3. The Holy Spirit will direct you only so as to avoid pain. Surely no one would object to this goal if he recognized it.
- direct [dərékt] : 「〜を導く、〜を方向づける」
- so as to : 「〜するために、〜となるように」
- avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する」
- pain [péin] : 「痛み、苦痛」
- object [əbdʒékt] : 「反対する、異議を唱える」
- goal [góul] : 「目標、目的地、目的」
- recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
❖ "The Holy Spirit will ~ "「ホーリー・スピリットは、(あなたの)苦痛を避けるためにのみ、あなたを導くであろう」。"Surely no one ~ "「確かに、誰もこの(ホーリー・スピリットの)目的に意義を唱える者はおるまい」。"if he recognized ~ "「もし、その人がそれを受け入れるなら」。ホーリー・スピリットの意思や愛を受け入れるなら、ホーリー・スピリットの意図する目的に反対する理由はない。ただし、エゴだけはそれを拒否するに違いないが。
The problem is not whether what the Holy Spirit says is true, but whether you want to listen to what he says.
- problem [prɑ́bləm] : 「問題、困ったこと、課題」
- whether [hwéðər] : 「〜かどうか」
- listen to : 「耳を傾ける、聞く」
❖ "The problem is not ~ "「問題は、ホーリー・スピリットの言っていることが正しいかどうかではなく、」"but whether you ~ "「あなたが、ホーリー・スピリットの言うことに耳を傾けるかどうかである」。
You no more recognize what is painful than you know what is joyful, and are, in fact, very apt to confuse the two.
- no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
- painful [péinfl] : 「痛い、痛みを伴う」
- joyful [dʒɔ́ifl] : 「うれしい、楽しい」
- in fact : 「事実上は、実は」
- be apt to : 「〜しがちである、〜する傾向がある」
- confuse [kənfjúːz] : 「混同する,混乱させる」
❖ "You no more ~ "「あなたが、何が苦痛か認識しないのは、何が喜びかを認識しないのと同じである」。"and are, in fact ~ "「そして、事実、二つを非常に混同しがちである」。たとえば、他者を憎んで攻撃し、他者が苦痛を感じることに喜びを感じるかもしれないが、実相的に自分と他者は自他一如であるから、苦痛を感じているのは実は自分である。他者の苦痛に一時は快感を覚えるかもしれないが、憎しみはやがて自分を苛(さいな)んで、苦しみを味わうことになる。
The Holy Spirit's main function is to teach you to tell them apart.
- main [méin] : 「主要な、中心的な」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き」
- tell [tél] : 「〜を見分ける、分かる」
- apart [əpɑ́ːrt] : 「離れて、別々に」
❖ "The Holy Spirit's main ~ "「ホーリー・スピリットの主要な機能は、それらを区別して見分けることをあなたに教えることである」。本当の喜びとは何なのか、苦しみはどこから生まれてくるのか、ホーリー・スピリットはあなたに教えてくれる。
What is joyful to you is painful to the ego, and as long as you are in doubt about what you are, you will be confused about joy and pain.
- as long as : 「〜さえすれば、〜する限り」
- be in doubt about : 「〜を疑う」
- be confused about : 「〜に困惑している」
❖ "What is joyful to ~ "「あなたにとって喜びであることは、エゴにとっては苦痛である」。"and as long as ~ "「そして、あなたが、本当の自分に対して疑いをもっている限り、」実相的な喜びを感じる自分こそが本当の自分であると信じ切れない限り、"you will be confused ~ "「あなたは、喜びと苦痛とに困惑させられるだろう」。エゴの思考システムにおいては、得るためには奪え、であった。エゴに従う限り、あなたが喜びを得るには、他者から喜びを奪い取り、他者に苦痛を与えるしかない。こんな論理に困惑しない者がいるだろうか。
This confusion is the cause of the whole idea of sacrifice. Obey the Holy Spirit, and you will be giving up the ego.
- confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、当惑、混同」
- cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由」
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
- sacrifice [sǽkrəfàis] : 「いけにえ、犠牲」
- obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
- give up : 「あきらめる、捨てる」
❖ "This confusion is ~ "「この混同が、犠牲という考え全体の原因になっている」。喜びは、自分や他者を犠牲にしなければ得られないと思ってしまう。喜びには誰かの苦痛が伴うものだと信じている。"Obey the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットに従いなさい」。" and you will be ~ "「そうすれば、あなたはエゴを放棄することになるだろう」。
But you will be sacrificing nothing. On the contrary, you will be gaining everything.
- sacrifice [sǽkrəfàis] : 「〜を犠牲にする」
- on the contrary [kɑ́ntrèri] : 「それと反対に」
- gain [géin] : 「得る、獲得する」
❖ "But you will be ~ "「しかし、あなたは何も犠牲にすることはない」。"On the contrary ~ "「それどころか、あなたはすべてを手に入れるだろう」。喜びを得るために、他者から奪ったり、何かを犠牲にする必要はない。喜びは真実であり、あなたはすでに神から与えられている。喜びだけではなく、愛も美も静寂も、真実のすべてを与えられている。それを思い出すだけでいい。喜びに目覚めれば、あなたはすべてを手に入れることが出来るのだ。
If you believed this, there would be no conflict.
- conflict [kənflíkt] : 「摩擦、葛藤、軋轢」
❖ "If you believed ~ "ここは仮定法過去、現在の事実に反したことを仮定する、「もし、あなたがこれを信じるなら、もはやコンフリクトはないだろう」。しかし残念ながら、あなたはまだ信じ切れていない。したがって、あなたはコンフリクトの中にいる。
4. That is why you need to demonstrate the obvious to yourself. It is not obvious to you.
- demonstrate [démənstrèit] : 「実演する、実証する」
- obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、明白な」
❖ "That is why ~ "「それが、あなたが明白なことを自分自身に実証してみせる必要がある理由である」。"It is not obvious ~ "「それは、あなたには明白ではないのだ」。奪うことも犠牲にすることもなく、ありのままの自分でいることが喜びなのだと、自分自身に実証してみせる必要がある。そんな当たり前のことが、あなたには分かっていない。
You believe that doing the opposite of God's Will can be better for you.
- opposite [ɑ́pəzit] : 「正反対の、逆の」
- better [bétər] : 「より良い」
❖ "You believe that ~ "「あなたはthat以下を信じている」。"that doing the opposite ~ "「神の意思に反することをすることは、あなたにとってより良いことである可能性がある」と信じている。エゴを信じ、喜びを得るには奪わなければならないと思っている。あるいは、喜びを得るには数々の犠牲が必要だと思っている。
You also believe that it is possible to do the opposite of God's Will.
- possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、あり得る」
❖ "You also believe ~ "「あなたは、また、that以下も信じている」。"that it is possible ~ "「神の意思に反したことをすることが可能だと」信じている。そう信じたから、神の子は神から分離したのだ。分離した結果が、奪い合いと犠牲と痛みの中に生きることだった。
Therefore, you believe that an impossible choice is open to you, and one which is both fearful and desirable.
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、あり得ない」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- be open to : 「〜に門戸が開かれている」
- both A and B : 「AもBも両方」
- fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
- desirable [dizáiərəbl] : 「望ましい、好ましい」
❖ "Therefore, you ~ "「したがって、あなたはthat以下を信じている」。"that an impossible ~ "「不可能な選択があなたに許されている」と信じている。"and one which ~ "「その不可能な選択とは、(あなたにとって)恐ろしくもあり望ましくもあるのだが」。不可能な選択とは、もちろん、神の意思に反する選択。神の意思に反することは恐ろしいことだと思う半面、神から分離し、自由勝手に振る舞えることは望ましいと、あなたは思うことがあるかもしれない。エゴの誘惑である。物欲を満たし、快楽に溺れることもまた喜びであると、エゴは囁(ささや)く。
Yet God wills. He does not wish. Your will is as powerful as his because it is his.
- will [wíl] : 「〜を望む、意図する」
- wish [wíʃ] : 「望む、祈る」
- powerful [páuərfl] : 「強い、強力な」
❖ "Yet God wills"「しかし、神は意思する」。"He does not ~ "「神は望むのではない」。"Your will is as ~ "「あなたの意思は神の意思と同じくらいパワフルである」。"because it ~ "「なぜなら、あなたの意思は神の意思でもあるからだ」。"will"という言葉と"wish"という言葉の使い分けをしている。神は可能性に期待して望むのではない。神の計画はすでに確立しており、神は強い意志のパワーをもってそれを現実化する。その現実化のパワーは、神と神の子の意志が統一されたとき、炸裂する。
The ego's wishes do not mean anything, because the ego wishes for the impossible.
- wish [wíʃ] : 「願い、願望、希望」
- mean [míːn] : 「〜を意味する、重要性を持つ」
- wish for : 「所望する」
❖ "The ego's wishes ~ "「エゴの望みは意味をもたない」。"because the ego ~ "「なぜなら、エゴは不可能なことを望むからだ」。エゴは幻想の中で望むだけだから、幻想の望みが実相的に実現することはない。幻想が実相に変化することは不可能なのだ。たとえば、夜見る夢の中で、あなたは大金持ちになることを望み、確かに夢の中で大金持ちになったとしよう。しかし、朝、夢から覚めたあなたは、それは単なる夢だったと気付くのだ。
You can wish for the impossible, but you can will only with God. This is the ego's weakness and your strength.
- weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと」
- strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、強み」
❖ "You can wish ~ "「あなたは不可能なことを望むことは出来るが、」"but you can will ~ "「しかし、あなたは神と共にのみ、意思することが出来るのだ」。"This is the ego's ~ "「これこそ、エゴの弱みであり、あなたの強みだ」。エゴが不可能ことを望むことは可能だ。望みはするが決して実相的に現実化しない。夢に過ぎないからだ。しかし、神と共に意思することはエゴには出来ない。なぜなら、エゴとは神の意思に反したものであり、反する限りにおいて、かろうじて存在していると思い込んでいるだけだからだ。仮にエゴが神の意思通りに意思したなら、その瞬間にエゴは消滅してしまうだろう。一方、あなたは神と意志を共有できる。なぜなら、あなたは神の延長上に創造された神の子だからだ。したがって、あなたは望むことが出来るだけでなく、神のように意志することが出来る。それが、あなたがエゴに対抗できる最大の強みだ。