●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-21.I.5:1 ~ T-21.I.6:3

5. Thus they define their life and where they live, adjusting to it as they think they must, afraid to lose the little that they have.

  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、こんなふうに」
  • define [difáin] : 「〜を定義する、明確にする、決める」
  • adjust [ədʒʌ́st] : 「順応する、適応する、慣れる」
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する」
❖ "Thus they define ~ "「こうして、彼らは、彼らの生活、そして彼らの住む場所を決めているのだ」。自ら空想し、投射して作ったこの幻想世界を嫌悪しつつもそれに順応し、しかも、世界に打ちひしがれて痛みに生きることを選んだのだ。"adjusting to it as ~ "分詞構文、単純接続、「そして、そうあらねばならないと彼らが思う通りに、(この世界の)生活に順応する」。"afraid to lose ~ "「彼らが持っているわずかばかりのものを失うのを恐れているのだ」。"the little that they have"「彼らが持っているわずかばかりのもの」とは、彼らの肉体に限定してもいいし、物質的生活全体と考えてもいいだろう。



And so it is with all who see the body as all they have and all their brothers have. They try to reach each other, and they fail, and fail again.
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • reach [ríːtʃ] : 「〜に手を差し出す、差し伸べる、手を伸ばす」
  • each other : 「お互いに」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
❖ "And so it is with all who ~ "「そして、このことは、肉体を、彼らが持っているもののすべて、同胞がもっているもののすべてと見なしている者達すべてに当てはまる」。幻想世界に捕らわれた者達のことであるから、当然、彼らにとっては心よりも肉体が優先するのである。肉体が幻想に過ぎないと見破ることが出来ないことに、そもそもの原因があるのだ。"They try to reach each ~ "「彼らは互いに手を伸ばし合うのだが、失敗を何度も繰り返すのである」。肉体的接触によっては、同胞は結合し合うことは出来ない。結合は実相世界の真実であって、肉体という幻想によって達成されるわけがないのだ。結合は、心の結合をもって完成する。



And they adjust to loneliness, believing that to keep the body is to save the little that they have.
  • loneliness [lóunlinəs] : 「孤独、寂しさ、独りぼっち」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
  • save [séiv] : 「確保しておく、取っておく、残しておく」
❖ "And they adjust ~ "「彼らは、孤独に順応する」。"believing that ~ "分詞構文、付帯状況、「that以下を信じながら。」"that to keep ~ "「肉体を保持することは、彼らがもっているわずかばかりのものを確保することだと」信じながら。肉体を失ったら、すべてを失うことになると思っているのである。真実はその逆であって、肉体を幻想と見抜いて肉体から抜け出すことで、すべてを手に入れることが出来るのである。結局、頼りにならない幻想の肉体に頼らざるを得ないものだから、人は孤独に陥るのだ。



Listen, and try to think if you remember what we will speak of now.
  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
  • think [θíŋk] : 「考える、思う、熟考する」
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • speak of : 「〜を口にする、〜のことを話す」
❖ "Listen, and try to ~ "「耳を傾け、今から私たちが話すことを思い出せるかどうか考えて見なさい」。



6. Listen,--perhaps you catch a hint of an ancient state not quite forgotten; dim, perhaps, and yet not altogether unfamiliar, like a song whose name is long forgotten, and the circumstances in which you heard completely unremembered.
  • perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • catch [kǽtʃ] : 「捕まえる、キャッチする、見つける、得る」
  • hint [hínt] : 「暗示、ほのめかし、ヒント、手掛かり、手引き」
  • ancient [éinʃənt] : 「古代の、古くからの、古い、古びた」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
  • forgotten [fərɡάtn] : 「forget の過去分詞形」
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、見落とす」
  • dim [dím] : 「薄暗い、ぼやけた、ぼんやりとした、おぼろげな」
  • altogether [ɔ̀ːltəɡéðər] : 「全く、全然、完全に、すっかり、まるで」
  • unfamiliar : 「よく知らない、見慣れない、不案内な」
  • circumstance [sə́ːrkəmstæ̀ns] : 「周囲の事情、環境、状況、事情」
  • heard [hə́ːrd] : 「hear の過去・過去分詞形」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に」
  • unremembered : 「記憶されていない、想起不能の」
❖ "Listen,--perhaps you ~ "「耳を澄ましてごらんなさい、多分あなたは、すっかり忘れてしまったわけではない昔の状態の手がかりを思い出すかもしれない」。"dim, perhaps, and yet ~ "「薄暗く、多分、まったく見覚えがないというのではなく、」"like a song whose ~ "「名前を長いこと忘れていた歌のように、」"and the circumstances ~ "意訳する、「どんな時にそれを聞いたか、完全には思い出せないのだが、」その歌に耳を傾けるように、昔を思い出して御覧なさい。



Not the whole song has stayed with you, but just a little wisp of melody, attached not to a person or a place or anything particular.
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • wisp [wísp] : 「細い束、小さな房」
  • melody [mélədi] : 「メロディー、旋律」
  • attach [ətǽtʃ] : 「〜に参加させる、所属させる、配属する、配役する」
  • person [pə́ːrsn] : 「人、人物、人格、人柄」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
  • particular [pərtíkjulər] : 「特定の、独特の、特段の、特有の、特殊な」
❖ "Not the whole song ~ "「歌の全体があなたと共にあるのではないが、」つまり、歌全体を覚えているわけではないが、"but just a little ~ "「ほんの一節のメロディーはあなたの記憶に残っている」。"attached not to a person ~ "分詞構文、付帯状況、先頭に"being"を補うといいだろう、「誰とどこで聞いたかも、また特別変わったことも思い出せないのだが」。



But you remember, from just this little part, how lovely was the song, how wonderful the setting where you heard it, and how you loved those who were there and listened with you.
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、記憶している、〜を思い出す」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分、部品、パーツ」
  • lovely [lʌ́vli] : 「愛らしい、かわいらしい、うっとりする」
  • wonderful [wʌ́ndərfəl] : 「すてきな、不思議な、素晴らしい、見事な」
  • setting [sétiŋ] : 「設定、周囲の環境、設置、配列、背景」
  • heard [hə́ː(r)d] : 「hear の過去・過去分詞形」
  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
❖ "But you remember ~ "「しかし、あなたは思い出すのだ」。"from just this ~ "「この歌の小さな一節を思い出したことで、」"how lovely was ~ "「その歌がどんなに愛らしかったか、」"how wonderful ~ "「その歌を聞いた状況がどんなに素晴らしかったか、」"and how you loved ~ "「そして、その場にいてあなたと一緒に歌を聞いた人たちを、あなたがどんなに愛していたか、」あなたは思い出すのだ。この段落で何を言わんとしているのかというと、あなたが神と共にあった頃の愛に溢れた生活を、あなたは忘れてしまったと言うかも知れないが、そのほんの断片はあなたの記憶の中に留まっていて、古い歌のようにあなたの心の表面に、時として浮かび上がってくることがある、ということ。
 
 
 

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