2. Never approach the holy instant after you have tried to remove all fear and hatred from your mind.
- approach [əpróut∫] : 「〜に近づく、〜に接近する、〜に取り組む、〜のための準備をする」
- holy [hóuli] : 「神聖な」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
- after [ǽftə(r)] : 「〜した後で、〜してから」
- try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
- remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
- fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
- hatred [héitrid] : 「強い嫌悪、憎しみ、憎悪、嫌悪」
❖ "Never approach the holy instant ~ "「あなたが、あなたの心の中の恐れや憎悪を取り除こうと試みた後に、聖なる瞬間に近づこうとしてはいけない」。おや? と思うかも知れない。誤解の生じやすい箇所だ。ここは、聖なる瞬間に近づこうとするなら、恐れや憎しみを抱いたままでいいから、今すぐにでも近づきなさい、ということである。準備なんかしなくても良い、という意味合いだ。
That is its function. Never attempt to overlook your guilt before you ask the Holy Spirit's help. That is his function. - function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
- attempt [ətém(p)t] : 「〜しようと努力する、〜を試してみる、〜を企てる」
- overlook [òuvə(r)lúk] : 「見過ごす、目をつぶる、監視する、見渡す」
- before [bifɔ́ː(r)] : 「〜する前に、〜より前に、〜より先に」
- guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
- ask [ǽsk] : 「〜を頼む、依頼する」
❖ "That is its ~ "「あなたの心の中の恐れや憎悪を取り除くことは、聖なる瞬間の役目なのだ」。だから、聖なる瞬間に出合う前に、あなたの恐れと憎悪対して、それと格闘する必要はないのだ。同様に、"Never attempt to overlook ~ "「あなたがホーリー・スピリットの助けを求める前に、あなたの罪の意識を見渡そうと試みてはいけない」。"That is his ~ "「それは、ホーリー・スピリットの役目である」。あなたの罪の意識を見渡して、調べることが出来るのは、あなたではなく、ホーリー・スピリットである。だから、罪の意識の検査はホーリー・スピリットに任せておけばいい。あなたの役割ではないのだ。
Your part is only to offer him a little willingness to let him remove all fear and hatred, and to be forgiven. - part [pɑ́ː(r)t] : 「分担、役、役目、役割」
- offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
- willingness [wíliŋnis] : 「意欲、いとわずにすること、やる気」
- remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
- forgiven [fərɡívn] : 「forgive の過去分詞」
- forgive [fə(r)gív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
❖ "Your part is only ~ "「あなたの役割は単に、ホーリー・スピリットにすべての恐れと憎しみを取り除いてもらい、赦してもらいたいと、ささやかでもいいから、その望みをホーリー・スピリットに差し出すことである」。ホーリー・スピリットにすべての恐れと憎しみを取り除いてもらうという部分は言葉通りでいいとして、「赦してもらう」という部分は要注意である。ACIMの赦しとは、赦してもらいたい対象が、実は幻想に過ぎず、実際は起きなかった、存在しなかったとして、その事実を受け入れることなのだ。ACIMの贖罪という概念に非常に近い。したがって、本文の「赦してもらう」とは、あなたの心の中の恐れも憎しみも、実は幻想に過ぎず、恐れや憎しみの実体は存在していなかったのだと認識できるようにさせてもらう、という意味合いになる。ACIMの赦しは、既存宗教の、神や仏に自分の罪悪を許してもらうという意味とはまったく異なるのである。ここを理解しないことには、たとえば、聖書に書かれてイエスの赦しの意味が不鮮明になってしまう。逆に言えば、ACIMの赦しの意味を正確に捉えれば、聖書に書かれたイエスの言動が、非常によくわかるのである。蛇足を承知で付け加えるが、聖書を書いたイエス伝の物語作者達(マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネ)は、この赦しという意味を大きく取り違えていたために、あるいは勝手に曲解したために、イエスの赦しの部分を実に陳腐な人情物語として描いている。そして、万民はそれをありがたがって、2000年に渡り、極言すれば、聖書の一言一句を誤解で塗り固め、信じてきたのである。聖書を冒涜する気も、信仰を揶揄する気も毛頭ないが、そろそろ、物語に過ぎない聖書とそれに基づく自分本位の信仰を、勇気をもって見直してもいい時期ではないのか? ACIMは、そのチャンスを与えてくれているのだから。ついでなので、たとえ話をしよう。今は故人となった作家の吉川英治は小説「宮本武蔵」を書いた。吉川英治は史実を調べ、資料を精査して宮本武蔵の実像を描こうとしたであろう。そして、出来た小説の中の宮本武蔵は生き生きと描かれ、その中の会話文さえ、本当に宮本武蔵がそう言ったかのような錯覚を覚えるものに仕上がったであろう。しかし、真実、宮本武蔵が本当にそう言ったなどと誰が信じるであろうか? 聖書も同様なのだ。つまり、マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネは、史実を調べ、資料を精査してイエスの実像を描こうとした物語作家、伝記作家に過ぎないのである。その中には、もちろん史実もあろうが、大いに彼らの創作も介入しているのである。聖書に書かれていることは史実オンリーであり、絶対的真実、真理であるなどと思ってはいけない。もし、そう信じるなら、吉川英治の描いた宮本武蔵をまるごと真実だと信じることと等しいではないか。
On your little faith, joined with his understanding, he will build your part in the Atonement and make sure that you fulfill it easily. - faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、自信、信念、確信」
- join [dʒɔ́in] : 「〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる、結合する、連結する」
- understanding [ʌ̀ndə(r)stǽndiŋ] : 「理解、理解力、知力」
- build [bíld] : 「建てる、建造する、構築する」
- atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
- make sure that : 「〜ということを確かめる」
- fulfill [fulfíl] : 「果たす、全うする」
- easily [íːz(ə)li] : 「容易に、たやすく、苦もなく」
❖ "On your little faith ~ "「あなたの、ほんの少しの信頼の上に立って、」"joined with his ~ "「そして、ホーリー・スピリットの理解力を加味し、」"he will build your part ~ "「ホーリー・スピリットは、贖罪におけるあなたの役割を設け、」"and make sure that ~ "「あなたがその役割を容易に果たすことが確かに出来るようにしてくれるのである」。ACIMの贖罪(Atonement)とは、あなたが神から分離したことは幻想であり、したがって神を裏切ったことで感じている罪の意識も幻想なのだと受け入れて、自分が完全な無辜(むこ)であると宣言することである。
And with him, you will build a ladder planted in the solid rock of faith, and rising even to Heaven. - ladder [lǽdə(r)] : 「はしご、踏み台」
- plant [plǽnt] : 「〜をしっかりと立てる、〜を置く、〜を植える」
- solid [sɑ́ləd] : 「確かな、しっかりした、硬い、頑丈な」
- rock [rɑ́k] : 「岩、岩石、岩盤」
- rise [ráiz] : 「上昇する、昇る、そびえ立つ」
❖ "And with him, you ~ "「そして、あなたは、ホーリー・スピリットと一緒になって、信頼という固い岩の上に立てられたはしごを築くであろう」。"and rising even ~ "「そして、そのはしごは、天の王国へと昇っていくのである」。あなたはホーリー・スピリットを固く信じることで、実相世界に目覚め、実相世界である天の王国へアセンションすることが出来るのだ。
Nor will you use it to ascend to Heaven alone.- ascend [əsénd] : 「上がる、登る、上る」
- alone [əlóun] : 「独りで、単独で」
❖ "Nor will you use ~ "「しかもあなたは、たった一人だけ、天の王国へアセンションするためにそのはしごを使うことはないであろう」。もちろん、あなたは同胞を引き連れて、天の王国へアセンションするのである。なぜなら、あなたと同胞は自他一如であり、神の子は単一存在であるから、あなただけが天の王国へ回帰しても意味はないのだ。あなたの実相世界への目覚めは、同胞の目覚めを誘い、同胞の目覚めがまた別の同胞の目覚めを誘う。目覚めを分かち合うのである。
3. Through your holy relationship, reborn and blessed in every holy instant you do not arrange, thousands will rise to Heaven with you. - through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- reborn : 「再生した、生き返った、よみがえった、生まれ変わった」
- blessed [blésid] : 「祝福された、清められた」
- arrange [əréin(d)ʒ] : 「整える、配置する、準備する、用意する」
- thousand [θáuzn(d)] : 「1000の、1000個の、多数の」
- rise [ráiz] : 「上がる、起立する、上昇する」
❖ "Through your holy ~ "「あなたの聖なる瞬間を通して、」"reborn and blessed ~ "分詞構文、先頭に"being"を補う、付帯状況、「あなたがアレンジしたわけではないが、あらゆる聖なる瞬間において、生まれ変わり、祝福されて、」"thousands will rise ~ "「多くの同胞達が、あなたと共に天の王国へアセンションするのだ」。わざわざ、「あなたがアレンジしたわけではない聖なる瞬間」と書いてあるが、もちろん、ホーリー・スピリットがアレンジした瞬間である。あなたが再生し祝福されることで、多くの同胞達も再生祝福される。自他一如。
Can you plan for this? Or could you prepare yourself for such a function? - plan [plǽn] : 「〜の計画を立てる、〜を計画する」
- prepare [pripéə(r)] : 「用意する、準備する、覚悟する」
- prepare oneself for : 「〜を準備する、〜の覚悟を決める、〜の心構えをする」
- function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「職務、役割、機能、作用、働き」
❖ "Can you plan ~ "「あなたは、こういうことを計画出来るだろうか」。"Or could you prepare ~ "「あるいは、そのような役割に対して心の準備が出来ているだろうか」。
Yet it is possible, because God wills it. Nor will he change his mind about it. - possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
- change [t∫éin(d)ʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
❖ あなたに自信はないだろうが、"Yet it is ~ "「しかし、それは可能なのだ」。"because God ~ "「なぜなら、神がそれを意思しているからだ」。神が意思したことは、必ず実現する。"Nor will he change ~ "「しかも、神は、そのことに関して心を変えることは断じてない」。神の意思は不変だ。聖なる瞬間をあなたにもたらし、あなたの同胞共々アセンションさせることは、神の意思であり、変わらない。したがって、それは必ず実現し、あなたは天の王国へアセンションするのである。後は、時間の問題だ。
The means and purpose both belong to him. You have accepted one; the other will be provided. - means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
- purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- both [bóuθ] : 「両方ともに」
- belong [bilɔ́(ː)ŋ] to : 「〜に属する、〜の所有物である」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- other [ʌ́ðə(r)] : 「もう一方のもの、ほかのもの、他方」
- provide [prəváid] : 「提供する、供給する、与える、供与する」
❖ そのための "The means and ~ "「方法と目的は共に、神に属するものだ」。両方とも、神が責任をもって用意してくれる。"You have accepted ~ "「あなたは、その一方を受け入れたし、」"the other will ~ "「他方は、いずれ与えられるだろう」。目的の方は、あなたはすでに受け入れたはずだ。幻想世界におけるあなたの特別な関係性を、神聖な関係性に変えるという、ホーリー・スピリットの提案した神聖な目的をあなたは受け入れたのだ。残るのは、では、どうやって神聖なる存在になるかということだが、その手段は神が与えてくれる。あなたが悩む必要はない。
A purpose such as this, without the means, is inconceivable. He will provide the means to anyone who shares his purpose.- without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
- inconceivable [ìnkənsíːvəbl] : 「信じられない、想像もできない、考えも及ばない」
- share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "A purpose such ~ "「このような(神聖な)目的が、方法なしで(提供されるとは)考えにくい」。"He will provide ~ "「神は、神の目的を分かち合う者なら誰にも、その手段を提供するであろう」。神の元へ、天の王国へ回帰したいと望む者達には、それが同時に神の願いであり目的であるから、神は回帰のための手段、方法をちゃんと用意してくれるのだ。それを、ホーリー・スピリットを通じてあなたに提供することになる。いらぬ心配をせずに、ホーリー・スピリットに委ねてしまえばいい。絶対他力。