7. This is the host of God that you have made.
- host [hóust] : 「主人、案内役、宿主、亭主」
❖ "This is the host of ~ " 「これが、あなたが作った、神のホスト役(の姿)である」。肉体を攻撃の道具に使い、肉体こそが神の子の住家と考え、それなのに肉体を嫌っている、そんな神の子の姿を作ったのはあなたの心であり、そんな神の子が神のホスト役なのである。それで、神は喜ぶだろうか? "the host of God"「神のホスト役」とは、いつも神の傍らに居て、神と喜びや平和を分かち合う者といったイメージである。神にへつらって仕える者、といった意味合いはない。
And neither God nor his most holy Son can enter an abode that harbors hate, and where you have sown the seeds of vengeance, violence and death. - neither [níːðə(r)] A nor B : 「AもBも〜ない」
- enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
- abode [əbóud] : 「住居」
- harbor [hɑ́ː(r)bə(r)] : 「〜に隠れ場所を提供する、〜をかくまう」
- hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
- sown [sóun] : 「sow の過去分詞」
- sow [sóu] : 「〜に種をまく、植え付ける、 〜をまき散らす、広める」
- seed [síːd] : 「種子、種」
- vengeance [vén(d)ʒ(ə)ns] : 「復讐、仕返し、報復」
- violence [váiələns] : 「暴力、暴行、冒涜」
- death [déθ] : 「死、消滅、死亡」
❖ "And neither God nor ~ "「神も、最も神聖な神の子も、憎悪を隠し持った住家に入ることは出来ない」。"and where you have ~ "「あなたは、その場所に、復讐と暴力と死の種を蒔いたのである」。ここの"his most holy Son"「神の最も神聖な神の子」とは、イエスと考えてもいいし、キリスト、あるいはホーリー・スピリットと考えてもいい。もちろん、神の子であるあなた自身と考えても、まったく差し障りない。実相世界では、究極すべては同一なのだから。神も、神聖な神の子も、一元論の実相世界の存在であるから、愛や慈しみや恵みは知っているが、憎悪や復讐や暴力や死は知らない。実相世界には憎悪や復讐や暴力や死は存在しないからだ。従って、神から分離した神の子が、空想の中で作った憎悪や復讐や暴力や死の存在する場所に、わざわざ神や神聖な神の子が入ってくることなどないのだ。むしろ一般的な解釈としては、神や神聖な神の子の存在レベルと、憎悪や復讐や暴力や死の存在レベル、つまり、その次元があまりにも違い過ぎて、入っていきたくても入れない、と捉えてもいいかも知れない。
This thing you made to serve your guilt stands between you and other minds. - serve [sə́ː(r)v] : 「〜に仕える、〜のために働く」
- guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
- stand between A and B : 「AとBの間に立ちはだかる、介在する」
❖ "This thing you made ~ "「あなたが罪の意識に仕えるために作ったこれらのものが、あなたと他者の心の間に立ちはだかっているのだ」。自分の罪の意識を他者に投射し、その他者に対して憎悪や復讐や暴力を行使するのである。これでは、あなたと他者の心が融合することなど決してあるまい。
The minds are joined, but you do not identify with them. - join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する、合わせる」
- identify [aidéntəfài] : 「〜を同一に扱う、同一視する」
❖ "The minds are ~ "「心は結合しているのだが、あなたは結合した心と自分を同一視しないのだ」。実相的見方をすれば、神の子の心は単一であり、あなたの心と同胞の心は結ばれている。しかし、幻想的には、神の子の心は分裂し、分離した肉体の中に閉じこめられているかに見えるのだ。そして、あなたはどちらの心の形態を自分と同一視しているかというと、分裂し肉体に閉じこめられた心が自分であると主張するのである。あなたの知覚が歪んでいると言われる所以(ゆえん)である。
You see yourself locked in a separate prison, removed and unreachable, incapable of reaching out as being reached. - lock [lɑ́k] : 「〜に錠を掛ける、〜を閉じ込める」
- separate [sép(ə)rət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の」
- prison [prízn] : 「刑務所、拘置所、監獄、監禁、禁固、幽閉」
- removed [rimúːvd] : 「離れた、隔たった」
- unreachable : 「手の届かない、達しえない」
- incapable [inkéipəbl] : 「〜ができない」
- reach out : 「手を伸ばす、接触する、連絡しようとする」
❖ "You see yourself ~ "「あなたはあなた自身を、離れた牢獄に閉じこめられていると見ている」。"removed and ~ "分詞構文、付帯状況、先頭に"being"を補うとよい、「その牢獄は、手の届かないところに隔てられ、」"incapable of reaching out ~ "「連絡をとろうにも、外から連絡を受けとろうにも、どちらも出来ないのである」。"separate prison"「離れた牢獄」とは、分離した肉体のこと。肉体に心が閉じこめられていることを、牢獄という言葉を使って比喩的に表現しているのだ。
You hate this prison you have made, and would destroy it. - hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
- destroy [distrɔ́i] : 「〜を破壊する、〜を崩壊させる」
❖ "You hate this prison ~ "「あなたは、あなたの作ったこの牢獄をひどく嫌っている」。"and would destroy ~ "「そして、牢獄を破壊してしまいたいと思っているのだ」。あなたは肉体を嫌い、肉体を破壊してしまいたいと密かに思っている。その思いの結果が、肉体の病であり、そして死の存在である。
But you would not escape from it, leaving it unharmed, without your guilt upon it.- escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する」
- leave [líːv] [SVOC] : 「ある状態のままにしておく」
- unharmed : 「無傷の」
❖ それにも関わらず、"But you would not ~ "「しかし、あなたは、その牢獄から逃れようとはしない」。"leaving it ~ "分詞構文、付帯状況、「牢獄を破壊することなくそっとしておいて、」"without your guilt ~ "「そして、牢獄に罪をきせることもなく」。肉体を傷つけたり、罪を押し付けたりせずに、そっと、肉体から逃れることを、あなたは望んでいない。実は、それを押しとどめているのがエゴである。つまり、エゴとの馴れ合いの中で、あなたは肉体とも馴れ合ってしまったのだ。
8. Yet only thus can you escape. The home of vengeance is not yours; the place you set aside to house your hate is not a prison, but an illusion of yourself. - vengeance [vén(d)ʒ(ə)ns] : 「復讐、仕返し、報復」
- set aside : 「~を脇におく、〜を傍らにおく、取りのけておく」
- house [háuz] : 「~を収容する、~に住居を与える、家をあてがう」
- hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
- prison [prízn] : 「刑務所、拘置所、監獄、監禁、禁固」
- illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
❖ "Yet only thus ~ "「しかし、あなたは、(肉体という牢獄から) このようにしてのみ、逃れることが出来るのである」。つまり、肉体を傷つけたり、罪を押し付けたりせずに、そっと、肉体から逃れること、それが可能性として唯一残されている。つまり、幻想から実相へ目覚めるだけで、あなたは肉体から解放され得るのである。"The home of vengeance ~ "「復讐の宿は、あなたの宿ではない」。あなたは、復讐の念をあなたの心に宿していると思っているが、その心は本当のあなたの心ではない。エゴに幻惑された心であって、あなた自身の心とは言い難いのだ。"the place you set aside ~ "「あなたが憎しみの念を宿すためにとっておいた場所は、牢獄ではなく、あなた自身の幻想なのである」。憎しみを宿すあなたの心を、あなたは牢獄にたとえて、自分はその牢獄に捕らえられている思っているが、それは単なるあなたの幻想に過ぎない。エゴの侵入した心が牢獄に見えるのは、エゴがあなたを囚人に見立てているからだ。あなたはエゴの捕虜になっている。しかし、それさえも幻想である。実際は、あなたの心には、復讐も憎悪も、したがってエゴさえ侵入出来ない聖域がある。あなたの心の最も純粋で神聖な部分である。そこに神の祭壇があり、キリスト、そしてホーリー・スピリットが住み、神の住む天の王国との接点を成している。
The body is a limit imposed on the universal communication that is an eternal property of mind. - limit [límit] : 「限度、制限、限界」
- impose [impóuz] : 「課す、負わす、かける、与える、強いる、強要する」
- universal [jùːnəvə́ː(r)sl] : 「全体の、全宇宙の、全世界の、世界共通の、一般的な」
- communication [kəmjùːnikéi∫n] : 「伝達、通信、連絡、交信」
- eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
- property [prɑ́pə(r)ti] : 「特性、性質、財産、資産」
❖ "The body is a limit imposed ~ "「肉体は、心の持つ永遠の特性である宇宙的コミュニケーションの上に課せられた制限である」。"the universal communication"「宇宙的コミュニケーション」と訳してはみたが、神の子同士、神の子とホーリー・スピリット、神の子とキリスト、神の子と神、それらの間の意思の疎通と考えていいだろう。本来、心は、その能力を持っていた。そのように神が創造したからだ。しかし、神の子の心が分裂し、心が肉体の中に閉じこめられて、その能力は制限を受け、そして、忘れ去られてしまった。
But the communication is internal. Mind reaches to itself. It is not made up of different parts, which reach each other. It does not go out. - internal [intə́ː(r)nl] : 「内部にある、体内の、内の、内部の、内的な」
- reach [ríːt∫] : 「〜に達する、~に至る、伸びる、向かう、伝わる」
- be made up of : 「~で構成されている」
- different [díf(ə)r(ə)nt] : 「相違する、違っている、異なる」
- part [pɑ́ː(r)t] : 「部品、パーツ」
- each other : 「お互いに」
❖ 宇宙的コミュニケーションと言っても、"But the communication ~ "「コミュニケーションとは、内的なものである」。"Mind reaches ~ "「心は、それ自身に達しているのだ」。"It is not made up ~ "「心は、異なるパーツで出来ていて、互いに達しあっている、というのではない」。"It does not ~ "「心は、外に向かうことはないのだ」。あの心とこの心が、互いにテレパシーか何かで交信しあうのではないのだ。心は単一である。あの心とこの心が異なるパーツで出来ているのではなく、同一の心なのである。神の子が心は分裂したと思い込んでいるために、あたかも異なる心として、心が分離しているかに見えるだけである。したがって、本当の心のコミュニケーションとは、外に向かって発信するものではなく、心自体の内側で交わされるものなのである。
Within itself it has no limits, and there is nothing outside it. - within [wiðín] : 「~の中で、~以内に」
- limit [límit] : 「限度、制限、限界」
- outside [áutsáid] : 「 ~の外に、~の外側に」
❖ "Within itself ~ "「心は、それ自身の内側に限界を持たない」。心自体が永遠、無限、無制限なのである。"and there is nothing ~ "「そして、心の外には何も存在しない」。心の外に存在しているかに見えるこの世界は、したがって、幻想の世界である。心が夢に見ている世界であるから、この世界はあなたの心の中にあるのだ。お気付きと思うが、ここで語られている"Mind"という言葉を"God"「神」に置き換えても、まったく意味は通じるのである。むしろ、積極的に神に置き換えて読んだ方がいいかもしれない。
It encompasses you entirely; you within it and it within you. There is nothing else, anywhere or ever.- encompass [enkʌ́mpəs] : 「~を包み込む、包囲する、取り囲む」
- entirely [entáiə(r)li] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら」
- anywhere [éni(h)wèə(r)] : 「どこでも、どこかに、どこへでも、どこにも」
❖ "It encompasses ~ "「心は、あなたを完全に包み込んでいる」。神がすべてを包摂(ほうせつ)している(all-encompassing)を思い出せば、この"It"を"God"と置き換えてもいいと納得出来よう。"you within it ~ "「あなたは心の中に存在し、同時に、心はあなたの中に存在する」。"There is nothing ~ "「他に何もない、どこにも、いつまでたっても、ないのだ」。心がすべてであることがお分かりだろう。ということは、神がすべてである。心と神は同一であり、したがって、あなたは神と同化しているのだ。そして、神であり心であるところのカラーは何かと問えば、愛という色である。気分は、と問えば、平和であり、喜びだ。そして、その愛と平和と喜びを、互いに分かち合うことで、爆発的に拡張増大させていくのである。目眩(めくるめ)く歓喜の中で、神と神の子とホーリー・スピリットは、三位を一体とするのである。実相世界、天の王国とはその実体である。