●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-19.IV.C.9:1 ~ T-19.IV.C.10:9

9. The fear of death will go as its appeal is yielded to love's real attraction.

  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • appeal [əpíːl] : 「魅力、懇願」
  • yield [jíːld] : 「譲歩する、屈する」
  • yield to : 「負ける、屈する、屈服する」
  • real [ríː(ə)l] : 「実在的な、実質的な、現実の、実際の、本物の」
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
❖ "The fear of death ~ "「死に引き寄せられる気持ちが、愛の本当の引力に屈する時、死への恐れは過ぎ去って行くだろう」。実在の実相的愛に、幻想の虚偽的な死が屈するのである。つまり、夢から醒めるのだ。夢から醒めたとき、夢に登場した恐怖が嘘のように消えている。



The end of sin, which nestles quietly in the safety of your relationship, protected by your union with your brother, and ready to grow into a mighty force for God is very near.
  • end [énd] : 「終わり、端、最後、終局、終焉、終点、終了」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • nestle [nésl] : 「気持ちよく体をうずめる、見え隠れする」
  • quietly [kwáiətli] : 「静かに、音もなく、平穏に」
  • safety [séifti] : 「安全、無事、無難なもの 」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
  • union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
  • ready [rédi] : 「用意ができている、準備が出来て」
  • grow [gróu] : 「成長する、育つ、大きくなる、増える、増大する」
  • grow into : 「成長して~になる、~に向かって伸びる」
  • mighty [máiti] : 「強力な、力のある、巨大な、重大な」
  • force [fɔ́ː(r)s] : 「力、エネルギー、強さ、体力、腕力」
  • near [níə(r)] : 「近い、近くにある、接近した、近接した」
❖ "The end of sin ~ "「罪の意識の終焉、」"which nestles quietly ~ "「それは、あなたの(同胞との神聖な)関係性の安心さの中に、静かに体をうずめ、」"protected by your union ~ "「あなたと同胞との(神聖な関係性の)結合によって、守られ、」"and ready to grow into ~ "「神のための強力な力に成長する準備を整えている」。"is very near"「そういう、罪の意識の終焉は近いのだ」。罪、あるいは罪の意識の終焉が擬人化して描かれている。要するに、罪の意識が、あなたの心の奥深くで消滅して行くのである。その消滅の過程は、あなたと同胞との神聖な関係性や結合に守られて遂行し、やがて、消滅した後には、それは神のパワーとして生まれ変わるのである。



The infancy of salvation is carefully guarded by love, preserved from every thought that would attack it, and quietly made ready to fulfill the mighty task for which it was given you.
  • infancy [ínf(ə)nsi] : 「幼少、幼児、幼時、幼年期、幼年時代、初期」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • carefully [kéə(r)f(ə)li] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • guard [gɑ́ː(r)d] : 「~を守る、保護する、警備する」
  • preserve [prizə́ː(r)v] : 「~を保つ、保存する、貯蔵する、保護する」
  • preserve from : ~から保護する
  • thought [θɔ́ːt] : 「考え、見解、思想、思索、熟考」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • quietly [kwáiətli] : 「静かに、音もなく、平穏に」
  • make ready : 「準備する、備える」
  • fulfill [fulfíl] : 「果たす、全うする、実行する、遂行する、かなえる」
  • task [tǽsk] : 「任務、職務、仕事、課題」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "The infancy of salvation ~ "「救いという幼子は、愛によって注意深く守られ、」"preserved from every ~ "「救いの幼子を攻撃しようとするあらゆる思考から保護されている」。"and quietly made ~ "「そして、静かに、重大な仕事えを遂行するための準備が整いつつあるのだ」。"for which it ~ "「その仕事のために、救いはあなたにもたらされるのである」。少々、入り組んだ訳になってしまった。あなたには、神の子として、実相世界に目覚めて天の王国へ昇り、神の子たちの再統一を果たするという重大な任務が課せられている。その使命を果たすには、まず第一に、あなたが罪の意識から救い出されなくてはならない。罪が幻想に過ぎないことを認識し、受け入れて赦さなくてはならないのだ。そういう救いの過程が今始まっており、その意味では幼子である救いの過程は、神やホーリー・スピリットの愛に守られて、静かに、しかし、着実に現実化しつつあるのだ。



Your newborn purpose is nursed by angels, cherished by the Holy Spirit and protected by God himself.
  • newborn : 「生まれたばかりの、新生児の」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • nurse [nə́ː(r)s] : 「大事に育てる、~を養育する」
  • angel [éin(d)ʒ(ə)l] : 「天使、エンジェル」
  • cherish [t∫éri∫] : 「~を大事にする、大切にする」
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
❖ "Your newborn purpose ~ "「あなたの、新しく生まれた目的(救い)は、エンジェル達に、大切に育てられ、」"cherished by the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットによって大事に扱われ、」"and protected by ~ "「神自身によって守られている」。"newborn purpose"「新しく生まれた目的」とは、実相世界に目覚めて、罪の意識から解放されること。つまり、救いである。"angels"「天使達」とあるが、背中に羽根をはやして空を飛ぶ、あの天使を想像する必要はない。あなたより先に天の王国に昇った神の子達、と考えた方がいいだろう。つまり、アセンディド・マスター達である。エンジェルに限らないが、ACIMはキリスト教の用語を駆使して真実を語っているが、キリスト教を特別に強調しているのものではないし、キリスト教を推奨しているものでもない。キリスト教をもって語るのが、多くの人に一番理解されるだろうという配慮のもとで、ACIMが語られたのだ、と考えた方がいいだろう。したがって、キリスト教の用語を、たとえば仏教の用語に置き換えてもいいのだ。神を仏に、ホーリー・スピリットを観音菩薩に、実相世界を彼岸に、罪の意識を煩悩に、天の王国を極楽浄土に置き換えて読み直してみても、まったく不都合はない。そういう柔軟さをもってACIMを読んでいかないと、イエスの死後2000年も続いた宗教という名の上の軋轢、葛藤、闘争の歴史は、ACIM以後も続いてしまうことになろう。そういう既成の宗教からの解放もまた、ACIMの目指すところだと言えまいか? 



It needs not your protection; it is yours. For it is deathless, and within it lies the end of death.
  • protection [prəték∫n] : 「保護、擁護、予防、防御、防衛」
  • deathless [déθlis] : 「不死の、不滅の」
  • within [wiðín] : 「〜の内に、〜の中に」
❖ "It needs not ~ "「あなたの新しい目的は、あなたによって守られる必要はない」。"it is yours"「新しい目的は、あなたのものなのだ」。"For it is deathless ~ "「なぜなら、それは不死なるものであり、新しい目的の中に、死の終焉が含まれているからだ」。あなたによって守られる必要はない、と書いてあることに、おや? と思ったかも知れない。むしろ、新しい神聖な目的を是が非でも守っていくべきではないかと。しかし、あなたの新しい目的は、幻想世界のレベルのものではないのだ。それは、実相世界のレベルの目的であって、実相世界は永遠で不変の世界である。したがって、あなたの目的も永遠で不変であり、守る必要性はない。実相世界にあって、いったい何から守るというのか? もちろん、幻想世界の中にあっては、神聖な目的は変化流動から守られる必要はある。しかし、それはホーリー・スピリットの仕事であって、まだ実相レベルに至っていないあなたの力の及ぶ仕事ではないのだ。これが、ACIMのいう絶対他力性である。まだ幻想世界にとどまっているあなたは、実相世界のホーリー・スピリットに全面的に依存していいのだ。そうしなくてはならない。それが絶対他力である。



10. What danger can assail the wholly innocent? What can attack the guiltless?
  • danger [déin(d)ʒə(r)] : 「危険、危機、危難」
  • assail [əséil] : 「~を攻撃する、襲う、襲撃する、激しく非難する」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • innocent [ínəs(ə)nt] : 「潔白な、無罪の、無実の、罪のない」
  • attack [ətǽk] : 「~をアタックする、~を襲う、~を攻撃する」
  • guiltless [ɡíltlis] : 「罪のない、潔白な」
❖ "What danger can ~ "「いったい、如何なる危険が、完全に潔白な者を襲撃することが出来るだろうか」。"What can attack ~ "「罪なき者を、いったい何が攻撃出来るだろう」。あなたの、新しい目的(救い)を擬人化しているのである。新しい目的は完璧に実相的であり、したがって、完全に潔白で無辜(むこ)である。したがって、あなたの目的を攻撃出来るものなど存在出来ない。新しい神聖な目的をもったあなたを、誰も攻撃出来ないのだ。



What fear can enter and disturb the peace of sinlessness? What has been given you, even in its infancy, is in full communication with God and you.
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • enter [éntə(r)] : 「~に入る、~に参加する、~に立ち入る」
  • disturb [distə́ː(r)b] : 「邪魔をする、阻害する、当惑させる」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • sinlessness [sínlisnis] : 「罪のないこと、無辜(むこ)」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • infancy [ínf(ə)nsi] : 「幼少、幼児、幼時、幼年期、幼年時代」
  • full [fúl] : 「全部の、全面的な、徹底した、完全な」
  • communication [kəmjùːnikéi∫n] : 「伝達、通信、連絡、交信」
❖ "What fear can enter ~ "「いったいどんな恐れが、罪なきものの平和に踏み込んで乱すことが出来るだろうか」。"What has been given ~ "「あなたに与えられたものが、たとえ幼いものであっても、神やあなたとの、完全なコミュニケーションが出来るのである」。あなたはホーリー・スピリットから新しい神聖な目的を与えられた。あなたは聖なる目的を受け入れたのだ。その使命を身に帯びたのだ。目的も生まれたばかりなら、あなたも生まれたばかりの幼子である。その、実相的な新生の命を脅かす恐れなど存在出来ない。あなたの目的はあなた自身とコミュニケーションを保っており、あなたも神とのコミュニケーションを保っている。あなたの神聖な目的も、あなた自身も一人ではないのだ。実相世界の神やホーリー・スピリットとの絆は確実に続いている。



In its tiny hands it holds, in perfect safety, every miracle you will perform, held out to you.
  • tiny [táini] : 「とても小さい、ちっぽけな、極めて小さな」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、~を手に持つ、握る」
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完璧な、完全な」
  • safety [séifti] : 「安全、無事、無難なもの」
  • perform [pə(r)fɔ́ː(r)m] : 「~を行う、実行する、遂行する」
  • held [héld] : 「hold の過去形」
  • hold out : 「伸ばす、差し出す、提供する、提出する」
❖ "In its tiny hands ~ "「その小さな手に中に、あなたの新しい目的は、完全に安全な状態で、あなたがやがて遂行するであろう奇跡のすべてを握っている」。"held out to ~ "「そして、その小さな手を、あなたに差し伸べているのだ」。ここも、あなたの新しい目的を擬人化して述べている。この新生の目的をクリアーしたとき、あなたはすべての奇跡を実行出来るパワーを持つことになろう。さあ、早く目的に向けて行動しなさいと、その幼子は小さな手をあなたに差し伸べている。



The miracle of life is ageless, born in time but nourished in eternity.
  • life [láif] : 「命、人命、生命、寿命」
  • ageless [éidʒlis] : 「年を取らない、不老の、永遠の、時間を超越した」
  • born [bɔ́ː(r)n] : 「生まれた、生じた」
  • nourish [nə́ːri∫] : 「~を育てる、養う」
  • eternity [itə́ː(r)nəti] : 「永遠、無限」
❖ "The miracle of life ~ "「命の奇跡は歳をとらない」。"born in time but ~ "「命の奇跡は、時間という枠組みの中で生まれ、(実相世界の)永遠の中で育てられるのだ」。あなたは、あなたの肉体を得て、この時間の世界に生まれ出てきたかのように思っているかも知れない。しかし、その命は実相世界の中で永遠性を獲得するのだ。むしろ、命はもともと、実相世界の永遠なるものであって、時間の枠組みの中に生まれ出てきたような錯覚を覚えたに過ぎない、と言った方がいいだろう。



Behold this infant, to whom you gave a resting place by your forgiveness of your brother, and see in it the Will of God.
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • infant [ínf(ə)nt] : 「幼児、赤子、乳児」
  • gave [géiv] : 「give の過去形」
  • resting [réstiŋ] place : 「休憩所」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
❖ "Behold this infant ~ "「この幼子を見なさい」。"to whom you ~ "「その幼子に対して、あなたは、あなたの同胞を赦すことで、静かに休める場所を与えたのだ」。"and see in it ~ "「そして、幼子の中に、神の意思を認めなさい」。あなたは、ホーリー・スピリットの神聖な目的を受け入れ、あなたの新しい目的とした。それは、実相世界に目覚め、幻想の罪を赦して贖罪を果たし、救われ、天の王国へ回帰して神の子の再統一を果たすという壮大な目的である。その、新しい目的を持ったことで、あなた自身が生まれ変わったのである。ここで述べられている「幼子」とは、結局、再生したあなた自身なのだ。あなたが復活したのである。



Here is the babe of Bethlehem reborn. And everyone who gives him shelter will follow him, not to the cross, but to the resurrection and the life.
  • babe [béib] : 「赤ちゃん、赤ん坊、乳児、幼児」
  • Bethlehem [béθlihèm] : 「ベスレヘム」
  • reborn : 「再生した、生き返った、よみがえった、生まれ変わった」
  • shelter [∫éltə(r)] : 「避難所、シェルター、避難場所、待避所」
  • follow [fɑ́lou] : 「~に続く、~の後について行く、~に従う、追随する」
  • cross [krɔ́(ː)s] : 「十字架」
  • resurrection [rèzərék∫n] : 「生き返り、よみがえり、蘇生、復活」
❖ "Here is the babe of ~ "「ここに、ベツレヘムの幼子は生まれ変わったのである」。それはちょうど、ベツレヘムでイエスが生まれた情景と等しいではないか。今、あなたはキリストとなって、生まれ変わったのである。あなた自身の救いはもちろんのこと、あなたの同胞もまた、キリストとなって救い出さなくてはならない。それが、新生の目的であるからだ。"And everyone who gives ~ "「幼子に保護の場所を与えてくれる者達すべては、幼子に付き従うだろう」。"not to the cross ~ "「そして、付き従って十字架に向かうのではなく、」"but to the resurrection ~ "「復活へ、命へと向かうのだ」。あなたの神聖な目的に同調して付き従う同胞達を、あなたは救うであろう。そして、あなたと等しく、同胞達も新しい目的と共にその命を再生させるのである。幻想世界で、あたかも命が枯れたように生きて来た神の子達が、神聖な関係性の中で、神聖な新しい目的をもって、幻想を赦し実相世界に目覚め、救われ、その命を復活させるのである。あたかも、それは、2000年前のベツレヘムの幼子イエスの姿ではないか。つまりここには、今後、あなたはイエスとして生きていきなさい、というメッセージが込められているのだ。あなたはキリストなのだから。
 
 
 

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