●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-25.II.1:1 ~ T-25.II.2:6


II. The Savior from the Dark
闇からの救い主


1. Is it not evident that what the body's eyes perceive fills you with fear? Perhaps you think you find a hope of satisfaction there.
  • evident [évədənt] : 「明白な、明らかな、歴然とした、確かな」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • fill [fíl] : 「〜を…に詰める、注入する、満たす、〜を…でいっぱいにする」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • hope [hóup] : 「希望、望み、見込み、期待」
  • satisfaction [sæ̀tisfǽkʃən] : 「満足感、充足感」
❖ "Is it not evident that ~ "「that以下は明白ではないだろうか」。"that what the body's ~ "「肉体的な目が知覚するものは、あなたを恐れで満たすということ」は明白でないだろうか。幻想の肉体の目が、幻想世界を見るとき、あなたは恐れを覚えずにはいられない。真実は恐れを取り除くが、虚偽は恐れをかき立てるからだ。"Perhaps you think ~ "「おそらく、あなたは、そこに満足感を覚える希望を見い出せると思っているのだろうが、」恐れを抱く結果になる。目にする幻想世界の中に、あなたを満足させるものがあるに違いないと、あなたは誤った希望を持っているのだ。



Perhaps you fancy to attain some peace and satisfaction in the world as you perceive it.
  • fancy [fǽnsi] : 「〜を心に描く、想像する、空想する」
  • attain [ətéin] : 「手に入れる、獲得する、達成する、実現する」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "Perhaps you fancy to ~ "「多分、あなたは、あなたが知覚したままの世界の中から、いくらかの平和と満足感を得られるだろうと空想を逞(たくま)しくしているのだ」。これも、あなたの誤った希望である。幻想世界の現実は、あなたの希望や空想をことごとく打ち破ってしまうのだ。



Yet it must be evident the outcome does not change. Despite your hopes and fancies, always does despair result.
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
  • change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
  • despite [dispáit] : 「〜にもかかわらず、〜をよそに」
  • fancy [fǽnsi] : 「空想、想像、夢、幻想」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、日夜、以前からずっと」
  • despair [dispέər] : 「絶望、失望、落胆」
  • result [rizʌ́lt] : 「生じる、起こる、終わる、帰着する、〜の結果となる」
❖ "Yet it must be evident ~ "「しかし、結果は変わらないということは明らかである」。あなたが希望しようが望もうが、その結果は変わることはない。"Despite your hopes and ~ "「あなたの望みや空想にかかわらず、常に、絶望がその結果となる」。あなたが肉体の目を通して幻想世界ばかりを見ている限り、その世界に対してどんなに平和や満足感を期待しても、結果は相変わらず絶望であり、したがって、あなたは恐れから解放されることはない。



And there is no exception, nor will there ever be. The only value that the past can hold is that you learn it gave you no rewards which you would want to keep.
  • exception [iksépʃən] : 「例外、除外」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価、値段、対価」
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • gave [géiv] : 「give の過去形」
  • reward [riwɔ́ːrd] : 「褒美、褒賞、利益、恩恵」
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
❖ "And there is no ~ "「例外はないし、未来にさえ、例外はない」。"The only value that ~ "「過去が保持する唯一の価値といったら、それは、あなたが持ち続けたいと願うご褒美を、この世界はあなたに与えたことはなかったと、あなたが学ぶことが出来たということだ」。回りくどい言い方をしているが、あなたが過去から学んだことは、この世界は平和も満足感も何もあなたに与えたことはなかったという事実である、ということ。それを学んだだけも、過去に価値があったのかもしれないが、という意味合い。



For only thus will you be willing to relinquish it, and have it gone forever.
  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、こんなふうに、、それ故に、従って」
  • be willing to : 「する意思がある、進んで〜する、〜に前向きである」
  • relinquish [rilíŋkwiʃ] : 「放棄する、手放す」
  • have : 「〜を〜の状態にする」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "For only thus will you ~ "「なぜなら、こんなことがわかったからこそ、あなたは、過去を進んで手放す気になり、それを永遠に過ぎ去ったものにするわけである」。



2. Is it not strange that you should cherish still some hope of satisfaction from the world you see?
  • strange [stréindʒ] : 「奇妙な、変わった、変な」
  • cherish [tʃériʃ] : 「〜を大事にする、大切にする」
  • still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに、今もなお」
❖ "Is it not strange that ~ "「that以下は奇妙でないだろうか」。"that you should cherish ~ "「あなたが、あなたの目にする世界から満足感を得ようとする希望をいまだに大切にしなければならないとは、」いかにも奇妙ではないだろうか。この幻想世界からは平和の希望も満足感も、絶対得られないと過去の経験からわかっていながら、尚、希望を抱くとは、はなはだ奇妙なことだ。



In no respect, at any time or place, has anything but fear and guilt been your reward.
  • respect [rispékt] : 「個所、事項、点、観点、視点」
  • in no respect : 「いかなる点でも〜でない」
  • at any time : 「いつでも、常に、いつなりと、いつ何時」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "In no respect ~ "「いかなる点においても、いかなる時、いかなる場所においても、」"has anything but fear ~ "「恐れと罪の意識だけが、あなたのご褒美であり続けたのだ」。平和や満足感どころか、あなたこの幻想世界から得たご褒美は、恐れと罪の意識だけであった。



How long is needed for you to realize the chance of change in this respect is hardly worth delaying change that might result in better outcome?
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する」
  • chance [tʃǽns] : 「チャンス、好機、機会、可能性、見込み」
  • change [tʃéindʒ] : 「変化、変更、移行、交換」
  • in this respect : 「この点において」
  • hardly [hάːrdli] : 「ほとんど〜ない、とても〜ない」
  • worth [wə́ːrθ] : 「〜の価値がある、〜に値する、〜相当の」
  • delay [diléi] : 「〜を遅らせる、延期する、滞らせる」
  • result [rizʌ́lt] : 「生じる、起こる、帰着する、〜の結果となる」
  • result in : 「〜をもたらす、〜に終わる」
  • better [bétər] : 「より良い、より優れている、優越する」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
❖ "How long is needed ~ "「あなたが〜を悟るのに、どれだけ長い時間がかかるのだろうか」。"the chance of change ~ "「この点において、変化を期待するチャンスは、」つまり、恐れと罪の意識の代わって希望と満足感が得られるチャンスは、「より良い結果を結実するかもしれない変化をいつまでも遅らせる価値がほとんどないのだ」と悟るのに、どれだけ長い時間がかかるのだろうか。つまり、この虚偽の幻想世界ばかりに肉体の目を向けずに、心の目を真実の実相世界へ向けたなら、恐れと罪の意識が、希望と平和に変化するチャンスとつかめる、ということ。その変化のためのチャンスを、いつまでもだらだらと長引かせるようでいけない。



For one thing is sure; the way you see, and long have seen, gives no support to base your future hopes, and no suggestions of success at all.
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している、確かな」
  • support [səpɔ́ːrt] : 「〜を支える、支援する、援助する、支持する」
  • base [béis] : 「〜の基礎を形成する、〜の基礎を…に置く」
  • suggestion [səgdʒéstʃən] : 「暗示、示唆、提案、忠告」
  • success [səksés] : 「成功、合格、大当たり、上首尾、上出来、幸運」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "For one thing ~ "「なぜなら、一つだけ確かなことがあるからだ」。それは、"the way you see ~ "「あなたのものの見方、ずっと見続けてきたその見方は、」"gives no support ~ "「あなたの未来の希望に基盤を与える助けにはならないし、」"and no suggestions ~ "「成功へ導く示唆にも、まったくならないということだ」。"the way you see"「あなたのものの見方」とは、ここでは、肉体の目を使ってこの幻想世界ばかりを見ている、といった意味合い。そんな見方では、希望も成功も見えてこないのだ。心の目をもって、実相世界を見る以外にないのである。



To place your hopes where no hope lies must make you hopeless.
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • make : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • hopeless [hóupləs] : 「絶望的な、希望のない、どうしようもない」
❖ "To place your hopes ~ "「まったく希望のないところに、あなたの希望を置くことは、あなたを絶望的にするに決まっている」。この幻想世界に希望を託すことは、あなたを絶望に追い込む結果に終わってしまうのである。



Yet is this hopelessness your choice, while you would seek for hope where none is ever found.
  • hopelessness [hóuplisnis] : 「絶望」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • seek [síːk] for : 「〜を探し求める」
  • none [nʌ́n] : 「誰も〜ない、何も〜ない」
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
❖ "Yet is this hopelessness ~ "「しかし、これこそが、あなたが選んだ絶望なのである」。"while you would seek ~ "「あなたが、いまだかつて一度も見い出せなかった希望を追い求めている間は、」これこそが、あなたが選んだ絶望なのである。この幻想世界では、一度たりとも真の希望を得ることは出来なかった。それなのに、あなたはまだこの幻想世界に希望を見い出そうとしている。しかし、それは絶望の終わるだけなのだ。したがって、その絶望は、あなたが望んだ絶望だと言わざるを得ないのである。あなたが選択と決断を180度変えなくては、その絶望から抜け出すことは出来ない。だから、ACIMは、論理的な哲学の本ではなく、実践的な自己革命の書であると言えるのである。
 
 
 


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