9. This is the vision of the Son of God, whom you know well. Here is the sight of him who knows his Father.
- vision [víʒən] : 「視覚、視力、洞察力、想像力、展望、構想」
- sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
❖ "This is the vision ~ "「これは、あなたがよく知っている神の子が見るヴィジョンである」。黄金の光に輝くアーク、その光景は実相世界の模様であり、天の王国へ回帰した神の子が目撃するビジョンである。心の目に映る光景である。"Here is the sight of ~ "「ここに、父なる神を知る神の子の見る光景が展開するのである」。
Here is the memory of what you are; a part of this, with all of it within, and joined to all as surely as all is joined in you. - memory [méməri] : 「記憶、記憶力、思い出 」
- part [pάːrt] : 「一部、部分」
- within [wiðín] : 「~の中に、〜の内に」
- join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる、結合する、連結する、合わせる」
- surely [ʃúərli] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に」
❖ "Here is the memory of ~ "「ここに、本当のあなたの姿の記憶が展開する」。つまり、あなたが無辜(むこ)なる神の子であるという記憶が、天の王国の光と共に蘇るのである。"a part of this, with ~ "「この一部の記憶は、その中にすべてを含んでいるのだが、」"and joined to all ~ "「あなたの心の中ですべてが結合するのと同じくらい確実に、その一部の記憶はすべての記憶に結びついているのである」。非常にややこしい部分である。あなたは、神の子として、本来の自分の姿の記憶を取り戻すのだが、記憶はその断片にとどまらず、天の王国のすべての記憶を包含して一挙に思い出すことになる。一つの記憶がすべての記憶を含んでいるのである。あたかも記憶のホログラムである。したがって、分離した単独の記憶というものは存在することなく、すべての記憶が有機的に結合し合っているのだ。それはちょうど、あなたの心の中で、その心がホーリー・スピリットの心と、あるいは神の心と、同胞の心と、有機的に結合している事実と相通じている。その結合は確実であり、実相世界の存在を確定する。ここでは、記憶と心の完成を述べているのだが、それは同時に、存在の完成、叡智の完成であると深読みしてもいいだろう。存在の完成こそ叡智の完成であり、まさに、仏教でいう「般若波羅蜜多(はんにゃはらみった)」である。
Accept the vision that can show you this, and not the body. You know the ancient song, and know it well. - accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- ancient [éinʃənt] : 「古代の、古くからの、古い、古びた」
❖ "Accept the vision that ~ "「こうしたことをあなたに示してくれるヴィジョンを受け入れなさい」。"and not the body"「肉体ではなく、ヴィジョンを受け入れなさい」。幻想の肉体を受け入れるのではなく、叡智による心象、ホーリー・スピリットのヴィジョンを信じなさい。"You know the ancient ~ "「あなたは古い歌を知っているし、しかも、よく知っている」。あなたの記憶の中に、天の王国の記憶が鮮明に残っているはずだ。
Nothing will ever be as dear to you as is this ancient hymn of love the Son of God sings to his Father still.- dear [díər] : 「親愛な、いとしい、かわいい、敬愛する、大切な」
- hymn [hím] : 「賛美歌、聖歌」
- still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに、今もなお」
❖ "Nothing will ever be ~ "「神の子が、今でもなお、父なる神に歌いかける、この古い愛の聖なる歌が愛らしいのと同じくらい、あなたにとって愛らしいものはないであろう」。天の王国において神と共に過ごした愛の日々ほど、あなたにとって愛らしく懐かしいものはない。
10. And now the blind can see, for that same song they sing in honor of their Creator gives praise to them as well. - blind [bláind] : 「目の不自由な、目の見えない、盲目の」
- same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- in honor of : 「~に敬意を表して、~を祝って」
- creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
- praise [préiz] : 「称賛、褒めること、賛美」
- as well : 「同じに、同様にうまく、おまけに、その上、なお」
❖ "And now the blind ~ "「そして今や、盲目の者は見えるようになる」。"for that same song ~ "「なぜなら、彼らの創造主を讃えて彼らが歌う同様の歌は、彼らにとっての称賛でもあるからだ」。神と神の子の心は結合し、もはや神と神の子は区別の付けようがなくなってしまう。神を讃える歌は、同時に、神の子を讃える歌であり、神の子は神と同様に完璧な存在になる。神と同様のヴィジョンが蘇り、盲目の神の子の目は、叡智に向かって開かれるのだ。まさに、開眼するのである。
The blindness that they made will not withstand the memory of this song. - blindness [bláindnis] : 「失明、盲目、無分別、無知」
- withstand [wiðstǽnd] : 「~に抵抗する、逆らう、耐える、持ちこたえる」
- memory [méməri] : 「記憶、思い出、記憶力」
❖ "The blindness that ~ "意訳する、「彼らは自分で自分を盲目にしてしまったのであるが、この歌の記憶に逆らうことは出来ないだろう」。神の子は、幻想世界を疑似創造することで、実相世界に対して目を閉じてしまった。しかし、天の王国での愛らしい記憶、その歌声を忘れるわけがない。神の子は抗し切れず、記憶を蘇らせて、目を開くのである。
And they will look upon the vision of the Son of God, remembering who he is they sing of. - look upon : 「〜を見る」
- remember [rimémbər] : 「~を覚えている、~を思い出す」
❖ "And they will ~ "「そして、盲目だった彼らは、神の子のヴィジョンを目撃することになるのだ」。目を開いた彼らは、黄金の光を放つアークを目撃することになる。"remembering who ~ "分詞構文、付帯状況、「彼らが歌いかけているのは誰なのか、思い出しながら」。彼らが歌いかけている、つまり、記憶を取り戻している、その相手は、神の子自身であり、神そのものであることを思い出すのだ。
What is a miracle but this remembering? And who is there in whom this memory lies not? ❖ "What is a miracle but ~ "「これを思い出すことが奇跡でなくて、何が奇跡であろうか」。自分が神の子であること、そして神に愛されていたことを思い出すことこそ、奇跡そのものである。"And who is there ~ "「この記憶が存在しない者など、あり得るだろうか」。誰でも、その記憶は、心の奥底に生きているのだ。
The light in one awakens it in all. And when you see it in your brother, you are remembering for everyone.- awaken [əwéikn] : 「目を覚まさせる、目覚める、呼び起こす」
❖ "The light in one ~ "「たった一人の心の中の光は、すべての人の心の光を呼び覚ます」。あなたが記憶を取り戻せば、みんなも思い出すのだ。あなたの心が光を放てば、みんなの心も光を放つ。"And when you see ~ "「そして、あなたが同胞の心の中に光を見る時、」"you are remembering ~ "「あなたは、みんなのために記憶を取り戻しているのである」。ここは、逆に読み解くといい。つまり、あなたがみんなのために、天の王国の記憶を取り戻すことが出来れば、同胞もみんな、天の王国の記憶を思い出し、すべての同胞が、あなたも含めて、その心から光を放つこととなる。神の子としての神聖な光を放射するのだ。まさに、神の子は光の子となるのである。