●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-19.IV.C.11:1 ~ T-19.IV.D.1:6

11. When anything seems to you to be a source of fear, when any situation strikes you with terror and makes your body tremble and the cold sweat of fear comes over it, remember it is always for one reason; the ego has perceived it as a symbol of fear, a sign of sin and death.

  • source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、原因」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • situation [sìt∫uéi∫n] : 「状況、場所、状態、立場、事情、情勢」
  • strike [stráik] : 「襲う、突く、打つ」
  • terror [térə(r)] : 「恐怖」
  • tremble [trémbl] : 「震える、身震いする、おののく」
  • cold sweat [swét] : 「冷汗」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
  • reason [ríːzn] : 「理由、動機、原因、根拠」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • symbol [símbl] : 「象徴、記号、シンボル、表象、符号」
  • sign [sáin] : 「表れ、兆し、兆候、印、記号、符号、標示、標識」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
❖ "When anything seems ~ "「何かが、あなたにとって恐れの源だと思えたとき、」"when any situation strikes ~ "「何かの状況が、恐れを伴ってあなたに襲いかかり、体が震え、冷や汗が体中に湧き出てきたとき、」"remember it is always ~ "「それは、常に一つの理由によるものだと覚えておきなさい」。それは、"the ego has perceived ~ "「エゴは、肉体を恐れの象徴、罪と死の表れとして知覚しているのだ」。変化流動する幻想世界にあっては、肉体は崩壊の運命を辿らざるを得ず、また、肉体を通して他者を攻撃することも出来、また、他者から攻撃される可能性もある。そこに恐れが生じてくるのだ。あなたがエゴの思考システムを信じる余り、そういった肉体が罪と死の象徴、恐れの象徴であるに違いないと受け入れてしまったのだ。したがって、本文は、あなたが恐れを感じるようであれば、それはエゴの考えに従っているからであって、肉体が幻想であることを思い出せば、恐れは消えてしまうだろう、といった意味合いになる。



Remember, then, that neither sign nor symbol should be confused with source, for they must stand for something other than themselves.
  • neither [níːðə(r)] A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」
  • confuse [kənfjúːz] : 「混同する、混乱させる、困惑させる」
  • stand for : 「〜を表す」
  • other than : 「〜以外の」
❖ "Remember, then, that ~ "「そこで、that以下を覚えておきなさい」。"that neither sign ~ "「表れも象徴も、その源と混同してはならないのだ」と覚えておきなさい。"for they must stand for ~ "「なぜなら、表れも象徴も、それら自体とは異なった何かの代わりに現れているに違いないのだから」。たとえば、肉体が病に犯されたとき、病は現れであるが、その病の源とは別物である。病と、その原因、究極的な源を混同してはならない。



Their meaning cannot lie in them, but must be sought in what they represent.
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • sought [sɔ́ːt] : 「seek の過去・過去分詞形」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • represent [rèprizént] : 「〜の代理人になる、〜の代理をする、〜を表す、描く」
❖ "Their meaning cannot ~ "「表れや象徴のもつ意味は、それ自体の中に存在することはあり得ない」。たとえば、ヘビは悪の象徴にされるが、ヘビ自体が悪であるわけではない。"but must be sought ~ "「しかし、表れや象徴のもつ意味は、それが代理を務めているものの中にこそ探されるべきなのだ」。悪の象徴であるヘビの中に悪の本質を探しても意味はない。ヘビが象徴している悪自体の中に、悪の本質を追求しなくてはならないのだ。



And they may thus mean everything or nothing, according to the truth or falsity of the idea which they reflect.
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • according [əkɔ́ː(r)diŋ] : 「〜によれば、一致した、従った」
  • according to : 「〜に従って、〜と一致して、〜に準じて、〜に照らして」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • falsity [fɔ́ːlsəti] : 「嘘、虚偽、欺瞞、不正直、不信行為、裏切り」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
❖ "And they may thus mean ~ "「このように、表れや象徴は、すべてを物語るか、あるいは、全く意味を成さないか、のどちらかである」。"according to the truth ~ "「それは、表れや象徴が反映する思考が真実であるか虚偽であるかによって決まるのだ」。虚偽なるものの象徴は、まったく意味がない。顧みる必要もない。真実なるものの象徴は、象徴自体がすべてを物語っている。あるいは、真実のすべてが象徴に盛り込まれている。



Confronted with such seeming uncertainty of meaning, judge it not.
  • confront [kənfrʌ́nt] : 「直面する、対決させる」
  • confronted with : 「〜に直面している、向かい合っている」
  • seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの、うわべの」
  • uncertainty [ʌnsə́ː(r)tnti] : 「確信のなさ、不確かさ、不確実さ、不確実性、不確定」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、裁く」
❖ "Confronted with such ~ "分詞構文、先頭に"Being"を補うといい、「そうのような表面的な意味の不確かさに直面したなら、」つまり、その象徴が、はたして真実の象徴なのか、虚偽の象徴なのか、表面的な見かけからは確かなことが言えなかったら、"judge it not"「判断してはいけない」。判断出来ないのだから、自分で判断しないことだ。判断をホーリー・スピリットに委ねればいいのだ。



Remember the holy Presence of the One given to you to be the Source of judgment.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
❖ "Remember the holy Presence ~ "「あなたに与えられた一なるものの神聖な存在が、判断の源になってくれることを思い出しなさい」。神があなたのために遣わせたホーリー・スピリットに判断を委ねなさい。なぜなら、正しい判断を行えるのは神だけであって、その神の使者であるホーリー・スピリットも正しい判断が出来るのだから。



Give it to him to judge for you, and say:
Take this from me and look upon it, judging it for me. 
Let me not see it as a sign of sin and death, nor use it for destruction. 
Teach me how not to make of it an obstacle to peace,
but let You use it for me, to facilitate its coming.
  • destruction [distrʌ́k∫n] : 「破壊、破滅、破棄」
  • obstacle [ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害物、邪魔」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • facilitate [fəsílətèit] : 「手助けする、促進する」
❖ "Give it to him ~ "「あなたのために判断してもらうために、その判断をホーリー・スピリットに委ねなさい」。"and say"「そして、次のように言いなさい」。"Take this from me ~ "意訳する、「判断しかねている象徴を私から受け取り、よく吟味して、私のために判断してほしい」。"Let me not see ~ "「その象徴が、罪や死の表れであると、私が見てしまわぬようにして下さい」。"nor use it for ~ "「また私が、その象徴を、破滅のために利用したりすることがないようにして下さい」。"Teach me how not ~ "「その象徴を、平和の障害にすることがないようにするにはどうしたらいいか、教えてほしい」。"but let You use ~ "「その象徴を、私のために、あなたに利用してもらいたい」。"to facilitate its ~ "「平和がやって来れるようにするために」。「象徴」という言葉を差し挟んで訳してみたが、これを「肉体」に置き換えてみると、意味が通りやすいだろう。つまり、肉体が罪や死の象徴であると見てしまわないように、どうぞ、その肉体を正しく判断して利用して欲しい、と、ホーリー・スピリットに願っているわけだ。肉体が平和の障害にならないように、破滅に利用したりしないように、肉体と正しく付きあっていく方法を教えてほしいとホーリー・スピリットに願っているのだ。
 
 
 
 
D. The Fourth Obstacle: The Fear of God
第四の障害:神への恐れ


1. What would you see without the fear of death? What would you feel and think if death held no attraction for you? Very simply, you would remember your Father.
  • feel [fíːl] : 「〜を感じる、感知する」
  • think [θíŋk] : 「〜を考える、〜を思う」
  • held [héld] : 「hold の過去形」
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
  • simply [símpli] : 「簡単に、分かりやすく」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
❖ "What would you see ~ "仮定法である、「恐れや死がなかったら、あなたは何を目にするだろうか」。"What would you feel and think ~ "ここも仮定法、「もし、死があなたを引きつけなかったら、いったい、あなたは何を感じ、何を思うだろうか」。"Very simply, you ~ "「一言で言おう、あなたは、あなたの父なる神を思い出すのだ」。幻想に捕らわれることがなければ、あなたは実相だけを思い、実相だけを目にするのである。つまり、神の世界を目撃し、神を思い出すのだ。



The Creator of life, the Source of everything that lives, the Father of the universe and of the universe of universes, and of everything that lies even beyond them would you remember.
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起点、原因」
  • universe [júːnəvə̀ː(r)s] : 「宇宙、銀河、全世界、全人類」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
❖ "The Creator of ~ "「命を創造した主、生けるすべてのものの源、宇宙の父なる神、あらゆる宇宙の中の宇宙の父なる神、そして、宇宙さえ超越したところに存在するあらゆるものの父なる神、」"would you remember"「あなたは、その神を思い出すのである」。解釈は不要であろう。朗読して、言葉の美しさを味わえばいい。



And as this memory rises in your mind, peace must still surmount a final obstacle, after which is salvation completed, and the Son of God entirely restored to sanity. For here your world does end.
  • memory [mém(ə)ri] : 「記憶、思い出」
  • rise [ráiz] : 「上がる、起立する、昇る、出てくる」
  • surmount [sə(r)máunt] : 「乗り越える、克服する、突破する」
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な」
  • obstacle [ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害物、邪魔」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • complete [kəmplíːt] : 「〜を完了する、仕上げる、終える、完結する、完成する」
  • entirely [entáiə(r)li] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら」
  • restore [ristɔ́ː(r)] : 「修復する、復元する、再構築する」
  • sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
❖ "And as this memory ~ "「そして、この神の記憶があなたの心の中に蘇るにしたがい、」"peace must still ~ "「平和が、最後の障害を乗り越えるに違いない」。"after which is ~ "「そして、その後、救いが完結するのである」。"and the Son of God entirely ~ "「こうして、神の子は完全に正気を取り戻すのだ」。"For here your ~ "「なぜなら、ここにおいて、あなたの世界は終焉するのであるから」。幻想の黒雲が完全に晴れ上がるのである。そのとき、あなたが信じていたこの幻想の世界は消滅し、宇宙は消えてなくなる。あなたの目の前に実相世界が開かれるのだ。天の王国はすぐそこにある。
 
 
 

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