5. The ego therefore opposes all appreciation, all recognition, all sane perception and all knowledge.
- oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する」
- appreciation [əprìːʃiéiʃən] : 「正しく評価」
- recognition [rèkəɡníʃən] : 「真価を認めること」
- sane [séin] : 「正気の、分別ある」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
- knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵」
❖ "The ego therefore ~ "「したがって、エゴは、すべての正しい評価、すべての正当性の認識、すべての正気な知覚、すべての叡智に反抗する」。
It perceives their threat as total, because it senses that all commitments the mind makes are total.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
- threat [θrét] : 「脅迫、脅し」
- total [tóutl] : 「合計、総計、総数」
- sense [séns] : 「〜を感じる、〜に感づく」
- commitment [kəmítmənt] : 「かかわり合い、義務」
- make a commitment : 「誓いを立てる、深くかかわり合う」
❖ "It perceives their ~ "「エゴは、それらの脅威をトータルなものとして知覚する」。個別に脅威を感じるのではなく、すべてが一丸となってエゴに脅威を与えていると思う。"because it senses ~ "「なぜなら、エゴはthat以下を感じているからだ」。"that all commitments ~ "「心がなす深いかかわり合いはトータルであると」感じているからだ。いわば、エゴはホーリー・スピリットと全面戦争を行っていると思っている。しかし、ホーリー・スピリットはエゴと戦っているとは少しも思っていない。実相は幻想と戦うことはない。
Forced, therefore, to detach itself from you, it is willing to attach itself to anything else. But there is nothing else.
- force [fɔ́ːrs] : 「強いる、強制する」
- detach [ditǽtʃ] : 「〜を分離する、引き離す」
- be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
- attach [ətǽtʃ] : 「〜を取り付ける、貼り付ける」
❖ "Forced, therefore ~ "分詞構文、先頭に"Being"を補って、「したがって、無理やりエゴ自身をあなたから引き離し、」"it is willing ~ "「何か他のものにエゴ自身をくっつけようと意図する」。あなたから引き離すとは、あなたの心からエゴを引き離すこと。正確には、あなたの正しい心から引き離すと言った方がいい。"But there is ~ "「しかし、何か他のものなどないのだ」。真に実在するものはあなたの心であるから、他のものはない。そこで、エゴは実在の心から離れて、幻想にのめり込んで行くのである。エゴが幻想の肉体にこだわる理由がここにある。
The mind can, however, make up illusions, and if it does so it will believe in them, because that is how it made them.
- illusion [ilúːʒən] : 「見間違い、錯覚」
❖ "The mind can ~ "「しかし、心というものは錯覚を作り出すことが出来る」。"and if it does ~ "「そして、もし心が錯覚を作り出すと、エゴはそれらを信じるようになるだろう」。"because that is ~ "「なぜなら、そのように心が錯覚を作ったのだから」。つまり、エゴが錯覚を信じるように心が錯覚を作ったのだから、ということ。エゴは真実の心から離れ、幻想の世界にのめり込む。そのやり方は、心を唆(そそのか)して、心に錯覚を作らせるのである。この世界が幻想であり、肉体は錯覚であり、形あるものはすべて象徴(シンボル)に過ぎないのは、それらは心が作った錯覚だからだ。
6. The Holy Spirit undoes illusions without attacking them, because he cannot perceive them at all.
- undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、取り消す」
❖ "The Holy Spirit undoes ~ "「ホーリー・スピリットは、攻撃することなく、錯覚を取り消す」。"because he cannot ~ "「なぜならば、ホーリー・スピリットは錯覚をまったく知覚できないからだ」。知覚する能力がないという意味ではなく、幻想を赦して消滅させている、という意味合い。消滅したものを知覚する必要などない。したがって、戦う必要もない。
They therefore do not exist for him. He resolves the apparent conflict they engender by perceiving conflict as meaningless.
- exist [igzíst] : 「存在する、生きている」
- resolve [rizɑ́lv] : 「〜を解決する、決意する」
- apparent [əpǽrənt] : 「外見だけの、明白な」
- engender [endʒéndər] : 「〜を生じさせる、引き起こす」
- meaningless [míːniŋlis] : 「無意味な、無価値の」
❖ "They therefore do ~ "「錯覚は、したがって、ホーリー・スピリットにとっては存在しない」。"He resolves the ~ "「ホーリー・スピリットは、錯覚が生み出した表面的なコンフリクトを解消する」。"by perceiving conflict ~ "「コンフリクトを全く意味がないと知覚することで」コンフリクトを解消する。
I have said before that the Holy Spirit perceives the conflict exactly as it is, and it is meaningless.
- exactly [igzǽktli] : 「正確に、厳密に」
❖ "I have said ~ "「私は以前that以下を言ったことがある」。"that the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは、コンフリクトを厳密にあるがままに知覚する」と言ったことがある。"and it is ~ "「そして、コンフリクトは意味がないのだ」と言ったこともある。ここの"meaningless(意味がない)"とは、存在さえしていない、という意味合い。
The Holy Spirit does not want you to understand conflict; he wants you to realize that, because conflict is meaningless, it is not understandable.
- realize [ríːəlàiz] : 「悟る、自覚する」
- understandable [ʌ̀ndərstǽndəbl] : 「理解できる」
❖ "The Holy Spirit does ~ "「ホーリー・スピリットはあなたに、コンフリクトを理解してほしいとは望んでいない」。"he wants you ~ "「ホーリー・スピリットはあなたに、that以下を実感して欲しいと望んでいる」。"that, because conflict is ~ "「コンフリクトは意味がないので、それは理解できないものだ」とあなたに実感して欲しいと望んでいる。コンフリクトは意味もなく、理解不能で、究極存在さえしていないと感じてほしいわけだ。コンフリクトはあなたが勝手にでっち上げた夢である。
As I have already said, understanding brings appreciation and appreciation brings love.
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
❖ "As I have ~ "「すでに私が言ったように、理解は正しい評価をもたらし、正しい評価は愛をもたらす」。
Nothing else can be understood, because nothing else is real and therefore nothing else has meaning.
- else [éls] : 「その他の、その外の」
- real [ríəl] : 「実在的な、本物の」
❖ "Nothing else can ~ "「その他の何ものも、理解され得ない」。正しく評価され、愛に結びつく以外のものは理解され得ない。"because nothing ~ "「なぜならば、その他のものは実在せず、意味がないからだ」。簡単に言えば、幻想や錯覚は実在しておらず、したがって、意味はなく、理解され得ない、ということ。正しい評価をされることはなく、愛に結びつくこともない。一方、心は実在であり、したがって、意味があり、正しく評価され、愛に結びつく。