11. You are not persecuted, nor was I. You are not asked to repeat my experiences because the Holy Spirit, Whom we share, makes this unnecessary.
- persecute [pə́ːrsəkjùːt] : 「〜を迫害する」
- repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す」
- experience [ikspíəriəns] : 「経験、体験」
- unnecessary [ʌnnésəsèri] : 「不必要な、無用な」
❖ "You are not persecuted ~ "「あなたは迫害されないし、私も迫害されなかった」。"You are not asked ~ "「あなたは私の経験を繰り返すように要求されているのではない」。"because the Holy Spirit ~ "「なぜならば、私たちが分かち合っているホーリー・スピリットがその必要をなくしてくれるからだ」。前段落で、ホーリー・スピリットは一つだと述べていた。私達は一つのホーリー・スピリットを分かち合っているわけだ。したがって、イエスの経験すら、私達はホーリー・スピリットを通して学び直すことが出来る。つまり、イエスが体験した形としての経験を、そのままの形として経験する必要はなく、形としての経験のその奥にある意味をホーリー・スピリットを通して学ぶのである。
To use my experiences constructively, however, you must still follow my example in how to perceive them.
- constructively [kənstrʌ́ktivli] : 「前向きに、建設的に」
- follow [fɑ́lou] : 「追う、ついて行く、〜に従う」
- how to : 「〜する方法、〜のやり方、〜の仕方」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する」
❖ "To use my ~ "「しかし、私の経験を建設的に使うためには、」"you must still ~ "「あなたは、私の経験を理解する方法に関して、私の例に従わなくてはいけない」。2000年前のイエスが自らの経験をホーリー・スピリットを通して理解したように、私達もその例にしたがって、イエスの経験を理解しなくてはならない。少なくとも、エゴ流の理解だけは避けなくてはならない。ということは、イエスの磔刑に対する旧来の見方を根本から見直さなくてはいけない。
My brothers and yours are constantly engaged in justifying the unjustifiable.
- yours [júərz] : 「あなたのもの、あなた達のもの」
- constantly [kɑ́nstəntli] : 「絶えず、絶え間なく」
- engage [engéidʒ] : 「従事する、携わる、関与する」
- be engaged in : 「〜に従事している、〜に携わっている」
- justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する」
- unjustifiable [ʌ̀ndʒʌ́stəfàiəbl] : 「道理に合わない、正当と認められない」
❖ "My brothers and ~ "「私の同胞もあなたの同胞も、正当化できないものを正当化しようと、いつでも躍起になっている」。私の同胞とは、イエスの弟子達のこと。つまり、今も昔も、真実でない解釈を真実にしようと躍起になっているということ。
My one lesson, which I must teach as I learned it, is that no perception that is out of accord with the judgment of the Holy Spirit can be justified.
- out of accord with : 「〜と調和しない、〜に合わない」
- judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見」
- justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する」
❖ "My one lesson ~ "「私のレッスンの一つは、それは私が学んだように教えなくてはならないのだが、that以下である」。"that no perception ~ "「ホーリー・スピリットの判断と調和しない知覚はどれも正当化され得ない」ということである。ホーリー・スピリットの叡智と対立するような知覚は、幻想を実在と見、虚偽を真実と見ている。
I undertook to show this was true in an extreme case, merely because it would serve as a good teaching aid to those whose temptation to give in to anger and assault would not be so extreme.
- undertook [ʌ̀ndərtúk] : 「undertake の過去・過去分詞形」
- undertake [ʌ̀ndərtéik] : 「引き受ける、請け負う」
- extreme [ikstríːm] : 「極端な、極度の」
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- serve [sə́ːrv] : 「仕える、〜に役立つ、」
- aid [éid] : 「援助、救済、補助」
- temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動」
- give in to : 「〜に屈する、〜に降伏する」
- anger [ǽŋgər] : 「怒り、憤り」
- assault [əsɔ́ːlt] : 「暴力、暴行、攻撃」
❖ "I undertook to ~ "「私は、このことが極端なケースでも真実であると示すことを請け負った」。極端なケースとは、イエスの磔刑のこと。イエスの磔刑の悲劇性とそれに対する怒りはホーリー・スピリットの叡智による判断と調和しないので、決して正当化できない。その真実をイエスは私達に教えることにしたのだ。"merely because ~ "「単に〜だからである」。"because it would ~ "「それが、教えるときの良い手助けになってくれそうだったからである」。誰にとっての手助けかというと、"to those whose ~ "「怒りや暴力に屈する誘惑がさほど極端ではないと思われる人たちにとって、」良い手助けとなる。怒りや暴力に誘惑されない人とは、イエスが山上の垂訓で語った『柔和な人々』と思っていいだろう。
I will with God that none of His Sons should suffer.
- will [wíl] : 「〜を望む、意図する」
- suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
❖ "I will with God ~ "「私は、神と共に、神の子が誰も苦しまないことを望んでいる」。
12. The crucifixion cannot be shared because it is the symbol of projection, but the resurrection is the symbol of sharing because the reawakening of every Son of God is necessary to enable the Sonship to know its Wholeness. Only this is knowledge.
- crucifixion [krùːsəfíkʃən] : 「磔刑、磔、十字架刑」
- share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する、共用する」
- symbol [símbəl] : 「象徴、記号、表象」
- projection [prədʒék∫n] : 「投射、投影、射影」
- resurrection [rèzərék∫n] : 「生き返り、蘇り、復活」
- reawaken [riəwéikən]: 「再び目覚める、目を覚ます」
- necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の」
- enable [enéibl] : 「〜を可能にする」
- Wholeness : 「全体、完全」
- knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵」
❖ "The crucifixion cannot ~ "「磔刑は分かち合われることは不可能だ」。"because it is ~ "「なぜなら、それは投影の象徴だからだ」。分かち合いとは真実の共有であって、真実は分かち合いによって拡張増大する。投影に過ぎない幻想は無であるから、無を分かち合うことは不可能なのだ。"but the resurrection ~ "「しかし、復活は分かち合うことの象徴である」。"because the reawakening ~ "「なぜならば、すべての神の子が再び目覚めることは、〜するために必要だからだ」。"to enable the Sonship ~ "「神の子にその完全性を知らしめるために」必要だからだ。"Only this is ~ "「これのみが叡智である」。幻想の世界で眠り続けることから再び目覚め、真の世界に住まう自分には罪など無く、完全なのだと知ることこそ、叡知である。
13. The message of the crucifixion is perfectly clear:
Teach only love, for that is what you are.
- message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通報」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完ぺきに、申し分なく」
- clear [klíər] : 「明らかな、明りょうな、はっきりした」
❖ "The message of ~ "「磔刑のメッセージは完璧に明瞭である」。"Teach only love ~ "「愛のみを教えなさい」。"for that is ~ "「愛こそがあなたなのだから」。磔刑と愛があなたの中で結びつかなかったら、『愛』という言葉を『真実』に置き換えて読み直してみればいい。すなわち、真実こそがあなたなのだから、真実のみを教えなさい。それがイエスの磔刑の伝えるメッセージである。
14. If you interpret the crucifixion in any other way, you are using it as a weapon for assault rather than as the call for peace for which it was intended.
- interpret [intə́ːrprət] : 「解釈する、解明する、説明する」
- in other ways : 「ほかの経路により」
- weapon [wépn] : 「武器、兵器、凶器」
- assault [əsɔ́ːlt] : 「暴力、攻撃、暴行」
- rather than : 「〜よりはむしろ、かえって」
- intend [inténd] : 「〜するつもりである、〜を意図する」
❖ "If you interpret ~ "「もし、あなたが磔刑に対して別の解釈をしたなら、」"you are using ~ "「あなたは、〜であるというよりむしろ、攻撃のための武器としてそれを使っていることになる」。"rather than as ~ "「本来磔刑が意図されていた平和への呼び声であるというよりむしろ、」攻撃の武器として使っていることになる。
The Apostles often misunderstood it, and for the same reason that anyone misunderstands it.
- apostle [əpɑ́sl] : 「使徒、最初の伝道者」
- for the same reason : 「同じ理由から」
❖ "The Apostles often ~ "「使徒でさえ、しばしばそれを誤って解釈した」。"and for the same ~ "直訳すると、「誰もが誤解する同じ理由から」となるが、ここでは意訳して、「そして、同じ理由から、誰でもそれを誤解する」。磔刑の悲劇性に怒りを覚え、迫害は神への反逆だと解釈するわけだ。
Their own imperfect love made them vulnerable to projection, and out of their own fear they spoke of the "wrath of God" as His retaliatory weapon.
- imperfect [impə́ːrfikt] : 「不完全な、不十分な」
- vulnerable [vʌ́lnərəbl] : 「脆弱な、攻撃されやすい」
- speak of : 「〜を口にする、〜のことを話す」
- wrath [rǽθ] : 「激怒、憤怒」
- retaliatory [ritǽliətɔ̀ːri] : 「報復として行われる、報復的な」
- weapon [wépn] : 「武器、兵器、凶器」
❖ "Their own imperfect ~ "「使徒達自身の不完全な愛が、彼らを投影に対して脆弱にした」。自分の罪悪感を他者に投影する誘惑に負けた、ということ。"and out of their ~ "「そして、彼らの恐れから、神の報復の武器としての『神の怒り』を口にするようになった」。もちろん、神は怒ることもないし、報復することもない。怒れる神が『復讐するは我にあり』と言ったする聖書の記述は、したがって、使徒の不完全な愛がもたらした言葉である。なお、"wrath of God"は聖書の至る所に登場する。ここではヨハネによる福音書3:36を参考までに載せておく。
[John 3:35~3:36 from King James Bible]
The Father loveth the Son, and hath given all things into his hand. He that believeth on the Son hath everlasting life: and he that believeth not the Son shall not see life; but the wrath of God abideth on him.
御父は御子を愛して、その手にすべてをゆだねられた。御子を信じる人は永遠の命を得ているが、御子に従わない者は、命にあずかることがないばかりか、神の怒りがその上にとどまる。(新共同訳)
Nor could they speak of the crucifixion entirely without anger, because their sense of guilt had made them angry.
- entirely [entáiərli] : 「全く、完全に、全体に」
- sense [séns] : 「感覚、感触、知覚」
- guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "Nor could they ~ "「そしてまた、使徒達は完全に怒りを排除して磔刑を語るということが出来なかった」。"because their sense ~ "「なぜなら、彼らの罪悪感が彼らを怒らしめたからである」。罪悪感が怒りとなって外に向かって放される。これが投影であり、新たな惨い幻想を生む。イエス亡き後の歴史を見れば、使徒達の怒りが生みだした悪夢の悲惨さがわかる。