●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-20.II.1:1 ~ T-20.II.2:6

 

II. The Gift of Lilies
ユリの贈り物
 
 
1. Look upon all the trinkets made to hang upon the body, or to cover it or for its use.
  • look upon : 「〜を見る」
  • trinket [tríŋkit] : 「小さなアクセサリー、ささやかな物、安物の宝石」
  • hang [hǽŋ] : 「〜をつるす、〜に掛ける」
  • cover [kʌ́və(r)] : 「〜を覆う、〜に覆いを付ける」
❖ "Look upon all ~ "「体に付けたり体を隠したり、体を利用するために取り付けたりする物、そのすべてをよく見てみなさい」。幻想の肉体を飾って、その幻想性を覆い隠すような小物を観察して見なさい。



See all the useless things made for its eyes to see.
  • useless [júːsləs] : 「使い物にならない、役に立たない、無用な、無駄な」
❖ "See all the useless ~ "「目に見えることのためだけに作られた無用なもの、そのすべてを見てみなさい」。実相を覆い隠す無用なものを観察しなさい。つまり、心の内面に向けられるべき視線を物体の表面に留めてしまうような無用なものをよく観察しなさい。



Think on the many offerings made for its pleasure, and remember all these were made to make seem lovely what you hate.
  • think on : 「〜を熟考する、思いを巡らす」
  • offering [ɔ́ːfəriŋ] : 「贈り物」
  • pleasure [pléʒə(r)] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • lovely [lʌ́vli] : 「愛らしい、かわいらしい、素晴らしい、すてきな、楽しい」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜を嫌う」
❖ "Think on the many ~ "「(肉体的な)楽しみのためだけに作られた多くの贈り物について思いを巡らしてみなさい」。"and remember all these ~ "「そして、それらのものが、あなたの忌み嫌うものを愛らしく見えるようにするために作られたのだと、思い出しなさい」。たとえば、あなたは罪の意識を忌み嫌っているが、そんな罪ある自己を憐憫し、卑下し、卑小な者として自分をアピールしたりする。卑小な自己を装うことで、本心を隠してしまうのだ。



Would you employ this hated thing to draw your brother to you, and to attract his body's eyes?
  • employ [emplɔ́i] : 「用いる、採用する、使用する」
  • hated : 「憎まれた、嫌われた」
  • draw [drɔ́ː] : 「〜を引き付ける、引き寄せる」
  • attract [ətrǽkt] : 「魅惑する、魅了する、引き付ける」
❖ "Would you employ ~ "「あなたは、こんな嫌いなものを、あなたの同胞をあなたに引きつけたり、同胞の目を魅了するために利用したいと思うのか」。どれもこれも、あなたの肉体(幻想)を飾る物は、あなたの本心を隠して他者を引き寄せる道具になっている。



Learn you but offer him a crown of thorns, not recognizing it for what it is, and trying to justify your own interpretation of its value by his acceptance.
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • crown [kráun] : 「冠、王冠、王位、帝位」
  • thorn [θɔ́ː(r)n] : 「とげ、はり」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する」
  • own [óun] : 「自分自身の、独自の、自らの、自己の」
  • interpretation [intə̀ː(r)prətéi∫n] : 「解釈、説明、解説」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
  • acceptance [əksépt(ə)ns] : 「受け入れること、承諾、承認、受諾、容認」
❖ "Learn you but offer ~ "「それは、同胞にイバラの冠を差し出していることだと学びなさい」。"not recognizing it ~ "「イバラの冠がいったい何なのか、認識しすることもなく」。たとえば、他者を憎んでいながら、それを隠すために愛している振りをすることは、結果的には、他者にイバラの冠をかぶせていることになる。なぜなら、あなたの憎悪をその他者に投射したのだから。しかも、あなたはそれに気付いていない。罪の意識を他者に投射することも同様である。他者の罪の意識に同情する振りをしながら、自分の罪の意識をイバラの冠に見立てて、他者の頭にかぶせてしまうのだ。しかも、そのイバラの冠の何たるかを認識していないままにである。"and trying to justify ~ "「そして、他者がイバラらの冠を受け入れることで、あなたはイバラの冠の価値についての解釈を自己流に正当化しようとするのである」。あなたが罪の意識というイバラの冠を他者の頭にかぶせ、他者がそれを受け入れると、あなたはそれを見て、やっぱりアイツは罪深いヤツだと評価し、罪があるのは自分ではなくアイツだったのだと、自分を正当化するのである。



Yet still the gift proclaims his worthlessness to you, as his acceptance and delight acknowledges the lack of value he places on himself.
  • still [stíl] : 「それでも、それでもやはり、いまだに、今もなお」
  • proclaim [proukléim] : 「 〜を明白に示す、公表する、宣言する」
  • worthlessness [wə́ːrθlisnis] : 「無価値、価値のないこと」
  • acceptance [əksépt(ə)ns] : 「受け入れること、承諾、承認、受諾、受理、容認」
  • delight [diláit] : 「楽しみ、楽しいこと、歓喜、大喜び」
  • acknowledge [əknɑ́lidʒ] : 「認める、承認する、同意する、認識する、受け入れる」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、〜を認識する、判別する」
❖ "Yet still the gift proclaims ~ "「しかし、そんな贈り物は、他者があなたにとって価値がないと宣言しているようなものだ」。たとえば、罪の意識というイバラの冠を他者にかぶせることは、つまり、そんな贈り物を贈ることは、他者が存在価値のない罪人だとあなたが宣言しているようなものだ。"as his acceptance and delight ~ "「それはちょうど、他者がそんな贈り物を喜んで受け入れたなら、それは、他者が他者自身を評価する価値がないと認めることと同じなのだ」。結局、肉体的な贈り物は、つまり、幻想の贈り物はどれをとっても、あなたと他者の価値を高めることはなく、逆に、互いの神の子として価値を辱(はずかし)めることになるのだ。



2. Gifts are not made through bodies, if they be truly given and received.
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
❖ "Gifts are not made ~ "「(本当の)贈り物とは、肉体を通してやり取りされるものではない」。"if they be truly ~ "「もし、贈り物が、真実、与えられたり受け取ったりされるものであるなら、」肉体を通してやり取りされるものではない。贈り物は、肉体という幻想レベルのことではなく、心という実相レベルのことなのだ。つまり、実相的贈り物こそが、本物の贈り物である。



For bodies can neither offer nor accept; hold out nor take.
  • neither [níːðə(r)] A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • accept [əksépt] : 「受け入れる、引き受ける、受諾する」
  • hold out : 「差し出す、提供する、提出する」
❖ "For bodies can ~ "「なぜなら、肉体は差し出すことも受け取ることも出来ないからだ」。"hold out nor ~ "「提供することも受領することも出来ないのだ」。肉体は、実相的真実を差し出すことも受け取ることも出来ない。幻想の肉体が実相をやり取り出来ないのは、当たり前と言えば当たり前だ。幻想は実相を保持出来ないのだから。



Only the mind can value, and only the mind decides on what it would receive and give. And every gift it offers depends on what it wants.
  • value [vǽljuː] : 「〜を評価する、重視する、大事にする」
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • decide on : 「〜を決める、〜を決定する、〜を裁判する」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
  • depend [dipénd] on : 「〜によって決まる、〜次第である」
❖ "Only the mind ~ "「心だけが評価出来るのだ」。"and only the mind ~ "「心だけが、何を受け取り何を与えるか、決めるのである」。"And every gift it ~ "「心が差し出す贈り物はすべて、心が何を望んでいるかに依存するのである」。実相的贈り物はすべて、心がそれを望み、与え、受け取ることになる。したがって、贈り物を見れば、その心が分かるのである。



It will adorn its chosen home most carefully, making it ready to receive the gifts it wants by offering them to those who come unto its chosen home, or those it would attract to it.
  • adorn [ədɔ́ː(r)n] : 「装飾する、魅力的にする、飾る」
  • chosen [t∫óuzn] : 「choose の過去分詞形、選ばれた、好きな」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • carefully [kéə(r)f(ə)li] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • ready [rédi] : 「用意ができている、準備が出来ている、支度が整った」
  • ready to : 「いつでも〜できる、すぐに〜できる」
  • attract [ətrǽkt] : 「魅惑する、魅了する、引き込む、引き付ける」
❖ "It will adorn its chosen ~ "「心は、細心の注意を払って、選んだ住家を飾るだろう」。心は実相世界を住家に選んだ。あるいは、心は、心の一番純粋で神聖な部分、神の祭壇を住家に選んだ。その実相世界の住家を飾るために、真実だけを選りすぐって贈ったり受け取ったりするわけである。つまり、神の祭壇を真実で飾るのだ。"making it ready to ~ "分詞構文、単純接続、「そして、心は、心が選んだ住家へやって来る者達、あるいは、住家がその魅力で引き寄せた者達へ、贈り物を差し出すことで、心が欲した贈り物を受け取る準備を整えているのだ」。あなたの心は、実相世界に引き寄せられる同胞達の心とのみ、贈り物をやり取りする。あなたが欲しいと思う真実を、あなたが同胞に差し出し、同胞はその真実をあなたにお返ししてくれるのだ。



And there they will exchange their gifts, offering and receiving what their minds judge to be worthy of them.
  • exchange [ikst∫éin(d)ʒ] : 「〜を交換する、〜をやりとりする」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、判断を下す」
  • worthy [wə́ː(r)ði] : 「〜に値する、〜するに足りる」
❖ "And there they will ~ "「そして、その選んだ住家で、同胞達は贈り物を交換するのである」。実相世界において、同胞達は真実を交換し、分かち合うのである。"offering and receiving ~ "「そして、彼らにとって価値があると心が判断したものを、彼らは差し出したり受け取ったりするのだ」。もちろん、交換されるものは真実だけに限らず、喜び、愛、平和、慈しみ、美、創造性、静寂、等々、実相世界の実在すべてが交換の対象となる。
 
 
 

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