4. Your liberation still is only partial; still limited and incomplete, yet born within you.
- liberation [lìbəréiʃən] : 「釈放、解放」
- still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに、今もなお」
- partial [pάːrʃəl] : 「部分的な、一部の、一部分の」
❖ "Your liberation still ~ "「あなたの解放は、まだ部分的であるに過ぎない」。"still limited and ~ "「まだ制限され、不完全であるが、」"yet born within ~ "「しかし、(確かに)、あなたの内部で生まれたのだ」。この生まれたばかりの解放を、一人前に育て上げなくてはならない。あなたの、実相的な使命である。もちろん、その使命を果たすも、無視するも、あなたの自由裁量である。神はあなたに、何一つ強制することははい。神は、あなたの意思を、何にもまして、大切にしてくれるのである。
Not wholly mad, you have been willing to look on much of your insanity and recognize its madness. - wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
- mad [mǽd] : 「気が狂って、怒って、頭にきて、発狂して」
- be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
- look on : 「〜を見る」
- insanity [insǽnəti] : 「狂気、精神病、精神異常」
- recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
❖ "Not wholly mad ~ "「完全に狂っているわけではないので、」"you have been willing to ~ "「あなたは前向きに、あなたの狂気をいっぱい見ようとし、その狂気性を認識しようとしている」。勇気をもって、自分の狂気と向かい合えばいい。狂気は正され得るのだ。ホーリー・スピリットが、それに協力してくれるのである。つまり、いつでも、あなたは独りではない。
Your faith is moving inward, past insanity and on to reason. And what your reason tells you now the ego would not hear. - faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、信念、確信」
- move [múːv] : 「移動する、動く、引っ越す、移転する」
- inward [ínwərd] : 「内側に向けて、中心へ」
- past [pǽst] : 「〜のそばを通り過ぎて、〜を過ぎ去って」
- reason [ríːzn] : 「理性、理知、判断力、推察力」
- hear [híər] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる、耳にする」
❖ "Your faith is ~ "「あなたの信じる気持ちは、心の中心に向かって動いていく」。"past insanity and ~ "「狂気を通り越し、正気へと向かうのだ」。"reason"、これは「理性」という意味であるが、肉体的頭脳による理性ではない。"insanity"「狂気」の反対語として「正気」と訳してみた。「理知」と言ってもいいかも知れない。"And what your reason ~ "「あなたの正気さがあなたに語りかけることを、エゴは聞きたくもないと思っている」。あなたの正気さが、エゴの虚偽を暴くからだ。エゴは、あなたの正気を恐れている。
The Holy Spirit's purpose was accepted by the part of your mind the ego knows not of. - purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- part [pάːrt] : 「一部、部分」
- know of : 「〜について知っている」
❖ "The Holy Spirit's purpose ~ "「ホーリー・スピリットの目的は、エゴの知ることのないあなたの心の一部によって、受け入れられたのだ」。罪の意識は幻想であると受け入れて、実相世界に目覚めることが、ホーリー・スピリットの目的。あなたの心の一番純粋で神聖な部分が、その目的を受け入れたのだ。その純粋で神聖な心の部分を、エゴは知るよしもない。なぜなら、幻想の存在であるエゴに、実相の存在は見えないからだ。加えて、エゴは、そんなものは、見えたとしても、見たくないと思っている。何のことはない、怖いのだ。
No more did you. And yet this part, with which you now identify, is not afraid to look upon itself. - no more : 「もはや〜しない、それ以上〜ない」
- identify [aidéntəfài] : 「〜を同一に扱う、同一視する、確認する、識別する」
- afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
- look upon : 「〜を見る」
❖ "No more ~ "「あなたも、知らなかったのだ」。あなたの心の中に、純粋で神聖な部分があることを、あなた自身も知らなかった。忘れていたのだ。恐れが、忘却を誘うのである。"And yet this ~ "「しかし、この(心の)一部分は、」"with which you ~ "「今や、あなたは、その部分が自分自身であると知ったのだが、」"is not afraid ~ "「その心の一部は、自分自身を見つめることを恐れたりしない」。あなたの心の一番純粋で神聖な部分は、真実であり、嘘偽り(うそいつわり)のかけらもないので、自分自身を見つめても怖くないのだ。鬼や蛇(じゃ)が出て来ることは、決してないのである。そして、ホーリー・スピリットの住む、その心の部分こそ、あなたの本当の心であると、あなたは知ったのである。エゴに占領された、他の心の部分は、本当のあなたではなく、虚偽のあなたの心である。
It knows no sin. How, otherwise, could it have been willing to see the Holy Spirit's purpose as its own?- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「さもなければ、そうしないと、そうでなければ」
- own [óun] : 「自分自身の、独自の、自らの、自己の」
❖ "It knows ~ "「それは、罪を知らない」。純粋で神聖な心の部分は、罪の意識を知らない。罪が存在しないからだ。存在していたとしても、それが幻想であるとすぐに見破るのだ。"How, otherwise, could ~ "「さもなければ、どうやって、それは、ホーリー・スピリットの目的を自分自身のものとして見たいと思うであろうか」。真実なる心は真実なる目的に引かれるのである。罪を信じる心はエゴに引かれるだろうが、あなたの神聖な心の部分は、神聖な目的、ホーリー・スピリットの目的を、自分の目的に据(す)えるのである。
5. This part has seen your brother, and recognized him perfectly since time began. - seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
- recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に、申し分なく」
- since [síns] : 「〜以来ずっと、〜以後に、〜のときから」
- began [bigǽn] : 「begin の過去形」
- begin [bigín] : 「始まる、着手する」
❖ "This part has ~ "「この部分は、あなたの同胞をずっと知っていたし、」あなたの心の最も純粋で神聖な部分は、同じ神の子である同胞の心の、やはり一番純粋で神聖な部分を知っていたし、"and recognized him ~ "「時間が始まってからずっと、同胞を完璧に認識してきたのである」。同胞を罪ある者と見ることなく、完全な無辜(むこ)なる存在として受け入れてきた。同胞を罪深い者と考え、犠牲に値し、攻撃に値すると認識してきたのは、エゴに毒された心の部分である。"since time began"「時間が始まってから」とあるが、神の子が神から分離し、幻想世界を心の外部に投射して疑似創造したとき、空間と同時に、時間という枠組みも作り出したのだ。したがって、ここでは、その時以来、という意味である。
And it desired nothing but to join with him and to be free again, as once it was. - desire [dizáiər] : 「〜を望む、希望する、欲する」
- join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる」
- again [əgén] : 「再び、もう一度」
- once [wʌ́ns] : 「あるとき、かつて、以前」
❖ "And it desired nothing ~ "「そして、その心の部分は、かつてそうであったように、同胞と一体になり、再び自由になりたいと思う以外に、何も望むものはない」。神聖な心は、神の世界に回帰して、そこで再び結合したいと望んでいるのだ。神の子は、天の王国でその心を融合させ、結合させ、文字通り自他一如、単一存在となるのである。再統一を果たした神の子の心は、さらに、神の心、ホーリー・スピリットの心と結合、融合し、こうして、三位が一体となる。すべては、究極、神という一点に収斂するのだ。"God is"という純粋一元論の世界が完成するのである。
It has been waiting for the birth of freedom; the acceptance of release to come to you. - wait [wéit] : 「じっとしている、待つ」
- wait for : 「〜を待つ」
- birth [bə́ːrθ] : 「出生、出産、分娩、誕生」
- freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
- acceptance [ækséptəns] : 「受け入れること、承認、容認」
- release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
❖ "It has been waiting ~ "「その心の部分は、自由が生まれ出るのを待ち続けている」。純粋で神聖な心の部分には、ホーリー・スピリットが住んでおり、あなたが、肉体から自由になること、つまりは、幻想から解放されることを、ずっと待ち続けている。"the acceptance of ~ "「つまり、解放をあなたが受け入れてくれるのを待ち続けているのだ」。あなたが解放を受け入れてくれさえしたら、ホーリー・スピリットは勇んであなたを解放してくれるのである。あなたが、解放を意思することを待ち望んでいるのだ。あくまでも、そのスイッチを入れるのは、あなたの意思である。誰かからの強制ではなく、喜びをもって、そのスイッチを、あなた自身が自由意思をもって入れなくては、何も始動しないのである。マスターキーはあなたが握っているのだ。
And now you recognize that it was not the ego that joined the Holy Spirit's purpose, and so there must be something else. - recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
- join [dʒɔ́in] : 「〜に加わる、〜に加入する、〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- something else : 「何か他のもの」
❖ "And now you recognize ~ "「今やあなたは、that以下を認識した」。"that it was not ~ "「ホーリー・スピリットの目的に賛同したのはエゴではなく、したがって、エゴ以外の何かが存在するに違いない」と認識した。エゴという世俗的な存在ではなく、きっと神聖な何かが存在していると、あなたは気付いた。もちろん、それはホーリー・スピリットであり、キリストであり、究極、神である。あなたの心の最も純粋で神聖な部分に、ホーリー・スピリットやキリストは住んでいるのだ。その存在に気付き始めたのである。気付いたなら、もう一歩進んで、それを信じるに限る。
Think not that this is madness. For this your reason tells you, and it follows perfectly from what you have already learned.- madness [mǽdnəs] : 「狂気、熱狂、熱中」
- reason [ríːzn] : 「理性、理知、判断力、推察力」
- follow [fɑ́lou] : 「次に起こる、〜ということになる」
- follow from {句動} : 〜に続いて起こる、〜から得られる」
❖ "Think not that ~ "「こんなことは狂気の沙汰だ、などと思ってはいけない」。"For this your reason ~ "「なぜなら、このことは、あなたの正気があなたに語っていることだからである」。正気は、真実のみをを語る。あなたの正気が語った真実を疑ってはならない。"and it follows perfectly ~ "「そして、それは、あなたがすでに学んだことから、完璧に得られる事だからである」。ACIMであなたが学んできたことと、まったく矛盾することはない。あるいは、昔、天の王国で知った真実とまったく矛盾していない、と捉えてもいいだろう。先にも書いたが"reason"は、「理性」と解釈するべきではなく、「理知、正気」と捉えるべきだ。真実をありのままに見る素直さのことだ。つまり、心の目で捉えることを意味するのだ。頭脳で判断し、価値を算定し、真偽、善悪を決める理性のことではない。これを踏まえて、老婆心ながら言うが、このACIMも『理性』で解釈すべきではなく、心の目、あなたの正気で捉えるべきなのだ。簡単に言えば、ただ素直に聞き耳を立てるだけでいい。あれこれ、理屈をほざくな、ということである。