2. Spirit knows that the awareness of all its brothers is included in its own, as it is included in God.
- awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、意識性」
- include [inklúːd] : 「〜を含める、〜を包含する」
❖ "Spirit knows that ~ "「スピリットはthat以下を知っている」。"that the awareness of ~ "直訳すると、「スピリットの同胞たちすべてを認識していることは、それ自体の認識の中に含まれ、」"as it is included ~ "「その認識が神の認識の中にも含まれるのと同様である」。スピリットとしてのあなたは、スピリットこそが本当の自分自身であると認識しているが、それだけに止(とど)まらず、他者もまた、本当の姿はスピリットであると認識している。ちょうどそれは、神が神の子全体をスピリットとして認識していることと同じだ。
ここは、"awareness"を「意識性」として解釈すれば理解が深まるかもしれない。つまり、すべての同胞を自他一如と認識する意識性が、スピリット自体の機能の中に含まれている、という意味合いになる。それは、ちょうど、神がすべての創造物を神の拡張として認識しているという意識性をもっているのと同じである。
The power of the whole Sonship and of its Creator is therefore spirit's own fullness, rendering its creations equally whole and equal in perfection.
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
- fullness [fúlnis] : 「充満、充足」
- render [réndər] : 「〜の状態にする」
- equally [íːkwəli] : 「平等に、同等に、等しく」
- equal [íːkwəl] : 「〜と等しい、同等の」
- perfection [pərfékʃən] : 「完全、完璧、完成」
❖ "The power of ~ "「すべての神の子と、その創造主のもつパワーは、したがって、スピリット自身の充足性である」。創造主である神と同様に、神の子はすべてをもっており、欠けるものはなく充足している。スピリット自体が神の属性のすべてをもっているという充足性が、神と同様のパワーを生み出す。真実を拡張するという創造のパワーだ。"rendering its creations ~ "分詞構文、単純接続、「そして、そのパワーは、神の創造物を等しく完全にし、完璧さにおいて平等となす」。真実の拡張を神の子全体で分かち合うことで、神と同じ創造のパワーは神の子全体を一つにまとめ上げる。分離分裂を超克した神の子は、神と同様の完全性を取り戻し、その完璧さにおいて完全に平等である。この時点に至れば、自他一如という概念自体は消滅する。単一の神の子にとって、自体一如という認識は必要なくなるからだ。
The ego cannot prevail against a totality that includes God, and any totality must include God.
- prevail [privéil] : 「勝つ、勝る」
- prevail against : 「〜に打ち勝つ、〜をしのぐ」
- totality [toutǽləti] : 「全体、全体性」
❖ "The ego cannot ~ "「エゴは、神を包摂(ほうせつ)する全体性に打ち勝つことは出来ない」。ここの"totality(全体性)"とは、完全性のことであり、完全充足性、完全平等性のことだと思っていいだろう。しかし、神の子はそれを神に投げ返してこの世界を幻想し、エゴという不完全性を象徴する偶像を偽創造したのだ。不完全なエゴが、完全な全体性に勝ることは出来ない。"and any totality ~ "「そして、いかなる全体性も、神を包摂する」。神はすべてを包摂し(all-encompassing)、その全体性(totality)の中に住まう。真実のすべてを包摂する全体性こそが神である。神を欠いた全体性は語義(言葉の定義)からして成立しない。
Everything he created is given all his power, because it is part of him and shares his being with him.
- share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
- being [bíːiŋ] : 「存在、実在、生命」
❖ "Everything he created ~ "「神が創造したすべてのものは、神のもつすべてのパワーを与えられる」。"because it is ~ "「なぜならば、それは神の一部であり、神と、神の存在を分かち合っているからだ」。神は神の愛(命)の延長上に神の子を創造した。命は存在そのものであって、神の子はその命(存在)を神と分かち合っている。そこに命のパワーが生み出される。創造のパワーだ。
Creating is the opposite of loss, as blessing is the opposite of sacrifice. Being must be extended.
- opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、正反対」
- loss [lɔ́s] : 「失うこと、喪失」
- blessing [blésiŋ] : 「恩恵、祝福」
- sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、ささげること」
- extend [iksténd] : 「広げる、拡張する、拡大する」
❖ "Creating is ~ "「創造とは失うことの反対である」。"as blessing is ~ "「ちょうど、祝福が犠牲の反対であるように」。"Being must be ~ "「存在は、拡張されなければならない」。存在、すなわち命は神と分かち合うことで拡張増大する。実相的な創造である。
That is how it retains the knowledge of itself. Spirit yearns to share its being as its Creator did.
- retain [ritéin] : 「〜を保つ、保持する」
- knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、知恵」
- yearn [jə́ːrn] : 「切望する、熱望する」
❖ "That is how ~ "「存在が拡張することは、存在が存在自体の叡智を保持する仕方である」。実相的存在としての命は、自らを拡張し、命が神から継承した真実の総体である叡智を保持する。自らを拡張するとは、自ら保持している真実を神と分かち合って増大させる創造行為である。"Spirit yearns to ~ "「スピリットは、神がそうであったように、存在を分かち合うことを切望している」。ここのスピリットは命と同義。つまり存在であり、実存である。神もまた、神の延長上に自らを拡張して神の子を創造した。その神の子と命(存在)を分かち合い、叡智を保持するのである。叡智とは、したがって『神智』であり、神の命である。
Created by sharing, its will is to create. It does not wish to contain God, but wills to extend his Being.
- contain [kəntéin] : 「〜を含む、封じ込める、抑制する」
❖ "Created by ~ "分詞構文、頭の"Being"が省略されている、理由、「分かち合うことによって創造されたので、(スピリットという)存在の意思は創造することである」。"It does not ~ "「それは、神を制限しようなどと思うことはなく、」"but wills to ~ "「神の存在を拡張しようと望む」。あたかも、すべて存在の波動が、神の存在という波動と共鳴し合い、調和し合って波動が増強され、無限に拡大されていくイメージが描ける。
3. The extension of God's Being is spirit's only function.
- extension [iksténʃən] : 「拡張、延長」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き」
❖ "The extension of ~ "「神の存在の拡張は、スピリットがもつ唯一の機能である」。
Its fullness cannot be contained, any more than can the fullness of its Creator.
- fullness [fúlnis] : 「充満、充足、豊かさ」
- not A any more than B : 「Bでないと同様Aでない」
❖ "Its fullness cannot ~ "「神の充足性が制限できないように、スピリットの充足性も制限できない」。
Fullness is extension. The ego's whole thought system blocks extension, and thus blocks your only function.
- extension [iksténʃən] : 「拡張、延長、伸展」
- block [blɑ́k] : 「遮る、妨害する、妨げる」
❖ "Fullness is extension"「充足性とは拡張性のことである」。真実を拡張することで叡智は充足される。"The ego's whole ~ "「エゴの思考システム全体は拡張性を妨害する」。エゴは真実が拡張することを嫌う。"and thus blocks ~ "「そして、このように、あなたの機能のみを妨害する」。エゴは分離と孤立を望んでいるから、真実を分かち合い、拡張することを恐れている。そこで、あなたの機能である拡張性をブロックするのである。
It therefore blocks your joy, so that you perceive yourself as unfulfilled.
- joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
- so that : 「〜できるように 」
- unfulfilled : 「満たされていない」
❖ "It therefore blocks ~ "「したがって、あなたが自分自身を満たされていないと知覚できるように、エゴはあなたの喜びをブロックする」。不足感、欠如感をあなた感じるように仕向ける。たとえば、愛の欠如感は否定や攻撃性を生み出し、恐れを抱くことはあっても、そこに喜びはない。
Unless you create you are unfulfilled, but God does not know unfulfillment and therefore you must create.
- unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
- unfulfillment : 「満足感がないこと」
❖ "Unless you create ~ "「あなたが創造しない限り、あなたは不足感を覚える」。真実の拡張である実相的創造を行わないと充足感は失われ、欠如感があなたを蝕む。"but God does ~ "「しかし、神は不足感を知らない」。"and therefore you ~ "「そこで、あなたは創造しなくてはならない」。創造自体が神であるから、神は常に創造し、拡張している。そこに不足感や欠如感というものも存在しない。しかし、あなたの心が拡張と創造の手を休めると、そこに不足感や欠如感が幻(まぼろし)となって現れる。
You may not know your own creations, but this can no more interfere with their reality than your unawareness of your spirit can interfere with its being.
- creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造、創作」
- no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
- interfere [ìntərfíər] : 「邪魔をする、妨げる」
- interfere with : 「〜を妨げる、〜の邪魔する、〜に干渉する」
- reality [riǽləti] : 「現実、真実、実相」
- unawareness [ʌ̀nəwέərnis] : 「認識していないこと」
❖ "You may not ~ "「あなたは、あなた自身が創造したものを知ることがないかもしれない」。あなたが拡張した真実を認識出来ないかもしれない。"but this can ~ "「しかし、あなたが創造したものの実在性をあなたが妨害できないのは、あなたがあなたのスピリットの存在に気付かなくても、それがスピリットの実在性を妨害出来ないことと同じである」。あなたが気付かなくても、あなたの実存はスピリットである。同様に、あなたが自分の創造的パワーの存在に気付かなくても、あなたが創造した真実の実在性は揺るがない。