●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-13.I.3:1 ~ T-13.I.4:6

3. As you look upon yourself and judge what you do honestly, you may be tempted to wonder how you can be guiltless.

  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を審判する、〜を裁く」
  • honestly [άnistli] : 「正直に、誠実に、本当に、正当に」
  • tempt [tém(p)t] : 「〜を唆す、〜を誘惑する、〜する気にさせる 」
  • be tempted to : 「する気にさせられる、〜したくなる」
  • wonder [wʌ́ndə(r)] : 「疑問に思う、不思議に思う、怪しむ」
  • guiltless [ɡíltlis] : 「罪のない、潔白な」
❖ "As you look upon ~ "「あなたが、あなた自身を見て、何をしているか正直に判断すると、」"you may be tempted to ~ "「あなたは、どうして罪がないなどと言えるかといぶかしく思いたい気になるかも知れない」。確かに、日々の生活の中で、我々は多くの罪作りなことを繰り返している。我々は本当に無辜(むこ)なのであろうか? 我々の心の中に、純真無垢なキリストがいるなんて、どうしても信じられない。



Yet consider this: You are not guiltless in time, but in eternity. You have "sinned" in the past, but there is no past. Always has no direction.
  • consider [kənsídə(r)] : 「〜と考える、〜と認める」
  • eternity [itə́ː(r)nəti] : 「永遠、無限」
  • sin [sín] : 「罪を犯す」
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
  • in the past : 「昔は、従来、これまで」
  • Always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、日夜、常に」
  • direction [dərék∫n] : 「方角、方向、道順、方位」
❖ "Yet consider ~ "「しかし、こう考えなさい」。"You are not guiltless ~ "「あなたは、時間のなかでは罪がないとは言えないが、永遠の中では罪はない」。"You have "sinned" in ~ "「あなたは過去に『罪』を犯したが、」「過去は存在しない」。"Always has ~ "「常とは方向がないのである」。時間の存在する幻想世界では、あなたは過去に罪を犯したかも知れない。しかし、それは幻想である。夢の中で罪を犯したに過ぎない。しかし、それは実在ではない。実相の世界には時間が存在していないので、過去というものがそもそもないのだ。したがって、過去の罪というものもない。永遠であり、常なるものは、時間的方向性も、空間的方向性もないのである。



Time seems to go in one direction, but when you reach its end it will roll up like a long carpet spread along the past behind you, and will disappear.
  • in one direction : 「一方向に、同一方向に」
  • reach [ríːt∫] : 「〜に達する、〜に至る」
  • roll [róul] up : 「巻き上げる、巻き上がる、巻き取る」
  • carpet [kɑ́ː(r)pit] : 「じゅうたん、カーペット、敷物」
  • spread [spréd] : 「広げる、過去・過分=spread」
  • behind [biháind] : 「〜の背後に、〜の後に、〜に遅れて」
  • disappear [dìsəpíə(r)] : 「見えなくなる、姿を消す、存在しなくなる、消滅する」
❖ "Time seems to go ~ "「時間は一方向に進むように見える」。"but when you reach ~ "「しかし、時間が終わりに達したとき、」"it will roll up like ~ "「時間は、まるで過去に沿って広げられた長いカーペットの様に、あなたの後ろで巻き取らられ、消えうせるであろう」。あなたが実相に目覚め、非時間の世界に入って行ったとき、時間は終わりを迎え、過去がくるくると巻き取られて消滅する。



As long as you believe the Son of God is guilty you will walk along this carpet, believing that it leads to death.
  • As long as : 「〜する限りは、〜である限りは、〜する以上は」
  • guilty [gílti] : 「有罪の、犯罪的な、罪を犯した」
  • walk along : 「前へ歩く」
  • lead [líːd] : 「導く、案内する、〜に通じている」
  • lead to : 「〜に通じる、〜につながる」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡」
❖ "As long as you ~ "「あなたが、神の子には罪があると信じている限り、」"you will walk along ~ "「あなたはこのカーペットの上を歩いていくだろう」。"believing that ~ "分詞構文、付帯状況、「そのカーペットが死へとつながっていると信じながら」。神の子に罪があると信じている以上、あなたは実相に目覚めていない。幻想の世界で生きているので、死は必然である。



And the journey will seem long and cruel and senseless, for so it is.
  • journey [dʒə́ː(r)ni] : 「旅、行路、道のり、道程」
  • cruel [krúːəl] : 「残酷な、むごい、残虐な、無慈悲な」
  • senseless [sénslis] : 「常識がない、愚かな、無意味な、野暮な」
❖ "And the journey will ~ "「(長いカーペットの上を歩いていく)旅は、長く、残酷で、愚かに見えるであろう」。"for so it ~ "「なぜなら、まさにそうだからだ」。幻想の世界で生きていくことは、長く、残酷で、愚かに見える。一見、悲観論に見えるが、ここはむしろ、仏教的な無常観、あるいは東洋的諦観と見ていいだろう。幻想の世界は常が無く、すべては崩壊(死)という一方向に向かって変化流転する。しかし、くどいようだがもう一度言おう。ACIMは、だからと言ってこの人生をいい加減に生きよ、と言っているのではない。逆に、覚醒への絶好のチャンスと見て学びの人生を生きよ、と教えているのである。そこをきちんと押さえておかないと、安っぽい虚無主義的な自殺肯定論に陥ってしまう。



4. The journey the Son of God has set himself is useless indeed, but the journey on which his Father sets him is one of release and joy.
  • useless [júːsləs] : 「役に立たない、無用な、無駄な、無益な」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
❖ "The journey the Son of God ~ "「神の子が自分自身にセッティングした旅は、まったく役に立たない」。なぜなら、それは確実に死に向かう旅だから。"but the journey on which ~ "「しかし、父なる神が神の子をセットした旅は、解放と喜びの旅である」。なぜなら、それは幻想世界からの解放であり、命、あるいは生に向かう旅だから。



The Father is not cruel, and his Son cannot hurt himself.
  • cruel [krúːəl] : 「残酷な、むごい、残虐な、無慈悲な、非情な」
  • hurt [hə́ː(r)t] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える、〜に損害を与える」
❖ "The Father is not ~ "「父なる神は残酷ではないし、神の子は自分自身を傷つけることは出来ない」。実相の世界は一元論の世界であり、対極概念の存在しない世界である。慈しむ心は存在するが、その対極の残酷な心は存在できない。命を育むことはあっても、命を傷つけることは不可能なのだ。



The retaliation that he fears and that he sees will never touch him, for although he believes in it the Holy Spirit knows it is not true.
  • retaliation [ritæ̀liéi∫n] : 「仕返し、報復、返報」
  • fear [fíə(r)] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • touch [tʌ́t∫] : 「に触れる、作用する、衝撃を与える」
  • although [ɔː(l)ðóu] : 「〜だけれども、〜ではあるが、〜とはいえ」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "The retaliation that ~ "「神の子が恐れも感じ、見もした(神の)報復は、決して神の子に触れることはないであろう」。報復が神の子を傷つけるようなことはない。なぜなら、神が報復することはあり得ないからだ。実相の世界に報復という概念は存在し得ないのだ。"for although he believes ~ "「なぜなら、たとえ神の子が報復があると信じてるとしても、」"the Holy Spirit knows ~ "「ホーリー・スピリットは、それが真実ではないと知っているからだ」。もう一度繰り返そう。報復は真実ではないから、実相の世界に報復は存在しない。したがって、神が報復することなど、原理的にない。神の子が神の報復を恐れているのは、したがって夢の世界での話であって、夢なのだから、神の子を傷つけるようなことは起きないのである。ホーリー・スピリットはそのことを知っているので、あなたに優しく教えてくれるだろう。



The Holy Spirit stands at the end of time, where you must be because he is with you.
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • at the end of : 「〜の端に、〜の終わりに」
❖ "The Holy Spirit stands ~ "「ホーリー・スピリットは時間の終わりに立っている」。"where you must be ~ "「そしてそこに、あなたがいるのだ」。"because he is ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットはあなたと共にいるからである」。幻想の時間が終焉する所にホーリー・スピリットは立っている。つまり、あなたが実相に目覚め、錯覚の時間を捨てる瞬間を待っているのだ。しかし、実はあなたもその地点にホーリー・スピリットと共に存在している。ただ、あなたはそこで深い眠りに陥っているのである。



He has already undone everything unworthy of the Son of God, for such was his mission, given him by God. And what God gives has always been.
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
  • unworthy [ʌnwə́ː(r)ði] : 「〜に値しない、値打ちのない、〜にふさわしくない」
  • unworthy of :「足りない、〜に値しない」
  • mission [mí∫n] : 「使命、任務、特別任務、特命」
❖ "He has already ~ "「ホーリー・スピリットは、神の子に値しないものすべてをすでに取り消してしまった」。"for such was ~ "「なぜなら、それがホーリー・スピリットの使命であり、神から与えられたものだからである」。"And what God ~ "「そして、神が与えたものは常に存在する」。神が与えた使命は消えることなく永遠に存在し、ホーリー・スピリットがその使命に答えないということもない。リニアな時間の存在する幻想世界では、あなたを実相の世界に目覚めさせるというホーリー・スピリットの使命はまだ果たされていないが、非時間、無時間のホログラフ的な実相世界ではすべてが一瞬に起き、一瞬が永遠に続くので、ホーリー・スピリットの使命はすでに果たされている。したがって、あなたにとって無価値なこの幻想世界のすべてはホーリー・スピリットによって取り消されているのだ。ただ、あなたはまだ眠っている。眠っているので、実相の世界で何が起き、何が完了しているか知る由もないのである。
 
 
 

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