●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-21.I.7:1 ~ T-21.I.8:6

7. The notes are nothing. Yet you have kept them with you, not for themselves, but as a soft reminder of what would make you weep if you remembered how dear it was to you.

  • note [nóut] : 「音符、響き」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • keep [kíːp] : 「~を持ち続ける、保持する」
  • soft [sɔ́ːft] : 「穏やかな、優しい、寛大な、甘い」
  • reminder [rimáindər] : 「思い出させるためのもの」
  • weep [wíːp] : 「シクシク泣く、すすり泣く、泣く、涙を流す」
  • remember [rimémbər] : 「~を覚えている、~を思い出す」
  • dear [díər] : 「親愛な、いとしい、かわいい、敬愛する、大切な」
❖ "The notes are ~ "「音符が問題なのではない」。愛らしい歌の一節をふと思い出すのは、その音符が愛らしいからではない。"Yet you have kept ~ "「しかし、あなたは、歌を覚え続けていたのだ」。"not for ~ "「それは、歌自体のせいではなく、」"but as a soft reminder ~ "「あなたにとって、その歌がどんなにいとおしいものであるか、あなたが思い出したときに、あなたに涙させるような、優しい思い出として」あなたはその歌を覚え続けていたのだ。もちろん、ここでは、天の王国における神との生活の思い出を語っているのだ。あなたの記憶の中に、その思い出は残されていて、昔聞いた歌のように、時として思い出すのである。



You could remember, yet you are afraid, believing you would lose the world you learned since then.
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって、おじけづいて」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • lose [lúːz] : 「~を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • learn [lə́ːrn] : 「~を学ぶ、~を知る、分かる」
  • since [síns] then : 「それ以来、その後、それ以後、あれ以来」
❖ "You could remember ~ "「あなたは思い出すことが出来るのだが、しかし、恐れてもいる」。"believing you would ~ "分詞構文、理由、「あなたがその時以来学ぶ世界を、あなたは失ってしまうかも知れないと信じているからだ」。つまり、昔の実相世界での愛らしい生活を思い出すことによって、それ以来、あなたが経験するこの幻想世界の数々の出来事が色あせて見えてきて、小さいながらも築いた幸せな生活が崩壊してしまうのではないかと恐れるのである。



And yet you know that nothing in the world you learned is half so dear as this.
  • half [hǽf] : 「半分の、半分に切った、半分だけ」
❖ "And yet you know ~ "「とは言うものの、あなたはthat以下を知っている」。"that nothing in the world ~ "「あなたが知っているこの世界の何ものも、この愛らしさの半分もない」と知っているのだ。神と共に過ごした実相世界の生活の愛らしさに比べたら、この幻想世界での愛らしさは、その半分にも及ばない。



Listen, and see if you remember an ancient song you knew so long ago and held more dear than any melody you taught yourself to cherish since.
  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
  • ancient [éinʃənt] : 「古代の、古くからの、古い、古びた」
  • knew [njúː] : 「know の過去形」
  • long ago : 「ずっと以前に」
  • held [héld] : 「hold の過去形」
  • hold dear : 「大切にする」
  • melody [mélədi] : 「メロディー、美しい旋律、美しい音楽」
  • taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
  • cherish [tʃériʃ] : 「~を大事にする、大切にする」
❖ "Listen, and see if ~ "「〜であるかどうか、よく聞き、よく見なさい」。"if you remember ~ "「遠い昔に知り、以来、大切にするためにあなたが自分自身に教えてきたどんなメロディーよりもいとおしく思える古い歌を、あなたが思い出せるかどうか、」よく聞き、よく見なさい。ここの"to cherish"「大切にするために」とは、昔に知った古い歌を大切にするために、という意味ではなく、新しく覚えた歌を大切にしてきたが、という意味合い。つまり、新しく覚えた歌を大切に愛してきたであろうが、遠い昔に知ったあのメロディーはそれよりもっと愛らしく心に抱き続けてきた、ということ。そんな古い歌を思い出して見なさいと言っているのだ。



8. Beyond the body, beyond the sun and stars, past everything you see and yet somehow familiar, is an arc of golden light that stretches as you look into a great and shining circle.
  • beyond [bijάnd] : 「~の向こう側に、~を越えて、~を過ぎて」
  • past [pǽst] : 「~を過ぎて、~を過ぎ去って、越えて」
  • somehow [sʌ́mhàu] : 「どういうわけか、どうしたものか、どことなく」
  • familiar [fəmíljər] : 「なじんだ、親しみがある、見慣れた、普通の」
  • arc [άːrk] : 「アーク、円弧、弧」
  • golden [góuldn] : 「金の、金色の、金製の、黄金の」
  • light [láit] : 「光、明るさ、光源、ライト、明かり」
  • stretch [strétʃ] : 「伸びる、背伸びする、伸びをする、広がる」
  • look into : 「~の中を見る、~をのぞき込む、~を詳しく調べる、~を探査する」
  • great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な」
  • shining [ʃáiniŋ] : 「光る、輝く、きらめく、明るい」
  • circle [sə́ːrkl] : 「円、円周」
❖ "Beyond the body, beyond ~ "「肉体を超越し、太陽も星々も越え、」"past everything you ~ "「あなたが目にし、どことなく馴染みのあるすべてを通り越して、」"is an arc of golden ~ "「黄金のアークが存在する」。"that stretches as ~ "「その光は、あなたが巨大な輝く円弧の中を見る時、あなたの元へ届くのである」。前の段落とまったく無関係に、新しく、天の王国の様子が述べられている。実相世界、天の王国は、完全抽象の世界であり、想念の世界なのだが、ヴィジョンとしてそれを見たことを想定すると、このような、巨大な光の輪、黄金のアークによって縁取られた世界に見える、ということであろう。これを比喩ととるか、実際の光景ととるか、読者の自由であろう。ただし、少なくとも、嘘か真かの議論の材料にすべきではないだろう。素直に受け取っておいていいのではないだろうか。



And all the circle fills with light before your eyes. The edges of the circle disappear, and what is in it is no longer contained at all.
  • fill [fíl] : 「~を…に詰める、注入する、満たす」
  • fill with : 「~で膨らむ、〜でいっぱいになる」
  • edge [édʒ] : 「端、へり、はずれ、境界」
  • disappear [dìsəpíər] : 「見えなくなる、姿を消す、なくなる、消滅する」
  • no longer : 「もはや~でない」
  • contain [kəntéin] : 「~を含む、包含する、収容できる、~が入っている」
  • at all : 「全く~ない、全然~ない、少しも~ない」
❖ "And all the circle fills ~ "「そして、あなたの目の前で、円弧全体が光に満たされていく」。実相世界全体を覆うアークが黄金の光で満たされていく。"The edges of the circle ~ "「円弧の縁は消滅し、その中にあったものは、もはや円弧の中に含まれた状態ではない」。円弧の縁が消滅するとは、その円弧が無限に拡張して行き、限界である縁が消滅していく、といったイメージであろう。無限に広がる黄金のアークの下、すべての存在は解き放されて行く。



The light expands and covers everything, extending to infinity forever shining and with no break or limit anywhere.
  • expand [ikspǽnd] : 「大きくなる、拡大する、膨らむ、膨張する」
  • cover [kʌ́vər] : 「~を覆う、~に覆いを付ける、カバーをかける」
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • infinity [infínəti] : 「無限であること、無限性」
  • to infinity : 「無限に」
  • forever [fərévər ] : 「永遠に、永久に」
  • break [bréik] : 「中止、中断、途切れ、休み、休憩」
  • limit [límit] : 「限度、制限、限界」
  • anywhere [énihwὲər] : 「どこでも、どこかに、どこへでも、どこにも」
❖ "The light expands and ~ "「光は拡大し、すべてを覆い尽くす」。"extending to infinity ~ "分詞構文、単純接続、「そしてその光は、どこで途切れるということもなく、どこかで限界に達することもなく、無限に、永遠に輝き続け、拡張していくのである」。



Within it everything is joined in perfect continuity.
  • within [wiðín] : 「~の中に、〜の内に」
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる、結合する、連結する」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
  • continuity [kὰntənjúːəti] : 「連続性、継続性、ひと続き」
❖ "Within it everything ~ "「その光の中にあって、すべての存在は、完璧に連続的に結合していくのだ」。天の王国は一元論の世界である。すべての存在は単一の存在へと調和し結合していく。そして、極限的に唯一単一の存在、"God"へと収斂するのである。



Nor is it possible to imagine that anything could be outside, for there is nowhere that this light is not.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • imagine [imǽdʒin] : 「想像する、思う、心に描く、推測する」
  • outside [áutsáid] : 「~の外に、~の外側に」
  • nowhere [nóuhwὲər] : 「実在しない場所、どこか分からない所」
❖ "Nor is it possible ~ "「その光の世界の外に存在するものなど、想像すら不可能である」。"for there is nowhere ~ "「なぜなら、この光のない所など、存在しないからだ」。光の世界のすべてを包摂している存在が神である。その外というものは存在しない。実相世界には、外という概念自体が存在しないのだ。内と外という対立する二つの概念が存在するのは、この二元論の幻想世界においてだけである。
 
 
 

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