●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-13.II.8:1 ~ T-13.II.9:7

8. The Atonement has always been interpreted as the release from guilt, and this is correct if it is understood.

  • Atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
  • interpret [intə́ː(r)prət] : 「解釈する、解明する、説明する」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • correct [kərékt] : 「正しい、正確な、誤りのない」
  • understood [ʌ̀ndə(r)stúd] : 「understand の過去・過去分詞形」
❖ "The Atonement has ~ "「贖罪は常に、罪からの解放であると解釈されてきた」。"and this is correct ~ "「そして、もし贖罪が(きちんと)理解されたなら、このことは正しい」。ACIMの贖罪は無辜(むこ)の宣言である。罪を犯したのは夢の中であって、現実の実相では一点の曇りなく潔白であると、叡智をもって知ることである。したがって、贖罪は紛れもなく罪、あるいは罪の意識からの解放なのである。



Yet even when I interpret it for you, you may reject it and do not accept it for yourself.
  • reject [ridʒékt] : 「拒絶する、拒否する、拒む、断る、受け入れない、認めない」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "Yet even when I ~ "「しかし、私があなたのために贖罪を解釈してあげた時でさえ、」"you may reject it ~ "「あなたはそれを拒絶するかも知れないし、あなた自身のためにそれを受け入れないのだ」。イエスが、あなたは無辜であると言っても、あなたは信じることが出来ないであろうし、罪ある自分を夢見ているだけだと教えても、あなたは自分は目覚めていて夢など見ていないと言うだろう。したがって、贖罪を拒絶し、その受け入れを拒む。"for yourself"「あなた自身のために」とあるが、「あなた自身の心の中のエゴのために」と解釈すると通りがいい。



You have perhaps recognized the futility of the ego and its offerings, but though you do not want them, you may not yet look upon the alternative with gladness.
  • perhaps [pə(r)hǽps] : 「たぶん、もしかすると」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる、〜を認識する、〜を認証する」
  • futility [fjuːtíləti] : 「無益、無用、くだらないもの」
  • offering [ɔ́ːfəriŋ] : 「ささげ物、贈り物、提供した物」
  • alternative [ɔːltə́ː(r)nətiv] : 「代わりとなるもの、代替物、取って替わるもの」
  • with gladness : 「喜んで」
❖ "You have perhaps ~ "「あなたは多分、エゴとエゴのささげ物の無益さを認識したであろう」。エゴのささげ物とはエゴがもたらすもの、つまり恐怖と攻撃性。それが不毛なことだと気付き始めている。"but though you do not ~ "「しかし、あなたがそれらを望んでいないにもかかわらず、」"you may not yet ~ "「あなたは喜んで、それに代わるものにまだ目を向けてはいないかも知れない」。ホーリー・スピリットとホーリー・スピリットのささげ物に目を向けてもいい時期なのである。



In the extreme, you are afraid of redemption and you believe it will kill you.
  • extreme [ikstríːm] : 「極端、極度」
  • in the extreme : 「極端に、極度に、極めて、この上なく」
  • be afraid [əfréid] of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • redemption [ridém(p)∫n] : 「贖い、贖罪、救済、解放、救出」
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
❖ "In the extreme, you ~ "「極端な場合、あなたは償いを恐れ、それがあなたを殺してしまうと信じている」。エゴの思考システムによると、あなたは罪深く、磔刑をもって処するに値することになっている。エゴを信じるあなたは、あなたが罪を贖うには死ななくてはならないと思っているのだ。あなたは贖罪に対して恐怖を抱く。



Make no mistake about the depth of this fear. For you believe that, in the presence of truth, you might turn on yourself and destroy yourself.
  • mistake [mistéik] : 「誤り、ミス、過ち、手違い、誤解」
  • depth [dépθ] : 「深さ、深み、深度、深部、奥行き、奥底」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在」
  • in the presence of : 「〜の面前で、〜の存在下で」
  • turn on : 「〜に反抗する、〜に敵意を示す、〜を攻撃する」
  • destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、ぶち壊す、崩壊させる、〜を滅ぼす」
❖ "Make no mistake ~ "「この恐れの深さをあなどってはいけない」。"For you believe ~ "「なぜなら、真実を目の前にしてさえ、あなたは、あなたが自分自身に攻撃の矛先を向け、あなた自身を破壊してしまいかねないと信じているからだ」。それほどに、あなたの恐れは深い。つまり、エゴは、あなたには神を裏切った罪があるから、神に報復されるに違いないとあなたを信じ込ませている。あなたは、神の報復が恐ろしくてたまらないのだ。恐ろしさのあまり、神の報復を受けるくらいなら、自分で自分を攻撃して滅ぼした方がましだと信じるようになってしまった。ところで、"in the presence of truth"「真実を目の前にしてさえ」とは、本当はあなたに罪などなく、神も決して報復などしない、という真実。そのように言われても、あなたの恐怖は消えないわけだ。



9. Little child, this is not so. Your "guilty secret" is nothing, and if you will but bring it to the light, the light will dispel it.
  • Little [lítl] : 「幼い、小さい」
  • guilty [gílti] : 「有罪の、罪を犯した、罪の意識がある」
  • secret [síːkrət] : 「秘密、機密、内緒事」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って行く、〜を連れて行く」
  • dispel [dispél] : 「〜を追い払う、払いのける、払拭する」
❖ "Little child, this ~ "「幼き子よ、そんなことはないのだ」。"Your "guilty secret" is ~ "「あなたの『罪の秘密』は無である」。心の奥底に秘密にしている罪は幻想に過ぎない。罪を犯した夢を見ているに過ぎない。"and if you will ~ "「そして、もしあなたが、その罪の秘密を光へと持っていったなら、」"the light will ~ "「光はそれを払拭してしまうだろう」。目が覚めれば、夢を見ていたことに気付き、秘密にしていた罪は存在しないと知るだろう。



And then no dark cloud will remain between you and the remembrance of your Father, for you will remember his guiltless Son, who did not die because he is immortal.
  • dark [dɑ́ː(r)k] : 「暗い、闇の、暗黒の」
  • cloud [kláud] : 「雲」
  • remain [riméin] : 「とどまる、滞在する、残る、残存する」
  • between [bitwíːn] : 「〜の間に」
  • between A and B : 「AとBの間に」
  • remembrance [rimémbr(ə)ns] : 「記憶、思い出、回想」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • guiltless [ɡíltlis] : 「罪のない、潔白な、経験のない」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
  • immortal [imɔ́ː(r)tl] : 「死なない、不死身の、不死の」
❖ "And then no dark cloud ~ "「そして、どんな暗い雲も、あなたとあなたの父なる神の思い出の間にとどまることはないだろう」。つまり、あなたは父なる神を思い出すだろう、ということ。"for you will remember ~ "「なぜなら、あなたは無辜なる神の子を思い出すであろうし、」"who did not die ~ "関係代名詞、主格、非限定用法、「その無辜なる神の子は、不死であるがゆえに死ぬことはないのだ」。父なる神を思い出すと同時に、あなたは自分が無辜なる神の子であることも思い出す。神の子は実相に目覚め、実相に回帰するので、永遠不変の命、すなわち不死なる自分を知ることになる。



And you will see that you were redeemed with him, and have never been separated from him. In this understanding lies your remembering, for it is the recognition of love without fear.
  • redeem [ridíːm] : 「〜の罪を贖う、〜を罪から救う、〜を救い出す」
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す」
  • lie [lái] : 「ある、横たわる」
  • remembering : 「想起、思い出すこと」
  • recognition [rèkəgní∫n] : 「認識、認証、真価を認めること」
❖ "And you will see that ~ "「そして、あなたは、あなたが神の子とともに救われたのだと分かるであろう」。おや、あなたと神の子の二人がいるのか、と思われるであろうが、ACIMの世界は自他一如、多即一、一即多の世界であるから、あなたと神の子を分離して表現しても、あなたと神の子を一人として表現してもどちらでもいいのである。また、未来形と過去形が混在していて時制がおかしと思ったかも知れないが、実相世界は非時間、無時間の世界であるので、ACIMでは過去と未来が混在して表現されることが多々ある。これもまた、あまり気にしないこと。"and have never been ~ "「そして、あなたは神の子と分離していなかったと分かるであろう」。ほら、あなたと神の子が同体であった、めでたし、めでたし。"In this understanding ~ "「こういったことの理解の中に、あなたが(神や実相を)思い出すことが横たわっている」。"for it is the recognition ~ "「なぜなら、それは、恐れを伴わない愛の認識であるからだ」。恐れを伴わない愛とは、対極概念のない愛のことで、実相世界の真の愛である。ついに、あなたは実相の愛を認識するに至ったのだ、ということ。つまり、あなたは自分が神の子であることと真の愛を持っていることに目覚め、それゆえ、救われるのである。幻想世界から実相世界への移行である。仏教用語で言うなら、波羅蜜多(はらみった)『彼岸へ至った』、ということ。



There will be great joy in Heaven on your homecoming, and the joy will be yours.
  • great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な、すてきな、素晴らしい」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜、喜びの種」
  • Heaven [hévn] : 「天国、神、天」
  • homecoming : 「帰宅、帰郷、帰国」
❖ "There will be great joy ~ "「あなたが帰郷したことに際して、天の王国では大きな喜びが湧き上がるであろう」。"and the joy will ~ "「そして、その喜びはあなたのものでもあるのだ」。聖書の『放蕩息子の話』を思い出してほしい。帰郷した息子をその父は大歓迎し、宴会を開くのである。



For the redeemed son of man is the guiltless Son of God, and to recognize him is your redemption.
  • redeem [ridíːm] : 「〜を罪から救う、〜の罪を贖う、~を救い出す」
  • guiltless [ɡíltlis] : 「罪のない、無辜(むこ)の、潔白な」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる、~を認識する、~を認証する」
  • redemption [ridém(p)∫n] : 「贖い、贖罪、救済、解放」
❖ "For the redeemed son ~ "「なぜなら、罪を贖った人の子は、罪なき神の子であるからだ」。"and to recognize him ~ "「そして、神の子を受け入れることは、あなたの救いでもあるのだ」。自分には罪はないと叡智をもって知った時、人の子は自分が神の子であることに気がつく。そして、罪なき神の子をあなたが受け入れる時、あなたはその神の子と一体であるから(自他一如)、あなたの贖罪も果たされるのである。つまり、あなた自身も罪なき無辜(むこ)であることを認識するわけだ。
 
 
 

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