●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-20.VII.5:1 ~ T-20.VII.6:7

5. The body is the means by which the ego tries to make the unholy relationship seem real.

  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • make [méik] : 「に〜させる」
  • unholy : 「不信心な、不敬な、不道徳な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • real [ríː(ə)l] : 「実在的な、実質的な、本物の、偽物でない」
❖ "The body is the means ~ "「肉体は、エゴがそれを使って、神聖ならざる関係性を現実的に見せる手段である」。この世界は幻想に過ぎないのだが、心を肉体で覆うことで、あたかも肉体の存在するこの世界が現実であるかのように見せているのだ。心が実相世界に目覚めるのを阻止する、エゴの作戦である。



The unholy instant is the time of bodies. But the purpose here is sin.
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
❖ "The unholy instant is ~ "「神聖ならざる瞬間とは、肉体の時なのである」。ACIMで使う"instant"「瞬間」という言葉は、0.1秒や0.2秒という短い時間の意味ではなく、肉を受けて生き続ける人生の期間をさすことが多い。永遠の実相世界から見れば、我々の人生は、ほんの一瞬、瞬間なのだ。したがって、ここの意味は、肉を受けて過ごす人生は、神聖ならざる期間だ、ということになる。"But the purpose ~ "「しかし、ここでの目的は罪の意識である」。神の子が神から分離し、その罪の意識に耐え切れなくなって自己を乖離し、別人格の自分を作り出し、それを心の外に投射した。それが肉をもった自分である。つまり、肉体は罪の意思の象徴なのだ。この幻想世界で肉を持って生きている限り、罪の意識から解放されることはない。罪の意識から解放されないから、この人生は神聖ならざる期間なのだ。



It cannot be attained but in illusion, and so the illusion of a brother as a body is quite in keeping with the purpose of unholiness.
  • attain [ətéin] : 「達成する、実現する、成就する、手に入れる」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • quite [kwáit] 「かなり、なかなか、とても、非常に」
  • in keeping with : 「〜と一致して、〜と調和して」
  • unholiness : 「神聖でないこと、非神聖」
❖ "It cannot be attained ~ "「その目的は、幻想の中でこそ達成されるものである」。罪の意識を抱いて肉体として生きていけるのは、この幻想世界の中だけに限られる。"and so the illusion of ~ "「だから、同胞を肉体と捉える幻想は、神聖ならざる目的とまったく調和していると言える」。つまり、同胞を肉体と見ることは、同胞に罪があると認識していることを意味する。同胞を実相として見るのではなく、幻想の中で見ているから、そうなるのだ。



Because of this consistency, the means remain unquestioned while the end is cherished.
  • because of : 「〜のために、〜のせいで」
  • consistency [kənsístənsi] :「一貫性、一致、調和、整合性」
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである、残る、残存する」
  • unquestioned : 「疑われていない、疑われない、疑う余地のない」
  • while [(h)wáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • end [énd] : 「目的、目標、目当て、目途」
  • cherish [t∫éri∫] : 「〜を大事にする、大切にする」
❖ "Because of this ~ "「この調和ゆえに、」"the means remain ~ "「目的が大切にされている限り、手段は疑問をもたれずに居残るのである」。罪の意識を温存するために、あえて肉体に疑問の目を向けることは避けるのである。なぜなら、もしかしたら肉体は幻想ではないかと疑問を持たれると、その結果として、罪の意識自体も幻想に過ぎないのではないかと思われるからだ。



Seeing adapts to wish, for sight is always secondary to desire. And if you see the body, you have chosen judgment and not vision.
  • seeing : 「見ること、視覚、視力」
  • adapt [ədǽpt] : 「状況に合わせて変化する、適応する、順応する」
  • adapt to : 「〜に適応する、〜に順応する」
  • wish [wí∫] : 「願い、願望、希望」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、視覚、視力」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • secondary [sék(ə)ndèri] : 「第2の、二次的な、補助的な、派生的な、」
  • secondary to : 「〜の次の、〜に続発する」
  • desire [dizáiə(r)] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • chosen [t∫óuzn] : 「choose の過去分詞形」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別、判決、審判」
  • vision [víʒ(ə)n] : 「先見、先見の明、洞察力、想像力、展望、構想」
❖ "Seeing adapts ~ "「見ることは、望むことに適応する」。つまり、望むことに呼応して、人は見てしまうのだ。"for sight is always ~ "「なぜなら、視覚は常に、願望の次に来るからである」。初めに願望があって、その願望に合わせてものの見方が決まる。いい例ではないが、腹があまりにも減っていれば、石ころさえ饅頭に見えてくる。"And if you see ~ "「そして、もしあなたが、肉体を見るようであれば、」"you have chosen ~ "「あなたは、ヴィジョンではなく判断を選択したことになる」。あなたは、知覚に映った肉体を理性的に判断して、実在だと決定づけている。しかし、その知覚自体が不確かであり、知覚の向こう側に真の、実在の光景が広がっているという、そのヴィジョンを見ているのではない。



For vision, like relationships, has no order. You either see or not.
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • order [ɔ́ː(r)də(r)] : 「順、順序、順番、順位、序列、系列」
  • either [íːðə(r)] : 「どちらの〜でも、どちらの〜も」
❖ "For vision, like relationships ~ "「なぜなら、ヴィジョンは、関係性と同じく、序列をもっていないからだ」。"You either see ~ "「ともに、見えるか見えないかの、いずれかなのだ」。実相世界のヴィジョンや関係性には、それが、少し良いヴィジョンだとか、ちょっと悪い関係性だとか、優れたヴィジョンだとか、劣る関係性であるとか、そういった平等性を欠いたグラデーションをもつような序列はないのだ。一元論世界の実相世界だからである。あるか、ないか、見えるか、見えないか、という違いしかない。そして、見えて、ある、ものは真実なのだ。ところで、ここで言う関係性とは、神聖な関係性のことであり、ヴィジョンとは、叡智(knowledge)が捉えた光景と考えていいだろう。どちらも真実のみで構成されている。不純物が入っていないから、いわば品質の最上級に属し、序列はないのだ。



6. Who sees a brother's body has laid a judgment on him, and sees him not.
  • laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
❖ "Who sees a brother's ~ "「同胞を肉体と見る者は、彼に判断を下してしまったのだ」。"and sees ~ "「つまり、(本当の)同胞を見てはいない」。肉体的感覚器官で知覚した同胞の肉体を、同胞そのものだと理性的に判断し、同胞の心の中の実在を見ようとしないのである。



He does not really see him as sinful; he does not see him at all. In the darkness of sin he is invisible.
  • really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • sinful [sínfl] : 「罪深い、邪悪な」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • darkness [dɑ́ː(r)knəs] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
  • invisible [invízəbl] : 「目に見えない、不可視の、目につかない」
❖ "He does not really ~ "「同胞を肉体と見る者は、実際は、同胞を罪深いと見ているわけではない」。"he does not ~ "「彼は同胞を、まったく見ていないのだ」。見ているつもりになり、罪深いと判断しているが、本当は、見てはいない。"In the darkness ~ "「罪という暗闇にあっては、彼は何も見えないのだ」。同胞を肉体と見る者は、幻想の中にどっぷりとつかっている。それは、幻想という暗闇、罪の意識のはびこる闇である。その闇の中で、真実は何も見えはしない。闇の中の幻想、つまり、肉体と罪だけが異様に光って見えているだけだ。それすらも、単なる想像なのだ。



He can but be imagined in the darkness, and it is here that the illusions you hold about him are not held up to his reality.
  • imagine [imǽdʒin] : 「想像する、思う、心に描く、推測する」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • hold [hóuld] : 「心に抱く、〜であると考える」
  • held [héld] : 「hold の過去形、過去分詞形」
  • hold up : 「持ち上げる、維持する」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "He can but be ~ "「闇の中にあっては、同胞は、想像されるだけである」。真実の姿は見えないから、勝手に想像するのである。"and it is here that ~ "ここは"it ~ that ~ "の構文、「〜であるのは、この闇の中においてである」。"that the illusions you hold ~ "「あなたが同胞に対して抱く幻想が、同胞の実体まで持ち上げれないのは、」この闇の中においてである。へたな訳で申し訳ない。幻想の闇の中で、あなたがどんなに想像をたくましくしても、同胞の本当の姿は描くことは出来ない、という意味合い。幻想世界にあっては、実相は見えてこないのだ。幻想から抜け出さなくては、実相は見えない。罪の意識を幻想と見破り、肉体から抜け出ることで幻想世界から超絶し、そして、実相世界に目覚めない限り、真実の姿は見ることが出来ないのである。



Here are illusions and reality kept separated. Here are illusions never brought to truth, and always hidden from it.
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • keep [kíːp] [SVOC] : 「〜の状態にしておく」
  • separated [sépərèitid] : 「分離した、別々になって」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜を連れてくる」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • hidden [hídn] : 「hide の過去分詞形」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • hide from the truth : 「真実から目をそらす」
❖ "Here are illusions and ~ "「ここでは、幻想と実相が分離されたままになっている」。幻想世界と実相世界が断絶しているのだ。"Here are illusions ~ "「ここでは、幻想は決して真実にもたらせることはなく、常に、真実から隠されているのだ」。ちょうど、夜見る夢の世界と現実の世界のようなものだ。夜見る夢の世界を現実の世界に引き入れることは出来ない。そして、夜見る夢の世界では、現実の世界が隠されていて、奇妙な物語が始まるのである。これを、幻想世界と実相世界の関係にスライドさせれば、おおよその意味はつかめるだろう。



And here, in darkness, is your brother's reality imagined as a body, in unholy relationships with other bodies, serving the cause of sin an instant before he dies.
  • unholy : 「神聖でない、不浄な、汚れた、不信心な、罪深い、邪悪な」
  • serve [sə́ː(r)v] : 「〜に役立つ、果たす、〜に仕える、〜の役目をする」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由、動機」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬、まさにその時」
  • before [bifɔ́ː(r)] : 「〜する前に、〜より前に、〜より先に」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
❖ "And here, in darkness ~ "「ここ、闇の中では、あなたの同胞の現実は、肉体として想像されている」。実相的な実像が見えないから、肉体として思い描かれているのだ。思われたことが、まさに像として我々の知覚に飛び込んでくる。肉体は幻想なのだが、あたかも実在であるかのように知覚されるのである。肉体は、虚像なのだ。"in unholy relationships ~ "「その想像された同胞の肉体は、他者の肉体との神聖ならざる関係性の中に見いだされるのだ」。"serving the cause of ~ "「そして、同胞が死ぬ前のつかの間、肉体は罪の原因として、その役目を果たすのである」。虚像の肉体と肉体が、神聖ならざる特別な関係性を演じ、罪の意識を生み出している。そして、人生という短い期間を通過し、つまり、神聖ならざる瞬間を生き、確実に死へと突き進んでいく。これが、虚像としての肉体の生き様である。
 
 
 

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