7. You cannot deny part of truth. You do not know your creations because you do not know their creator.
- deny [dinái] : 「〜を否定する、拒絶する」
- part [pɑ́ːrt] : 「一部、部分」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真理」
- creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造」
- creator [kriéitər] : 「創造者、創作者」
❖ "You cannot deny ~ "「あなたは、真実の一部だけを否定することは出来ない」。この文章は前段落からの続きであって、単一である神の子の一部である他者を否定し、自分という一部だけを肯定することなど出来ない、という意味である。それは神の完全なる創造を否定したことになり、いわば、生みの親である『父』を否定したことになる。"You do not ~ "「あなたは、あなたが創造したものを知ることがない」。"because you do ~ "「なぜなら、あなたはその創造した者を知らないからだ」。あなたが『父なる』神を否定したことは、自分もまた『父』として『子』を創造できることを否定したことになる。神から継承した創造的パワーを放棄したことになり、あなたが創造したものをあなたの『子』として認識することさえ出来ない。
You do not know yourself because you do not know yours. Your creations cannot establish your reality, any more than you can establish God's.
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、達成する」
- reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実」
- not A any more than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
❖ "You do not know ~ "「あなたは、あなた自身を知らない」。あなたは『父』なる神が創造した神の『子』であることを知らない。"because you do ~ "「なぜなら、あなたは、あなたの創造主を知らないからだ」。"yours"は"your creator"のこと。あなたは他者を否定し、神の完全性を否定したために、父と子の関係性を断ち切ってしまったのだ。"Your creations cannot ~ "「あなたの創造したものは、あなたの現実を確立することは出来ない」。"any more than ~ "「それは、あなたが神の現実を確立できないのと同じである」。あなたは父と子の関係性を断ち切ったために、神と創造を分かち合い真実を拡張して天の王国の現実を確立するということが不可能になった。同様の構図はこの幻想世界においても保たれたままになっている。父なるあなたが創造したものと、つまりあなたの子とあなたは断絶したままになっているがために、真実を分かち合って拡張増大させることが不可能な状態なのだ。あなたはこの世で真実を創造し、真実を分かち合って拡張し、あなたの現実を作り出すことが出来ない。
But you can know both. Being is known by sharing. Because God shared his being with you, you can know him. But you must also know all he created, to know what they have shared.
- both [bóuθ] : 「両方、双方」
- being [bíːiŋ] : 「存在、実在、生存、生命」
- sharing [ʃέəriŋ] : 「わかち合い、共有利用」
❖ "But you can ~ "「しかし、あなたは両者を知ることが出来る」。両者とは、もちろん、あなたが創造したものとあなたを創造した神。あなたがその気にさえなれば、切っても切れない父と子の関係性を再確認することが出来る。"Being is known ~ "「存在は、分かち合うことで知られる」。存在を分かち合うとは、真実を拡張するという創造を共に行うこと。創造こそが存在である。"Because God shared ~ "「神はその存在をあなたと分かち合うから、」"you can know ~ "「あなたは神を知ることが出来る」。神と創造を供にすることで、あなたは神の存在と重なることが出来る。客観的に神の存在を知るのではなく、実感として、神と一体化するのだ。したがって、創造的存在は、単一の存在形態をとる。"But you must ~ "「しかし、あなたは、神が創造したものすべてを、また、知らなくてはならない」。"to know what ~ "「神が創造したものすべてが、何を分かち合っているか知るために」。神が創造した神の子としての他者と一体化せずに、神との一体化を実現し実感することは出来ない。あなたは他者との分離を解消し、自他一如を知った上で、他者と真実のすべてを分かち合い、拡張してこそ、神との一体化を果たすことが出来る。
Without your Father you will not know your fatherhood.
- fatherhood [fάːðərhud] : 「父であること、父権」
❖ "Without your Father ~ "「父なる神なくして、あなたは、(あなたが創造したものたちの)父であることを知ることはない」。『父』なる神が『子』なるあなたを創造したのだという父と子の関係性を確信することで、『父』なるあなたが『子』なる真実を創造できるのだと知ることになる。あなたが愛を感じ、喜びに満たされ、美を生み出したとき、あなたが父として創造した真実の空間の中に、あなたは確かに存在する。あなたの実存はそこにある。
The Kingdom of God includes all his sons and their children, who are as like the sons as they are like the Father. Know, then, the sons of God, and you will know all creation.
- include [inklúːd] : 「〜を含める、〜を包含する」
❖ "The Kingdom of ~ "「神の王国は、神の子、そして神の子の子、すべてを包含する」。"who are as like ~ "「神の子の、その子は、神の子が父なる神に似ているように、神の子に似ている」。"Know, then ~ "「だから、神の子よ、知りなさい」。"and you will ~ "「そうすれば、あなたはすべての創造を知るだろう」。この段落の後半は、非常に簡単な単語で簡潔に書かれてあるが、驚くほど力強い。声に出して朗読してみること。リズムと音が調和して非常に力強く、非常に心地よく、きっとパワーを与えられるだろう。
Chapter 8
The Journey Back
戻りの旅
I. The Direction of the Curriculum
カリキュラムの方向
1. Knowledge is not the motivation for learning this course. Peace is.
- knowledge {nɑ́lidʒ] : 「知識、認識、知恵」
- motivation [mòutəvéiʃən] : 「動機、動機付け、意欲」
- peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心」
❖ "Knowledge is not ~ "「叡智を得ることが、このコースを学ぶ動機ではない」。"Peace is"「平和である」。平和といっても、心の平和。叡智が動機ではないが、コースを学んだ結果、叡智に至るのは必然である。
This is the prerequisite for knowledge only because those who are in conflict are not peaceful, and peace is the condition of knowledge because it is the condition of the Kingdom.
- prerequisite [prirékwəzit] : 「必要条件、必須条件、前提条件」
- conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢」
- in conflict : 「矛盾して、対立して、軋轢のある」
- peaceful [píːsfl] : 「平和な、穏やかな」
- condition [kəndí∫n] : 「状態、状況、条件」
❖ "This is the prerequisite ~ "「平和は叡智のための必要条件である」。"only because those ~ "「なぜなら、矛盾を抱えた人たちは平和でないからだ」。"and peace is ~ "「そして、平和は叡智の条件である」。"because it is ~ "「なぜなら、平和は王国の条件であるから」。叡智に至るには、すなわち王国に至るには、その基盤として、コンフリクトのない心の状態、すなわち平和な心の状態が必要とされる。幻想(悪夢)から目覚めた状態が心の平和をもたらす。悪夢こそがコンフリクトなのだ。
Knowledge can be restored only when you meet its conditions. This is not a bargain made by God, Who makes no bargains.
- restore [ristɔ́ːr] : 「元に戻す、修復する」
- meet [míːt] : 「合う、満足させる、かなえる」
- bargain [bɑ́ːrgin] : 「駆け引き、取引、契約」
❖ "Knowledge can be ~ "「あなたがその条件を満たすとき、王国は修復され得る」。"This is not a ~ "「これは、神によってなされる取引ではない」。"Who makes no ~ "「神は決して取引などしないからだ」。あなたがコンフリクトを脱して心の平和を得たとき、王国への鍵が渡され、王国へ入ることが許されると同時にその修復を任され、代わりに叡智を与えられるという取引を神がもちかけているのではない。
It is merely the result of your misuse of his laws on behalf of an imaginary will that is not his. Knowledge is his will.
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、効果、成果」
- misuse [mìsjúːs] : 「悪用、誤用、乱用」
- law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規」
- on behalf of : 「〜のために、〜の代わりに」
- imaginary [imǽdʒənèri] : 「想像上の、架空の、空想の」
- will [wíl] : 「意志、精神力」
❖ "It is merely ~ "「それは、神のものではない空想の意思のために、神の法をあなたが誤って使用した結果に過ぎない」。あなたは、エゴの思考システムに騙されて、得るためには取引しなくてはいけないと思っているだけだ。神の法では、与えることと得ることは同一である。取引などない。"Knowledge is ~ "「叡智こそが神の意思である」。真実の総体である叡智をあなたが得ること、それだけを神は願っている。
If you are opposing his will, how can you have knowledge?
- oppose [əpóuz] : 「反対する、対抗する」
❖ "If you are opposing ~ "「もし、あなたが神の意思に反抗しているなら、」"how can you ~ "「あなたは、どうやって叡智を持つことが出来るだろう」。叡智そのものである神を拒絶して、どうして叡智をものにすることが出来るだろう。
I have told you what knowledge offers you, but perhaps you do not yet regard this as wholly desirable.
- offer [ɔ́ːfər] : 「提供する、差し出す、ささげる」
- perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、おそらく」
- regard [rigɑ́ːrd] : 「〜を〜と見なす、注目する」
- regard A as B : 「AをBと見なす」
- wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として」
- desirable [dizáiərəbl] : 「望ましい、好ましい」
❖ "I have told you ~ "「私はあなたに、叡智があなたに何を提供してくれるか話したことがあった」。"but perhaps you ~ "「しかし、たぶんあなたはまだ、この叡智を全面的に望ましいものだと見なしてはいない」。叡智を忘れているあなたは、叡智が何たる分からない。その価値すら分からない。
If you did you would not be so ready to throw it away when the ego asks for your allegiance.
- ready [rédi] : 「用意ができて、〜しがちな」
- throw [θróu] : 「〜を投げる、投じる」
- throw away : 「〜を投げ捨てる、無駄に費やす」
- ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
- allegiance [əlíːdʒəns] : 「忠誠、忠実」
❖ "If you did"「もしあなたが、叡智を全面的に望ましいものと思っていたら、」ここは、仮定法過去、現在の事実に反したことを仮定して述べており、"you would not ~ "「エゴがあなたに忠誠を求めたとき、あなたは、そんなに簡単に叡智を投げ捨てたりするはずがない」。実際は、エゴの誘惑に負けて、叡智を投げ捨ててしまった。神の子は神から分離するとき、叡智のすべてを神に投げ返してしまったのだ。