●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-13.I.1:1 ~ T-13.I.2:5

 
I. Guiltlessness and Invulnerability
無辜(むこ)であることと傷つき得ないこと
 
 
 
1. Earlier, I said that the Holy Spirit shares the goal of all good teachers, whose ultimate aim is to make themselves unnecessary by teaching their pupils all they know.
  1. Earlier [ə́ː(r)liər] : 「前に、以前」
  2. share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  3. goal [góul] : 「目標、目的地、目的」
  4. ultimate [ʌ́ltəmət] : 「最終的な、究極の、根本的な」
  5. aim [éim] : 「的、狙い、目標、目的」
  6. make A B [SVOC] : 「AをBの状態にする」
  7. unnecessary [ʌnnésəsèri] : 「不必要な、無用な、不要な」
  8. pupil [pjúːpl] : 「生徒、教え子、弟子」
❖ "Earlier, I said that ~ "「私は以前、that以下を言ったことがある」。"that the Holy Spirit ~ "「ホーリーは、すべての良き師の目的を分かち合っており、」つまり、良き師と目的を共にして協力し合っているということ。"whose ultimate aim ~ "「良き師の究極の目的は、彼らの弟子に知っているすべてを教えることによって、師自身を不必要なものにすることである」と言ったことがある。



The Holy Spirit wants only this, for sharing the Father's Love for his Son, he seeks to remove all guilt from his mind that he may remember his Father in peace.
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める」
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "The Holy Spirit wants ~ "「ホーリー・スピリットはこのことだけを望んでいる」。このこととは、良き師と協力し合って、弟子が師を不必要とするまで知っていることを教えること。"for sharing the Father's ~ "分詞構文、付帯状況、「なぜなら、神の子に対する神の愛を分かち合いながら、」"he seeks to remove ~ "「ホーリー・スピリットは、神の子の心から罪悪感を取り除くことを探し求め、その結果、神の子が平和の内に父なる神を思い出すことが出来ることを(願っている)からである」。つまり、ホーリー・スピリットは、あなたが贖罪を果たせるようにあなたを導くのである。そして、神の王国へとあなたを誘(いざな)う。



Peace and guilt are antithetical, and the Father can be remembered only in peace. Love and guilt cannot coexist, and to accept one is to deny the other.
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • antithetical [æ̀ntəθétik] : 「対照をなす、正反対の」
  • coexist [koʊiɡzíst] : 「共存する」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
❖ "Peace and guilt are ~ "「心の平和と罪の意識は対称をなし、」"and the Father can be ~ "「父なる神は心の平和の内にのみ思い出され得る」。"Love and guilt ~ "「愛と罪悪感は共存できないのだ」。"and to accept one ~ "「そして、一方を認めることは、他方を否定することである」。心の平和と罪悪感、あるいは愛と罪悪感は、この幻想世界でも共存できない。ましてや、神の実相世界では、罪悪感それ自体が存在できない。なぜなら、実相世界は一元論の世界であり、愛は存在するが、その対極概念である罪悪感は存在できないからだ。



Guilt hides Christ from your sight, for it is the denial of the blamelessness of God's Son.
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • sight [sáit] : 「視界、視野、視覚、視力」
  • denial [dinái(ə)l] : 「否定、拒否、拒絶、否認」
  • blamelessness [bléimlisnis] : 「無辜(むこ)、罪のないこと、潔白」
❖ "Guilt hides Christ ~ "「罪悪感は、あなたの視野からキリストを隠す」。"for it is the denial of ~ "「なぜなら、罪悪感は神の子が無辜(むこ)であることの否定だからだ」。ここ言うところのキリストは、あなたの心の最も神聖な部分、最も正しい部分と考えていいだろう。したがって、神に最も近い部分であり、それを象徴化、人格化したものがキリストである、ととらえておく。したがって、罪悪感が、あなたの心に住むキリストの姿を曖昧なものとして、あなたの視野からキリストを追放するのである。そうして、あなたは、自分を"littleness"「卑小なる者」と見なしてしまうのだ。



2. In the strange world that you have made the Son of God has sinned.
  • strange [stréin(d)ʒ] : 「奇妙な、変わった、変な、見知らぬ」
  • sin [sín] : 「罪を犯す」
❖ "In the strange world ~ "「あなたが作ったこの奇っ怪な世界で、神の子は罪を犯した」。つまり、あなたの心が投射によって作った幻想世界において、神の子は罪を犯したのであり、それは夢の中の出来事である。本当は何も起きていない。罪を犯したことも、実際は起きてはいないのである。



How could you see him, then? By making him invisible, the world of retribution rose in the black cloud of guilt that you accepted, and you hold it dear.
  • invisible [invízəbl] : 「目に見えない、不可視の、目につかない、隠れた」
  • retribution [rètrəbjúː∫n] : 「懲罰、報い、天罰、仕返し、処分、報復」
  • rose [róuz] : 「rise の過去形」
  • rise [ráiz] : 「上がる、起立する、出てくる」
  • cloud [kláud] : 「雲」
  • hold [hóuld] : 「心に抱く、抱き締める、〜を手に持つ」
  • dear [díə(r)] : 「親愛な、いとしい、かわいい、大切な 」
  • hold dear : 「大切にする」
❖ "How could you ~ "「それでは、あなたはどうやってキリストを見れようか」。"him"は「神の子」ととらえてもいいだろう。ただ、前々文で"Guilt hides Christ from your sight"とあるから、ここでは「キリスト」と解して訳してみた。"By making him ~ "「キリストを見えなくすることで、」"the world of retribution ~ "「あなたが受け入れて大切にする罪の意識という黒雲の中に、報復の世界が立ち上がってきた」。この幻想の世界は、あなたの罪の意識が投射されて作られたものである。また、あなたは神の報復、罰を恐れているので、それさえも幻想の世界に投射する。かくして、報復の世界が立ち上がってくる。



For the blamelessness of Christ is the proof that the ego never was, and can never be. Without guilt the ego has no life, and God's Son is without guilt.
  • blamelessness [bléimlisnis] : 「無辜(むこ)、罪のないこと、潔白」
  • proof [prúːf] : 「証拠、立証、証明、証し」
❖ "For the blamelessness of ~ "「なぜなら、キリストが無辜(むこ)であることは、エゴが決して存在してこなかったし、今も決して存在し得ない証拠であるからだ」。報復の世界という幻想世界が黒雲の中に立ち上がってきたのだが、それは実在できない幻想である。なぜなら、完全に無辜(むこ)であるキリストがあなたの心に存在するなら、実相の世界ではその対立概念であるエゴは存在し得ないからだ。したがって、エゴも単なる幻想であって、実在するものではない。"Without guilt ~ "「罪の意識なしでは、エゴは生きていけない」。"and God's Son is ~ "「そして、神の子には罪はないのである」。神の子には罪はなく、したがってキリストと同体である。ならば、エゴがそこに介入できる余地などないはずである。しかし、残念ながら、あなたはエゴの思考システムに支配されている。エゴの奴隷になっている。なぜか? 答えは一つ、あなたは偽りの夢を見ているからだ。夢の中で、あなたはエゴの支配に苦しんでいるわけである。では、どうすればいいか? 悪夢から目覚めればいいだけの話である。実に簡単なことだ。奇跡の難しさにオーダーはないというACIMの教えを思い出そう。その簡単であるはずの奇跡を望んで、古来より多くの魂が道に迷った。しかし、今、幸いなことにACIMがある。ホーリー・スピリットの導きを信じて、選択した道を飽かず歩むことが肝要なのではないだろうか。
 
 
 

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