●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-18.VII.7:1 ~ T-18.VII.8:5

7. To do anything involves the body. And if you recognize you need do nothing, you have withdrawn the body's value from your mind.

  • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う、必要とする、〜を巻き込む、関与させる」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • withdrawn [wiðdrɔ́ːn] : 「withdraw の過去分詞形」
  • withdraw [wiðdrɔ́ː] : 「引っ込める、取り消す、取り下げる、撤回する」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
❖ "To do anything ~ "「何かをするということは、肉体を巻き込むことである」。"And if you recognize ~ "「したがって、もしあなたが、何もする必要がないと認識するなら、」"you have withdrawn ~ "「あなたは、あなたの心から、肉体の価値を撤回したことになるのだ」。幻想の肉体を役立てているうちは、肉体に価値を置いていることになるが、何もすることがないと達観すれば、肉体に頼る必要もなくなり、肉体の価値を心から取り下げることが出来る。



Here is the quick and open door through which you slip past centuries of effort, and escape from time.
  • quick [kwík] : 「手っ取り早い、迅速な、速い、即座の、素早い」
  • through [θruː] : 「〜を通り抜けて、経て、〜を通じて、〜の手を経て」
  • slip [slíp] : 「〜から逃げる、〜を外す、ほどく、素早く着脱する」
  • past [pǽst] : 「過ぎ去った、過去の、これまでの」
  • century [sén(t)∫(ə)ri] : 「1世紀」
  • effort [éfə(r)t] : 「努力、尽力、骨折り、試み、取り組み、行動」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、ずらかる、脱出する、抜ける」
❖ "Here is the quick and ~ "「ここに、あなたが何世紀にも及ぶ努力からすり抜け、時間から脱出出来る、手っ取り早くて開かれたドアがあるのだ」。あなたは、肉体の価値を取り下げることで、あなたを肉体に縛りつけている時間という幻想から脱出することが出来る。



This is the way in which sin loses all attraction right now. For here is time denied, and past and future gone. Who needs do nothing has no need for time.
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、出し物、魅力、誘引」
  • right now : 「今すぐに、即刻」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する、打ち消す」
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • future [fjúːt∫ə(r)] : 「未来、将来」
  • gone [gɔ́(ː)n] : 「go の過去分詞形」
❖ "This is the way ~ "「これが、罪が即刻その魅力のすべてを失ってしまうようにする方法なのである」。時間から解放されることで、あなたは罪の意識から解放される。なぜなら、罪を犯したと思い込んだ過去も、罰せられるだろうという未来も、時間の消滅と共に消滅してしまうからだ。"For here is time ~ "「なぜなら、ここで、時間は否定され、過去も未来もなくなってしまうからだ」。"Who needs do nothing ~ "「何もする必要のない者には、時間は必要ないのである」。



To do nothing is to rest, and make a place within you where the activity of the body ceases to demand attention.
  • rest [rést] : 「休む、休息する、休憩する、休養する、眠る、静止する」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • activity [æktívəti] : 「活動、行動、活発、取り組み、営み、働き」
  • cease [síːs] : 「〜をやめる、よす、中止する」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • attention [ətén∫n] : 「注意、留意、注目」
❖ "To do nothing is ~ "「何もしないとは、休止することであり、」"and make a place within ~ "「あなたの心の中に、肉体の活動が注意を引くことを止めてしまう場所を作ることなのだ」。ちょうど、瞑想しているときのように、肉体感覚を失うのである。肉体が感覚を失うと言うより、心が肉体を意識しなくなるのだ。したがって、何もしないということは、普段の生活の中で常に瞑想をしているようなものなのである。行住坐臥(ぎょうじゅうざが)、これ瞑想なり、という心境がこれに当たるのだろう。



Into this place the Holy Spirit comes, and there abides. He will remain when you forget, and the body's activities return to occupy your conscious mind.
  • abide [əbáid] : 「とどまる、居住する」
  • remain [riméin] : 「とどまる、滞在する、残る、残存する」
  • forget [fə(r)gét] : 「忘れる」
  • activity [æktívəti] : 「活動、行動、活発、取り組み」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「戻る、帰る、返還する」
  • occupy [ɑ́kjəpài] : 「〜に居住する、〜を占領する、ふさぐ」
  • conscious [kɑ́n∫əs] : 「意識のある、知覚反応がある、意識的な」
❖ "Into this place ~ "「(肉体が意識されない)この場所に、ホーリーはやって来て、そこに住み着くのである」。"He will remain when ~ "「たとえ、あなたが(ホーリー・スピリットを)忘れてしまい、肉体の活動が、あなたの意識する心を占領するために戻ってきたとしても、ホーリー・スピリットは(そこに)居続けるのである」。ホーリー・スピリットは居続けてくれるのだが、あなたが心せわしげに活動しているうちは、ホーリー・スピリットの声は聞こえてこないだろう。肉体が活動している間でも、心は瞑想の状態でありたいものだ。行住坐臥、これ瞑想、である。



8. Yet there will always be this place of rest to which you can return.
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
  • rest [rést] : 「休止、休符、休息、休養、睡眠、眠り、静養」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「戻る、帰る、返還する」
❖ あなたは忘れてしまうだろうが、"Yet there will always ~ "「しかし、あなたが戻れる、この休息の場所は常に存在するであろう」。幻想の肉体が活動を休止し、心が休息する場所、ホーリー・スピリットの住む場所に、あなたはその気になればいつでも帰ることが出来る。もちろん、その場所とは、あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分である。実相世界への接点となる場所である。



And you will be more aware of this quiet center of the storm than all its raging activity.
  • be aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている、〜を知っている」
  • quiet [kwáiət] : 「静かな、静粛な」
  • center [séntə(r)] : 「中心、核心」
  • storm [stɔ́ː(r)m] : 「あらし、暴風雨、荒天」
  • raging [réidʒiŋ] : 「怒り狂う、荒れ狂う、激怒した」
  • activity [æktívəti] : 「活動、行動、活発、取り組み」
❖ "And you will be more ~ "「そして、(心が)嵐のように荒れ狂う活動よりも、その嵐の静かな中心部分を、あなたはより意識するようになるだろう」。騒がしい心の動きに翻弄されるのではなく、その中にあっても、心の静かな部分をちゃんと意識出来るようになる。



This quiet center, in which you do nothing, will remain with you, giving you rest in the midst of every busy doing on which you are sent.
  • remain [riméin] : 「とどまる、滞在する、残る、残存する」
  • rest [rést] : 「休止、休息、休養、睡眠、眠り、静養」
  • in the midst of : 「〜の真ん中で、〜の真っただ中で」
  • busy [bízi] : 「忙しい、多忙な、せわしない、落ち着きがない」
  • sent [sént] : 「send の過去・過去分詞形」
  • send [sénd] : 「向かわせる、送り出す」
❖ "This quiet center ~ "「何もしないという、この静かな(心の)中心は、あなたと共にあり続けるだろう」。"giving you rest ~ "分詞構文、単純接続、「そして、あなたが、忙しい活動の真っただ中に投げ込まれても、(その静かな心の中心は、) あなたに休息を与えてくれるのだ」。ホーリー・スピリットと共に過ごす、静かな休息の一時である。もちろん、慌ただしく活動しているときも、この静かな一時は確保されている。行住坐臥、これ瞑想、である。



For from this center will you be directed how to use the body sinlessly.
  • direct [dərékt] : 「命令する、指図する、〜を方向づける、〜を導く」
  • sinlessly : 「罪のないように」
❖ "For from this center ~ "「なぜなら、この(静かな心の中心)から、あなたは、どのようにしたら罪の意識を持たずに肉体を利用出来るのか、(ホーリー・スピリットによって) 導かれるからだ」。ホーリー・スピリットが指示を与えてくれるから、あなたは安心してそれに従えばいい。一人で慌てふためいて、どたばたしなくてもいいのだ。心は常に、平常心、というわけだ。



It is this center, from which the body is absent, that will keep it so in your awareness of it.
  • absent [ǽbs(ə)nt] : 「いない、不在の、留守の、欠席して」
  • absent from : 「〜を欠席している、〜に不在である」
  • awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
❖ "It is this center, from ~ "ここは"It ~ that ~ "の強調構文、「あなたが、(ややもすれば、) 罪を意識してしまう中にあって、罪の意識をもたないように(あなたを)キープしてくれるのは、肉体不在の、この(静かな心の) 中心(に住むホーリー・スピリット)なのである」。肉体という幻想が入り込めない実相的空間とでも言うべき心の中心は、肉体概念の欠如ゆえに、罪の意識を払拭してくれるのである。なぜなら、肉体と罪の意識は表裏一体であり、罪の消滅と共に肉体も消滅し、肉体の消滅と共に罪も消滅するからだ。加えて言うなら、罪の意識は過去と未来という時間と表裏一体であり、したがって、肉体も時間依存せざるを得ない属性をもつ。罪、肉体、時間、そして空間、これらが絡まり合って、この幻想世界の夢物語を構成している。そのすべてから解放してくれるのがACIMであり、ホーリー・スピリットの助力によるのである。
 
 
 

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