13. Yet the truth is you were both created by a loving Father, who created you together and as one.
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当」
- both [bóuθ] : 「両方とも、両者共に」
- create [kriéit] : 「〜を創造する、創り出す」
- loving [lʌ́viŋ] : 「愛情を抱いた、誠実な、愛情のある、愛情に満ちた」
- together [təɡéðər] : 「一緒に、同時に」
❖ "Yet the truth is ~ "「しかし、真実は、あなたも同胞も、愛に満ちた父なる神によって創造されたのである」。"who created you together ~ "「その父なる神は、あなたと同胞を単一なるものとして創造したのだ」。それにも関わらず、あなたは、自分も同胞も自分たちが作ったものであると思い込み、分離し独立した存在であると信じている。実相世界を律している神の法を信じるよりは、幻想世界を律している物理法則を信奉するのだ。
See what "proves" otherwise, and you deny your whole reality. - prove [prúːv] : 「 証明する、〜となる、〜であると分かる」
- otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「別なふうに、違ったふうに」
- deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
- reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "See what "proves" otherwise ~ "「そうではないことを証明するものを見てみなさい」。つまり、真実を否定するかのような証明を目にすると、"and you deny your ~ "「たちまち、あなたは、あなたの実相全体を否定してしまうことになるのだ」。神が、単一の神の子を創造したということに反する証明、たとえば、生命発生論や進化論、等々を信じてしまえば、あなたの真の実相であるところの、自分が神の子だという事実を否定してしまうことになる。ところで、老婆心ながら、誤解のないように言っておくが、ACIMは科学を否定してはいない。この点を取り違えてはいけない。進化論も物理法則も、この幻想世界にあっては正しく、故に価値があろう。確かに、真理であるに間違いない。ただ、ACIMは、唯物論的な真理によって自らに制限をかけ、より広い真実の海に乗り出すことを拒否してはいけない、と言っているのだ。目覚めれば、そこに無限の実相世界が広がっており、そこに、幻想に毒されない真実が無尽蔵にころがっているのだ。木を見て森を見ずではいけない。井の中の真理がすべてではない。井の中から抜け出せば、カエルは広大な世界の真理を知るチャンスに恵まれるはずなのだ。
But grant that everything that seems to stand between you, keeping you from each other and separate from your Father, you made in secret, and the instant of release has come to you. - grant [grǽnt] : 「許可する、承諾する、(仮に〜だと)認める、仮定する」
- stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
- between [bitwíːn] : 「〜の間に、〜の中間に」
- keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
- each other : 「お互い」
- separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
- secret [síːkrət] : 「秘密、機密、内緒事」
- in secret : 「秘密に、内緒で、ひそかに、内々で、こっそり」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
- release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除」
❖ "But grant that everything ~ " 「しかし、あなたと同胞の間に立ちはだかっているかに見えるすべてのものを、」"keeping you from each other ~ "「あなたがたを互いに引き離し、あなたの父なる神から分離せしめているすべてのものを、」"you made in ~ "「あなたが、秘密のうちに作ったのだと認めるなら、」"and the instant of ~ "「解放の瞬間は、あなたに訪れたと言えるのだ」。あなたと同胞が分裂し、神と分離しているかのように見えるのは、罪の意識に苦しむあなたの単なる思い込みに過ぎず、本当は、後にも先にも神の子は単一存在であり、神の元からも一歩たりとも離れてはいない。それに気付いてしまえば、幻想世界からの解放はあなたのものだ。あなたは実相世界に解き放されるのだ。
All its effects are gone, because its source has been uncovered. It is its seeming independence of its source that keeps you prisoner. - effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
- gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
- source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起点、原因」
- uncover [ʌnkʌ́və(r)] : 「覆いを取る、明らかにする、あらわにする、暴く」
- seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの、うわべの」
- independence [ìndipéndəns] : 「独立心、自活、自立、非依存性、主体性」
- prisoner [prízənər] : 「囚人、捕虜」
❖ "All its effects ~ "「そのすべての結果は去ってしまう」。同胞や神との分離分裂から生じる結果のすべては、あなたの気付き(解放)と共に消滅してしまう。"because its source ~ "「なぜなら、その源が明かされたからだ」。分離分裂の原因、つまり、あなたの心の思い込みがはっきりしたので、思い込みの結果も同時に消滅する。幻想だと知れば、幻想は消滅するしかないのだ。夢だと知れば、夢から醒めるのである。"It is its seeming ~ "ここは、"It ~ that ~ "の強調構文、「あなたを囚人のままにしておいたのは、源から見かけ上独立していたことなのである」。神から分離していないのに、分離していると信じていたことが、あなたが幻想世界に捕らわれていた原因である。ここでは、一般論として、原因である源から分離していると思うことが、結果のすべてに依存してしまう結果に終わることが述べられている。神からの分離に関しては、次の文で明らかにされる。
This is the same mistake as thinking you are independent of the Source by which you were created, and have never left.- same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- mistake [mistéik] : 「誤り、判断上の間違い、ミス、過ち」
- be independent [ìndipéndənt] of : 「〜から独立している、〜と無関係である」
- left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
- leave [líːv] : 「〜から離れる、去る」
❖ "This is the same mistake ~ "「これは、あなたを創造し、あなたを置き去りにしたりしなかった源である神から、あなたが独立していると思うことと同様な、過ちなのだ」。一般論として、原因から結果が離れて独り歩きすると、結果は大概過ちに陥ることになる。あなたが、原因である神から離れて独り歩きし、幻想世界を疑似創造して、結果、その世界の支配者になったことは、大いに過ちなのだ。
III. Faith, Belief and Vision
信じること、信心とヴィジョン
1. All special relationships have sin as their goal. For they are bargains with reality, toward which the seeming union is adjusted. - special [spéʃəl] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
- bargain [bάːrɡən] : 「駆け引き、取引、売買契約、安売り、格安品」
- bargain with : 「〜と取引する」
- reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
- toward [təwɔ́ːd] : 「〜の方へ、〜に向かって、〜に向いて」
- seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの、うわべの」
- union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
- adjust [ədʒʌ́st] : 「順応する、適応する、慣れる、調整する、適合させる」
❖ "All special relationships ~ "「すべての特別な関係性は、目的として罪の意識を持つ」。幻想世界であなたがパートナーと築く愛欲的な特別な関係性は、神を裏切ったことから生じる罪の意識を温存する結果を生む、という意味合い。罪の意識から来る孤独、神との断絶から来る孤独をごまかすために、愛欲的な特別な関係性の中に逃げ込むのだ。つまり、神の手の届かない二人だけの小さな世界に逃避するのである。"For they are bargains ~ "「なぜなら、特別な関係性は、実相との取引であって、」"toward which ~ "「その取引内容に合うように、表面的な結合が調整されるからだ」。つまり、罪の意識が幻想に過ぎないこと、神との分離も幻想に過ぎないことを知ろうとせずに、そういった真実への解放の代わりに、幻想としての甘い生活を選ぶのである(they are bargains with reality)。しかも、愛欲的な結合によって、あたかも心と心が繋がったような気持ちになってしまう(seeming union is adjusted)。つまり、ままごとの結びつきを演じるのだ。
Forget not this; to bargain is to set a limit, and any brother with whom you have a limited relationship, you hate. - forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、見落とす」
- bargain [bάːrɡən] : 「取引する、交渉で決める、予測する、取り決める」
- limit [límit] : 「限度、制限、境界、端」
- set a limit : 「制約を設ける」
- limit : 「限定する、制限する、制限をかける」
- hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
❖ "Forget not this"「次に言うことを忘れてはいけない」。"to bargain is ~ "「取引することは、制限を設けることであり、」"and any brother with ~ "「制限された関係性を結んだ同胞(パートナー)を、あなたは憎むことになる」。特別な関係性は心と心の真の結びつきではないので、二人には制限が生じる。むしろ、互いに制限し合い、強制し合うと言った方がいい。たとえば、より大きな愛を示すことを要求し合ったり、どちらかの愛が他の愛を支配することを目論んだり、服従、嫉妬、嫉み、懐疑、裏切り、欺瞞、等々へ、特別な関係性の愛は崩壊へと変化していくのだ。そして、最後には、憎しみに終わる。絶望と言ってもいい。
You may attempt to keep the bargain in the name of "fairness," sometimes demanding payment of yourself, perhaps more often of the other. - attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
- in the name of : 「〜の名において」
- fairness [fέərnis] : 「公正、公平、公明正大」
- sometimes [sʌ́mtàimz] : 「時々、たまに」
- demand [dimǽnd] : 「求める、要求する、請求する」
- payment [péimənt] : 「支払い、納付、償い、報い、報酬、報復」
- perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
- often [ɔ́ːfən] : 「しばしば、たびたび、ちょくちょく」
❖ "You may attempt ~ "「『公正』という名のもとに、あなたは、取引を維持しようと試みるかもしれない」。特別な関係性を維持するために、公正さに準じて、互いに取り決めを守ろうとする。"sometimes demanding ~ "「時には、あなたがあなた自身に支払いを要求することもあろうが、」"perhaps more ~ "「たぶん、多くの場合は、パートナーからの支払い要求の方が多いだろう」。あなたは多くを求められ、多くを制限され、多くを与えなくてはならない。それが、特別な関係性を維持するための、あなたが支払わなくてはならない代償である。得るために奪えというエゴの思考システムが稼働し、互いに奪い合いが始まるのである。
Thus in the "fairness" you attempt to ease the guilt that comes from the accepted purpose of the relationship. - thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして、こんなふうに」
- ease [íːz] : 「〜を楽にする、和らげる、緩和する」
- guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
❖ "Thus in the "fairness" you ~ "「このように、あなたは、『公正さ』の中で、関係性の目的を受け入れたことから生じる罪の意識を軽減しようと試みるのだ」。"the guilt that comes from the accepted purpose of the relationship"「関係性の目的を受け入れたことから生じる罪の意識」とは、実相世界に対して目をつぶって幻想世界にどっぷり浸(つ)かり、隔離された二人だけの小さな世界に閉じこもって他者を遮断し、愛の名においてパートナーを支配したり隷属させたりの愛憎渦巻く愛欲的関係性を維持するところから生じる罪悪感、といった感じ。しかし、特別な関係性の中で犠牲を払うことで、あたかも『公正さ』に準じているような錯覚を覚えて、罪の意識を軽減させるのである。これほど制限され、苦しみを味わい、犠牲を払っているのだから、罪も少々は許されるだろうという魂胆である。
And that is why the Holy Spirit must change its purpose to make it useful to him and harmless to you.- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
- useful [júːsfl] : 「役立つ、実用的な、有用な、便利な」
- harmless [hάːrmlis] : 「無害の、安全な、罪のない、いたいけな」
❖ "And that is why ~ "「そして、それが、ホーリー・スピリットが、関係性を有意義なものとし、あなたにとっては無害なものとするために、関係性の目的を変えなくてはならないと思っている理由である」。特別な関係性にあって、あなたは、犠牲を理由に関係性を正当化しているが、そんな小手先のごまかしではあなたは救われないとホーリー・スピリットは知っているのだ。その、幻想世界にどっぷりと浸かりきった関係性を叩き直して、神聖な関係性に変えるべく、つまり、関係性を通して実相世界に目覚めさせるべく、ホーリー・スピリットは関係性の目的自体を変えるのだ。閉鎖と隔離を解消して、同胞との分離を消滅させ、罪の意識を幻想と認識させて、神との和解を促す。幻想から実相へと、聖なる瞬間を通して、深い眠りからあなたを覚醒させようとする。そういった一連の改革を、あなたの特別な関係性を神聖な関係性に変えることで実現しようとするのである。そういう、ホーリー・スピリットの献身的な愛に対して、あなたは何をもって答えるべきか、深く考えてみる価値はある。