●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-6.I.9:1 ~ T-6.I.10:6

9. I elected, for your sake and mine, to demonstrate that the most outrageous assault, as judged by the ego, does not matter. 
  • elect [ilékt] : 「〜を決心する、選ぶ、選出する」
  • for one's sake : 「〜のために、〜に免じて」
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実証する、実演する」
  • outrageous [autréidʒəs] : 「非道な、無法な、極悪な」
  • assault [əsɔ́ːlt] : 「攻撃、暴行、暴力」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁く」
  • matter [mǽtər] : 「重要である、問題である」
❖ "I elected, for ~ "「あなたのため、そして私のために、私はthat以下を実際に示すことを選んだ」。"that the most ~ "「エゴの判断によれば最も非道な暴行とされるものでさえ、問題ではないのだ」ということを実際に示すことを選んだ。キリストの磔刑を意味している。この世の非道な暴行さえも夢の中の出来事なのだから、イエスにとっては問題にならなかった。



As the world judges these things, but not as God knows them, I was betrayed, abandoned, beaten, torn, and finally killed. 
  • betray [bitréi] : 「裏切る、背く」
  • abandon [əbǽndən] : 「見捨てる、捨てる」
  • beaten [bíːtn] : 「beatの過去分詞」
  • beat [bíːt] : 「打つ、たたく、殴る」
  • torn [tɔ́ːrn] : 「tear の過去分詞形」
  • tear [tέər] : 「〜を引き裂く、むしり取る」
  • finally [fáinəli] : 「ついに、最後に、最終的に」
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
❖ "As the world ~ "「(幻想の)この世界がこれらのことを判断すると、」"but not as God ~ "「しかし、神が知っていることとは異なるのだが、」"I was betrayed ~ "「私は、裏切られ、捨てられ、殴打され、引き裂かれ、そして最後には殺されたことになっている」。イエスも含め、神はそうではないと知っている。形のあるこの世界では、歴史的な見方をすれば、イエスが十字架上で虐殺されたことは事実である。しかし、神もイエスもこの世の歴史的な見方をしない。夢(幻想)は夢に過ぎないと知っているからだ。



It was clear that this was only because of the projection of others onto me, since I had not harmed anyone and had healed many.
  • clear [klíər] : 「明らかな、明瞭な」
  • projection [prədʒékʃən] : 「投射、投影、射影」
  • harm [hɑ́ːrm] : 「害する、阻害する、〜に危害を加える」
❖ "It was clear that ~ "「that以下は明らかであった」。"that this was ~ "「これは私の上に投げられた他者の投影のせいに過ぎない」というのは明らかだった。投影、つまり、自分の罪悪感、罪の意識から目を背けるために、誰か他の者に罪を投影するのである。"since I had not ~ "「なぜなら、私は誰も傷つけたことはなかったし、多くの者をヒーリングしたからだ」。イエスに落ち度も恨まれる理由もなかった。したがって、虐殺された理由は他者が自分に投げた投影だ、と言っている。
 イエスは自分にはまったく罪の意識がないことを知っていた。罪の意識を外部世界に投影して幻想を作り出す必要はなかったのだ。しかし、この世の現実としてイエスが磔刑に処せられたのだから、それは、イエス以外の他者がその罪の意識を外部世界に投影してでっち上げた悪夢であるというわけである。



10. We are still equal as learners, although we do not need to have equal experiences. 
  • equal [íːkwəl] : 「同等の、平等な」
  • although [ɔːlðóu] : 「〜だけれども、〜ではあるが」
  • experience [ikspíəriəns] : 「経験、体験、見聞」
❖ "We are still ~ "「私たちは、学ぶ者として、なお平等である」。"although we do ~ "「私たちは平等な経験をもつ必要はないのであるが、」なお、平等である。イエスと同じ経験をする必要はないが、イエスが経験したことから真実を学ぶとき、あなたとイエスは同等な神の子となる。
 ACIMの教えの特徴の一つは、完全平等性である。さらに、完全に平等なだけでなく、最終的にはただ一つの"One"に収斂する。ACIMの不二一元論である。



The Holy Spirit is glad when you can learn from mine, and be reawakened by them. 
  • glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
  • reawaken [riəwéikən] : 「reawakeと同じ」
  • reawake [riəwéik] : 「再び目覚めさせる、復活させる」
❖ "The Holy Spirit is ~ "「あなたが私の経験から学ぶことができ、そして、それらによって再び目覚めることができたとき、ホーリー・スピリットは嬉しく思う」。それが、ホーリー・スピリットが神から委ねられた使命だからだ。



That is their only purpose, and that is the only way in which I can be perceived as the way, the truth and the life. 
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、意向」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理」
  • life [láif] : 「生命、人生、生活」
❖ "That is their ~ "「それは、私の経験の唯一の目的である」。それとは、私達がイエスの経験から真実を学び、再び目覚めること。"their"はイエスの経験。"and that is ~ "「それは、私が道として、真理として、命として知覚され得る唯一の方法でもある」。イエスを道案内人とすれば、真実の命に到達することが出来る。なお、"the way, the truth and the life"はヨハネによる福音書14:6で語られる言葉である。参考までに載せておく。

[John 14:5~14:6 from King James Bible]
Thomas saith unto him, Lord, we know not whither thou goest; and how can we know the way? Jesus saith unto him, I am the way, the truth, and the life: no man cometh unto the Father, but by me.
トマスが言った。「主よ、どこへ行かれるのか、わたしたちには分かりません。どうして、その道を知ることができるでしょうか。」イエスは言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。」(新共同訳)



When you hear only one Voice you are never called on to sacrifice. 
  • call on : 「求める、要求する」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「〜を犠牲にする、〜を生贄にする」
❖ "When you hear ~ "「あなたが一つの声だけを聞くとき、あなたは決して犠牲にすることを要求されたりしない」。"one Voice"はホーリー・スピリットの声。神の声の代理。



On the contrary, by being able to hear the Holy Spirit in others you can learn from their experiences, and can gain from them without experiencing them directly yourself. 
  • contrary [kάntreri] : 「正反対」
  • on the contrary : 「それどころか」
  • be able to : 「〜することができる、〜が可能である」
  • gain [géin] : 「得る、獲得する 」
  • directly [dəréktli] : 「直接に、真っすぐに」
❖ "On the contrary ~ "「それどころか、他者の中にホーリー・スピリットの声を聞くことができるようになれば、」"you can learn ~ "「あなたは彼らの経験から学ぶことが出来るし、」"and can gain ~ "「直接あなた自身が経験しなくても、他者の経験から(多くを)得ることが出来る」。



That is because the Holy Spirit is One, and anyone who listens is inevitably led to demonstrate His way for all.
  • inevitably [inévətəbli] : 「不可避的に、必然的に」
  • led [léd] : 「lead の過去・過去分詞形」
  • lead [líːd] : 「〜を導く、案内する」
  • lead to : 「〜につながる、結局〜となる」
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実証する、実演する」
❖ "That is because ~ "「それは、ホーリー・スピリットはただ一つだからであり、」"and anyone who ~ "「ホーリー・スピリットの声を聞く者は誰でも、みんなのために、ホーリー・スピリットの方法を実際に試してみることに、必然的につながっていくからだ」。あなたの心にも他者の心にも、等しくホーリー・スピリットは宿っている。分離の世界にあっては多数の神の子が分裂して存在しているように見えるが、実相的には神の子は単一である。したがって、ホーリー・スピリットもただ一つである。そのホーリー・スピリットが真実を教えてくれるのだから、ホーリー・スピリット耳を傾け、ホーリー・スピリットの思考システムに準じて生きて行くべきだ。






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