。イエス・キリストはその一人であった、ということである。"Remember always that ~ "「that以下をいつも心に留め置きなさい」。"that you see what ~ "「あなたは探し求めているものを見るのである」。"for what you seek ~ "「なぜなら、あなたが探し求めているものを、あなたは見つけ出すからである」。これはホーリー・スピリットの思考システムの結果である。エゴの思考システムに従うなら、「探し求めよ、しかし見つけ出すな」であったことを思い出そう。



The ego finds what it seeks, and only that. It does not find love, for that is not what it is seeking. Yet seeking and finding are the same, and if you seek for two goals you will find them, but you will recognize neither.
  • seek for : 「〜を探し求める」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる、〜を認識する、〜を認証する」
  • neither [níːðə(r)] : 「どちらも〜ない」
❖ "The ego finds ~ "「エゴは、それが求めたものを見出すが、それだけである」。"It does not ~ "「エゴは、愛を見つけることはできない」。"for that is not ~ "「なぜなら、愛はエゴが探し求めているものではないからだ」。エゴが探し求めているのは分離であり他者への攻撃。他者を攻撃するために、他者の失敗、弱点、ミスを探し求める。"Yet seeking and ~ "「しかし、探し求めることと見つけ出すことは同じことである」。"and if you seek for ~ "「もしあなたが二つの目標を探し求めるならば、あなたは二つとも見つけ出すであろう」。"but you will recognize ~ "「しかし、あなたは二つを(同時に)受け入れることはできない」。エゴに準じた目標とホーリー・スピリットに準じた目標の二つを探し求め、その二つを見出したとしても、同時にその二つを受け入れることは出来ない。どちらかを捨てなくてはならないわけだ。簡単に言うと、幻想のこの世界で富を求めることも、実相世界である天の王国の富を求めることも、二つを追い求め二つを見つけ出すことは可能であるが、そのどちらかの富だけを自分のものと出来る。つまり、どちらかは捨てなければならないが、あなたはどっちを選択するか? 



You will think they are the same because you want both of them.
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
❖ "You will think ~ "「あなたは二つの目標は同じであると思うであろう」。"because you want ~ "「なぜなら、あなたはどちらも欲しいからである」。幻想世界の富も、天上の富も、あなたはどちらも欲しいから、どちらも同じだと思い込む。つまり、幻想世界の富、物質的富を得ることが心の平和につながり、喜びとなり、天上的な富の獲得を可能とする、と思い込む。



The mind always strives for integration, and if it is split and wants to keep the split, it will still believe it has one goal by making it seem to be one.
  • strive [stráiv] : 「競う、戦う、努力する、努める」
  • strive for : 「〜のために懸命に努力する、〜を得ようと努力する」
  • integration [ìntəɡréiʃən] : 「統合、一体化、統一、融合、調和」
  • split [splít] : 「割れた、分割した、分裂した、分けた」
❖ "The mind always ~ "「心は常に統合しようと努力する」。二つの目標を統合し、同一の目標だと信じたいのである。"and if it is split and ~ "「もし心が分裂しており、その分裂を保持したいと心が望むなら、」" it will still believe ~ "「心は、目標を一つに見せかけることで、心が一つだけの目標をもっていると信じるであろう」。心がエゴ的部分とホーリー・スピリット的部分に分裂していて、その分裂を保持したいと思っているうちは、物質的富も心の富もどちらも同じものだと思い込んで、自分は富を求めるという一つの目標しか持っていないのだと信じるのである。よって、心の分裂はいつまでも続くこととなる。結果、エゴは安泰というわけだ。しかし、ホーリー・スピリットは、あなたの気付きをじっと待つことであろう。



7. I said before that what you project or extend is up to you, but you must do one or the other, for that is a law of mind, and you must look in before you look out.
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、発射する、投げ出す」
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • up to : 「〜次第で」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
❖ "I said before that ~ "「私は以前、that以下を言ったことがある」。"that what you project or ~ "「あなたが何を投射しようが拡張しようが、それはあなた次第である」。"but you must do one ~ "「しかし、あなたはそのうちの一つ、あるいは他方だけを行わなければならない」。"for that is a law ~ "「なぜなら、それは心の法であり、」"and you must look in ~ "「あなたは外を見る前に、内側に目を向けなければならない」。心が自分の持っている悪感情を幻想の外部世界に投射するも、実相の世界で真の創造を拡張するも、あなたの選択次第である。しかし、その一方だけを選択しなくてはならない。両方を同時に行うことは、心の法が許さない。したがって、あなたが何をなすか、外側に目を向ける前に、自分の心を覗き込んで、本当に自分が望んでいることを見極める必要がある。



As you look in, you choose the guide for seeing. And then you look out and behold his witnesses.
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • guide [gáid] : 「指針、案内人、ガイド、案内者」
  • behold [bihóuld] : 「見る、見守る、注視する」
  • witness [wítnəs] : 「証拠、証言、目撃者、証人、参考人」
❖ "As you look in ~ "「あなたは(心の)内側を見ながら、ものを見るためのガイドを選択することになる」。心の望みを見極めて、エゴをガイドとするかホーリー・スピリットをガイドとするか、あなたが世界を見るためのガイド役を選択しなくてはならない。"And then you look out ~ "「そして、あなたは目を外部に向け、ガイドの証人を見つけることとなる」。ガイドはあなたの目に直接見えるものではない。ガイドの存在を証言する証人が必要である。もしあなたが、同胞の中にキリストを見るなら、そのキリストはホーリー・スピリットの顕現であり、あなたはホーリー・スピリットをガイドとして選択しキリストの目で世界を見ていることになる。もしあなたが、同胞を見てその同胞を攻撃したくなったら、それはあなたがエゴの目で同胞を見ていることであり、あなたはエゴをガイドに選んだことになる。



This is why you find what you seek. What you want in yourself you will make manifest, and you will accept it from the world because you put it there by wanting it.
  • manifest [mǽnəfèst] : 「〜を明らかにする、明白に示す、明示する」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる、快く受け取る」
❖ "This is why you ~ "「これが、あなたが探し求めているものを見つけ出せる理由である」。これとは、探し出すためのガイドを選択するということ。ガイドがいるから探し出せる。"What you want ~ "「あなた自身の中であなたが欲しているものを、あなたは顕現化出来るであろう」。"and you will accept ~ "「そして、あなたは世界というものを通じて、そこから欲したものを受け入れることになろう」。"because you put ~ "「なぜなら、それを望むことで、あなたは欲するものをその世界に置いたからである」。一体、どういう意味であろうか? "accept"を「手に入れる」という意味に解釈すると意味が通じやすい。たとえば、真の平和を探し求めたとしよう。あなたは、真の平和を求める原点を実相である神の世界に設定するであろうから、あなたは真の世界から平和を手に入れることが出来るのであって、決して幻想の世界からではない。つまり、幻想の世界の物質によって、あなたが平和を手に入れることは出来ない。逆に、あなたが豊かな物質に恵まれたいと欲したなら、当然この物質的幻想世界にそれを求めるであろうから、豊かな物質はこの世界から手に入れることになる。決して、実相の神の世界から物質的豊かさを手に入れることは出来ない。ACIMが何を言いたいのかというと、もしあなたが真の平和、喜び、幸福、愛、等々を探し求めるならば、その原点を真に実在する実相の神の世界に求め、その実相世界から真の平和、喜び、幸福、愛、等々を手に入れなければならないということ。物質的幻想のこの世界からどんなものを手に入れたとしても、あなたは真の平和、喜び、幸福、愛、等々を手にすることは出来ないのだ。



When you think you are projecting what you do not want, it is still because you do want it.
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、発射する、投げ出す」
  • still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに、今もなお」
❖ "When you think ~ "「あなたが、望まないものを投射していると思っても、」"it is still because ~ "「それは、まだあなたがそれを欲しているからである」。たとえば、あなたが恐れを嫌ってその恐れを外部世界に投射し、嫌いな他者を作り出して彼を嫌悪したとしても、あなたの恐れは消えるわけではない。恐れが消えないどころか、あなたは恐れと共に生きることを選択したことになり、言い換えれば、心の深い部分で恐れを受け入れ、恐れを欲していることになる。同様に、たとえば、あなたは真の平和を望み、物質的富を嫌って拒絶したとしよう。しかし、あなたは嫌うという感情によってその嫌悪感を外部の世界に投射し、その嫌悪感を他者の上に知覚することになる。つまり、物質的に富んだ者を嫌悪し、嫉妬し、批判することになる。なぜなら、あなたの心の奥深くでは物質的富をひそかに望んでいるからである。単なる投射によっては問題は解決しないのだ。



This leads directly to dissociation, for it represents the acceptance of two goals, each perceived in a different place; separated from each other because you made them different.
  • lead [líːd] : 「〜を導く、案内する、〜を連れていく」
  • directly [dəréktli] : 「直接に、真っすぐに、そのまま」
  • dissociation [disòusiéiʃən] : 「解離、分離、分裂」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する、象徴する、示す」
  • acceptance [əksépt(ə)ns] : 「承諾、承認、受諾、受理、支持、容認 」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • different [díf(ə)r(ə)nt] : 「別の、区別された、違っている、異なる」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、席、立場、境遇、環境」
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す、切り離す」
❖ "This leads directly ~ "「このことは、まっすぐ乖離につながる」。つまり、物質的富を嫌悪する自分と、物質的富を求める自分の二人があなたの心の中に同居し、あなたはその矛盾と軋轢に耐え切れなくなって自己を乖離する。統一した自己を維持できなくなるのである。"for it represents ~ "「なぜなら、それは二つの目的を受容したことを表しているからである」。"each perceived in ~ "分詞構文、理由、「二つの目的が別々の場所に別々に知覚されるからだ」。心が二つに分断し、一方はエゴが支配し物欲を主張し、一方はホーリー・スピリットの指導に従って物欲を否定している状態になる。"separated from each ~ "分詞構文、単純接続、先頭に"being"を補う、「あなたは二つを違ったものとしたので、互いに分離されるのである」。あなたが、物質的富は幻想であり錯覚であると、一方、精神的富は実在であり、それだけが価値ありと、きっぱりと判断できたなら、こんな問題は生じなかったのである。あなたは二つを同レベルの実在として受容し、同じレベルで現実化しようと心を二つに分けてそれぞれを住まわせてしまったために、自己乖離を起こす結果となった。



The mind then sees a divided world outside itself, but not within. This gives it an illusion of integrity, and enables it to believe that it is pursuing one goal.
  • divided [diváidid] : 「分割された、分配した、分離した、分裂した」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • integrity [intégrəti] : 「完全、完全性、全体性」
  • enable [enéibl] : 「〜を可能にする、〜に可能性を与える、〜が〜できるようにする」
  • pursue [pə(r)s(j)úː] : 「〜を追跡する、〜を追いかける、追求する」
❖ "The mind then sees ~ "「そこで、心は、心の内側ではなく、心の外側に分離した世界を見ることとなる」。自己乖離した心の一方はエゴに支配され、エゴに支配された心は外部に自己を投射する。そこに分離した幻想の世界が映し出される。"This gives it ~ "「この世界は心に、完全性の幻想を与える」。"and enables it to ~ "「そして、心が、一つの目標を追求していると信じ込ませるのである」。外部に映し出された幻想の世界はエゴに支配された世界であるから、一見完全に統一されているように見える。しかし、その完全性も統一性も所詮は幻想である。そして、幻想の世界ではその目的は物質であるから、目標さえも統一されているかのように心は思ってしまうのである。



Yet as long as you perceive the world as split, you are not healed. For to be healed is to pursue one goal, because you have accepted only one and want but one.
  • as long as : 「〜する限りは、〜である限りは、〜する以上は」
  • heal [híːl] : 「癒やす、救う、治す、治癒する、治療する」
  • pursue [pə(r)s(j)úː] : 「〜を追跡する、〜を追いかける」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "Yet as long as ~ "「しかし、あなたが世界を分離したものと知覚する限り、」"you are not ~ "「あなたはヒールされない」。外部に投射された幻想のこの世界で、物質的目標を追求していくだけなら、それもまあいいだろう。しかし、あなたは心の中で、この世界とはまた別の世界が存在することを薄々感じている。ホーリー・スピリットがその世界の存在をあなたに感じさせているのだ。したがって、あなたの心は二つの分裂した世界に引き裂かれてしまう。そこに深い断層が生じ、あなたの心は分裂したままでヒールされない。"For to be healed ~ "「なぜなら、ヒールされるとは、一つの目標を追求することであるからだ」。"because you have ~ "「なぜなら、あなたはただ一つだけを受け入れ、その一つだけを望むことになるからだ」。ホーリー・スピリットの指導に従って、実相世界の精神的目標だけを追求することがヒールされることである。つまり、実在の実相世界に目覚め、幻想の世界が消滅することこそ、ヒーリングなのである。
 
 
 

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