2. Adjustments of any kind are of the ego. For it is the ego's fixed belief that all relationships depend upon adjustments, to make of them what it would have them be.
- adjustment [ədʒʌ́stmənt] : 「調節、適応、適合、加減、修正、調整、調停」
- of any kind : 「いかなる種類の」
- fixed [fíkst] : 「固定した、定着した、凝り固まった」
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- depend [dipénd] : 「〜次第である、〜による、〜を当てにする、信頼する」
- depend upon : 「〜に頼る、〜を当てにする、〜によって決まる、〜次第である」
- have : 「〜に〜させる」
❖ "Adjustments of any ~ "「いかなる種類の順応であっても、それはエゴのものである」。あなたに命じて順応させているものはエゴである。"For it is the ego's fixed ~ "ここは"It ~ that ~ "の構文ではない、「なぜなら、順応は、あらゆる関係性は順応に依存するというエゴの凝り固まった信念であるからだ」。"to make of them what ~ "「関係性を、エゴがそうあって欲しいと思うように作り変えるために、そうエゴは信じているのである」。回りくどい言い方をしているが、要するに、エゴは、あなたの関係性を作り変えて、真実から遠ざけようとするのである。関係性を真実から遠ざけ、エゴの思い通りの虚偽的な関係性になるよう、関係性を歪めるのだ。その歪められた関係性を維持するために、あなたに対して歪められた関係性に順応するように仕向けるわけである。したがって、順応の陰にはいつもエゴが控えているわけだ。
Direct relationships, in which there are no interferences, are always seen as dangerous. - direct [dáirekt] : 「直接の、率直な、遠慮のない」
- interference [ìntərfíərəns] : 「干渉、妨害、障害、邪魔、支障、衝突」
- always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、常に」
- seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
- dangerous [déin(d)ʒ(ə)rəs] : 「危険な、物騒な」
❖ "Direct relationships ~ "「何の干渉も存在しない、直接的な関係性は、常に危険なものと見なされる」。実在的な心と心の直接の結びつきは、何かがそこに割って入るわけにはいかないので(そのくらい密接で堅固なものだから)、その関係性を歪めるわけにはいかず、順応に導けないものであるから、エゴにとっては危険な存在なのだ。真実で結ばれる関係性は、干渉出来ないがゆえに、エゴにとっては厄介なのだ。
The ego is the self-appointed mediator of all relationships, making whatever adjustments it deems necessary and interposing them between those who would meet, to keep them separate and prevent their union. - appoint [əpɔ́int] : 「〜を任命する、選任する、指名する」
- self-appointed : 「自称の、自ら決めた」
- mediator [míːdièitər] : 「仲介者、媒介者、まとめ役、仲裁人」
- deem [díːm] : 「〜と考える、〜と見なす」
- necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
- interpose[ìntə(r)póuz] : 「間に入る、割り込む、介入する、干渉する」
- between [bitwíːn] : 「〜の間の」
- meet [míːt] : 「〜に会う、〜と会合する、〜と接触する」
- keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
- separate [sép(ə)rət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
- prevent [privént] : 「防ぐ、妨げる、防止する、阻む、阻止する」
- union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
❖ "The ego is the self-appointed ~ "「エゴは、あらゆる関係性の仲介役であると自らを自任している」。あなたがこの幻想世界で形成する特別な関係性には、必ずエゴが介入しているのだ。"making whatever adjustments ~ "分詞構文、単純接続、「そして、エゴが必要だと思った順応なら何でもかまわず作り上げ、出会うことになる者達の間にその順応を押し付けるのである」。"to keep them separate ~ "「それは、彼らを分離した状態に保ち、心と心が結合しないようにするためである」。真の関係性、神聖な関係性では、神の子の分離が解消され、心と心の結合が達成される。つまり、神の子は分離という幻想を払拭するようになるのだ。エゴの正体は幻想であるから、そんなことになったらエゴの存命に関わるのである。したがって、エゴは神の子を分離(幻想)の状態に留めようと必死になる。あなたの関係性が直接的な、神聖な関係性にならないように、真実から遠ざけ、歪め、無理やり介入して、あなたに対して作り変えられた関係性に順応するように迫るのである。
It is this studied interference that makes it difficult for you to recognize your holy relationship for what it is.- studied [stʌ́did] : 「故意の、わざとらしい、不自然な」
- interference [ìntərfíərəns] : 「干渉、妨害、障害、邪魔、支障、衝突」
- make : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
- difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
- recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
❖ "It is this studied interference ~ "ここは"It is ~ that ~ "の強調構文、「あなたの神聖な関係性をあるがままに認識することを困難にしているものは、この、(エゴによる)故意の干渉である」。あなたとホーリー・スピリット、あなたと神、あなたとキリスト、神の子と神の子、その間の神聖な関係性を、真実としてあるがままに受け入れることを妨害するのが、エゴの目的である。たとえば、神に対する不信感を煽り立て、あなたを無神論者に仕立て上げようとするのは、エゴである。他者に対して不信感を募らせ、あわよくば他者を憎み攻撃するように仕向けのも、エゴである。
3. The holy do not interfere with truth. They are not afraid of it, for it is within the truth they recognize their holiness, and rejoice at what they see. - holy [hóuli] : 「神聖な」
- interfere [ìntə(r)fíə(r)] : 「邪魔をする、妨げる、干渉する」
- interfere with : 「〜の邪魔する、〜に干渉する」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
- be afraid [əfréid] of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
- within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
- holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
- rejoice [ridʒɔ́is] at : 「〜を喜ぶ」
❖ "The holy do not ~ "「神聖なるものは、真実に干渉することはない」。"They are not ~ "「神聖なるものは、真実を恐れないのだ」。エゴは真実を恐れている。したがって、エゴは神聖ではない。"for it is within ~ "「なぜなら、神聖なるものが、彼らの神聖さを認め、喜びをもって見るのは、真実の中においてであるからだ」。要するに、真実こそが神聖であると認識し、真実を見ることは喜びなのだと、神聖なるもの達は自然に受け入れているのだ。したがって、その真実を恐れるはずはないし、その真実に干渉して歪めることなど思いもしないのである。あるがままを受け入れる、つまり、あるがままの真実を受け入れることこそ、神聖なのだ。
They look on it directly, without attempting to adjust themselves to it, or it to them. - directly [dəréktli] : 「直接に、真っすぐに、そのまま、率直に」
- without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
- attempt [ətém(p)t] : 「試みる、企てる」
- adjust [ədʒʌ́st] : 「順応する、適応する、慣れる」
❖ "They look on ~ "「神聖なるものは、真実を直接見るのである」。叡智をもって、直接的、全的に、真実を直覚するのである。"without attempting to ~ "「自らを真実に適応させようとか、真実を自らに合うように作り変えようとか、そんな試みをすることはない」。あるがままをあるがままに受け入れるのである。それが一番簡単で、自然なことだと知っているからだ。
And so they see that it was in them, not deciding first where they would have it be. - decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
- first [fə́ː(r)st] : 「そもそも、まず第一に」
- have : 「〜に〜させる」
❖ "And so they see ~ "「だからこそ、神聖なるものは、真実が自分の心の中にあると知っているのである」。ここで、"that it was ~ "と、過去形になっているが、ACIMでは、時制は気にしないこと。強いて言うなら、神聖なるものが神によって創造された時からずっと、真実は心の中に存在していた、というニュアンスである。"not deciding first ~ "「真実をどこに置いたらいいだろうかと、まず最初に考えるようなことはしない」。真実を作ることも、無理やりどこかに置き換えることもしない。真実が心にある、その真実を自然に受け入れるのである。
Their looking merely asks a question, and it is what they see that answers them. - merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
- ask [ǽsk] : 「〜を尋ねる、質問する、聞く、問う」
- question [kwést∫n] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
- answer [ǽnsə(r)] : 「〜に答える、〜に答えて言う」
❖ "Their looking merely ~ "「神聖なるものの、ものの見方は、単に、問い掛けるのみだ」。"and it is what they ~ "ここは"it is ~ that ~ "の強調構文、「彼らに答えてくれるのは、彼らが見ているものなのだ」。さて、短い文章であるが、非常に解釈が難しい。どういうことか? 真実との接し方を言っているのだろう。神聖なるものは、あれこれ詮索しない。真実を探そうなどとはしないのだ。なぜなら、真実はそこに、自分の心の中に、いわば、自然にころがっているからだ。だから、彼らは、心の中の真実に向かって、素直に、真実は何なのか、と問い掛けるのである。すると、真実は彼らに真実を直接語ってくれるのである。簡単に言えば、神聖なるものと真実の間に距離はない。彼らが目にしているものが真実であり、直接語り掛け得るものが真実である。こういうももの見方こそ、叡智によるももの見方だと言えまいか? 結局、神聖なるもの達は、叡智による真実との接し方を知っている者なのだ。極言すれば、神聖なるものは、自分が真実そのものであることを受け入れた者達である。・・・こんな解釈でどうであろう?
You make the world and then adjust to it, and it to you. - adjust [ədʒʌ́st] to : 「〜に適応する、順応する」
❖ "You make the world ~ "「あなたは、世界を作り、世界に順応する、あるいは、世界をあなたに順応させる」。あなたは、そこにある真実の実相世界を離れて、勝手にこの幻想の世界を作り上げた。その世界は虚偽の世界であるので、いかようにも作り変えられる。あなたは自分を虚偽なる世界に適応させようとし、あるいは、世界をあなたに都合のいいように作り変えようとするのだ。
Nor is there any difference between yourself and it in your perception, which made them both.- difference [díf(ə)r(ə)ns] : 「違い、差異、相違」
- between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
- perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
❖ "Nor is there any ~ "「あなたの知覚するところでは、あなた自身とこの世界の間に違いはない」。"which made them ~ "「共に、あなたの知覚が作ったものなのだ」。あなたは、神からの分離後、幻想のこの世界を心の外側に投射して作り上げた。また、自己を乖離し、真実なる自分とは異なるエゴ的な自分を、その幻想の世界の中に置いたのである。いわば、この幻想の世界と幻想のあなた自身は同じ穴のムジナ、というわけだ。ともに、あなたの心が深い眠りの中で見ている夢に過ぎないのである。その夢を、あなたの肉体的な感覚器官が知覚しているに過ぎないのだ。