11. The ego can accept the idea that return is necessary because it can so easily make the idea seem difficult.
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、受け入れる」
- return [ritə́ːrn] : 「帰ること、帰郷、帰還」
- necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の」
- easily [íːzəli] : 「容易に、たやすく、苦もなく」
- seem [síːm] : 「 〜のように見える、〜のように思える」
- difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な」
❖ "The ego can ~ "「エゴは、神への回帰が必要だとする考えを受け入れることが出来る」。"because it can so ~ "「なぜならば、エゴは、いかにも簡単に、その考えが困難であるかのように思わせることが出来るからである」。エゴは、神への回帰を容認しながらも、そんなことは出来っこないと思っている。なぜなら、罪を犯した神の子を神は絶対赦さないと思っているからだ。
Yet the Holy Spirit tells you that even return is unnecessary, because what never happened cannot be difficult. However, you can make the idea of return both necessary and difficult.
- unnecessary [ʌnnésəsèri] : 「不必要な、不要な」
- necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の」
- both A and B : 「AもBも、ABいずれも」
❖ "Yet the Holy Spirit ~ "「しかし、ホーリー・スピリットはthat以下をあなたに告げる」。"that even return ~ "「回帰さえも不必要なのだ」とあなたに告げる。"because what never ~ "「なぜなら、決して起こったことではないものが難しいわけがないからだ」。"However, you can ~ "「しかし、あなたは、回帰という考えを必要なことにも、また難しいことにも出来る」。神からの分離は本当は起きなかったとホーリー・スピリットは知っているので、神への回帰は必要ないと言う。神の下(もと)にあると、今気がつけばいいわけだ。しかし、エゴに支配された私達の心は、それを簡単には実行できない。そこで、ホーリー・スピリットは、時間と空間を学びの補助装置として利用しながら、神からの分離という思考を修正して、神へ回帰させるように、私達の心を導くのである。つまり、神への回帰を促すことはホーリー・スピリットにとっては、真実を教えるためのダミーなのである。
Yet it is surely clear that the perfect need nothing, and you cannot experience perfection as a difficult accomplishment, because that is what you are.
- surely [ʃúərli] : 「疑いなく、確かに、確実に」
- clear [klíər] : 「明らかな、はっきりした」
- experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜体験する」
- perfection [pərfékʃən] : 「完全、完成」
- difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な」
- accomplishment [əkάmpliʃmənt] : 「成就、偉業、達成」
❖ "Yet it is surely ~ "「しかし、that以下は疑いなく明白である」。"that the perfect ~ "「完璧なるものは何も必要としない」というのは明白だ。"and you cannot ~ "「そして、あなたは、完全性を達成不可能なものとして体験することは出来ない」。つまり、完全性は達成できると体験できるはずだ、ということ。"because that is ~ "「なぜならば、完全性こそ本来のあなたなのだから」。神へ回帰したとき、心は統一され、完全性が達成される。それは経験可能であるし、それこそがあなたそのもの、真の存在である。幻想の世界に住まう自分、エゴに支配された自分こそ、不完全な自己なのだ。
This is the way in which you must perceive God's creations, bringing all of your perceptions into the one line the Holy Spirit sees.
- creation [kriéiʃən] : 「創造、創作物」
- line [láin] : 「線、直線、列、並び」
❖ "This is the way ~ "「これが、あなたが神の創造したものを知覚すべき方法である」。つまり、神が創造したものを、幻想の世界において、不完全なものとして知覚するのではなく、それを神の世界に置き直したときに見えてくる完全性を知覚すべきだ、ということ。"bringing all of ~ "意訳すると、「あなたの知覚のすべてを、ホーリー・スピリットが見る目線の上に持ってくるべきである」。簡単に言えば、ホーリー・スピリットが知覚するように、あなたも知覚すべきだ、ということ。ホーリー・スピリットと同じ目線に立ってものを見る。肉体的な目によって見るのではなく、心の目で、つまりヴィジョンで真実を見るのである。
This line is the direct line of communication with God, and lets your mind converge with His.
- direct [dáirekt] : 「直接の、真っすぐな」
- communication [kəmjùːnəkéiʃən] : 「通信、連絡、伝達」
- converge [kənvə́ːrdʒ] : 「〜を一点に集める、集中させる」
- converge with : 「〜に収斂する」
❖ "This line is ~ "「この目線こそ、神との直接のコミュニケーション・ラインである」。"and lets your ~ "「そして、このラインは、あなたの心を神の心へと収斂(しゅうれん)させていく」。
There is no conflict anywhere in this perception, because it means that all perception is guided by the Holy Spirit, Whose Mind is fixed on God.
- conflict [kɑ́nflikt] : 「衝突、対立、争い」
- anywhere [énihwèər] : 「どこでも、どこにも」
- fix [fíks] : 「固定する、とどめる」
❖ "There is no conflict ~ "「このような(正しい)知覚には、どこにもコンフリクトがない」。"because it means ~ "「なぜなら、それはthat以下を意味しているからだ」。"that all perception ~ "「すべての(正しい)知覚はホーリー・スピリットによって導かれている」ということを意味しているからだ。"Whose Mind is ~ "「そして、ホーリー・スピリットの心は神の上に固定されてある」。ホーリー・スピリットは神から一歩も離れていない。そして、私達の心からも一歩も離れていない。だから、私達はホーリー・スピリットを通して神を感じ、知ることが出来るはずなのだ。
Only the Holy Spirit can resolve conflict, because only the Holy Spirit is conflict-free.
- resolve [rizɑ́lv] : 「解く、解消する、除く」
- -free : 「〜のない、〜が含まれていない」
❖ "Only the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットのみが、コンフリクトを解消できる」。"because only the ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットだけが、コンフリクトのない存在だからだ」。実相世界は一元論の世界なので、二項対立は起きない。ホーリー・スピリットはコンフリクト・フリーな存在である。同様に、本来、神の子もコンフリクト・フリーであるはずなのだ。神が神の子に対立を与えて創造するわけがないからだ。
He perceives only what is true in your mind, and extends outward only to what is true in other minds.
- extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
- outward [áutwərd] : 「外側へ、外へ」
❖ "He perceives only ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたの心の中の真実なるものだけを知覚し、」"and extends outward ~ "「それを外側へと拡張し、他者の心の中の真実なるものへともって行く」。たとえば、ホーリー・スピリットはあなたの心の中の実相的な愛を知覚する。その真実の愛を慈悲のレベルに高め、慈悲なる愛をあなたの心の中に閉じ込めておくのではなく、外へと解放する。あなたの愛は光となって放射され、他者の心の愛を照らし出す。こうして、真実の愛は分かち合われ、拡張増大していくのである。こういうホーリー・スピリットの目線に立って他者を知覚せよと教えているのだ。