3. You cannot understand the conflict until you fully understand the basic fact that the ego cannot know anything.
- understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、納得する」
- conflict [kɑ́nflikt] : 「不一致、葛藤、軋轢」
- until [əntíl] : 「〜まで、〜する時まで」
- fully [fúli] : 「十分に、完全に、全く」
- basic [béisik] : 「基礎の、基本的な」
- fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実」
❖ "You cannot understand ~ "「あなたは、〜するまでコンフリクトを理解することは出来ない」。"until you fully ~ "「あなたがthat以下の基本的な事実を十分に理解するまでは、」コンフリクトを理解することは出来ない。"that the ego ~ "「エゴは何も知ることは出来ないのだ」という基本的な事実。エゴが何も知ることは出来ないというのは誤りではないかと思われるかもしれない。しかし、ACIMで使われる"know"という言葉は特別な意味をもっている。これは単に知っているという意味合いではなく、叡知をもって知っている、あるいは悟りとして直覚している、という意味合いがある。エゴは理知的であり、その意味では物事をよく知ってはいるが、しかし叡知はない。悟りとしての直覚もない。その意味で"the ego cannot know anything"と言っているのだ。そこで、叡知のないエゴは事あるごとにコンフリクトを発生させてしまうという結果になる。
The Holy Spirit does not speak first, but He always answers. Everyone has called upon Him for help at one time or another and in one way or another, and has been answered.
- answer [ǽnsər] : 「〜に答える」
- call on : 「求める、要求する、〜を頼む」
- at one time or another : 「いつだったか」
- in one way or another : 「いろいろな点で、様々な方法で」
❖ "The Holy Spirit does ~ "「ホーリー・スピリットは初めに話し出すことはない」。初めに話し出すのはエゴの方。"but He always ~ "「しかし、ホーリー・スピリットはいつも答える」。エゴは決して答えない。真実の答えを提供するのはホーリー・スピリットである。"Everyone has called ~ "「誰でも、一度や二度、あれこれとホーリー・スピリットに助けを求めたことがあるし、」"and has been ~ "「答えてもらったはずだ」。
Since the Holy Spirit answers truly He answers for all time, which means that everyone has the answer now.
- truly [trúːli] : 「全く、本当に、心から、誠実に」
- for all time : 「いつまでも、四六時中」
- mean [míːn] : 「〜を意味する」
❖ "Since the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは真実心から答えてくれるので、ホーリー・スピリットは常に答えている」。"which means that ~ "「ということは、誰でも、今答えをもっているということを意味している」。ホーリー・スピリットは私達の心の一つ一つに住まっている。そのホーリー・スピリットは私達の疑問にいつも答えてくれる。言い換えれば、私達の心は真実の答えを常に備えていることになる。
4. The ego cannot hear the Holy Spirit, but it does believe that part of the mind that made it is against it.
- against [əgénst] : 「〜に反対して、〜に逆らって」
❖ "The ego cannot ~ "「エゴはホーリー・スピリットの声を聞くことは出来ない」。"but it does ~ "「しかし、エゴは、エゴを作った心の一部がエゴに対抗していると信じている」。エゴは、ホーリー・スピリットに組する心の一部の存在に気付いている。エゴは、その心の一部に向かって攻撃を仕掛けるわけだ。なぜなら、攻撃こそがエゴの存在理由だから。
It interprets this as a justification for attacking its maker. It believes that the best defense is attack, and wants you to believe it.
- interpret [intə́ːrprət] : 「解釈する、解明する」
- justification [dʒʌ̀stəfikéiʃən] : 「正当化」
- defense [diféns] : 「防衛、防御 」
❖ "It interprets this ~ "「エゴはこのことを〜として解釈する」。このこととは、心の一部がエゴに対抗していること。"as a justification ~ "「エゴの作り手を攻撃するための正当化として」解釈する。エゴを作ったのは心なのだが、その一部がエゴに対抗しているので、エゴはその対抗している心を攻撃出来るのだとして、攻撃を正当化している。つまり、エゴの作り手であるあなたを守るために、エゴに対抗するホーリー・スピリットを攻撃する権利を持っていると主張するのである。"It believes that ~ "「エゴは、最大の防御は攻撃であると信じているし、」"and wants you ~ "「あなたにもそれを信じて欲しいと思っている」。
Unless you do believe it you will not side with it, and the ego feels badly in need of allies, though not of brothers.
- unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
- side with : 「〜側につく、〜に味方する」
- badly [bǽdli] : 「悪く、まずく、下手に、不当に」
- in need of : 「〜を必要としている」
- ally [əlái] : 「同盟者、協力者、支持者」
❖ "Unless you do ~ "「最大の防御は攻撃だとあなたが信じない限り、あなたはエゴの側に付くことはないだろう」。"and the ego ~ "「そして、エゴは、同胞ではなく(攻撃の)協力者が必要だと切実に感じている」。エゴは攻撃のための同盟を欲しがっている。つまり、肉体である。
Perceiving something alien to itself in your mind, the ego turns to the body as its ally, because the body is not part of you.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
- alien [éiliən] : 「異質な、縁もゆかりもない」
- alien to : 「〜に無縁の、〜に適合しない」
- turn to : 「〜の方を向く、〜に頼る」
❖ "Perceiving something ~ "分詞構文、理由、「エゴはあなたの心の中にエゴにとって異質な何かを感じ取っているので、」エゴはホーリー・スピリットの存在に気付いているので、"the ego turns ~ "「エゴは肉体を協力者として頼りにするようになる」。"because the body is ~ "「なぜならば、肉体はあなたの一部ではないからだ」。ACIMでは、肉体は幻想である。実在はあくまで心であって、肉体は錯覚であるとする。エゴも、私達の心が作り出した幻想である。したがって、幻想のエゴが幻想の肉体をホーリー・スピリット攻撃のための同盟者としようというわけである。もちろん、エゴの敵は正しき心であり、ホーリー・スピリットであり、神である。
This makes the body the ego's friend. It is an alliance frankly based on separation. If you side with this alliance you will be afraid, because you are siding with an alliance of fear.
- alliance [əláiəns] : 「同盟、協力、同盟関係」
- frankly [frǽŋkli] : 「率直に言って、正直に言うと」
- based on : 「〜に基づいている」
- separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別離」
- afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
❖ "This makes the ~ "「このことが、肉体をエゴの友人にしてしまう」。"It is an alliance ~ "「それは、率直に言って分離に基づいた同盟である」。神からの分離以前は肉体は存在しなかった。神から分離した後、心が投影によって肉体を幻想の世界に作った。"If you side with ~ "「もし、あなたがこの同盟に組すれば、あなたは恐怖を感じることになるだろう」。"because you are ~ "「なぜなら、あなたは恐怖の同盟に組していることになるからだ」。エゴと肉体を崇拝するようになれば、エゴの攻撃性、肉体の脆弱性、すなわち、渇望と病と死、あらゆるコンフリクトを抱え込むことになり、常に恐怖を抱えた生き方を強いられることになる。ブッダが見たこの世は苦であり、無常の世界であったことが思い出される。彼はエゴの世界を見たのだ。