3. It is impossible the Son of God be merely driven by events outside of him.
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない、無理な」
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- driven [drívn] : 「drive の過去分詞、追い詰められた、うなされた、悪夢に悩まされた」
- event [ivént] : 「出来事、事件、イベント、行事」
- outside [áutsáid] : 「外側の、屋外の、外部の、局外の」
❖ "It is impossible ~ "「神の子が、彼の外の出来事によってただ追いつめられることは不可能である」。日々、幻想世界の苦痛な出来事に追いつめられているように見えるだろうが、外の出来事が追いつめているのではなく、出来事を作り出している神の子自身が自分を追いつめているのだ。だから、心を少し変えさえすれば、苦痛な出来事は消滅する。
It is impossible that happenings that come to him were not his choice. - happening [hǽpniŋ] : 「出来事、事件」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
❖ "It is impossible that ~ "「神の子に降り掛かる出来事が、彼の選択ではないということは不可能だ」。神の子が出来事に遭遇するのは、その出来事を彼が選択した結果である。
His power of decision is the determiner of every situation in which he seems to find himself by chance or accident. - decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
- determiner [ditə́ːrmənər] : 「決定する人、決定するもの」
- situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情、情勢、事態」
- find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
- chance [tʃǽns] : 「偶然、幸運」
- by chance : 「偶然に、たまたま」
- accident [ǽksədənt] : 「偶然、偶然の出来事」
- by accident : 「偶然に」
❖ "His power of decision is ~ "「神の子の決意するパワーは、彼がたまたま偶然自分自身を見いだす状況のすべてを決定しているものなのだ」。偶然その場に居合わせる、ということはない。あなたがその場を作り出したのであり、それを可能ならしめたのは、神の子の決意し決定するパワーである。心のもつパワーである。したがって、あらゆる状況は、偶然などなく、あなたの心が選択し、現実化させたものなのだ。思いは、善し悪しは別として、必ず実現するのである。
No accident nor chance is possible within the universe as God created it, outside of which is nothing. - possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
- within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内で」
- universe [júːnəvə̀ːrs] : 「宇宙、万物、森羅万象」
- create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
- outside [áutsáid] : 「外側、外部、外観」
❖ "No accident nor chance is ~ "「宇宙の中に、偶発や偶然は存在し得ない」。"as God created it ~ "「神が、そのように創造したからであり、偶然の存在しない宇宙の外側は、無である」。実相世界には偶然という概念は存在しない。それが、神の法である。もし、あなたの生活の中に偶然が本当に存在したのなら、それは、偶然の存在を許した生活自体が幻想であることの証拠だ。真実の生活、つまり、実相的生活の場に、偶然が紛れ込むことはないのだ。
Suffer, and you decided sin was your goal. Be happy, and you gave the power of decision to him who must decide for God for you. - suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
- decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
- decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
❖ "Suffer, and you decided ~ "「苦痛を感じるようなら、それは、あなたが、罪をあなたの目的にしようと決定したからだ」。罪を目的にするとは、罪の意識の存在を受け入れて、それに屈服し、自分を磔刑に処してしまおうという意図をもつこと。"Be happy, and ~ "「あなたが幸せを感じるなら、それは、あなたのために神に代わって決定を下してくれるホーリー・スピリットに、あなたが、決定するパワーを預けたことを意味する」。"decide for God for you"を「あなたのために神に代わって決定を下す」と訳してみたが、「あなたのために、神に有利な決定を下す」と解釈してもいいだろう。いずれにしても、神の意思にそって決定するのである。つまり、神の法を遵守する決定である。決定するパワーをホーリー・スピリットに預けてしまう、とあるが、幻想世界に住むあなたには叡智が欠如し、正しい判断や決定が出来ないのだ。だから、あなたが実相世界に回帰して叡智を復活させるまでは、ホーリー・スピリットの叡智を頼って、ホーリー・スピリットに判断と決定を任せるのである。ACIMの絶対他力性である。
This is the little gift you offer to the Holy Spirit, and even this he gives to you to give yourself. - gift [gíft] : 「物、プレゼント」
- offer [ɔ́ːfər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
❖ "This is the little gift ~ "「これが、あなたがホーリー・スピリットに差し出す小さな贈り物である」。"and even this he ~ "「これさえも、ホーリー・スピリットが、あなたが自分に与えることが出来るように、あなたに与えるものなのだ」。判断し決定する叡智のパワーをホーリー・スピリットに預けてしまうのであるが、あなたが天の王国へ回帰すれば、叡智のパワーはあなたに復活することになるから、いわば、最終的にパワーを自分のものにするために、一時的にホーリー・スピリットに預かってもらうだけなのだ。ここで言っているのは、厳密な意味でのやり取りではない。そもそも、実相世界にはやり取りという概念はない。分かち合いがあるだけだ。
For by this gift is given you the power to release your savior, that he may give salvation unto you.- release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
- savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "For by this gift is given ~ "「なぜなら、この贈り物によって、救い主を解放するためのパワーが、あなたに与えられるからだ」。"that he may ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「その結果、〜するように」、「そうすれば、救い主は、あなたに救いを与えることが出来るようになろう」。誰が誰の救い主で、誰が誰を救うのか混乱する箇所である。実は、どちらも救い主で、どちらも救い、救われるのだ。まず、あなたは、判断し決定するパワーをホーリー・スピリットに委ねてしまうのだ。したがって、あなたは同胞を見て、彼が罪ありと判断することを断念したことになる。ホーリー・スピリットは、同胞に罪あることは幻想に過ぎないとあなたに教える。あなたは、同胞の罪を幻想であると受け入れて、赦し、受け流してしまう。これによって、あなたの同胞はあなたによって救われるのだ。しかし、あなたと同胞は、自他一如の単一存在であることを思い出してもらいたい。あなたは、自分自身の姿を同胞の中に見るのだ。したがって、あなたが同胞を罪の意識から救ったことは、あなた自身が同胞によって罪の意識から救われたことを意味する。あなたと同胞は、互いに救い主なのである。ところで、この救い主である同胞を、さらに抽象化、象徴化すれば、究極的にキリストに行き着く。したがって、本文の"your savior"「あなたの救い主」をキリストと解釈しても、いっこうに差し支えない。もちろん、あなた自身も、究極的には、キリストとしての存在に行き着くのだ。
4. Begrudge not then this little offering. Withhold it, and you keep the world as now you see it. - begrudge [bigrʌ́dʒ] : 「〜を出し渋る、〜に〜を与えるのを嫌がる、〜をねたむ」
- offering [ɔ́ːfəriŋ] : 「贈り物、捧げもの」
- withhold [wiðhóuld] : 「与えないでおく、〜を抑える、差し控える」
- keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
❖ "Begrudge not then ~ "「そこで、こんな小さな贈り物を出し渋ってはいけない」。ホーリー・スピリットに、判断し決定するパワーを預けることを渋ってはいけない。"Withhold it, and ~ "「それをホーリー・スピリットに与えないでおくと、あなたはこの世界を、今あなたが見ているままに保持してしまうことになる」。あなたが出し惜しみすれば、幻想世界は今のままの苦痛の世界にとどまることになる。ホーリー・スピリットにパワー委ねれば、ホーリー・スピリットは、この世界が幻想に過ぎないことをあなたに教えてくれるだろうし、あなたを実相世界へ目覚めさせてもくれるのだ。あなたが目にする世界は変えられるのである。
Give it away, and everything you see goes with it. Never was so much given for so little. - give away : 「ただで与える、寄贈する、引き渡す」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "Give it away"「判断し決定するパワーをホーリー・スピリットに引き渡しなさい」。"and everything you ~ "「そうすれば、あなたが目にしているすべては、それと一緒に付いて行ってしまう」。つまり、幻想世界は消滅してしまうのだ。"Never was so ~ "「こんなに少ないもので、こんなに大きなものを手に入れれることなど決してあるまい」。あなたは、実相世界という巨大な魚を釣り上げることが出来るのだ。
In the holy instant is this exchange effected and maintained. - holy [hóuli] : 「神聖な」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
- exchange [ikstʃéindʒ] : 「換えること、交換、やりとり」
- effect [ifékt] : 「〜を生じさせる、〜をもたらす、達成する」
- maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ」
❖ "In the holy instant is this ~ "「聖なる瞬間において、この交換がなされ、保持される」。あなたが実相世界に目覚める聖なる瞬間、幻想世界と実相世界が交換される。そして、実相世界は永遠に保持されるのだ。
Here is the world you do not want brought to the one you do. And here the one you do is given you because you want it. - brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
❖ "Here is the world ~ "「この聖なる瞬間において、あなたの望まない世界は、あなたの望む世界へ変えられるのだ」。"And here the one ~ "「聖なる瞬間に、あなたがそれを望むからこそ、あなたの望む世界があなたに与えられるのである」。あなたの望む世界とは、もちろん、実相世界のことであり、天の王国である。それを、あなたが自分の意思でしっかりと望まなくてはならない。求めよ、さらば与えられん、である。
Yet for this, the power of your wanting must first be recognized. You must accept its strength, and not its weakness. - recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
- weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、脆弱性、衰弱」
❖ "Yet for this, the power ~ "「しかし、このためには、あなたが望む、そのパワーが、まず第一に認識されなくてはならない」。あなたの望むパワー、あなたの意思のパワー、すなわち、神のパワーがあなたに備わっていることを知る必要がある。思いは実現するのだという神の法を受け入れる必要がある。"You must accept ~ "「あなたは、そのパワーの強さを受け入れる必要がある」。"and not its ~ "「決して、そのパワーの弱さを認めてはいけない」。あなたは、この幻想世界に慣れ親しんで、肉体こそが強力なパワーを有し、心のパワーはいかにも脆弱だと決めつけてきたが、真実はその逆である。本当のパワーを有しているのは心であって、心が奇跡を起こすのである。望みや願いや意思や祈りが現実を作り出すのであって、肉体は破壊するだけである。しかも、肉体は夢の中だけで破壊できるのだ。実相は決して破壊出来はしない。
You must perceive that what is strong enough to make a world can let it go, and can accept correction if it is willing to see that it was wrong.- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
- enough [inʌ́f] : 「十分な、足りる」
- strong enough to do : 「〜するほど強い」
- let go : 「解雇する、手を放す、ほっとく、あきらめる」
- correction [kərékʃən] : 「訂正、矯正、修正、是正、補正」
- be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
- wrong [rɔ́ːŋ] : 「間違った、誤っている」
❖ "You must perceive that ~ "「あなたは、that以下を知覚しなくてはならない」。"that what is strong enough ~ "「世界を作り上げるのに十分な強さこそが、世界を手放すことが出来るのだと」知覚しなくてはならない。あなたは、自分の心のパワーを用いて、この幻想世界を疑似創造した。その心のパワーを再び用いて、逆に、この幻想世界を消滅させなくてはならない。なぜなら、幻想世界は虚偽であるからだ。偽りのために心のパワーを用いてはいけないのだ。それは、神の法に反することだからである。"and can accept correction ~ "「そして、世界を作り上げるに十分な強さこそが、もし、この世界が誤りであると進んで知ろうとするなら、それを修正することを受け入れることが出来るのである」。誤りを認めることも、心のパワーのなせる業(わざ)であり、誤りを認めることで、その誤りを修正出来るのだ。この誤りの幻想世界を消滅させ、実相世界へ目覚めることは、あななの心には可能なのである。心にこそ、奇跡のパワーが宿っているからだ。それは、神から継承したパワーなのだから。