●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-17.VI.7:1 ~ T-17.VII.1:7

7. Confronted with any aspect of the situation that seems to be difficult, the ego will attempt to take this aspect elsewhere, and resolve it there.

  • confront [kənfrʌ́nt] : 「直面する、対決させる」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、形勢」
  • situation [sìt∫uéi∫n] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
  • attempt [ətém(p)t] : 「〜しようと努力する、〜するよう努める」
  • elsewhere [éls(h)wèə(r)] : 「ほかの場所に、ほかのどこかで、ほかの所へ」
  • resolve [rizɑ́lv] : 「解く、解明する、解決する、晴らす、解消する、除く」
❖ "Confronted with any aspect ~ "分詞構文、先頭に"Being"を補うといい、時を表す、「難しそうに見える状況の側面に直面したときはいつでも、」"the ego will attempt ~ "「エゴは、その側面を別のところに持って行って、そこで解決しようと試みるだろう」。エゴは状況を全体的に見ることが出来ず、状況を分解して、分離的、断片的に状況を見る。難しい局面に出くわすと、その部分だけを切り取って、全く関係のない場所に持って行き、表面的な解決を試みるのだ。つまり、問題をうやむやにしてしまうのである。たとえば、あなたが孤独という状況に陥っているとしよう。エゴは、孤独を作り出した真の理由を包括的に見ることはせず、とりあえず孤独をうやむやにしようとして、安易に、特別な関係を作ってしまうようにあなたを唆(そそのか)す。かくして、あなたは新たなパートナーを得て、当面は愛欲の関係性の中で孤独を忘れることになるのだ。



And it will seem to be successful, except that this attempt conflicts with unity, and must obscure the goal of truth.
  • successful [səksésfl] : 「成功した、うまくやる、功を奏する」
  • except [iksépt] : 「ただし、〜ということを除いて」
  • attempt [ətém(p)t] : 「試み、企て」
  • conflict [kənflíkt] : 「衝突する、争う、抵触する、対立する、矛盾する」
  • conflict with : 「〜と衝突する、〜にぶつかる、〜と対立する、〜と矛盾する」
  • unity [júːnəti] : 「統一、単一性、一体性、一貫性」
  • obscure [əbskjúə(r)] : 「〜を曖昧にする、〜を暗くする、覆い隠す」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの、着点」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "And it will seem ~ "「そうすれば、一見、うまくいったように見える」。"except that this ~ "「ただし、この試みが、全体性とコンフリクトを起こすことは避けられないが」。状況の一部分だけを切り取って、別の場所に無理やり持って行ったのだから、全体性を崩してしまったことになる。つまり、全体的、根本的な問題は何も解決しない、ということ。"and must obscure ~ "「そして、真実の目的を、必ず曖昧にしてしまうのだ」。たとえば、孤独の問題は、根本に神からの分離という問題が隠されているのだが、神の世界に回帰するという真実の目的を曖昧にして、当面の、孤独のごまかしに走ってしまうのである。



And peace will not be experienced except in fantasy. Truth has not come because faith has been denied, being withheld from where it rightfully belonged.
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • experience [ikspí(ə)riəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • fantasy [fǽntəsi] : 「想像、空想、幻想、白日夢」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、自信、信念、確信」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • withheld : 「withholdの過去、過去分詞形」
  • withhold [wiðhóuld] : 「与えないでおく、〜を抑える、引き留める」
  • rightfully [ráitfəli] : 「正しく、正当に、適法に」
  • belong [bilɔ́(ː)ŋ] : 「属する、所属する、あるべき所にある」
❖ "And peace will not ~ "「そして、平和は、空想の中を除いて、経験されることはあるまい」。真実から離れてしまうので、空想の中だけの平和となる。たとえば、特別な関係性という空想の中だけで、孤独は解消されたかに見えて、しばしの平和を経験することとなる。"Truth has not come ~ "「〜であるので、真実は訪れないのだ」。"because faith has ~ "「信じる気持ちが否定され、」"being withheld ~ "分詞構文、単純接続、「当然あるべき場所から、信じる気持ちが引き離されてしまったので、」真実は訪れないのだ。信じる気持ちと真実は、ACIMではほぼ同じものして扱われる。したがって、"faith"を"truth"に置き換えてみると、意味が通りやすいだろう。本来なら、神を信じているべきなのだが、そこから信心が引きはがされて、特別な関係性の愛欲に信心が奪われてしまったかに見えるのだ。



Thus do you lose the understanding of the situation the goal of truth would bring.
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • understanding [ʌ̀ndə(r)stǽndiŋ] : 「理解、理解力、知力」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜を連れて来る」
❖ "Thus do you lose ~ "「こうして、あなたは、真実の目的がもたらすはずの状況を理解することが出来なくなるのだ」。信じる気持ちを失ってしまうことは、あなたがエゴ的なものの見方をし始めたことを意味する。エゴは、状況が目的を決定すると思っているから、ホーリー・スピリット的なものの見方が理解できない。つまり、真実の目的が状況を選び取って行くということが理解できないのだ。



For fantasy solutions bring but the illusion of experience, and the illusion of peace is not the condition in which truth can enter.
  • solution [səlúː∫n] : 「解決、解決法、解決策、解法、解、解答」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • experience [ikspí(ə)riəns] : 「経験、体験、見聞」
  • condition [kəndí∫n] : 「事情、条件、状態、状況、様子、様相」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
❖ "For fantasy solutions bring ~ "「なぜなら、空想的解決方法は、幻想的経験をもたらし、」"and the illusion of peace ~ "「幻想的平和は、真実が入り込む条件ではないからだ」。たとえば、孤独の解決法として特別な関係性を持ち出せば、それは空想的な解決法であって、偽りの平和しかもたらさない。幻想の平和である。その幻想の平和の中に、真実は入り込めず、したがって、幻想の平和は遅かれ早かれ消滅する。
 
 
 

 
VII. The Call for Faith
信じる気持ちを求める呼び声


1. The substitutes for aspects of the situation are the witnesses to your lack of faith.
  • substitute [sʌ́bstət(j)ùːt] : 「代わりのもの、代用品、代理人」
  • aspect [ǽspekt] : 「形勢、局面、状況、側面、特徴」
  • situation [sìt∫uéi∫n] : 「状況、場所、状態、立場、事情、情勢、事態」
  • witness [wítnəs] : 「証拠、証言、目撃者、証人」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、自信、信念、確信」
❖ "The substitutes for aspects ~ "「状況のある側面を(別のものに)代えてしまうことは、あなたに信じる気持ちが欠けていることの証拠である」。たとえば、あなたの孤独という状況の側面を解決するために、特別な関係性をその代わりに持ち込むことは、あなたの心の正しい部分をあなたが信じていないことを意味する。なぜなら、ホーリー・スピリットを信じきれずに、エゴの唆(そそのか)しに乗ってしまったからだ。



They demonstrate that you did not believe the situation and the problem were in the same place.
  • demonstrate [démənstrèit] : 「はっきり示す、明らかにする、明示する、実演する」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
  • same [séim] : 「同じ、同一の」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、立場、境遇」
❖ "They demonstrate that ~ "「状況のある側面を(別のものに)代えてしまうことは、that以下をはっきり示している」。"that you did not believe ~ "「あなたが、状況と問題とが同じ場所にあると信じていなかったことを」はっきり示している。たとえば、孤独という状況が、孤独という問題を孕(はら)んでいることを、あなたは信じていなかった。だから、孤独の問題を真剣に解決しようとはせず、その問題からただ単に逃れるために、特別な関係性を孤独という状況の代わりとして持ち込んだのである。



The problem was the lack of faith, and it is this you demonstrate when you remove it from its source and place it elsewhere.
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する、持ち去る」
  • source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、原因」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • elsewhere [éls(h)wèə(r)] : 「ほかの場所に、ほかのどこかで、ほかの所へ」
❖ "The problem was ~ "「問題は、信じる気持ちの欠如であったのだ」。"and it is this you ~ "「それは、〜したとき、あなたはこのことを示しているのだ」。"when you remove it ~ "「あなたが信じる気持ちを、そのソースから切り離して、別の場所に置いたとき、」あなたはこのことを示しているのだ。あなたがホーリー・スピリットを信じて、孤独の問題が神からの分離に起因していると信じていたなら、あなたは孤独の問題を真に解決できたであろう。しかし、あなたは信じきれなかった。そこで、信じる気持ちを孤独の根本原因から引きはがし、エゴの誘いに乗って、特別な関係性という別の場所に信じる気持ちを持ち込んだのである。一言で言えば、ホーリー・スピリットへの信じる気持ちを、エゴへの信じる気持ちに置き換えたのだ。



As a result, you do not see the problem. Had you not lacked faith that it could be solved, the problem would be gone.
  • as a result [rizʌ́lt] : 「結果として、結果的に」
  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
  • lack [lǽk] : 「〜を欠く、〜が欠けている、十分にない」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、自信、信念、確信」
  • solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
  • gone [gɔ́(ː)n] : 「go の過去分詞形」
❖ "As a result, you ~ "「結果として、あなたは問題を見ることはなくなった」。が、問題が解決されたわけではない。"Had you not lacked ~ "仮定法過去完了形、"If you had not ~"のこと、「もしあなたが、問題は解決され得るのだと信じることが出来たなら、問題は解決されたであろう」。が、あなたにはそれを信じる気持ちが欠けていたために、問題は解決されずに残ってしまったのだ。



And the situation would have been meaningful to you, because the interference in the way of understanding would have been removed.
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、意味深長な、重要な」
  • interference [ìntərfíərəns] : 「干渉、妨害、障害、邪魔、支障」
  • in the way of : 「〜の邪魔になって、〜の行く手をふさいで」
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する、持ち去る」
❖ "And the situation would ~ "「そして、状況も、あなたにとって意味あるものであっただろう」。状況も、真実の目的に向かうという意味をもったであろう。"because the interference ~ "「なぜなら、理解を困難にする邪魔ものが取り除かれたであろうからだ」。しかし、その邪魔ものさえも、残存してしまうのだ。



To remove the problem elsewhere is to keep it, for you remove yourself from it and make it unsolvable.
  • unsolvable [insάlvəbl] : 「解決不可能な、解決できないような」
❖ "To remove the problem ~ "「問題を、別の場所に移すことは、問題を保持することである」。問題を解決することでは決してない。"for you remove yourself ~ "「なぜなら、あなたはあなた自身を問題から離したのであり、問題が解かれないようにしたからだ」。一言で言えば、あなたは問題から逃げたのである。逃げて、あなたの目には問題が入らなくなったが、問題が消滅したわけではない。かならず、再び、問題はあなたの目の前に現れ、あなたに解決を迫ることになるのだ。
 
 
 

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