●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-25.II.7:1 ~ T-25.II.8:8

7. Accept God's frame instead of yours, and you will see the masterpiece.
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • frame [fréim] : 「枠、縁、額縁、骨組み、支持構造体」
  • instead [instéd] of : 「〜の代わりに」
  • masterpiece [mǽstərpìːs] : 「名作、最高傑作、名人芸」
❖ "Accept God's frame ~ "「あなたの額縁に代えて、神の額縁を受け入れなさい」。あなたの額縁である肉体の代わりに、神の額縁であるホーリー・スピリットを受け入れなさい。"and you will see ~ "「そうすれば、あなたは、最高傑作を見ることになろう」。そうすれば、神が創造した最高傑作である神聖な神の子の姿が見えるだろう。



Look at its loveliness, and understand the Mind that thought it, not in flesh and bones, but in a frame as lovely as itself.
  • loveliness [lʌ́vlinis] : 「愛らしさ、素晴らしさ」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
  • thought [θɔ́ːt] : 「think の過去・過去分詞形」
  • flesh [fléʃ] : 「肉、果肉、ぜい肉、肉体、人類、生物」
  • bone [bóun] : 「骨、骨格、骨組織、硬骨」
  • lovely [lʌ́vli] : 「愛らしい、かわいらしい、美しい、すてきな」
❖ "Look at its loveliness ~ "「その愛らしさを見なさい」。"and understand ~ "意訳する、「そうすれば、神の子の創造を思いついた神の心が理解出来るのだ」。"not in flesh and ~ "「それは、肉や骨の中にあるのではない」。神の子は肉や骨で出来ているのではない。"but in a frame as lovely ~ "「神の子自体と同様に愛らしい額縁の中にあるのだ」。愛らしい神の子を、同様に愛らしい額縁であるホーリー・スピリットが守っていてくれる。神が創造したもので、愛らしくないものはない。



Its holiness lights up the sinlessness the frame of darkness hides, and casts a veil of light across the picture's face which but reflects the light that shines from it to its Creator.
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • light up : 「光を発する、明るくする、〜を照らし出す、陽気にする、晴れやかにする」
  • sinlessness [sínlis] : 「罪のないこと、潔白性、無辜」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • cast [kǽst] : 「〜を投げる、投げ掛ける」
  • veil [véil] : 「ベール、覆い、覆い隠すもの」
  • across [əkrɑ́s] : 「〜にわたって、〜の全域で、〜を横切って」
  • picture [píktʃər] : 「絵、像、絵画」
  • face [féis] : 「顔、顔色、面、正面、表面、外観」
  • reflect [riflékt] : 「〜を反射する、反響する」
  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "Its holiness lights up ~ "意訳する、「ホーリー・スピリットという額縁の神聖さが、肉体という闇の額縁が覆い隠していた無辜性(むこせい)に光を当てて照らし出し、」"and casts a veil of ~ "「神の子という絵の表面全体に光のベールを投げ掛けてくれるのだ」。"which but reflects ~ "「そして、神の子の絵から発せられた光は、神の子を創造した神へと照り返すのである」。意訳したので、大体の様子はわかるだろう。ここは、理屈を考えずに、声に出して読んでみること。詩の一節として扱えば十分。



Think not this face was ever darkened because you saw it in a frame of death.
  • darken [dάːrkən] : 「〜を暗くする」
  • saw [sɔ́ː] : 「see の過去形」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
❖ "Think not this face ~ "ここも意訳する、「死を象徴する肉体の額縁の中に、あなたが神の子の顔を見たからといって、この神の子の顔が暗くされたことがあったと思ってはいけない」。死の額縁である肉体をまとった神の子の姿を見て、その顔が暗く落ち込んでしまうと考えてはいけない。肉体をまとっていても、実相的な神の子の表情は常に明るいのだ。実相の光を、幻想の黒雲が払拭してしまうことは不可能だ。その逆が正しい。



God kept it safe that you might look on it, and see the holiness that He has given it.
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • keep [SVOC] : 「〜の状態にしておく、〜の状態を保つ、〜にしておく」
  • safe [séif] : 「安全な、無事な、安泰で、別状がない」
  • look on : 「〜を見る」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "God kept it safe that ~ "ここの"that"は"so that"のこと、意訳する、「あなたが、神の子の顔を見ることが出来るように、そして、神が与えてくれた神の子の神聖さを見ることが出来るように、神はその絵を安全に保管してきたのだ」。額縁という役割を担って、この神の意図を実行するのがホーリー・スピリットということになる。



8. Within the darkness see the savior from the dark, and understand your brother as his Father's Mind shows him to you.
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
  • savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
  • dark [dάːrk] : 「暗い、闇の、暗黒の」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
  • show [ʃóu] : 「示す、表す、表示する、明らかにする」
❖ "Within the darkness ~ "「暗闇の中に、その闇から救い出してくれる救い主を見なさい」。闇のこの世界、闇の幻想世界にあって、これまた闇である肉体から光の実相へと救い出してくれる救い主としての同胞を見なさい。"and understand your brother ~ "「そうすれば、父なる神の心があなたに見せている通りに、あなたの同胞を理解出来るのだ」。神は、分裂した神の子同士が、互いに救い主になってこの幻想世界から救われることを心から意思している。その神の思いを胸にして、あなたは同胞を見る必要がある。



He will step forth from darkness as you look on him, and you will see the dark no more.
  • forth [fɔ́ːrθ] : 「前へ、先へ、前方へ」
  • step forth [fɔ́ːrθ] : 「進み出る」
  • no more : 「もはや〜しない」
❖ "He will step forth from ~ "「あなたが同胞をそのように見るとき、同胞は闇から前に進み出て来るだろう」。"and you will see ~ "「そしてあなたは、もはや闇を見ることはなくなるのだ」。あなたが同胞を救い主と見るとき、同胞は蔑(さげす)みの対象となる闇の肉体から抜け出て、神の子としての神聖な姿を明らかにする。と同時に、あなた自身も闇から抜け出して、もはや闇を目にすることはない。



The darkness touched him not, nor you who brought him forth for you to look upon. His sinlessness but pictures yours.
  • touch [tʌ́tʃ] : 「〜に触れる、〜を押す、〜に接する」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、 〜を持って来る」
  • look upon : 「〜を見る」
  • picture [píktʃər] : 「〜を描写する、絵に描く」
❖ "The darkness touched ~ "意訳する、「闇が同胞に触れることはないし、光の中で同胞を見るために、彼を闇から光へと連れてきたあなたにも、闇は触れることはない」。幻想という闇が、実相の光の元に出てきたあなたと同胞を、二度と覆い隠すことは出来ない。"who brought him forth for you to look upon"この部分は、あなたが同胞の真実の姿を見るために、同胞を闇の中から光の元へ連れてきた、という意味合い。つまり、幻想世界から実相世界へとあなたが同胞を救い出したことを意味する。もちろん、それは、あなたが救い出されたことをも意味するのだ。"His sinlessness ~ "「同胞の無辜性は、あなたの無辜性をも描き出してくれる」。同胞の罪の意識も、あなたの罪の意識も、共に払拭されて、神の子は無辜であることが明白となるのである。つまり、罪は幻想に過ぎず、無辜が真実であると理解されるのだ。



His gentleness becomes your strength, and both will gladly look within, and see the holiness that must be there because of what you looked upon in him.
  • gentleness [dʒéntlnis] : 「優しさ、穏やかさ」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • gladly [ɡlǽdli] : 「喜んで」
  • because of : 「〜のために、〜のせいで」
❖ "His gentleness becomes ~ "「同胞の優しさは、あなたの力となる」。"and both will gladly ~ "「そして、両者ともに、その心の内側を喜んで見るようになり、」"and see the holiness that ~ "「そこにあるはずの神聖さを目撃するだろう」。"because of what you ~ "「あなたが同胞の中に神聖さを目撃出来たからである」。



He is the frame in which your holiness is set, and what God gave him must be given you.
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • set [sét] : 「整える、定める、配置する、設定する」
  • gave [géiv] : 「give の過去形」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "He is the frame in which ~ "「同胞は、あなたの神聖さがセットされた額縁なのだ」。あなたの心の神聖を際立たせ、守ってくれる者が同胞である。もちろん、逆に、あなたは同胞の額縁でもある。したがって、"and what God gave ~ "「神が同胞に与えたものは、あなたにも与えられたに違いない」。神は、同胞にもあなたにも、神の子の神聖さを与えたのだ。神の属性のすべてをすべての神の子に継承したのである。



However much he overlooks the masterpiece in him and sees only a frame of darkness, it is still your only function to behold in him what he sees not.
  • however [hauévər] : 「どんなに〜でも、いかに〜であろうとも」
  • overlook [òuvərlúk] : 「見過ごす、大目に見る、目をつぶる、見逃す」
  • masterpiece [mǽstərpìːs] : 「名作、最高傑作、名人芸s」
  • still [stíl] : 「それでも、それでもやはり」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
❖ "However much he ~ "「たとえどんなに、同胞が、彼の心の中にある最高傑作(神の子の神聖さ)を見落とし、闇の額縁(肉体)ばかりを見ているとしても、」"it is still your only ~ "「それでも、同胞の心の中に、彼が見ようとしなかったもの(神の子の神聖さ)を見ることが、あなたの唯一の役目なのだ」。特別性ばかりを追求し、肉体の存在だけを信じている同胞がいたとしても、あなたはその彼の心の中に、神の子としての神聖さを見るべきなのだ。それが、神の子としてのあなたの役割である。つまり、神の子であるあなたは、キリストとして生きるべきなのだ。救いが、あなたの唯一の使命である。



And in this seeing is the vision shared that looks on Christ instead of seeing death.
  • vision [víʒən] : 「先見、先見の明、洞察力、想像力、視覚、視力」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • shared [ʃέərd] : 「共用の、共有の、共通の」
  • instead of : 「〜の代わりに」
❖ "And in this seeing ~ "「このように見る中に、」つまり、同胞を神聖な神の子と見る中に、"is the vision shared ~ "「死を見る代わりにキリストを見ることの出来るヴィジョンが分かち合われるのである」。幻想ではなく、実相の真実を見抜く視力がヴィジョンである。そのヴィジョンを分かち合い、互いが互いを見れば、幻想世界から救い出してくれる救い主としてのキリストの姿が見えてくる。あなたも同胞も共にキリストであり、仏教的に言えば、互いに菩薩である。キリストとして互いに互いを救うこと、それが、仏教で言う菩薩行なのである。もちろん、救うとは、実相世界に目覚めさせるという意味である。神の住む天の王国への回帰を促すことである。仏教的に言えば、彼岸に渡るのである。
 
 
 


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