●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-21.VII.11:1 ~ T-21.VII.12:7

11. In content all the questions are the same. For each one asks if you are willing to exchange the world of sin for what the Holy Spirit sees, since it is this the world of sin denies.

  • content [kɑ́ntent] : 「内容、中身、在中物、入っているもの
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • each [íːtʃ] : 「それぞれの、一つ一つの、めいめいの」
  • ask [ǽsk] : 「〜を尋ねる、質問する、聞く、問う」
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する」
  • exchange [ikstʃéindʒ] : 「〜を交換する、〜を両替する」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • since [síns] : 「〜なので、〜だから」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
❖ "In content all ~ "「内容的には、すべての問い掛けは、同じである」。"For each one asks if ~ "「なぜなら、各々の問い掛けは、あなたが、罪の存在する世界を、ホーリー・スピリットの見る世界と交換したいと望むかどうかを問うているからだ」。"since it is this ~ "「というのも、罪の存在する世界が否定する世界が、このホーリー・スピリットの見る世界であるからだ」。罪の存在する幻想世界を捨てて、その幻想世界が否定するところの、ホーリー・スピリットの実相世界へ目覚めたいと望むかどうか、そういう内容が四つの問い掛けに共通している、ということ。



And therefore those who look on sin are seeing the denial of the real world.
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • look on : 「〜を見る」
  • denial [dináiəl] : 「否定、拒否、拒絶、否認」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の、実質的な」
❖ "And therefore those who ~ "「したがって、罪の存在を目にする者は、実在する世界の否定を見ていることになる」。つまり、実相を否定する幻想を見ていることになる。知覚それ自体も(知覚だけではないが)、幻想世界に捕らわれているのだ。実相世界の否定が幻想世界である。



Yet the last question adds the wish for constancy in your desire to see the real world, so the desire becomes the only one you have.
  • last [lǽst] : 「終わりの、最後の」
  • add [ǽd] : 「加える、合計する、足す、追加する」
  • wish [wíʃ] : 「願い、願望、希望」
  • constancy [kάnstənsi] : 「不変性、恒常性」
  • desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
❖ "Yet the last question ~ "「しかし、最後の問い掛けは、実相世界を見たいというあなたの望みに、恒常性を持たせたいという願いを付け加える」。"so the desire becomes ~ "「そうして、望みは、あなたが心に抱く唯一の望みとなるのである」。何とも、堅い言い回しをしている。前段落からの引き続きである。初めの三つの問い掛けは、その願いがころころ変わるとして、前段落で批判された。しかし、四つ目の問い掛けは、三つの問い掛けとは違って、過去を幻想に過ぎない認識して赦すという作業が加わるものであった。その意味で、四つ目の問い掛けに対する答えは、覚悟が必要であり、一旦決心したら後戻り出来ない。心からそれを望まなくては達成出来ないものなのだ。心がころころ変わってはいけない。その事情を"adds the wish for constancy"「恒常性を持たせたいという願いを加える」と表現したのである。



By answering the final question "yes," you add sincerity to the decisions you have already made to all the rest.
  • answer [ǽnsər] : 「〜に答える」
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
  • sincerity [sinsérəti] : 「誠実、真実、誠意、正直、偽りのないこと、率直さ」
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • rest [rést] : 「残り、残っているもの、残りの部分、残余」
❖ "By answering the final ~ "「最後の問い掛けに『イエス』と答えることによって、」"you add sincerity ~ "「あなたがすでに、残りのすべての問い掛けに対して答えた決断に、誠実さを加えることになる」。あなたが本気であることが、ホーリー・スピリットに伝わるのだ。つまり、最後の問い掛けにあなたが『イエス』を発したとき、それが実相世界に向かうすべての始まりになるのだ。もはや、あなたの心はぐらつくことはあるまい。



For only then have you renounced the option to change your mind again. When it is this you do not want, the rest are wholly answered.
  • renounce [rináuns] : 「放棄する、捨てる、破棄する、断念する、やめる」
  • option [άpʃən] : 「選択、選択肢、選択可能物」
  • again [əgén] : 「再び、かさねて」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に、すっかり」
❖ "For only then have ~ "「なぜなら、ただその時においてのみ、あなたは、心を再び変えるというオプションを放棄してしまえるからだ」。もう、後戻り出来ない。熱い心をもって、旅の道を真っすぐに進むのみだ。"When it is this you ~ "「これが、あなたの望まないオプションであるとき、」つまり、心をころころ変えることを望まないとき、"the rest are ~ "「残りの問い掛けは、完全に答えられたことになるのだ」。こうして、まず第一に、罪を犯してしまったと信じ込んでいる過去を、それが幻想に過ぎなかったのだと知って、赦し、受け流すことからスタートするのである。そうすれば、実相世界への目覚めは近い。あなたは後戻りのオプションを捨てたのだから。



12. Why do you think you are unsure the others have been answered? Could it be necessary they be asked so often, if they had?
  • unsure : 「不確かな、確信のない、自信のない、不安な、不安定な」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • often [ɔ́ːfən] : 「しばしば、たびたび、ちょくちょく、しょっちゅう」
❖ "Why do you think ~ "「なぜあなたは、残りの問い掛けが答えられてしまっていることに確信がもてないと思うのだろう」。"Could it be necessary ~ "「答えられてしまっているのに、たびたび訊かれる必要性があるだろうか」。つまり、四つ目の問い掛けに答えてしまえば、残りの問い掛けを、とやかく考える必要はない、ということ。罪の過去を赦し、受け流してしまうことは、幻想世界を放棄することを意味し、直接、実相世界の希求を意味するものだから、わざわざ再び、実相世界に目覚めたいかどうか問い掛ける必要はないのだ。



Until the last decision has been made, the answer is both "yes" and "no. " For you have answered "yes" without perceiving that "yes" must mean "not no. "
  • until [ʌntíl] : 「〜する時まで」
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
❖ "Until the last ~ "「最後の決定にがなされるまでは、」"the answer is ~ "「答えは、『イエス』であり『ノー』である」。覚悟が定まらず、心がころころ変わってしまうので、実相世界に目覚めたいかどうか問い掛ければ、その答えも、その度に『イエス』であったり『ノー』であったりするのだ。"For you have answered ~ "「なぜなら、あなたは、『イエス』は『ノーではいやだ』ということを意味しなくてはならないのだと気付くことなく、『イエス』と答えてしまったからだ」。つまり、実相世界に目覚めたいのか、という問い掛けに対して、『イエス』とだけ答えるのではなく、その本心が『ノーではいやだ』という気持ち、つまり、実相世界に目覚めなくては絶対いやだ、という熱い情熱を感じさせなくてはならない。醒めた気持ちで安易に『イエス』と答えただけなら、すぐにも、心はころころ変わってしまうのである。



No one decides against his happiness, but he may do so if he does not see he does it.
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • against [əgénst] : 「〜に反対して、〜に逆らって、〜にそむいて」
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
❖ "No one decides ~ "「誰も、幸せに反するような決定はしない」。"but he may do ~ "「しかし、もし、自分がやっていることがわからないなら、幸せに反する決定をするかもしれない」。幻想世界にどっぷりと浸かっていることは、実は、幸せに反することなのだが、当の本人はそれに気付いていない。したがって、四つの問い掛けに対して、『ノー』と答える可能性をもった人たちも大勢いるはずだ。そして、幻想世界に転がっている、見せかけの幸せを追いかけて、それが人生の実体なのだと納得するのである。それもまた、一つの人生であるのだが。



And if he sees his happiness as ever changing, now this, now that, and now an elusive shadow attached to nothing, he does decide against it.
  • elusive [ilúːsiv] : 「とらえどころのない、理解しにくい、記憶しにくい、分かりにくい」
  • shadow [ʃǽdou] : 「影、暗がり、陰」
  • attach [ətǽtʃ] : 「付着する、付随する、帰属する」
❖ "And if he sees ~ "「もし、そういう人が、ころころ変わるものとして幸せを見ているなら、」"now this, now that ~ "「つまり、今はこれ、今はあれと、実体のないものにくっついている、うつろう影ばかりを追いかけているようであれば、」"he does decide ~ "「彼は、幸せに反する決定をしていることになる」。目先の、幻想の幸せ(elusive shadow)に目を奪われているようでは、本当の幸せは手に入らない、ということ。真の、実相的幸せは、幻想世界にころがっているようなものではないのだ。
 
 
 

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