●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-19.I.15:1 ~ T-19.I.16:5

15. As faithlessness will keep your little kingdoms barren and separate, so will faith help the Holy Spirit prepare the ground for the most holy garden that he would make of it.

  • faithlessness [féiθlisnis] : 「不実さ、不誠実さ、信仰心のなさ」
  • keep [SVOC] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
  • kingdom [kíŋdəm] : 「王国、王領」
  • barren [bǽr(ə)n] : 「不毛の、作物ができない、むなしい」
  • separate [sép(ə)rət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、自信、信念、確信」
  • prepare [pripéə(r)] : 「〜を準備する、用意する、支度する」
  • ground [gráund] : 「土地、用地、敷地、下地、地盤、根拠、原因」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • garden [gɑ́ː(r)dn] : 「庭、庭園、果樹園」
❖ "As faithlessness will ~ "「信じる気持ちの欠如が、あなたの小さな王国を不毛にし、分離したものとするのに対して、」心という実在を信じることが出来ずに、幻想の肉体を分離の象徴として崇め、それによって心が荒廃(不毛化)していくのである。"so will faith help ~ "「信じる気持ちは、ホーリー・スピリットが、不毛の土地から最も神聖な庭園にするための土地の準備をするのを手助けするのである」。荒廃した心ではあるが、信じる気持ちが湧いて来さえすれば、ホーリー・スピリットはその荒廃した心を神聖な庭園に変える準備を始めるのである。歪んだ心の修正であり、心のヒーリングをしてくれるのだ。躊躇する必要はどこにもない。



For faith brings peace, and so it calls on truth to enter and make lovely what has already been prepared for loveliness.
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • call on : 「求める、要求する、所望する、頼む」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • lovely [lʌ́vli] : 「素晴らしい、すてきな、楽しい、愛らしい、かわいらしい」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、もう」
  • prepare [pripéə(r)] : 「〜を準備する、用意する、支度する」
  • loveliness [lʌ́vlinis] : 「愛らしさ、素晴らしさ」
❖ "For faith brings ~ "「信じる気持ちが平和をもたらしてくれるので、」"and so it calls on ~ "「信じる気持ちは、真実が心の中に入ってきて、すでに愛らしさの準備が出来ているものを愛らしくしてくれるように求めるのである」。荒廃し、不毛になってしまった心ではあるが、愛らしく豊かな心となりたいという願いは整っている。その準備の整った心の中に真実が忍び込んで、心を愛らしく豊かにしてくれるように、信じる気持ちは求めるのである。手助けをしてくれるのは、もちろん、ホーリー・スピリットである。したがって、本文の"truth"を"the Holy Spirit"に置き換えてもいい。意味は完全に通じる。



Truth follows faith and peace, completing the process of making lovely that they begin.
  • follow [fɑ́lou] : 「〜の後について行く、〜に従う、追う」
  • complete [kəmplíːt] : 「〜を完了する、仕上げる、完成する、達成する」
  • process [prɑ́ːses] : 「過程、経過、推移、プロセス」
  • begin [bigín] : 「〜を始める、着手する」
❖ "Truth follows faith ~ "「真実は、信じる気持ちと平和な気持ちの後に続いて心の中に入ってきて、」"completing the process ~ "「その両者が着手した、愛らしくするためのプロセスを完成させるのである」。荒廃した心を愛らしく豊かにするために、信じる気持ちが心を平和にするのだが、最後の仕上げに、真実(ホーリー・スピリット)がその後を引き継いで、そのプロセスを完成させてくれる。決して、あなた一人の仕事ではないのだ。



For faith is still a learning goal, no longer needed when the lesson has been learned. Yet truth will stay forever.
  • still [stíl] : 「常に、いつでも、今でもまだ、いまだに」
  • learning [lə́ː(r)niŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • no longer : 「もはや〜でない」
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • stay [stéi] : 「とどまる、居座る」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "For faith is still ~ "「なぜなら、信じる気持ちは、あくまでも学びの目的であって、」"no longer needed ~ "「レッスンが学ばれてしまったとき、信じる気持ちはもはや必要ではなくなるのからだ」。"Yet truth will ~ "「しかし、真実は永遠にとどまることになる」。幻想世界から実相世界に目覚めるためには、信じる気持ちは必要なのだが、一旦、目覚めのためのレッスンを学び終え、実相に目覚めたなら、もはや信じる気持ちは必要でなくなる。なぜなら、実相世界は真実のみの世界であるから、信じるという行為は存在しないのだ。叡智によってすべてが明らかにされる世界に、信じることなど不必要ではないか。



16. Let, then, your dedication be to the eternal, and learn how not to interfere with it and make it slave to time.
  • dedication [dèdikéiʃən] : 「献身、専念、熱心さ、専心」
  • eternal[itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • interfere [ìntə(r)fíə(r)] : 「邪魔をする、妨げる、遅らせる」
  • interfere with : 「〜を妨げる、〜を邪魔する、〜に干渉する」
  • slave [sléiv] : 「奴隷の」
  • slave to : 「〜の奴隷で」
❖ "Let, then, your ~ "「そこで、永遠なるものに専心しなさい」。永遠である、実相的真実だけに心を向けなさい。"and learn how not ~ "「そして、どうしたら永遠なるものを邪魔せずにすむか、どうしたら永遠なるものを時間の奴隷にしないですむか、学びなさい」。つまり、幻想に逆戻りしないようにするにはどうしたらいいか、しっかり学びなさい、ということ。



For what you think you do to the eternal you do to you. Whom God created as his Son is slave to nothing, being lord of all, along with his Creator.
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、創り出す」
  • lord [lɔ́ː(r)d] : 「藩主、領主、主人、支配者」
  • along with : 「〜と一緒に、〜とともに、〜に加えて、〜と同様に」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "For what you think ~ "「なぜなら、あなたが、永遠なるものに対してしたいと思うことを、あなたは自分に対してもするのだから」。"Whom God created ~ "「神が神の子として創造したものは、誰の奴隷でもないのだ」。"being lord of ~ "分詞構文、理由、「神が創造した神の子は、創造主である神がそうであるように、すべての主人であるからだ」。頂点に立つものという意味合いだが、存在に格付けしているわけではない。神の子は神同様に神聖なものだ、という意味合いである。誰の支配も受けないのだ。天の王国の王者なのである。しかし、決して支配者ではない。



You can enslave a body, but an idea is free, incapable of being kept in prison or limited in any way except by the mind that thought it.
  • enslave [ensléiv] : 「〜をとりこにする、奴隷にする」
  • incapable [inkéipəbl] : 「能力がない、できない」
  • incapable of : 「〜ができない、〜をする能力がない」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • prison [prízn] : 「刑務所、拘置所、監獄、監禁、禁固、幽閉」
  • in prison : 「獄中に、刑務所に入って、入所中で、牢に入って」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
  • in any way : 「何らか、多少なりとも、決して、形はどうあれ」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に、〜を除いては、〜を別にすれば」
❖ "You can enslave ~ "「あなたは、肉体は奴隷化出来るが、」"but an idea ~ "「しかし、思考は自由であり、どんな方法でも、幽閉したり制限を掛けたり出来ないのだ」。"except by the mind ~ "「ただし、思考を司(つかさど)っている心は、それが出来るのだが」。思考は実相世界の実在だから、本来、何かの中に幽閉することも、何らかの制限を課すことも出来ないのだが、しかし、幻想世界にあっては、思考は制限され狭い常識に幽閉されている。なぜか? あなたの心がそうしているのである。あなたの心が肉体の中に幽閉され、あなたの思考に制限を課しているである。これは、明らかに不自然なことである。心が歪んでいる、心が病んでいるとは、そういうことなのだ。



For it remains joined to its source, which is its jailer or its liberator, according to which it chooses as its purpose for itself.
  • remain [riméin] [SVC] : 「依然として〜のままである」
  • join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する」
  • source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、原因」
  • jailer [dʒéilə(r)] : 「看守」
  • liberator [líbərèitər] : 「解放者、釈放者」
  • according [əkɔ́ː(r)diŋ] : 「〜によれば、一致した、従った」
  • according to : 「〜によれば、〜の言うところによれば、〜に従って」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "For it remains joined ~ "「なぜなら、思考は、その源に強く結びついたままなのだから」。"which is its jailer ~ "「その源は、監獄の看守でもあり得るし、幽閉から解放してくれる者でもあり得る」。"according to which ~ "「それは、心が、自らのために、その目的としてどちらを選択するかにかかっている」。心が制限と幽閉を目的に看守(エゴ)を選択すれば、あなたの思考は制限され幽閉される。心が自由と解放を目的に、それを実現してくれる者(ホーリー・スピリット)を選べば、思考は解放され自由になる。あなたの選択にかかっているのだ。さて、あなたは、看守(エゴ)を選ぶか、それとも、解放者(ホーリー・スピリット)を選ぶか。
 
 
 

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